建築の構造力学とはどんな学問?基礎的なことをご説明します。

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一般住宅をはじめとするさまざまな建物を建築するためには、構造力学を理解している必要があります。
ですから、建物を設計したり施工管理したりする資格を取得するためには、構造力学を学ぶ必要があるのです。
そこで、今回は構造力学の基礎をご紹介しましょう。
構造力学をおおよそでも理解していれば、注文住宅の設計を依頼するときなどに役立ちます。
また、建築施工管理技士の資格を取得したい方にとっても参考になるでしょう。
ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. 構造力学とは?
  2. 構造力学と建築物の関係
  3. 構造力学を学ぶ必要がある職業とは?
  4. 現在の構造物の種類とは?
  5. おわりに

1.構造力学とは?

構造力学とは、構造物が過重を受けた際に生じる応力や変形などを解析する学問のことです。
これだけでは、何のことかよくわからない方も多いでしょう。
では、もう少し具体的に説明します。
私たちの身の回りにある建造物は、いろいろな力がかかっているのです。
たとえば、住宅ならばそこに生活している人の体重や家具の重さなどが過重としてかかっているでしょう。
橋や道路ならば通行人や車両の重さが過重になります。
さらに、地球の重力も忘れてはいけません。
この過重が建物のどの部分を伝わって地面に伝達するのかを明らかにするのが、構造力学なのです。
土木工学の分野では、水力学、地盤力学と合わせて「3力(さんりき)」と呼ばれており、建築を設計したり施工管理したりするためには、必須の学問になります。

2.構造力学と建築物の関係

私たちの身の回りにある実用的な建築物は、どれも似たような形をしています。
特徴のあるデザインのものは、ほぼ観賞用でしょう。
それは、構造力学で建築物の形状ごとに耐えられる過重の大きさが明らかになっているからです。
また、過重がある一点に集中してかかったり、うまく地面に伝わらなかったりすれば建物は崩れてしまいます。
子どもの頃、ブロックを高く積み上げる遊びをしたことがある方も多いでしょう。
ただ単にまっすぐブロックを積み上げただけでは、ある程度の高さまで積むと自重で崩れてしまいます。
しかし、ピラミッド状にブロックを積み上げていけば、より高くたくさんのブロックが積めると経験で気づいた方もいるでしょう。
これも、構造力学の勉強の一種です。
ですから、構造力学の基礎だけでも理解していれば、「この構造の家に人が住めるのか」ということも判断できるようになるでしょう。

3.構造力学を学ぶ必要がある職業とは?

建物を設計する建築士や、建築物の施工や品質、行程、安全の管理を行う建築施工管理技士の資格を取得するためには、構造力学を学ぶ必要があります。
大学で土木工学を専攻しても構造力学の授業があるでしょう。
構造力学は建築学というより数学や物理に近い分野です。数式なども覚えなくてはなりません。
建物のデザインをしたいという方にとっては、「構造力学なんて興味がないし、難しくてよくわからない」という人もいるでしょう。
しかし、いくらデザイン性に優れた建物を設計しても、実際に使えなければ意味はありません。
世界中に優れたデザインの建物はたくさんありますが、あれらは構造力学を理解している建築士が設計したからこそ、建造できたのです。
また、建築士が設計を主に行うのに対して、建築施工管理技士は実際に建造物を建築する指揮をとる役割を担って(になって)います。建物を建築する過程でも構造力学への理解は大切です。
たとえば、高層ビルを建築する際に、どのように工事を進めていけば過重が均等にかかり安全に工事を進められるか、という判断を下すためには構造力学の知識が必要でしょう。
ですから、資格試験にも構造力学にかんするものが出題されるのです。

4.現在の構造物の種類とは?

では、構造力学に基づいて建てられた構造物の種類にはどのようなものがあるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。

4-1.材料で分類してみる

構造物の分類は、用途や材料、構造形式によって分けられます。
今回は構造力学に就いてご紹介しているので、材料と構造形式で分類してみましょう。
現在、日本の建築物は木、鉄、鉄筋コンクリートという3つの材料でできているものが大半です。
木は、木造住宅や木質構造という名称の建物に使われています。
木造住宅というと一般住宅を思い浮かべる人もいますが、重要文化財や国宝もほとんどが木造建築です。
また、コンサートホールなど大きな平屋の建物も、木を主な材料として作られることも多いでしょう。
鉄や鉄筋コンクリートは、アパートやマンションなどの集合住宅、さらに高層ビルなどの高い建物を作る際に使われています。
鉄骨構造や鋼構造、鉄筋コンクリート構造という名称で呼ばれているのです。
鉄筋コンクリートや鉄を使った建造物は木造の建造物よりも丈夫で耐震性に優れています。
しかし、その反面重くて高価なため、軟弱な地盤に建てられなかったり建築費用がかかったりするでしょう。
つまり、予算や建物の地盤の強さを考えて建築材料を選ぶ必要があるのですね。

4-2.構造で分類してみる

さて、構造とは建物の作り方のことです。建築物の多くは中が空洞になっていて人が生活したり通行したりしています。
空洞を作るということは、建物の重量が軽くなる反面、強度が弱くなり、構造力学を知らなければ人が使える建物は造れません。建物の構造には、「アーチ構造」「トラス構造」「ラーメン構造」の3つが代表的なものです。
アーチ構造というのは、宗教施設や橋などによく見られる構造で、半だ円を描くような空洞を作る構造。円形で膨らんだ天井を持つ建築物は、アーチ構造で造られています。
高い天井の荘厳な建物を作れますが、高層建築には向きません。
トラス構造とは3角形を組み合わせた構造です。
代表例をあげると、エッフェル塔や東京タワーはトラス構造で造られています。
接点がボルト等で結合されている場合は、自由に動かすこともできるでしょう。
建物のほか、クレーン車など動きがある機械もトラス構造で造られることが多いです。
ラーメン構造のラーメンとは、食べ物ではありません。
ドイツ語で「枠」という意味です。
その名の通り資格を組み合わせた構造をしており、現在の鉄筋コンクリート製のビルや住宅は、ほとんどこの工法で造られています。
四角を組み合わせた構造ですので、窓や出入り口が作りやすいのですね。
9月に茨城県で発生した水害で、濁流に耐えて有名になった住宅も、ラーメン構造で造られていました。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は構造力学の基礎についてご紹介しました。
まとめると

  • 構造力学とは、建物を建築した際にかかる過重の伝達の流れを明らかにする学問である。
  • 建築士や建築施工管理技士の資格を取得するには、構造力学を理解することが不可欠。
  • 構造力学を理解していなければ、デザイン性の高い建物を作ることも安全に建物を建築することもできない。

ということです。
素人が勝手に家を建てたり増築ができたりしないのは、構造力学を理解していない人が大きな建築物を作ると倒壊の危険があるため。
大工が、構造力学を学んでいなくても正確に家を建てられるのは、経験から培ってきた構造力学の知識が親方から弟子へと伝えられているためです。
また、設計がきちんと構造力学に基づいて行われていれば、土木工事をする人はそれに従って工事をしていけば問題ありません。ですから、決して目立つ学問ではありませんが、構造力学は大切なのです。

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