建築士学科講座

建築士とは?この資格と将来性について

  1. 建築士とは
  2. 年収・仕事内容
  3. 就職・独立・免除される試験
  4. 1日の内容

建築士とは 建築士とは建築設計と工事監理のプロフェッショナル!

国家資格である建築士は、建築士法において、建築士でなければできない設計又は工事監理の規定が定められています。建築の設計や工事監理を行う上で、必要不可欠な資格と言えます。

日本に限らず世界の産業界でなくてはならない建築業界、そんな業界の中で代表的と言える建築士資格。その価値はとても高く、社会的な信用も厚いと言えるでしょう。また、これからますます発展していくであろう日本の建築業界において、そして、今後、建築技術者の不足が懸念される中で、その価値はますます高くなっていくことが予想されます。
世界でも注目されている日本の建築業界で活躍できる、そんなライセンスを持つことができるのが建築士資格です。

建築士の種類は「一級建築士」と「二級建築士」と「木造建築士」

建築士の種類は「一級」「二級」「木造」と3つに分かれています。
いずれも仕事内容は同じですが、「設計や工事監理ができる建築物の規模や構造種別など」が異なります。

年収・仕事内容 建築士の仕事は幅が広い!

一口に建築士と言ってもその業務の幅はとても広く、様々な分野で活躍することができます。

仕事
01

建築設計

建築物を企画・発案する企画(意匠)設計(プランニング・デザイン)、そのプロジェクトの具体的かつ詳細な設計を行う実施設計、設備の計画を専門に行う設備設計、構造の計画を専門に行う構造設計などがあります。

小さいプロジェクトだといくつかの設計を掛け持ちして行なう場合もありますが、大きなプロジェクトになるほど、各設計は、それぞれの専門家が行うようになります。

仕事
02

申請手続き業務

建築主の代理人としての建築確認申請業務など、各申請業務を行います。申請手続きを行なわないと建築工事を進めることができません。申請業務以外にも、建築に関する相談を受けたり、コンサルティング業務を請けたりする仕事があります。

仕事
03

工事監理

建築現場に出向き工事が設計図の通りに実施されているかどうかのチェックを行います。工事のクオリティを確保する上でとても重要な役割です。

仕事
04

工事現場管理

いわゆる現場監督です。
各工事業者の協力の元、設計図面を形(建築物)にしていく仕事です。安全を確保した上で、作業日程や工法などの施工計画を立て、建物を完成まで導きます。

現場の作業は段取り1つで進捗や建物の精度が大きく変わります。現場管理の仕事はとても重要と言えます。

仕事
05

建築物の審査(評価)

完成した建築物を審査したり既存の建築物を評価したりします。

平均年収は一級建築士630万円、二級建築士500万円ほど。

平均年収は、一級建築士だと630万円、二級建築士だと500万円ほどとなっています。
ただし若手のうちはもう少し低い可能性もあります。
また務める業種や会社、経験年数などで差が生じます。

【A社】

年収例 1800万円/40代半ば/男性(月給25万円(同上)+同上1500万円)
1350万円/30代半ば/男性(月給25万円(同上)+同上1050万円)
810万円/20代後半/女性(月給25万円(同上)+同上510万円)
仕事の概要 リフォームの提案営業。プランニング・設計、施工管理まで一貫体制
求める人材 学歴不問
 ※不動産営業・建築業界経験者(設計・施工管理・積算等)歓迎
 ※40代・50代活躍中

【B社】

年収例 710万円/『住宅系建築技術職スタッフ』職の平均/平均固定年俸459万円
1070万円/施工管理業務:40代後半
880万円/設計プランナー業務:30代後半
仕事の概要 総合デベロッパーを実現する戸建住宅の建築技術全般/施工管理、設計など
求める人材 施工管理・設計等の実務経験をお持ちの方

【C社】

年収例 850万円/入社3年・31歳/一級資格者(前職年収450万円)…月給40万円+賞与…
780万円/入社3年・29歳/一級資格者(前職年収500万円)…月給36万円+賞与…
1150万円/入社11年・37歳・課長/一級資格者…月給45万円+賞与・諸手当
仕事の概要 施工管理業務全般/現場の責任者として物件の全てをお任せします。
求める人材 規模や建種問わず新築の施工管理経験がある方/前職よりも給与アップしたい方/実力を正当に評価されたい方

【D社】

年収例 800万円/月給55万円+賞与/53歳・経験13年
600万円/月給40万円+賞与/38歳・経験9年
仕事の概要 軽量鉄骨造(プレハブ・システム建築等)設計・積算、施工管理、マネジメント
求める人材 高卒以上
 ※建築設計、施工管理等の実務経験(年数不問)のある方
 ★経験の浅い方も歓迎

【E社】

年収例 800万円/月給60万円+賞与+手当(入社3年目・1級建築施工管理技師有資格者)
600万円/月給40万円+賞与+手当(入社2年目・50歳・無資格入社)
400万円/月給30万円+賞与+手当 (入社1年目・25歳・無資格入社)
仕事の概要 施工管理者として工程管理、安全管理、予算管理、現場管理、お客様管理をお任せします。
求める人材 年齢・学歴不問!
 ●何らかの施工現場での経験がある方(資格はなくてもOK)

年収を上げるためのポイント

  1. 実務経験を積むこと。
  2. より責任のあるポストに就くこと。
  3. 建築士資格、その他建築関連資格を取得すること
  4. 転職すること(大手企業など)。または業種を変えること。
  5. 独立すること(建築設計事務所など)

を行う必要があります。

就職・独立・免除される試験 建築業界は人材不足のため、関連業界への就職・転職は有利!

景気の上向きに伴い建築業界では工事の受注が増えてきています。それによって建築業界では建築技術者が不足しており、多くの会社で技術者(特に有資格者)を求めています。建築士免許の取得は、就職や転職に有利であると言えます。

また、有資格者の保有率の高い団塊世代の退職が相次いだことにより、有資格者不足が加速しています。建築士の需要はますます高まっていくでしょう。

主な就職先

  • 建築会社(ゼネコン、ハウスメーカー、工務店など)
  • 建築設計事務所(意匠系、構造系、設備系)
  • 住宅建材・設備メーカー
  • リフォーム会社、インテリアデザイン事務所

建築士事務所を設立し、活動することも可能!

近年では、20代で資格を取得し、数年後に独立を果たすなど、若くして独立する人も多くなってきています。
ある程度の勉強や準備は必要ですが、独立後は自分の采配で仕事を請けることができ、活躍の場が広がります。責任は自分自身にのしかかることになりますが、その分、やりがいも大きくなるでしょう。

もちろん、十分な経験を積んでからの独立という道も王道としてあります。自ら培ってきた技術や築き上げてきたネットワークを活かし、独立の夢を果たしている人も多いです。
また、設計事務所に留まらず、工務店や建築会社を設立する道も開くことができます。

免除される試験

  • 一級・二級建築施工管理技士の学科試験
  • 土地家屋調査士の筆記(測量)試験
  • インテリアプランナーの学科試験
  • インテリア設計士の実技試験
  • 建築積算士の一次試験

など

受験資格が得られる資格

  • 建築設備士
  • 社会保険労務士
  • 労働安全コンサルタント
  • 労働衛生コンサルタント

など

1日の内容 建築士の1日の仕事の流れ

CASE1設計業務

8:45 出勤
9:00 〜 12:00 設計図やプレゼン資料の作成
12:00 〜 13:00 休憩
13:00 〜 15:00 クライアントと打ち合わせ
15:00 〜 16:00 他業者と打ち合わせ
16:00 〜 18:00 設計図や申請書類の作成
18:00 〜 18:30 翌日の仕事の準備
18:30 退社

CASE2住宅建築の現場管理

8:00 出勤・仕事の準備
9:00 〜 12:00 現場(A)にて工事の進捗や作業内容を確認
12:00 〜 13:00 休憩
13:00 〜 15:00 現場(B)にて工事の進捗や作業内容を確認
15:00 〜 16:00 業者と打ち合わせ
16:00 〜 17:00 工法の検討や見積もり依頼など
17:00 〜 18:00 翌日の仕事の準備及び確認
18:15 退社

建築士の業務は「会社」と「現場」の2ヶ所が仕事場となる場合が多いですが、設計士においては、打合せのためにクライアント側に出向くこともあります。

現場管理は、住宅などの現場だと1日に複数の現場を回ったりすることもありますし、大きな現場だと、現場内もしくは現場近くに事務所を仮設で設立し、その現場事務所に常駐して働くこともあります。