第二種電気工事士

第2種電気工事士の技能試験に合格するためにやるべきことと本番の流れ

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第2種電気工事士試験は近年になって、試験回数が年に二回になったことや、技能試験の出題問題の候補を事前に公表するなど、取得しやすくなっています。

ここ最近の合格率も、筆記試験はおよそ60%、技能試験は約70%と高い水準を維持しています。

2017年には当時8歳(小学3年生)の合格者が出て話題になりました。

ただ、第2種電気工事士の技能試験は初めて受ける人にとっては筆記試験以上に心配という方も多いでしょう。

ここでは、第2種電気工事士の技能試験の内容や勉強方法、攻略のためのポイントについて、解説していきます。

1 技能試験本番までにやるべきこと

1-1 技能試験への準備は試験日の1ヶ月前から

第2種電気工事士試験は毎年2回、上期と下期に実施されます。

 

上期

下期

受験申込

3月中旬から4月上旬

筆記試験受験者8月上旬から中旬

技能試験からの受験者は9月上旬から中旬

筆記試験

6月上旬(日曜日)

10月上旬(日曜日)

技能試験

7月下旬(土曜日または日曜日)

12月上旬(土曜日または日曜日)

技能試験への対策は1か月ほどあれば十分です。

技能試験に備えるために、下記のフローに沿って進めていきましょう。

STEP1 技能試験候補問題を調べる
STEP2 工具・材料を揃える
STEP3 合格できる水準となるまで練習する

 

STEP1 技能試験の候補問題を調べる 

技能試験は毎年1月に一般社団法人電気技術者試験センター(https://www.shiken.or.jp/)から、技能試験候補問題が公表されます。

その年の技能試験は、そこで示される13の候補問題から1問出題され、その候補問題を練習していくことになります。

STEP2 工具・材料を調べる

技能試験では作業に必要な工具は受験者が用意することになっています。

最低限必要な工具は「指定工具」として示されています。

指定工具

・ペンチ
・ドライバ(プラスとマイナス)
・ナイフ
・スケール
・ウォーターポンププライヤ
・リングスリーブ用圧着工具(圧着マークが刻印されるJIS適合品)

このほかにも電動工具以外のすべての工具を使用することができます。

効率良く作業を進めるために、ワイヤストリッパ(電線や導線を覆っている被膜を剥くための工具)などの役立つ道具は準備したほうがよいでしょう。

さらに、試験会場の作業机は狭いので腰袋(道具入れ)を利用し、作業を行うために工具の取り扱いにも慣れておく必要があります。

次に、試験問題によって必要なケーブルや器具を揃えなければなりません。

インターネットショッピングを利用し、複数の業者から2万円前後で練習用材料セットが販売されており、そこでまとめて購入するのがおすすめです。

STEP3 合格できる水準となるまで練習する

①  試験時間の時間配分と素早く行うためのアドバイス

技能試験は40分という制限時間で、与えられた材料を使い作品を完成させます。

合格するためには、問題に示された施工条件を満たす作品を完成させ、さらに欠陥のない作品でなくてはいけません。

技能試験40分の時間配分は、次の表を参考にしてください。

作業

所要時間

作業内容

施工作品の確認

3分

配線図と施工条件を確認し、複線図を描く。

電線の加工

7分

電線の寸法を取り、切断と被覆をはぎ取る。

接続

25分

電線と器具、電線相互の接続。

作品の見直し

5分

極性など施工条件を確認し、作品の形を整えます。

また、時短のテクニックとして下記のものがあるので、是非参考にしてください。

・スケールの代わりとなる長さの目標をつくる(例 ケーブルを手で握ると○cm
・ワイヤストリッパを活用する
・電工ナイフの刃の部分に油性マジックで採寸のための目盛りを書き込む
・ケーブルの採寸、切断、剥ぎ取りを一度に行う

②  施工条件をしっかりと読む癖をつけよう

施工条件とは、課題を作るにあたって、守らなければいけないルールです。

例としては下記のようなものがあります。

・図のとおりに配線、器具の設置をすること
・配置によって電線の色が指定されている
・取付枠はコンセント部分に使用すること

施工条件をしっかり読まずに作業を初めてしまうと、途中で間違いに気付いても修正する時間がなくなってしまいますので、練習でしっかりと施工条件を読む癖をつけましょう。

電気技術者試験センターのホームページから、「技能試験の概要と注意すべきポイント」をダウンロードできるので、一読をすることをお勧めします。

③  技能試験で重要な3つの能力を意識しよう

さらに、第2種電気工事士試験の技能試験において「重視する3つの能力」も示されています。

ⅰ 回路を的確に構成する能力
ⅱ 配線図や施工条件を理解し遵守する能力
ⅲ 接続等の作業を的確に行う能力

言い換えれば、

ⅰ 配線図どおりの作品を試験時間内に完成させることができる。
ⅱ 指定された施工条件を守ることができる。
ⅲ 接続の基本作業を確実に行うことできる。

ということです。

技能試験の攻略のためには、この3点を意識した取り組みが必要です。

④  複線図を描いて正確な施工をしましょう

技能試験におけるもっとも重要なポイントは「複線図」です。

複線図とは配線の詳細な設計図のようなものです。

※簡単な設計図として単線図があります。

複線図は図解答として求められているわけではありませんが、これを正確に描くことができれば、合格の可能性が高まります。

複線図を描く時間を惜しんだために、大きなミスにつながることもありますので、複線図は必ず描いて、電線の切断前には再度確認するよう心がけましょう。

複線図を描く場所としては、問題用紙の下の部分に余白があるので、ここを利用して複線図を描きましょう。

また、判りやすくするために、多色ボールペンや色鉛筆を使ってもいいでしょう。

複線図は慣れていないと、どのように書けばよいかわからないかと思います。

しかし、出題される問題はスイッチ、コンセント、3路スイッチ、4路スイッチ、照明器具、パイロットランプなどで構成される基本的なパターンの組み合わせです。

それらをしっかり理解し、きちんと手順を踏めば決して難しいものではありません。

 

複線図を描く手順は原則として次のとおりです。

1. 配線図と同じ位置に電源(接地側と非接地側)や器具を描きます。
2. 接地側電線と負荷を接続します。電線相互の接続個所は●で塗りつぶします。
3. 非接地側電線とスイッチまたはコンセントを接続します。
4. 電線の色別を書き込みます。接地側電線は「白」、非接地側電線は「黒」です。
5. 電源から非接地側電線「黒」をスイッチまで、そして照明器具までたどり、
  照明器具
から接地側電線(白)で電源に戻ることができれば正しい回路です。
6. コンセントからは非接地側電線(黒)と、接地側電線(白)がそれぞれ電源まで
  戻っ
ていれば正しい回路です。
7. 配線図で「他の負荷へ」と書かれている場合は、非接地側電線(黒)と
  接地側電線(白)
とも、他の負荷まで延びている必要があります。

何度も練習すればスムーズに書けるようになるので、しっかりと練習しましょう。

また、電気技術者試験センターのホームページでは、過去の問題とともに解答として複線図、実態配線図、写真が公表されていますので、演習問題として活用ができます。

⑤  欠陥とされるポイントについても知っておこう

技能試験は作品が完成しても欠陥があると不合格となってしまいます。

たとえば、施工後の配線の長さが、問題として示される配線図の仕上がり寸法の50%以下になってしまった場合などが該当します。

実際にケーブルを切断する場合は、仕上がり寸法に加え、接続するために必要な長さも確保しなくてはなりません。

支給されるケーブルの長さは、作品に必要とされる長さに対し若干の余裕しかありません。

また、器具も必要個数しか支給されませんので、誤って切断したり、破損したりすることがないようにしましょう。

一方、施工寸法の多少の誤差やケーブルのよじれ、被覆の切り口が引きちぎったように不揃いであっても「欠陥」にはなりません。

美しく仕上げることは大切なことですが、細かいことにこだわるあまり、採点には無関係な部分で試験時間を使ってしまうのはもったいないです。

 

このほかに基本作業における「欠陥」の一例を示します。

基本作業例

欠陥例(一部)

ケーブルについて

外装の著しい破損(2cm以上の縦割れ、半周以上の横割れ)

芯線の深い傷

露出形器具への接続

極性の誤り。絶縁被覆の挟み込みやむき過ぎ。

埋込器具への接続

極性の誤り。芯線の露出。取付枠の未使用。

端子台への接続

ネジの締め忘れ。絶縁被覆の挟み込み。芯線のはみ出し

アウトレットボックス

電線管とアウトレットボックスが未接続。

ボックスコネクタが未使用。ボンド線の取付方法の誤り。

電線相互の接続

リングスリーブ刻印の不適正。芯線の挿入不足。

リングスリーブの破損。

 

欠陥の判断基準については、電気技術者試験センターのホームページに記載されているので一読しておきましょう。

 

2 技能試験本番の流れと、技能試験によくある失敗例

2-1 技能試験の前日にしっかりと準備しましょう。

試験会場内では工具の貸し借りは禁止されているので忘れ物は厳禁です。

受験票、工具、筆記用具など、受験に必要なものは前日のうちに準備しておきましょう。

筆記用具も複線図の記入だけでなく、受験者カード(マークシート)への記入もあるので、濃い鉛筆またはシャープペンシルも必要です。

2-2 試験当日の流れ

受験カードへの記入と回収が終わると、試験問題とともにケーブルと器具の入った箱が配られます。

試験開始の10分ほど前になると、試験問題に記載されている材料表と箱の中身の照合が指示されます。

万一、足りない器具がある場合はこの時に限り支給されます。

2-3 技能試験によくある失敗例

どんなに早く作業できても、施工条件を守れなかったり、欠陥があると合格できません

施工条件を守らなかったり、うっかりしていたためにやりがちな失敗例を次にあげるので参考にしましょう。

① 器具の位置が問題(配線図)と異なっている。
② 配線図で指定されたケーブルや、施工条件にある電線の色を守っていない。
③ 極性が指定されている器具へ、誤った配線をしている。
④ ネジで結線する器具で締め付けを忘れている。
⑤ 電線相互の接続が施工条件と異なる。

ミスをしないためにも施工条件はしっかりと読み、作業を開始してからも、落ち着いて確認しながら切断や結線作業を行うようにしましょう。

 

 最後に

今回は技能試験の勉強方法や攻略のポイントをまとめましたが、最も大切なのは実践です。

複線図を描き、電線を切断・加工し器具を付ける作業は、慣れるまで時間もかかりますし、失敗も繰り返すことでしょう。

しかし、上達していくと次第に、「配線図どおりの回路を作成できる喜び」を感じることができ、これがプロフェッショナルへの第一歩であると思います。

第2種電気工事士はそんなプロフェッショナルになるための第一歩です。

万全の準備をして試験に臨みましょう。

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