建築士学科講座

【1級】プロが教える合格試験対策とポイント

全体的な対策ポイント 一度で全てを覚えていくことは難しいです。全体像を掴んでから徐々に深めるように進めましょう。

スケジュールの大きな流れとしては、各科目を順番に行うのではなく、学習できる状況や時間など、またその気分に応じて、取り組む科目を変えていくといいでしょう。

単調で無理なスケジュールを組むとモチベーションも下がってきます。その時の気分や状況を考え、臨機応変に続けられるペースで取り組むように心がけてださい。
ビデオ講座に取り組む順番も学科Ⅰ計画からでなくて構いません。

また、1科目を全て終えてから次の科目という順番でなくても結構です。
テキストに関しても、はじめら順番に全て覚えていこうとする必要もありません。一度で全てを覚えていくことは無理です。全体像をつかんでから徐々に深めていくようにします。まずは浅く広く、徐々に全体を深くしていく。こんなイメージです。

ある程度学習が進みましたら、得意な科目とそうでない科目を把握する必要があります。
この試験の合格ラインは、全体の点数と各科目にも合格ラインが設定されます。まずは、不得意な科目をなくすことを意識してください。

では次に、具体的な学習の進め方を紹介します。
これまでの建築経験を踏まえた上で、次に紹介する4パターン(A ~D タイプ)を参考に大まかな自分の学習スタイルを決めてください。

タイプ別スケジュール 自身に合った学習スケジュールを考える

5科目を満遍なく得点するために、最初の自己分析が大切です。ここで、学習スケジュールの進め方や方向性が決まります。

建築学科を卒業し、0~数年の実務経験(想定年齢20代)

  • 建築業界で働く上で、一級は必要と思う。
  • 仕事が忙しくなる前に、勉強時間が確保できる間に取っておきたい。
  • 建築知識のベースはあるけど、効率よく試験対策を行ないたい。
  • 初めて受験するのでいろんな情報がほしい

実務経験あり。主に設計業務(想定年齢30~40代)

  • 建築会社に就職はしたけど資格がない
  • 学校を卒業してから10年以上経つので、学習内容をほぼ忘れている
  • 計画や法規にはある程度自信があるけど、構造や施工が苦手
  • 試験に関する情報を入手したい

実務経験あり。主に施工業務(想定年齢30~40代)

  • 建築会社に就職はしたけど資格がない
  • 学校を卒業してから10年以上経つので、学習内容をほぼ忘れている
  • 施工には自信があるけど、法規や構造がわからない
  • 試験に関する情報を入手したい

実務経験ほとんどなし(想定年齢40代~)

  • 受験資格は持っているが、建築における実務経験がほとんどない
  • 特定の業種に限って実務の経験がある
  • 転職や再就職をするために資格を取りたい。
  • 学校にはそれほど費用をかけることができない。
  • 試験に関する情報を入手したい

Aタイプ

最もアドバンテージのある属性で、試験勉強を行っていても学校で習っていたことを思い出せることが多いと思います。4つのタイプの中ではテキストによる学習の必要性は最も低く、できる人は、過去問演習を繰り返し行うだけで合格できるレベルに近づくことができます。

学習のポイントは、自分の得意科目と不得意科目を把握し、不得意科目を重点的に行うことと言えますが、概ね自分の苦手な科目は認識していると思いますので、不得意な科目を早い時期に克服しておくようにするといいでしょう。

また、在学中1,2年生で習った科目については忘れていることも多いと思いますので、これも早い時期に確認しておくようにしてください。

次の段階としては、得意な科目の点数を伸ばすことを意識した学習を行います。過去問題において8割から9割以上取れる科目が1つでも多くあると、点数を稼ぎやすくなります。

ある程度学習が進めば、過去の傾向や対策が自分なりにわかってくるようになると思いますので、効率よく点数が取れるような学習方法を意識しながら進めていくといいでしょう。

Bタイプ

設計事務所に勤務している。又は建築会社の設計部に所属しているこのタイプは、計画や法規には比較的強いのが特徴です

構造と施工については、得意な人と不得意な人に分かれる場合が多いかもしれません。ただその場合、自分の得意不得意は認識しているはずなので、不得意な科目を中心に学習を進めるのが重要と言えるでしょう。

構造が不得意と感じる人は、まずは構造力学の克服から行うようにしてください。ただし、構造力学だけをずっと行なっていると大変になってきますので、合間に得意な科目など他の科目を挟むようにします。構造については、まずはビデオ講義で解き方を理解すること、その次に、演習問題を繰り返し解いてパターンをつかむことがレベルアップの近道です。

施工が苦手と感じる人は、その分暗記学習に時間をかければいいですが、現場に行く機会を持てる人は、是非現場に足を運んでみてください。
実際の現場を見ることはとても印象に残り、また設計実務にも役立つ知識として身に付くと思います。

普段実務で関わっている法規ですが、実務と試験問題は違う部分もありますので、もちろん試験対策としての勉強は必要です。
過去問題の傾向を見ても問題のパターンが概ね決まっている科目ですので、数問練習して解けるようになれば問題はないと思います。

ただ、古い法令集や試験での使用が認められない法令集を持っている可能性がありますので、その点には注意してください。

Cタイプ

施工会社に勤めている、又は建築会社の工事部に所属しているこのタイプは現場に対する知識は誰よりも持ち合わせており、施工のテキストに書いてあることは概ね知っているということが多いです。

施工に対する対策のポイントは、自分の専門外の分野があれば、それについて学習すること。
例えば、木造を専門に行なっている会社だと鉄骨造についての知識があまりない場合があります。それと、現場の常識とテキストに書かれてあることが違う場合がありますので、その点には注意が必要です。

その他の科目である計画と法規、構造については、いずれも足切り点にかからないための学習が最低限必要です。(ぎりぎりを狙うと足切りにかかる可能性がありますので、少し余裕を見てください)

過去問題では、最低でも7割程度以上解けるレベルを目指してください。そのために、特に不得意と感じる科目に対しては早めの取り組みが必要と言えます。
じっくり時間をかけて取り組むつもりで頑張ってください。

特に構造力学と法規については、わからないところは繰り返しビデオを見るようにしましょう。また、よく出題される部分を重点的に行ない、あまり出題されないところには余計な時間をかけないなど、効率を考えた学習を行うことが大切です。

特に法規については、毎年出題されるような問題と、数年に一度しか出題されないというような問題傾向が謙虚に見られます。
数年に一度しか出題されない部分は範囲も広く、それを全て網羅する学習を行うのは効率が悪いと言えます。

Cタイプの人は、比較的体育会系の人が多いので、机に向かう学習は苦手な人が多いかもしれません。
まずは、1日に5分でもいいので、学習を行う習慣を身に付けることも意識をしてみてください。その5分が少しずつ長 くなってくると思います。

Dタイプ

他のタイプと比較をすると、試験の知識はそれほどないと言えますが、建築の世界に夢や目標があるのか、 4つのタイプの中で一番モチベーションを高く持っているのがこのタイプです。

試験対策において注意したい点は、そのやる気が空回り(効率の悪い学習をがむしゃらに行なう)になってしまわないこと。スタートの勢いが強くて、ペースダウンをしないようペース配分を考えること(=スケジュールを適切に組むこと)。自己中心的な偏った勉強にならないこと。などが挙げられます。

具体的な試験対策ですが、まずは全体像を浅くてもいいのでつかむようにしてください。一通りビデオを見て、取り掛かりやすそうな科目や出来そうと思う科目から入っていくといいでしょう。
苦手なところから入り壁にぶつかってしまうと、せっかくのモチベーションも下がってしまいます。

学習の方法ですが、効率を考えた学習方法で進めていただきたいと思います。
出題傾向を確認し、毎年のように出題されている項目を重点的に取り組むようにしてください。出題頻度の低い項目にはあまり時間をかけないようにしましょう。

長丁場になってくると思われますので、無理のない(学習を苦に思わない)ペースで行うこと。
短時間でもいいので勉強することを習慣化してしまうこと。また、学習方法に工夫(変化)を持たせることも意識してください。
朝1時間早く出社し、モーニングを楽しみながら勉強された人もいます。自分の性格を考え、飴と鞭を上手に使いながら学習に取り組んでください。