建設業法で建設業の許可を得るために必要とされる専任技術者とは?

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア Google+でシェア

専任技術者とは、建築業者が新たに建設業許可を得て営業所を開く時、必要となる技術者です。営業所を開設した後も、そこに常勤して営業所が請け負った工事の見積書を作成するなど、技術的なサポートをします。建築業には欠かせない技術者であり、専任技術者になることのできる条件を満たせば、転職にも有利です。

そこで、今回は建設業法で定められている専任技術者の職務や、専任技術者になる方法をご紹介します。

  1. 専任技術者とは?
  2. 専任技術者の役割や労働条件・選任要件
  3. 専任技術者になるための方法
  4. 専任技術者になるメリットや資格取得の方法
  5. 専任技術者に関するよくある質問

この記事を読めば、専任業者になることができる資格なども分かるでしょう。専任業者についての知識を得たいという方やなる方法を知りたいという方は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.専任技術者とは?

専任技術者とは、建設業に関して専門的な知識と技術を持つ技術者のことを指します。一定額以上の建設業を請け負う際は、国土交通大臣や各都道府県の知事から建設業許可をもらわなければなりません。建設業の定義や建設業許可をもらわなければ行えない工事の条件は、建設業法の第2条に記されています。

専任技術者が営業所に常勤していないと、建築業許可を得ることはできません。ですから、建築業者が新しい営業所を作りたい場合や、新たに建築業者を起ち上げたい場合に必要です。

なお、最近では悪徳リフォーム業者などが問題となったことにより、本来なら建設業許可が不要な工事を行う業者も、信用のために建設業許可を得るところが増えています。そのため、専任技術者の需要も高まっているのです。

2.専任技術者の役割や労働条件・選任要件

この項では、専任技術者の職務や勤務形態などをご紹介します。他の技術者と何が違うのでしょうか?

2-1.専任技術者の職務

専任技術者は、請負契約を適切に結んだり、工事の発注者と技術的なやり取りを担います。建築業者といっても、勤務しているすべての人が技術的な知識を持っているわけではありません。営業職に就いている方では分からないことも多いでしょう。

専任技術者は、技術的な面から請負契約のサポートを行います。ですから、原則的に現場に出ることはありません。現場で直接技術者たちを管理するのは、監理技術者や主任技術者の仕事になります。

2-2.専任技術者の勤務形態

専任技術者は、営業所に常勤していなくてはなりません。ただし、たとえば親会社の正社員であり、営業所に出向しているという場合は専任技術者になることができます。専任技術者になれるのは、1か所の営業所だけです。

他の営業所の専任技術者とかけもちをしてもいけませんし、通うことができない距離に住んでいる人も専任技術者になることはできません。また、アルバイトやパートとして働いている従業員が専任技術者になることは不可能です。

専任技術者が、監理技術者や主任技術者を兼ねることも原則的にできません。例外はありますが、極力行わない方がよいでしょう。また、同一法人の同一営業所でなければ、管理建築士や宅地建物取引主任者を兼ねることもできません。

2-3.専門技術者の選任要件について

建設業許可には、一般建設業と特定建設業があります。特定建設業は、発注者から元請として工事を受注し、さらに工事において3千万以上を下請けに出す必要がある場合に許可の取得が必要です(元請は4,500万円以上)。特定建設業では、一般建設業に比べて専任技術者になることができる条件が厳しくなっています。これらの条件については、次の項で詳しく説明しましょう。

3.専任技術者になるための方法

この項では、専任技術者になるための方法や、証明の仕方についてご説明します。どのような条件を満たしていることが必要なのでしょうか?

3-1.一般建設業の専任技術者になるための方法

一般建設業の専任技術者になるには、

  • 許可を受けようとする建設業種に応じて定められた資格を取得している(施工管理技士・技術士・主任技師など)
  • 許可を受けようとする建築業種について10年以上の実務経歴がある
  • 許可を受けようとする建設業種に関して定められた学歴を持ち、一定期間の実務経験がある

このどれかを満たしていることが必要です。ちなみに、建設業種は2つの一式工事と27の専門工事の合計29の業種があり、それぞれの工事ごとに許可が必要になります。ですから、電気工事業の許可を得たい場合は、電気工事に関する資格や実務経験が必要です。異なる種類の資格や実務経験を持つ技術者では取得できませんので、注意しましょう。

3-2.特定建設業の専任技術者になる方法

特定建設業の専任技術者になるには、

  • 一般建設業の専任技術者になる要件のうちどれか1つを満たしたうえで、許可を得ようとする建設業の種類で、元請けとして4,500万円以上の元請工事を2年以上指導監督した経験がある
  • 特定建設業の専任技術者になるために定められた資格を取得している(1級施工管理技士など)

ことが必要です。監理技術者として2年以上実務経験がある人ならば問題ありません。

3-3.指定建設業の専任技術者になるには

指定建設業とは、

  • 土木工事業
  • 建築工事業
  • 電気工事業
  • 管工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 舗装工事業
  • 造園工事業

という7種類の特定建設業のことで、指定建設業の専任技術者には、上記に挙げた事業の1級国家資格(施工管理技士など)の資格を取得しているか、大臣特別認定者である必要があります。

3-4.専任技術の証明方法

専任技術の証明とは、主に実務経験の証明のことです。複数の会社に勤めていたとしても、条件を満たしていれば問題ありません。また、実務経験を積んでから年数がたっていても大丈夫です。たとえば、5年前まで監理技術者として働いていたけれど、現在は主に事務職を行っている、という方でも問題ありません。

実務経験を積んだ会社が建設業許可を取っている場合は、建設業許可通知書や決算変更届のコピーが証明書になります。許可を取っていない会社の場合は、建設工事の契約書などを提出しましょう。

会社に確かに在籍していたという証明には、源泉徴収の領収書・厚生年金加入期間証明書・住民税特別徴収税額通知書などの原本・もしくはコピーを提出します。

指導監督を行っていたという証明は、指導監督的実務経験証明書に記したすべての工事の契約書・工事請負書などのコピーを、会社に在籍したという証明書類と共に提出してください。これらの書類がない場合は、実務経験の証明が行えません。

4.専任技術者になるメリットや資格取得の方法

この項では、専任技術者になるメリットや専任技術者になるための資格取得の方法をご紹介します。どのような資格を取得すればよいのでしょうか?

4-1.専任技術者になるメリット

専任技術者は、建設業許可を得るためには絶対に必要です。どのような建築業種であれ一定の需要はあるでしょう。

専任技術者になれば資格手当が出るのはもちろんのこと、定年を迎えた後も会社に残って欲しいといわれることもあります。転職にも有利でしょう。
専任技術者になれるだけの実務経験を満たしたら、証明に必要な書類は揃えておくといいですね。特に転職してしまうと、証明できる書類を集めるのも難しくなります。

4-2.専任技術者になれる資格とは?

専任技術者になることができる資格の代表的なものは、施工管理技士です。電気や土木・造園などいくつもの種類があり、1級と2級に分かれています。1級施工管理技士の資格を取得し、監理技術者としての実務経験があれば、その業種の工事を行う営業所ならどこでも専任技術者になれるでしょう。

施工管理技士になるには、実務経験など一定の受験資格を満たして試験を受け、合格する必要があります。施工管理技士の資格は自分の技術を客観的に証明できる資格でもあるので、取得しておけば主任技術者や監理技術者にもなれるのです。チャンスがあったらぜひ取得しておきましょう。

5.専任技術者に関するよくある質問

Q.主任技術者や監理技術者になった後、専任技術者になった方がよいですか?
A.そんなことはありません。条件を満たせば技術者から専任技術者になっても大丈夫です。

Q.最短で専任技術者になるにはどのくらいの実務経験が必要でしょうか?
A.最短では指定された大学・短大・専門学校などの単位を取得し、3年~5年の実務経験を積んで資格を取得すれば、一般建設業の専任技術者にことはできます。ですから30歳前後には取得できるでしょう。

Q.専任技術者になると、場合によっては引っ越しなども必要ですか?
A.営業所が通勤できない場所にある場合は、引っ越しが必要になります。

Q.女性でも専任技術者になることはできるでしょうか?
A.性別に関係なくなることは可能です。

Q.複数の建築業種の専任技術者になることは可能でしょうか?
A.不可能ではありませんが、実務経験を得る時間が必要ですので、とても大変です。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は、専任技術者になる方法などを中心にいろいろとご説明しました。専任技術者は建築業界で働き続けるならば、取得をしておいて損はありません。どのような業種であれ実務経験を積んだら資格を取得し、なれる条件を満たしておくといいですね。転職する際にも役立ちます。