【必読】主任無線従事者とは? ~資格取得方法や試験内容について~

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無線通信や無線電話そのほか電波を送り、または受けるための電気的設備を「無線設備」といいます。無線設備の操作は、法律上、主任無線従事者の資格を取得した者だけができることです。また、主任無線従事者は、現場で設備の監督を行うことができます。資格を取得するためには、試験をパスしなければなりません。しかし、「資格取得の方法がわからない」「仕事と勉強が両立できない」など、悩んでいる方は多いでしょう。そこで、本記事では、主任無線従事者とは何なのか、資格概要や取得方法などについて詳しく説明します。

  1. 主任無線従事者の基礎知識
  2. 主任無線従事者の資格について
  3. 主任無線従事者の資格習得について
  4. 無線従事者の資格について
  5. 主任無線従事者に関してよくある質問

この記事を読むことで、主任無線従事者の資格を取得するために必要な情報と知識を得ることができます。気になっている方や資格取得を考えている方は、ぜひチェックしてください。


1.主任無線従事者の基礎知識

主任無線従事者の資格を取得して働くためには、資格の概要や職務・決まりごとを知ることが大切です。試験を受ける前に、基礎知識をきちんと身につけておきましょう。

1-1.主任無線従事者とは

主任無線従事者の定義は、電波法第39条第1項に記載されています。主任無線従事者に関係する電波法は、1989年に改正されました。電波法によると「無線局(アマチュア無線局をのぞく)の無線設備の操作監督を行う者」が主任無線従事者です。改正後、アマチュア無線局・モールス符号による無線通信や遭難通信・安全通信・緊急通人などの例外をのぞき、無線従事者でなくとも無線設備を操作できるようになした。しかし、無資格者による操作の場合は、主任無線従事者の監督が義務づけられているのです。

1-2.できること・職務

主任無線従事者は、電波の送受信を行う無線設備の操作・監督を行うことができます。実際に、無線設備の操作だけでなく、無資格者に対する指導や監督、訓練計画の立案が可能です。また、無線設備機器の点検・保守・監督も行います。主な職務は以下のとおりです。

  • 主任無線従事者の監督を受けて無線設備の操作を行う者に対する訓練の計画立案・実施
  • 無線設備機器の点検・保守を行い、またはその監督を行う
  • 無線業務日誌などの書類を作成し、作成の監督を行う
  • 主任無線従事者の職務を遂行するために必要な事項について、免許人または登録局の登録人以外の使用者に対して意見を述べる
  • そのほか無線局の無線設備操作の監督について、必要と認められる事項

1-3.決まりごと

必要な主任無線従事者の員数は、通信量・運用実態などによって、免許人の判断にゆだねられています。ただし、無線設備操作の監督を行う者は、臨場性・指示可能性・継続性の3要素が必要とされているのです。

  • 臨場性:無資格者が行っている無線設備の操作状況を適切に把握できる状態
  • 指示可能性:無線設備の操作を行っている無資格者に対して、適時・適切な指示を行い得る状態
  • 継続性:主任無線従事者と監督を受ける無資格者が当該無線局の業務に継続的に従事し、教育・訓練の機会が確保されること

2.主任無線従事者の資格について

主任無線従事者の選任・資格のメリット・取得方法について詳しく説明します。

2-1.選任について

主任無線従事者は、無線従事者の資格取得者の中から選ばなければなりません。無線従事者の資格を取得していない方は、主任無線従事者の候補に含まれていないのです。そのため、まずは、主任無線技術者の資格を取得する必要があります。また、以下の項目に当てはまる者は、主任無線従事者になることはできません。

  • 選任を受けようとする無線局の操作・監督を行うために必要な無線従事者資格を持っていない者
  • 電波法令に違反したことにより、罰金以上の刑の執行後または執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
  • 無線局に従事することを停止されている者。また、その停止期間終了日から3か月を経過していない者
  • 選任を受けようとする無線局などに、選任日より前5年間において3か月以上の従事経歴を持っていない者

2-2.資格のメリット

主任無線従事者の監督の下であれば、無線従事者の資格を持っていない者が無線設備操作を行うことが認められます。そのため、無線局の免許人によっては、資格所有者配置の負担が軽減できるのです。主任無線従事者は、無線局において必要不可欠な存在といえるでしょう。

2-2-1.需要はあるのか

主任無線従事者の需要はあります。無線従事者の資格を取得していない者がいても、主任無線従事者を配置するだけで操作が行えるようになるのです。そのため、無線設備の免許人は、わざわざ資格所有者を採用する必要はありません。主任無線従事者は、無資格者による無線設備操作の監督・指導ができるため、無線従事者よりも需要の高い資格といえます。

2-2-2.主な職場

主任無線従事者の主な職場は、無線設備がある場所です。送信所・受信所・船舶の無線局・航空機の無線局などが挙げられるでしょう。私たちにとって無線設備は、電話やメールなどの通信に必要不可欠です。生活に必要な通信手段だからこそ、主任無線従事者の求人も安定しています。

2-3.資格の取得方法について

無線従事者の中から選任される主任無線従事者は、資格試験を受ける必要はありません。選任された6か月以内に、「無線設備の操作の監督に関し総務大臣の行う講習」を、期間ごとに受ける決まりとなっています。1度講習を受けた日から5年以内ごとの受講が義務づけられているのです。定期的に講習を受けることで、主任無線従事者として働くことができます。

3.主任無線従事者の資格習得について

それでは、主任無線従事者の講習内容について詳しく説明します。

3-1.講習について

先ほども話しをしたとおり、主任無線従事者は無線設備の免許人から選任された日から6か月以内に、定められた講習を受けなければなりません。講習は、日本無線協会主催で行われています。無線従事者規則により、3つの講習に区分されているのです。

  • 海上主任講習:海岸局・船舶局・海岸地球局・船舶地球局そのほか船舶の航行の安全に密接な関係のある通信を行う無線局に選任される主任無線従事者を対象
  • 航空主任講習:航空局・航空機局・航空地球局・航空機地球局そのほか航空機の航行の安全に密接な関係のある通信を行う無線局に選任される主任無線従事者を対象
  • 陸上主任講習:上記に規定する無線局以外の無線局に選任される主任無線従事者を対象

3-2.講習概要

基本的に、主任無線従事者の講習は、総理大臣の指定を受けた一般社団法人または一般財団法人でなければ講習を実施できません。現在は、日本無線協会が6月・10月・2月の年に3回実施しています。平成28年度より、本部では5月・8月・11月・2月の年4回の開催となりました。本支部で講習を行います。

3-3.講習の内容

講習の内容は、無線従事者規則に基づいています。海上・航空・陸上主任講習すべてにおいて、法規・無線設備の操作の監督・最新の無線工学と、3科目を受けなければなりません。時間は6時間、1日で終了します。修了した者には、主任無線従事者講習修了証が交付されるようになっているのです。また、講習手数料は26,900円、受講申請は事務所へ直接持ち込むか、郵送提出のどちらかとなります。受講申請書は、協会ホームページから印刷可能です。

3-4.注意点

主任無線従事者を解任され、別の無線局で再び選任された場合は、直近の講習を受けた日から5年以内に講習を受けなければなりません。きちんと受講しなければ、主任無線従事者として働くことはできないので注意してください。

4.無線従事者の資格について

主任無線従事者として働くためには、無線従事者の資格取得が必要不可欠です。そこで、無線従事者の資格概要や種類・試験概要・合格率・勉強法について説明します。

4-1.無線従事者の資格とは

無線従事者の資格には、さまざまな種類があります。自分が働きたい資格種類を取得するためにも、概要をきちんと把握しておきましょう。

4-1-1.資格概要

無線従事者は、国家資格の1つです。電波法に定める無線設備(無線通信・無線電話などに電波を送り、または受けるための電気的設備)の操作・監督を行います。無線局に対して、必要な資格といえるでしょう。無線設備を正しく稼働させるためには、無線従事者による操作・監督が必要です。

4-1-2.種類

無線従事者の資格種類は、1990年の改正電波法令の施行により、以下の8種類に分類されました。

  • 総合無線通信士:無線通信士の中でも最上資格。外洋航行船舶において大規模な通信設備の操作・監督から、モールス通信術など幅広い知識を有する
  • 海上無線通信士:大型外洋船舶規模設備の操作・監督を行う。モールス通信は扱えない
  • 海上特殊無線技士:船舶に備わっているレーダー無線設備の操作ができる
  • 航空無線通信士:航空機の中にある無線設備や運行管理などを行う無線設備の操作が可能
  • 航空特殊無線技士:個人・企業が持っている航空機・航空機を管理する無線設備の操作が可能
  • 陸上無線技術士:放送局用の大電力設備など、陸上の大規模な無線設備の監督・操作が可能
  • 陸上特殊無線技士:マイクロ波を用いた中継設備の操作が可能
  • アマチュア無線技士:アマチュア無線設備の操作が可能。空中線電力の場合は、1キロワット以下となる

航空関係の資格以外はすべて、等級があります。等級によって操作範囲が異なるため、試験を行っている日本無線協会のホームページで事前に確認しておきましょう。

4-2.試験概要

無線従事者の試験に年齢・経歴・国籍などの制限はありません。資格の種類ごとに行われる国家試験に合格すれば、無線従事者資格が取得可能です。試験実施日や試験のある資格種類は、月によって異なります。当日受付が可能な試験もあるため、日本無線協会のホームページを常にチェックしておきましょう。

4-3.合格率

無線従事者の中でも難易度が高いといわれている総合無線通信士は、無線工学の基礎・無線工学AとB・法規・英語・地理・電気通信術(実技)の試験を受けなければなりません。試験範囲が幅広いため、合格率はおよそ数%~20%となっています。地道に勉強をし続けていかなければ、取得は難しいといえるでしょう。しかし、きちんと試験のポイントを押さえて勉強をすれば、合格の可能性が高まります。

4-4.勉強法

仕事をしながら勉強を続けることは、なかなか大変な作業です。試験をパスするためにも、自分のペースで勉強できる通信講座をおすすめします。特に、「SATの通信講座」は、働きながらでも勉強できると好評を得ている教材です。試験のポイントを押さえたテキストと、スマートフォンでも再生可能なDVD映像がセットになっています。わからないところがあれば、先生にメールで尋ねることも可能です。ぜひ1度チェックしてみてはいかがでしょうか。

5.主任無線従事者に関してよくある質問

主任無線従事者に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

5-1.無線従事者の資格を取得する際の注意点とは?

無線従事者の中にアマチュア無線技士が含まれていますが、この資格を取得しても主任無線従事者に選ばれません。アマチュア無線技士は、主任無線従事者選任の対象外となります。

5-2.主任無線従事者の選任・解任時に届け出は必要か?

主任無線従事者を選任・解任する場合は、選任した無線設備の免許人や登録局の使用者などが届け出をしなければなりません。届け出は総務大臣へ提出します。また、選任された者に対して、6か月以内に受講を受けさせる必要があるのです。

5-3.主任無線従事者の選任基準とは?

無線従事者であることを前提に、以下の条件を満たさなければなりません。

  • たずさわる通信設備の有資格者
  • 過去5年間のうちに実務経験が3か月以上
  • 無線局で働くことを禁止されていない、または停止期間を終えて3か月以上経過している
  • 電波法に違反するなどして行政処分を受けた者は、刑の終わりから2年経過している

5-4.無線従事者は国家試験以外に取得できる方法はあるのか?

養成課程を修了すれば、試験を受けずに免許が取得できます。また、養成課程で取得できる資格は決まっているので注意が必要です。取得できる資格は以下のとおりとなります。

  • 第3級・第4級海上無線通信士
  • 第1級~第3級海上特殊無線技士
  • 航空無線通信士
  • 航空特殊無線技士
  • 第1級~第3級国内通信級陸上特殊無線技士
  • 第2級~第4級アマチュア無線技士
  • レーダー級海上特殊無線技士

5-5.無線従事者は永久資格か?

無線従事者の資格は、1度取得すれば永久に保持し続けられる資格です。免許の更新や講習は必要ありません。主任無線従事者になりたい方は、まず、アマチュア無線技士以外の無線従事者を取得しましょう。

まとめ

いかがでしたか? 主任無線従事者は、無線従事者の資格を取得している者の中から選任される役職です。無線設備の操作・監督、無資格者に対する指導を行うことができます。主任無線従事者に資格試験はありませんが、選任された時点から6か月以内に講習を受けなければなりません。また、前回の講習を受けた5年以内に、講習を受け続ける必要があります。変化し続けている無線設備だからこそ、新たな情報や学習が必要なのです。主任無線従事者になるための資格や講習内容をきちんと把握しておけば、スムーズに取得できます。