ボイラーの種類はどんなものがあるの? 構造や資格などをご紹介

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア Google+でシェア

ボイラーは燃料を燃焼させて得た熱を水に伝えて、水蒸気や温水に換える装置を指しています。商業施設や工場・オフィスビルなどにはボイラーが設置されており、快適な環境を維持し続けているのです。普段は、目にすることがない装置ですが、身のまわりには多種多様なボイラーが存在しています。そんなボイラーを扱うためには、資格を取得しなければなりません。そこで、本記事では、ボイラーの基礎知識や種類・取り扱いに必要な資格・ボイラー技士などについて説明します。

  1. ボイラーの基礎知識
  2. ボイラーの種類
  3. ボイラーの取り扱いについて
  4. ボイラー技士について
  5. ボイラーに関してよくある質問

この記事を読むことで、ボイラーの種類を把握し、必要な資格を取得するための情報を得ることができます。資格取得を考えている方はぜひ参考にしてください。


1.ボイラーの基礎知識

まず、ボイラーの定義や使用場所・目的、仕組み、法的規制について説明します。

1-1.ボイラーとは

ボイラーは、熱源を利用してお湯や蒸気を生み出す装置となります。私たちの身のまわりにあるものとしては、「やかん」がボイラーの仕組みと同じものです。やかんを火にかけると、水が沸騰して蒸気が発生するでしょう。そのお湯や蒸気を上手に利用して、ほかに供給する装置がボイラーです。ボイラー本体のほかに、火路・付属装置・付属品によって構成されています。

1-2.どこでどんなときに使われているか

商業施設や工場・オフィスビルなどの大型施設には、大型ボイラー設備が整っています。蒸留・加熱・減菌を行っているほか、室内の暖房や工場の生産ラインを動かしているのです。ボイラーがなければ、冷暖房などこれらの設備は機能しません。また、一般家庭においては、お風呂の給湯システムにボイラーが使われているのです。

1-3.仕組み

ボイラーは、温水・蒸気をつくるシステムです。具体的な内容は、種類によって異なりますが、熱源を利用して水を蒸気・温水に変え、供給しています。ここでいう熱源は、火気・燃焼ガス・高温ガス・電気などです。以下に、蒸気・温水を供給するまでの流れを記しました。

  1. 水または熱媒(熱の伝達に用いられる物質)をボイラーに補給
  2. 熱源で熱媒を加熱し、温水・蒸気(大気圧を超える圧力)を発生させる
  3. 蒸気または温水を供給する

1-4.法的規制について

労働安全衛生法に基づくボイラーおよび圧力容器安全規則により、ボイラーの設置・取り扱い・定期検査が規制されています。この法的規制により、一定以上の伝熱面積・最高圧力の取り扱い・保安監督は、有資格者が行わなければなりません。ボイラー技士・ボイラー取扱技能講習修了者・ボイラー取扱業務特別教育修了者が担当します。また、整備に関しては、ボイラー整備士が行うことになるでしょう。ただし、発電所に設置されているボイラーは、電気事業法に基づき設置認可・技術基準・使用前検査・定期検査が定められています。

2.ボイラーの種類

ボイラーの種類は、法規上・規模・構造の3点で分類されます。

2-1.法規上の種類

法規上では、簡易ボイラー・小型ボイラー・ボイラーの3種類があります。簡易ボイラーは、労働安全衛生法施行令第13条第25号に定めるボイラーの通称です。小型ボイラーは、労働安全衛生法施行令第1条第4号に定めるボイラーで、ゲージ圧力や伝熱面積が定められています。そして、ボイラーは簡易ボイラー・小型ボイラーのいずれにも該当しない大型のボイラーです。詳細は、「一般社団法人 日本ボイラ協会」のホームページを確認してください。

2-2.規模による種類

規模による種類は、伝熱面積の大きさによります。たとえば、小型ボイラーの場合は水頭圧0.1Pa以下で伝熱面積が8㎡以下、温水ボイラーの場合は伝熱面積14㎡以下が小規模ボイラーです。ボイラーの種類によっても伝熱面積に違いが出てくるため、きちんと確認しておかなければなりません。具体的な伝熱面積については、こちら(一般社団法人日本ボイラ協会のホームページ)で確認できます。

2-3.構造による種類

構造により、水管ボイラー・丸ボイラー・鋳鉄(ちゅうてつ)ボイラーの3種類に分けることができます。それぞれの特徴について以下にまとめてみました。

  • 水管ボイラー:伝熱部が水管になっているもの。貫流・強制循環・自然循環など、循環方法によってさまざまな種類がある
  • 丸ボイラー:鋼鉄製の水を満たした缶を主体としているもの。煙管・炉筒・炉筒煙管・立ボイラーなど、水缶の構造によってさまざまな種類がある
  • 鋳鉄(ちゅうてつ)ボイラー:鋳鉄(ちゅうてつ)を構造として用いたもの。セクションごとに分割しての搬入や修理ができる鋳鉄(ちゅうてつ)セクショナルボイラーがある

3.ボイラーの取り扱いについて

ボイラーの取り扱いに関して、どのような仕事があるのでしょうか。必要な資格などについても詳しく説明します。

3-1.仕事内容

具体的な仕事内容は関連資格の種類によって異なりますが、一般的なのは、ボイラーの操作・点検です。正常かつ安心・安全に稼働し続けるためには、有資格者による操作・点検が必要となります。

3-2.資格について

国家資格を取得しなければ、ボイラーの取り扱いを行うことができません。厚生労働省が認定している資格で、準拠する法律の労働安全衛生法に基づいた資格となります。最も代表的な資格と言えば、ボイラー技士です。ボイラー技士は、特定の資格を持っている人だけができる「独占業務」をすることができ、一定規模以上のボイラーの操作・点検ができます。独占業務ができる資格は、需要も安定しているため、就職・転職にも大きなメリットになるでしょう。

4.ボイラー技士について

それでは、ボイラー技士の概要や関連する資格、就職・求人、受験資格、試験概要などについて説明します。資格取得を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

4-1.概要

ボイラー技士は、国家資格の1つです。種類によって扱えるボイラーが異なるため、事前に把握しておかなければなりません。それでは、種類と主な職務についてチェックしておきましょう。

4-1-1.種類

ボイラー技士は、特級・1級・2級の3つがあります。それぞれ取り扱い可能なボイラーの大きさと種類を以下にまとめてみました。

  • 特級ボイラー技士:すべての規模のボイラー取り扱いが可能
  • 1級ボイラー技士:伝熱面積の合計が500㎡以内のボイラー取り扱いが可能
  • 2級ボイラー技士:伝熱面積の合計が25㎡以内のボイラー取り扱いが可能

また、小規模ボイラーの取り扱いができる「ボイラー取り扱い技能講習修了者」というものもあります。技能講習を修了した者は、ボイラー取扱者として小規模ボイラー・小型ボイラーに関する作業が可能です。

4-1-2.主な職務

ボイラー技士の主な職務は、ボイラーの監視・調整・検査・安全管理・異常時の対応などです。基本的に、ボイラーを安全運転させるための仕事を行います。工場における熱エネルギー源や事務所・学校・病院などにある建物の給湯システム、ボイラー設備が対象物です。

4-2.関連する資格

ボイラー技士に関連する資格と言えば、ボイラー整備士・ボイラー溶接士があります。ボイラー整備士は、ボイラーの整備ができる資格です。定期的にボイラーの使用を停止して、付属設備の点検や部品の交換・清掃などを行います。
ボイラー溶接士は、ボイラーの溶接作業ができる資格です。普通ボイラー溶接士と特別ボイラー溶接士の2種類があり、普通は溶接部の厚さが25mm以下のボイラー、特別は全ボイラーの溶接ができます。

4-3.職場・就職・求人について

ボイラー技士の主な職場は、ビル関連の会社や大型工場の建設を請け負っている会社・工場・病院・ホテルなど、ボイラーが設置されている場所が職場になるでしょう。ボイラー技士だけができる仕事となるため、就職・求人は安定しています。有資格者のほうが、就職・転職に有利です。

4-4.受験資格

ボイラー技士の受験資格は、特級・1級・2級によって異なります。それぞれの受験資格について、以下にまとめてみました。

特級ボイラー技士

  • 1級免許取得後、3年以上の実務経験
  • 大学・専門・高校でボイラー課程学科を卒業した後、2年以上の実務経験
  • エネルギー管理士有資格者で2年以上の実務経験
  • 海技士(機関1・2級)有資格者
  • ボイラー・タービン主任技術者有資格者で500㎡以上のボイラー取扱経験者

1級ボイラー技士

  • 2級免許取得後、1年以上の実務経験
  • 大学・専門・高校でボイラー課程学科を卒業した後、1年以上の実務経験
  • 厚生労働大臣が定める者

2級ボイラー技士

  • 大学・専門・高校でボイラー課程学科を卒業した後、3か月以上の実務経験
  • 海技士1・2・3級の有資格者
  • ボイラー実技講習を修了した者

詳細は、「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」のホームページをチェックしてください。

4-5.試験概要

ボイラー技士の試験日時・場所、受験料、申込方法について説明します。

4-5-1.日時・場所

ボイラー技士の試験は、公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施しています。特級が10月上旬ごろの年に1回、1級が年6~7回、2級が1か月に1~2回です。資格の種類によって日時が異なるので注意してくださいね。また、実施場所は、公益財団法人安全衛生技術試験協会の管轄住所のセンターで行われます。詳細は、こちら(安全衛生技術試験協会のホームページ)を確認してください。

4-5-2.受験料

ボイラー技士の受験料は、各級6,800円です。受験申請書に含まれている払込用紙を使って、郵便局または銀行で振り込みます。

4-5-3.申込方法

申込方法は、郵送か、センター窓口への持参になります。インターネットによる申し込みは行っていませんので注意してください。また、申し込みに必要な受験申請書は、受験を希望する各センターへの申し込みが必要です。詳細は、こちら(安全衛生技術試験協会のホームページ)をチェックしてください。

4-6.試験内容

ボイラー技士の試験は、筆記試験だけで実地試験はありません。特級・1級・2級それぞれの試験科目と時間について説明します。

特級ボイラー技士(各科目6問/計4時間)

  • ボイラーの構造に関する知識
  • ボイラーの取り扱いに関する知識
  • 燃料・燃焼に関する知識
  • 関係法令

1級ボイラー技士(各科目10問/計4時間)

  • ボイラーの構造に関する知識
  • ボイラーの取り扱いに関する知識
  • 燃料・燃焼に関する知識
  • 関係法令

2級ボイラー技士(各科目10問/計3時間)

  • ボイラーの構造に関する知識
  • ボイラーの取り扱いに関する知識
  • 燃料・燃焼に関する知識
  • 関係法令

4-7.注意点

試験科目は4科目と少なめですが、きちんと計画を立てて試験対策をすることが大切です。しかし、仕事や家事が忙しくて、なかなか勉強に充てる時間ができない方も多いでしょう。そこで、おすすめしたいのが、SATの通信講座です。SATの通信講座は、テキストとDVD映像がセットになっており、DVD映像はスマートフォンでも再生できます。また、分からないところがあれば、担当の先生にメールで尋ねることも可能です。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

5.ボイラーに関してよくある質問

ボイラーに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

5-1.取得しておいたほうが良い資格とは?

ボイラー整備士・ボイラー溶接士を取得するのも良いですが、危険物取扱者やビル管理士の資格もスキルアップに役立ちます。自分がどんなところで働きたいのか、どんな仕事をしたいのか、明確にすることで適切な資格が取得できるでしょう。

5-2.ボイラー技士の合格率が知りたい

特級の合格率は約20~30%、1級は約50~60%、2級は約50~60%です。取り扱えるボイラーの伝熱面積が広くなるほど、合格率も下がります。しかし、地道に勉強を続けていけば、合格の可能性が高まるでしょう。

5-3.実務経験がなくても2級ボイラー技士は取得できるのか?

2級ボイラー技士は、免許試験に合格することと実務経験を経ることが必要です。しかし、実務経験は、必ずしも実地修習を経なければならないというわけではありません。登録講習機関となる日本ボイラ協会各支部のボイラー実技講習を受講すれば、実務経験として認められ免許交付の要件を満たすことができます。

5-4.ビルなどの暖房用に使われるボイラーの種類とは?

鋳鉄製ボイラーがビルなどの暖房用や給湯用の低圧ボイラーとして使われています。鋳鉄は、低温低圧だけの使用となり、圧力や温度の急変には鋼製ボイラーに比べて弱い特徴があるのです。また、水部や蒸気部などの内部が狭く複雑になっているため、ボイラー水を循環使用する場合だけ用いられます。

5-5.真空式温水ヒーターとは?

一般的なボイラーは、缶体内で直接水を加熱して温水をつくります。ボイラーの種類である真空式温水ヒーターは、缶体内を減圧状態にして水を100℃以下の低温で沸騰させた後、蒸気を利用して水を加熱し温水をつくる仕組みです。そのため、ボイラーよりも熱交換が効率的・寿命が長いなどのメリットがあります。

まとめ

いかがでしたか? ボイラーの種類は、法令上・規模・構造によって複数の種類に分けることができます。また、ボイラーの点検や取り扱いをするためには、国家資格であるボイラー技士などの資格を取得しなければなりません。ボイラー技士は、特級・1級・2級と扱えるボイラーによって種類が異なります。事前に把握して、扱いたいボイラーに見合った資格に定めて勉強を始めてください。きちんと知識を深めておけば、ライフスタイルに合った勉強法でスムーズに取得できます。