解体工事を行える資格を知りたい!! 取得する条件は?

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解体工事とは、建築物を安全に壊して新しい建築物を建てられるようにする工事のことです。建物を建て直したり、老朽化した建物を壊したりする工事はこれからも増え続けると考えられています。近年まで解体工事業は、建設業許可業種区分において、とび・土木工事に分類されていましたが、平成26年度の法改正によって解体工事業が新たに新設されました。これにより、500万円以上の解体工事を請け負う業者は、新たに都道府県へ建設業許可の申請が必要です。

今回は、解体工事業を行う際に必要な資格をご紹介しましょう。

  1. 解体工事の基礎知識
  2. 解体工事事業を始めるには?
  3. 解体工事に関連する資格取得の方法
  4. 解体工事に関するよくある質問

この記事を読めば、解体工事を行える資格についてもよく分かりますよ。建設業に関する資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてくださいね。


1.解体工事の基礎知識

はじめに、解体工事の内容や需要、解体工事を行うために必要な資格などをご紹介します。どのような工事が解体工事にあたるのでしょうか?

1-1.解体工事とは?

解体工事とは、すでにある建物を解体して更地に戻す工事のことです。建物を建て直したり、老朽化した建物を壊したりする際に行われる工事であり、行うには専門の知識や技術・機材が必要になります。現在は建築基準法が厳しくなり、不特定多数が利用するビルや劇場・宿泊施設などの施設では、一定の消防設備を備えなければなりません。これを満たしていない施設が、次々と建て直されているため、解体工事の需要も高くなっています。

1-2.解体工事にはどのような種類があるの?

かつて、解体工事は建設業者が仕事の一環として行うものでした。解体する建物は木造の一般住宅が多かったので、人の手で解体することも難しくなかったのです。しかし、現在では建物の種類も増えたため、

  • 家屋解体工事(一戸建てやマンションなどを解体する工事)
  • スケルトン解体工事(内装だけを解体する工事)
  • その他の解体工事(庭石・樹木・ブロック塀など、エクステリアを解体する工事)
  • アスベスト除去(アスベストを除去する工事、要資格)

などに分かれています。業者に依頼する際は、請け負ってもらえる解体工事の種類をよく確認して依頼しましょう。

1-3.解体工事に必要な資格とは?

解体工事を行う際に必要な資格は

  • クレーン運転士や玉掛け技能士(高層ビルなどを解体する際はクレーンが必要)
  • 足場の組み立て等作業主任者(足場を作ったり解体することができる資格、マンション等解体に必要)
  • ガス溶接作業主任者(鉄骨などの金属を切断する際に必要)
  • 石綿作業主任者(アスベストの除去を行う際に必要)

などです。解体をする建物によって必要な資格は異なってきますが、このような資格保持者が常駐していなければ、解体業を行うのは困難でしょう。

1-4.解体業を行うために必要な資格とは?

解体業は、前述したように平成26年度までは建設業許可業種区分において、とび及び土木工事業・建設事業・建築工事業のいずれかを取得すれば、工事の一環として行えるものでした。しかし、法改正によって、現在は500万円以上の解体業を請け負う場合は、解体工事業の建設業許可が必要になっています。

建設業許可を得るには、主任技術者や監理技術者が現場監督として常駐していなければなりません。監理技術者や主任技術者に選任するには

  • 建築士
  • 建設機械施行技士
  • 土木施行管理技士
  • 建築施行管理技士
  • とび・とび工
  • ​解体工事施工技士(級の区分なし)

などの資格が必要です。ちなみに、これらの資格は1級と2級があり、2級は主任技術者、1級は監理技術者になることができます。主任技術者や監理技術者は、必ず現場監督として工事現場に常駐していなくてはなりません。

1-5.解体業を始めるために必要な許可など

解体工事は、建物を壊して終わりではありません。建築物を壊して出た廃材を処理施設に運んで処理をしてもらう必要があります。産廃を処理するためには、産業廃棄物収集運搬業許可を自治体から取ることが必要です。つまり、優良な業者は、各都道府県から解体工事業登録または建設業の許可と産業廃棄物収集運搬業許可を受けています。

この2つの許可は、都道府県ごとに申請するため、「全国どこでも出張して解体工事を行えます」という業者はごくわずかです。大抵は地元密着型の業者になります。また、業者によっては解体工事業登録や建設業の許可だけを取得し、産廃の運搬は別の業者に任せることもあるでしょう。

なお、産廃の中でもアスベストは人体に有害な物質のため、石綿作業主任者が作業を行います。このような許可を得ていない業者は、違法です。依頼しないように気を付けましょう。

2.解体工事事業をはじめるには

解体工事業者をはじめるには、事業を行う自治体へ解体工事業の建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可をの申請を行います。産業廃棄物の運搬は他の業者に任せたいという場合は、解体工事業の建設業許可だけで大丈夫です。この時、必ず主任技術者や監理技術者に選任できる有資格者をそろえておきましょう。平成28年度以前に他の区分で解体工事の建設業許可を得た場合は、5年以内に申請のやり直しを行ってください。なお、申請の仕方は各自治体によって異なるので、市役所のホームページに目を通しておきましょう。

許可を得ないまま、もしくは申請待ちの状態で解体工事を行うと違法です。また、産業廃棄物収集運搬業許可を得ないまま運搬を行い、なおかつ処理場以外の場所に捨てれば、不法投棄となります。解体工事を業者に依頼する場合は、業者が自治体から許可を得ているか必ず確認しましょう。

3.解体工事に関連する資格取得の方法

この項では、解体工事業を始める場合に必要な主任技術者や監理技術者になることができる資格取得の方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.主任技術者や監理技術者の必要性

主任技術者や監理技術者というのは、工事現場で施工管理や安全管理、技術者たちの指導監督を行う仕事です。工事が安全かつ計画的に行えるかどうかは、主任技術者や監理技術者の腕にかかっているといってもよいでしょう。主任技術者や監理技術者になるには、前述したような資格を取得することが必要です。
ちなみに、主任技術者は主に中小規模の工事現場の監督を行い、監理技術者は大規模な工事現場の監督を行います。

3-2.資格取得の方法

建築士や各種施工管理技士の資格を取得するためには、一定の実務経験を得た後で試験に合格する必要があります。建築施工管理技士の試験内容などはこちらの記事を、土木施工管理技士の試験内容の記事はこちらを参考にしてください。

建築士の資格を取得しても主任技術者や監理技術者になることができますが、現在、建築士の有資格者はほとんど建物の設計分野で活躍しています。ですから、主任技術者や監理技術者になりたい場合は施工管理技士の資格を目指しましょう。

解体工事施工技士を取得するには、全解工連が主催する試験に受けて合格する必要があります。一定期間の実務経験が受験資格となりますので、詳しくは工連のホームページを参考にしてください。解体工事施工技士の資格は、1級2級の区別がありません。ですから、資格を取得した場合は主任技術者にだけなることができます。

3-3.試験勉強のポイント

各種管理施行技士の試験は、合格率が20%~40%と決して高くはありません。また、ほとんどの方が受験勉強と仕事を両立しています。試験勉強の方法には、独学や講習会への参加・通信教材の利用などが一般的です。休日などにまとめて試験勉強を行うよりは、毎日30分でも勉強をしましょう。

4.解体工事に関するよくある質問

Q.解体工事業は1人で行うことはできますか?
A.20年ほど前までは個人の親方もいましたが、現在ではほとんどが会社組織となっているので難しいでしょう。

Q.解体工事と建設工事を両方行っている業者はありますか?
A.大規模な建設業者の場合は、解体部門や建設部門などを設けているところもあるでしょう。

Q.500万円以下の工事しか請負わない場合は、許可は必要ありませんか?
A.必要ありませんが、そのような工事はごくわずかです。

Q.今まで土木工事しかやったことはありませんが、土木工事施工管理技士の資格を取得すれば解体工事の現場監督になることはできますか?
A.現在のところは可能です。

Q.解体工事の将来性はどうでしょうか?
A.これから昭和40年代・50年代に建てられた建築物の多くが建て替え時期を迎えるため、需要は高まり続けると考えられます。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、解体業や解体工事を行うための届け出や資格についてご紹介しました。法改正が行われてまだ3年目ですので、解体業者を始めたい場合は、各自治体の担当課によく問い合わせてから許可を申請しましょう。他の区分で許可を得ている業者は、申請のし直しを忘れずに行ってください。