ビルに設置されている排水設備の管理方法とはどんなことをするの?

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ビルの設備の中でも、排水設備は電気設備と並んで重要なものです。
もし、排水設備が壊れたり不備があったりすると、悪臭がしたりひどい場合には汚水が逆流してきたりすることもあるでしょう。そこで、今回は排水設備の管理方法をご紹介します。
なぜ、ビルの排水設備には管理が必要なのでしょうか?
また、管理方法の種類もご説明します。
ビルのオーナーの方や建築物環境衛生管理技術者の資格取得を目指している方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. ビルの排水設備とはどういうもの?
  2. 排水設備の点検や掃除を怠るとどうなるの?
  3. 排水設備の管理方法とは?
  4. 汚水槽や排水槽を汚れにくくするには?
  5. おわりに

1.ビルの排水設備とはどういうもの?

一般家庭では、排水は直接下水管へとつながっています。
下水が整備されていない場合は、浄化槽などが設置されている場合もあるでしょう。
ビルの場合は、一般家庭と比べると排水される水の量もけた違いです。
また、ビルの場合は地階もあるので、排水管を下水道本管よりも低い場所に設置しなければならないことも多いでしょう。
ですから、ビルから出た排水は、一度汚水槽や排水槽にためられてから排水ポンプを使用して下水道本管へと流されるのです。
つまり、汚水槽や排水槽にはいつでも一定の汚水がたまっています。
そのため、汚水槽や排水槽、さらに排水ポンプには汚れがたまりやすいのです。
ですから、定期的に点検や掃除をしなくてはなりません。

2.排水設備の点検や掃除を怠るとどうなるの?

では、排水設備の点検や掃除を怠るとどのような不具合が出るのでしょうか?
この項ではその一例をご紹介します。

2-1.悪臭

池や沼などの流れのない水からは、悪臭が発生しやすいです。
特に、汚水は文字どおり「汚れた水」のわけですから、悪臭も発生しやすいでしょう。
また、汚水槽も汚れがこびりついていきますから、水の臭いと水槽についた汚れの臭いが合わさったものが配水管から立ちのぼってくれば、ビル全体に悪臭が広がる場合もあります。

2-2.有毒ガスの発生

汚水の中には、いろいろな物質が混じっています。
その物質同士が反応したり発酵したりすると、有毒なガスが発生することもあるのです。
代表的なものは硫化水素。
これが万が一配水管を通って逆流してくると、大変なことになります。

2-3.害虫の発生

湿った場所には虫が発生しやすいのです。
害虫の代表格といえばゴキブリですが、そのほかにも羽虫などが発生することもあります。
小さな害虫といえども、大量に発生すればビルの運営にも支障が出るでしょう。

2-4.汚水の逆流

何らかの原因で排水ポンプがつまりうまく排水できなくなってしまうと、排水槽がいっぱいになり最悪の場合配水管から汚水が逆流してしまいます。
そうなると、トイレや水道設備がすべて使えなくなり、ビル自体も使用不可能になってしまうでしょう。

3.排水設備の管理方法とは?

では、排水設備はどのように管理するのでしょうか?
この項では、その方法の一例を具体的にご紹介しましょう。

3-1.排水設備の整備の頻度とは?

建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管理法)では、6か月に1回の割合で、排水設備の整備や点検などをしなければならないと定められています。
これを怠っていると法律違反となり、罰則の対象になるでしょう。
排水設備の整備や点検は建築物衛生管理技術者が、責任者となって行います。
といっても、建物衛生管理技術者自身が清掃や点検を行うのではなく、専門の業者に依頼してその結果を一定の期間保管しておくのです。
業者の選定や、どのような整備や点検をするのかは、建物衛生管理技術者の裁量で決めることもできます。

3-2.排水設備外部の点検

排水設備は、外観の点検も大切です。
設備に腐食やさびが浮いていないか、外部から異物が混入していないかをチェックします。
外部から異物が混入しやすくなっていると、つまりの原因になることもあるのです。

3-3.汚水槽や排水槽内の空気チェック

汚水槽や排水槽内は、定期的に洗浄が必要です。
ですから、汚水をすべて流してが清掃をすることもあります。
しかし、水槽内部には前述したように有害なガスがたまっている可能性もあるのです。
ですから、空気チェックも必要。
硫化水素と酸素濃度をチェックして、問題がなければ掃除を始めます。
また、掃除を行わない場合でも空気のチェックだけ行うこともあるのです。

3-4.汚水槽や排水槽の掃除

汚水槽や排水槽の中は、汚れています。
汚水の中に溶けこんでいる物質の中には、泥のように水槽の底に沈殿する物質もあるでしょう。
ですから、洗浄だけでなく汚泥の吸引も行う必要があります。
また、排水ポンプのチェックや掃除なども行うこともあるでしょう。

3-5.排水管の点検

汚水槽だけでなく、排水管の中にも汚水に混じっている汚れがこびりついていきます。
特に、ビル内に飲食店が入っている場合は廃油が排水管にこびりつきやすいでしょう。
排水管が汚れによって狭くなれば、つまりの原因になります。
ですから、定期的に内部をチェックして、場合によっては洗浄をしてもらいましょう。

4.汚水槽や排水槽を汚れにくくするには?

汚水槽や排水槽は、汚れることを前提に作られています。
しかし、水道の使い方しだいで汚れのつき方も変わってくるのです。
一例をあげると、油汚れをそのまま無造作に排水口に流せば、汚れがたまりやすくなるでしょう。
油汚れは可能な限りふき取ったり大量の油は廃油として捨てるようにしたりすれば、汚水槽の汚れはたまりにくくなります。
また、小さなゴミや髪の毛なども無造作に排水口に流し続けていれば、汚水槽は汚れがたまりやすくなるでしょう。
ですから、排水溝に小さなネットをつけて汚れを受けるようにすれば、汚れにくくなります。
さらに、水洗トイレにはトイレットペーパー以外のものを流さないようにしましょう。
汚水槽が汚れるだけでなく、トイレがつまってしまいます。
建築物環境衛生管理技術者は、このような水道の使い方をテナントに指導するのも仕事です。
特に、飲食店が多く入っているビルは、水をたくさん使う分汚水も多いでしょう。
汚水槽の清掃にはお金がかかります。
汚水槽を頻繁に掃除しなければならなくなると、それがビルの賃料などに反映されることもあるでしょう。
ですから、ビルの水道を丁寧に使うということが、テナントのためでもあるのです。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回はビルの排水設備の管理方法などについてご説明しました。
まとめると

  • ビルには排水設備が備えつけられており、一度そこに汚水をためてから下水道へ流す。
  • 汚水槽や排水槽は6か月に1度の整備が必要。
  • 整備の内容は空気や設備の点検、汚水槽の清掃などである。
  • 水道を丁寧に使えば、汚水槽も汚れにくくなる。

ということです。
ビルの排水設備は築年数がたったものほど汚れやすいでしょう。
ですから、古いビルほど水道の使い方には注意が必要です。
オフィスビルならばそれほど汚れないのでは?と思うかもしれませんが、洗面所の使い方が悪かったりすると汚れがたまります。また、普段の清掃も排水口にゴミなどを流さないように注意して行いましょう。
特に、掃除用具の洗浄には注意が必要です。
また、不特定多数の人が利用するビルの場合は水回りの掃除をこまめに行うことも大切でしょう。
さらに、悪臭や虫の発生が確認された場合はすぐに排水設備をチェックしてください。

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