第二種電気工事士

【第二種電気工事士2024】技能(実技)試験の合格までの4ステップを解説!

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第二種電気工事士資格の試験には学科試験と技能(実技)試験があり、両方に合格する必要があります。合格率は、学科試験はおよそ50〜65%、技能試験は約60〜75%と高い水準を維持しています。

とはいえ、実技のある技能試験は、初めて受ける人にとっては学科試験以上に心配という方もいるでしょう。

ここでは、第二種電気工事士の技能試験の内容や勉強方法、攻略のためのポイントについて、解説します。

第二種電気工事士の試験概要

まずは、第二種電気工事士の試験日程を確認しましょう。

【令和6年(2024年)度版】試験の日程

令和6年(2024年)度の第二種電気工事士の学科と技能試験の日程は以下のとおりです。

項目上期下期
申し込み
受付期間
令和6年3月20日(月)~4月6日(木)令和6年8月21日(月)~9月7日(木)
学科試験【CBT方式】令和6年4月22日(月)~5月19日(木)
【筆記方式】令和6年5月26日(日)
【CBT方式】令和6年9月20日(金)~10月7日(月)
【筆記方式】令和6年10月29日(日)
技能試験令和6年7月22日(土)または 7月23日(日)令和6年12月14日(土)または 12月15日(日)

上記のとおり、学科試験の合格発表の後に技能試験の対策をするには時間が足りません。技能試験にの試験対策は、余裕をもって臨みましょう。

技能試験の場合は、前もって13種類の問題が公表されているため、合格率も高いのが特徴です。

ただ、事前準備をしておかないと合格はできないので、しっかり試験対策を進めましょう。次に技能試験の受験日や問題内容を紹介します。

技能試験の問題内容

項目詳細
試験内容配線図を使って配線の作業や施工
試験問題事前に公表されている候補問題から1題
試験時間40分
合格基準欠陥がなければ合格

技能試験で不合格になる方の多くがケアレスミスです。時間を意識しすぎて焦ってしまうと、つまらないミスをしてしまいます。

ミスをなくすには、実技の重要な基本作業、候補問題を繰り返して行うことです。この事前準備をしておけば合格に大きく近づきます。

技能試験本番までにやるべきこと

学科試験の本番が終わると休みたい気持ちが沸きますが、学科試験の合格発表から技能試験まで2~3ヶ月しかありません

試験勉強に費やす時間がこれだけしかないのは、不安が強くなります。独学で受ける予定の方ならなおさらでしょう。

技能試験への準備はなるべく早めに行おう

第二種電気工事士試験は毎年2回、上期と下期に実施されます。技能試験に備えるために、下記のフローに沿って進めていきましょう。

項目詳細
ステップ1教材を揃える
ステップ2技能試験候補問題を調べる
ステップ3工具・材料を揃える
ステップ4合格できる水準となるまで練習する

ステップ1 教材を揃える

まずは試験対策ができる教材を揃えましょう。

第二種電気工事士の技能試験のテキストはわかりやすいものがあるので、おすすめの本を紹介します。

ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士技能試験すい~っと合格

第二種電気工事士試験の学科編でも定評がある、すぃ~っと合格シリーズの技能試験編です。タイトルどおり、絵でイメージしやすいので、すいすい理解できます。

内容は、単線図を複線図にする描き方、毎年の候補問題、模擬試験、と盛りだくさんです。解説DVDも付いているのでお得です。間違えやすいポイントもわかりやすい説明があるので、つまらないミスを防げます。

第二種電気工事士はWeb講座での勉強もおすすめ

技能試験対策!動画とイラストでしっかり技能の練習が出来ます。

テキストが難しい、計画を立てて効率よく勉強する自信がないという方は、専門家によるサポートが受けられる通信講座がよいでしょう。

合格者の口コミには、本で理解できなかった方や、勉強に苦手意識を持っている方が動画のわかりやすさに感動している声が多くみられます。

テキストは内容が端的にまとめられているので、効率よく勉強ができます。

また、専門家である講師に質問することもできるので、わからない部分をそのままにすることなく、学習ができるのも大きなメリットです。

ステップ2 技能試験の候補問題を調べる 

技能試験は毎年1月に一般社団法人電気技術者試験センターから、技能試験候補問題が公表されます。

その年の技能試験は、そこで示される13の候補問題から1問出題され、その候補問題を練習していくことになります。

ステップ3 工具・材料を調べる

技能試験では作業に必要な工具は受験者が用意しなければいけません。
最低限必要な工具は「指定工具」として示されています。

No指定工具
1ペンチ
2ドライバー(プラスとマイナス)
3電工ナイフ
4スケール
5ウォーターポンププライヤ
6リングスリーブ用圧着工具(圧着マークが刻印されるJIS適合品)

このほかにも電動工具以外の全ての工具を使用できます。

効率よく作業を進めるために、ワイヤストリッパ(電線や導線を覆っている被膜を剥くための工具)などの役立つ道具は準備したほうがよいでしょう。

さらに、試験会場の作業机は狭いこともあります。腰袋(道具入れ)を利用し、作業を行うために工具の取り扱いにも慣れておく必要があります。

また、試験問題によって必要なケーブルや器具を揃えなければなりません。インターネットショッピングを利用し、複数の業者から販売されている2万円前後の練習用材料セットを購入するのがおすすめです。

ステップ4 合格できる水準となるまで練習する

①試験時間の時間配分と素早く行うためのアドバイス

技能試験は40分という制限時間で、与えられた材料を使い作品を完成させます。

合格するためには、問題に示された施工条件を満たす作品を完成させ、さらに欠陥のない作品でなくてはいけません。

技能試験40分の時間配分は、次の表を参考にしてください。

作業所要時間作業内容
施工作品の確認3分配線図と施工条件を確認し、複線図を描く。
電線の加工7分電線の寸法を取り、切断と被覆をはぎ取る。
接続25分電線と器具、電線相互の接続。
作品の見直し5分極性など施工条件を確認し、作品の形を整えます。

また、時短のテクニックとして下記のものがあるので、是非参考にしてください。

No時短のテクニック
1スケールの代わりとなる長さの目標をつくる(ケーブルを手で握ると〇cm)
2ワイヤストリッパを活用する
3電工ナイフの刃の部分に油性マジックで採寸するための目盛りを書き込む
4ケーブルの採寸、切断、剥ぎ取りを一度に行う

②施工条件をしっかりと読む癖をつけよう

施工条件とは、課題を作るにあたって、守らなければいけないルールです。例としては下記のようなものがあります。

No施工条件の例
1図のとおりに配線、器具の設置をすること
2配置によって電線の色が指定されている
3取付枠はコンセント部分に使用すること

施工条件をしっかり読まずに作業を初めてしまうと、途中で間違いに気付いても修正する時間がなくなるので練習でしっかりと施工条件を読む癖をつけましょう。

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電気技術者試験センターのホームページから、「技能試験の概要と注意すべきポイント」が公開されているので、一読をすることをおすすめします。

③技能試験で重要な3つの能力を意識しよう

さらに、第二種電気工事士試験の技能試験において「重視する3つの能力」も示されています。

No重視する3つの能力
1回路を的確に構成する能力
2配線図や施工条件を理解し遵守する能力
3接続などの作業を的確に行う能力

言い換えれば、

ⅰ 配線図どおりの作品を試験時間内に完成させることができる。
ⅱ 指定された施工条件を守ることができる。
ⅲ 接続の基本作業を確実に行うことできる。

ということです。

技能試験の攻略のためには、この3点を意識した取り組みが必要です。

④複線図を描いて正確な施工をしよう

技能試験におけるもっとも重要なポイントは「複線図」です。

複線図とは配線の詳細な設計図のようなものです。(※簡単な設計図として単線図があります。)

複線図は図解答として求められているわけではありませんが、これを正確に描くことができれば、合格の可能性が高まります。

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複線図を描く時間を惜しんだために、大きなミスにつながることもあります
複線図は必ず描いて、電線の切断前には再度確認するよう心がけましょう。

複線図を描く場所としては、問題用紙の下の部分に余白があるので、ここを利用して複線図を描きましょう。

また、わかりやすくするために、多色ボールペンや色鉛筆を使ってもいいでしょう。複線図は慣れていないと、どのように描けばよいかわかりません。

しかし、出題される問題はスイッチ、コンセント、3路スイッチ、4路スイッチ、照明器具、パイロットランプなどで構成される基本的なパターンの組み合わせです。

それらをしっかり理解し、きちんと手順を踏めば決して難しいものではありません。

複線図を描く手順は、原則として次のとおりです。

No複線図を描く手順
1配線図と同じ位置に電源(接地側と非接地側)や器具を描く
2接地側電線と負荷を接続する。電線相互の接続箇所は●で塗りつぶす
3非接地側電線とスイッチまたはコンセントを接続する
4電線の色別を書き込む。接地側電線は「白」、非接地側電線は「黒」。
5電源から非接地側電線「黒」をスイッチまで、そして照明器具までたどり、照明器具から接地側電線「白」で電線に戻ることができれば正しい回路。
6コンセントからは非接地側電線「黒」と接地側電線「白」がそれぞれ電源まで戻っていれば正しい回路。
7配線図で「他の負荷へ」と書かれている場合は、非接地側電線「黒」と接地側電線「白」とも、他の負荷まで延びている必要がある。

何度も練習すればスムーズに描けるようになるので、しっかりと練習しましょう。

また、電気技術者試験センターのホームページでは、過去の試験問題とともに解答として複線図、実態配線図、写真が公表されているので、演習問題として活用ができます。

⑤欠陥とされるポイントについても知っておこう

技能試験は作品が完成しても欠陥があると不合格となります。

例えば、施工後の配線の長さが、問題として示される配線図の仕上がり寸法の50%以下になってしまった場合などが該当します。

実際にケーブルを切断する場合は、仕上がり寸法に加え、接続するために必要な長さも確保しなくてはなりません。

支給されるケーブルの長さは、作品に必要とされる長さに対し若干の余裕しかありません。

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器具も必要個数しか支給されませんので、誤って切断したり、破損したりすることがないようにしましょう。

一方、施工寸法の多少の誤差やケーブルのよじれ、被覆の切り口が引きちぎったように不揃いであっても「欠陥」にはなりません。

美しく仕上げることは大切なことですが、細かいことにこだわるあまり、採点には無関係な部分で試験時間を使ってしまうのはもったいないといえます。

このほかに基本作業における「欠陥」の一例を示します。

基本作業例欠陥例(一部)
ケーブルについて外装の著しい破損(2cm以上の縦割れ、半周以上の横割れ)
芯線の深い傷
露出形器具への接続極性の誤り。絶縁被覆の挟み込みやむき過ぎ。
埋込器具への接続極性の誤り。芯線の露出。取付枠の未使用。
端子台への接続ネジの締め忘れ。絶縁被覆の挟み込み。芯線のはみ出し
アウトレットボックス電線管とアウトレットボックスが未接続。
ボックスコネクタが未使用。ボンド線の取付方法の誤り。
電線相互の接続リングスリーブ刻印の不適正。芯線の挿入不足。
リングスリーブの破損。

欠陥の判断基準については、電気技術者試験センターのホームページに記載されているので一読しておきましょう。

技能試験本番の流れと、技能試験によくある失敗例

技能試験の前日にしっかりと準備しよう

試験会場内では工具の貸し借りは禁止されているので忘れ物は厳禁です。受験票、工具、筆記用具など、受験に必要なものは前日のうちに準備しておきましょう。

筆記用具も複線図の記入だけでなく、受験者カード(マークシート)への記入もあるので、濃い鉛筆またはシャープペンシルも必要です。

試験当日の流れ

受験カードへの記入と回収が終わると、試験問題とともにケーブルと器具の入った箱が配られます。

試験開始の10分ほど前になると、試験問題に記載されている材料表と箱の中身の照合が指示されます。

万一、足りない器具がある場合はこの時に限り支給されます。

技能試験によくある失敗例

どんなに早く作業できても、施工条件を守れなかったり、欠陥があったりすると合格できません。

失敗例を次にあげるので参考にしましょう。

No失敗例
1器具の位置が問題(配線図)と異なっている
2配線図で指定されたケーブルや、施工条件にある電線の色を守っていない
3極性が指定されている器具へ、誤った配線をしている
4ネジで結線する器具で締め付けを忘れている
5電線相互の接続が施工条件と異なる

ミスをしないためにも施工条件をしっかりと読み、作業を開始してからも、落ち着いて確認しながら切断や結線作業を行いましょう。

第二種電気工事士の技能試験で最も大切なことは「実践」

今回は技能試験の勉強方法や攻略のポイントをまとめましたが、もっとも大切なのは実践です。

複線図を描き、電線を切断・加工し器具を付ける作業は、慣れるまで時間もかかりますし、失敗も繰り返すことでしょう。

しかし、上達していくとしだいに、「配線図どおりの回路を作成できる喜び」を感じることができ、これがプロフェッショナルへの第一歩となります。

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第二種電気工事士はそんなプロフェッショナルになるための第一歩です。万全の準備をして試験に臨みましょう。

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