1級建築士

1級建築士の製図に必要な道具とは?試験の練習方法もあわせて解説

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1級建築士には、6時間30分以内に課題文の要求を作図する「設計製図の試験」があり、作図の道具を事前にそろえなければなりません。ただし、道具は必須のものと、あると便利なもの、試験会場に持ち込めないものがあるので注意が必要です。

今回は、設計製図の試験の概要をふまえ、試験に必要な道具の紹介をはじめ、製図の練習方法について解説します。

1級建築士の設計製図の試験とは?

設計製図の試験は、課題の内容や条件を満たす建築物を設計する知識と技能を、設計図書の作成をとおして測る試験です。学科試験の合格者のみが受験でき、試験の約2ヵ月前に課題が公表されます。

設計製図の試験では、利用者の利便性や周辺環境を考慮した計画の要点をまとめ、平面図や配置図などを作成します。課題文の読解力が要求されるため、理解度が不足していると主旨と異なる設計になるので注意が必要です。

設計条件から時間内に製図を完成させるには訓練を要します。実際の設計業務とは別物という認識で臨みましょう。

1級建築士の設計製図の試験に必要な道具一覧

1級建築士の設計製図の試験で使用する道具と、試験会場に持ち込めない道具を見ていきましょう。

製図試験の必須道具

設計製図の試験で最低限用意すべき道具と、道具を選ぶポイントは次のとおりです。

平行定規

平行定規とは、定規の付いた製図板のことで、設計製図の試験で欠かせない道具の一つです。

平行定規を選ぶ際は、持ち運びがしやすい、台の角度がつけられる、定規の微調整ができるものがよいでしょう。設計事務所に勤めている方は、会社から練習用に借りるのも一つの手です。ただし、平行定規は壊れやすいうえに、前の使用者の癖がつくため、中古ではなく新品を購入することをおすすめします。

三角定規

三角定規は、平行定規と併用することで、縦と横の直線が短時間で引けます。三角定規は厚みのあるものを選ぶと、しっかりとした直線が引けるでしょう。また、テンプレートつきの三角定規を選ぶと、2つの道具を使い分ける手間が省けます。

ただし、定規に目印をつける行為が禁止になるなど、ルールが頻繁に変更されるため、試験の注意事項を必ずチェックしましょう。

スケール

設計製図の試験におすすめなのは、折りたたみが可能なスケールです。一般的には三角柱の形をしたスケールを利用しますが、折りたためるスケールならかさばらず、机の上を広く使えます。複数のサイズを用意しても便利でしょう。

製図用シャープペンシル

一般的なシャープペンシルではなく、製図用を使いましょう。製図用はペン先が丈夫で、よりまっすぐな線が引けるためです。

図面の部分に応じて、芯の太さを変えるとメリハリが生まれます。例えば、壁や柱は0.9mmか0.7mm、サッシや間仕切りは0.5mm、家具や文字書きは0.3mmにするのがおすすめです。

消しゴム

消しゴムはエスキスの段階で多く使用します。一般的な消しゴムでも問題ありませんが、作図が終盤に差しかかったら、細かい部分が消せるペン型やスライド型、角が多い消しゴムなどを使うと作業がスムーズになるでしょう。

電卓

面積計算で必須の電卓は、加減乗除、ルート、メモリー、%機能、関数機能などがあるものを選ぶのがポイントです。計算間違いをチェックできるうえに修正も可能なので、時間短縮に役立ちます。

ただし、試験に持ち込みできる電卓の機能は限られているため、試験の注意事項を必ず確認し、予備の電卓も持参するようにしましょう。

設計製図の試験であると便利な道具

設計製図の試験で必須ではないものの、持っていると便利な道具を5つ紹介します。

蛍光ペン

蛍光ペンは、課題文にある重要事項をマーキングする際に便利です。キャップを取り外す時間と手間を省くため、フタがないノック式を選ぶことをおすすめします。

製図用ブラシ

製図用ブラシは、エスキスなどで出た消しゴムのカスを、図面を汚さずに取り除ける道具です。製図をきれいに仕上げることも合格に必要な条件なので、1つ持っておくとよいでしょう。

テンプレート

テンプレートは、円や楕円形、正方形、長方形などが簡単に描けます。正方形は柱を描くときに多く使うため、1つ持っておくと便利でしょう。

勾配定規

勾配定規は、勾配屋根の断面図で使用する道具です。勾配屋根以外ではほとんど使用しないため、課題が公表された際に用意するか判断しても遅くはないでしょう。

ドラフティングテープ

ドラフティングテープは、解答用紙を製図板に固定する際に使用します。テープを選ぶ際は、幅がなるべく広いタイプにするとはがれにくいので安心です。

試験会場に持ち込めない道具

設計製図の試験では、当日に持ち込めない道具として以下のものが定められています。

No. 試験会場に持ち込めない道具
1 ドラフター
2 問題用紙つり器具
3 認められる図形及び文字用以外の型板(テンプレート)
4 点線・破線等を引くことができる型板(点線スケール)
5 ソロバン
6 メモ用紙
7 トレーシングペーパー
8 電動消しゴム
9 「設計製図の試験」で定められている「必ず携行するもの」「携行できるもの」以外のもの

出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター
http://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/notes_on_the_day.html#cms1

また、平行定規と型板(テンプレート)についても、使用が認められないものもあるため、事前に確認が必要です。

1級建築士の設計製図の試験の練習方法

1級建築士の設計製図の試験に取り組むにあたり、作図は2~3時間以内で完成させることが望ましいといわれています。設計製図の試験を初めて受験する場合、作図を速くするためには以下の方法で練習するのがおすすめです。

図面のトレース

トレースとは、図面をそのまま描き写すことです。過去に行われた試験の標準答案例を使い、時間を計りながらくり返し模写しましょう。同じ図面を何度もトレースすることで、徐々に速く描けるようになります。ただし、最初は短時間で描くことを意識せず、作図の手順と作図アイテムの記憶を重視するとよいでしょう。

また、正しい図面表現とスケール感を身につけることも大切です。例えば、太い線と細い線の違いを意識したり、壁の厚さ、テーブルや棚などの大きさを確認したりしながら描くのがポイントです。

フリーハンドの作図も練習の一つ

設計製図の試験では、フリーハンドで作図しても問題ありません。フリーハンドの作図を練習しておくと、平行定規などの道具が壊れたときや、エスキスに時間をとられてしまったときなど、万が一の事態に役立つ可能性があります。また、道具を使用しない分、手間を省けるため作図のスピードアップにも効果的です。

ただし、通り芯をフリーハンドで描くと、正確な柱の位置が押さえられず建物全体がゆがんでしまいます。平行定規が壊れたときを想定し、三角定規などを使って描く練習もするとよいでしょう。

【1級建築士】設計製図は道具選びも重要

設計製図の試験の必須道具は、最適なものを厳選することが大切です。あると便利な道具は、試験の時間短縮につながります。試験当日に持ち込めない道具は、間違って持参しないよう注意事項をよく確認しましょう。

設計製図の試験に初めて挑む場合、トレースをくり返し行うことで、徐々に作図の時間が短縮できるようになります。フリーハンドもあわせて練習しておくと、試験当日に道具が壊れたり、時間配分がうまくできなかったりしたときでも安心です。

万全の態勢で試験に臨めるように、事前の準備をしっかりと行いましょう。

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