公害対策基本法とはどんな法律? 公害防止管理者の役割と共に解説!

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公害対策基本法とは、公害防止の責務を明らかにし、公害防止対策を目的として定められた法律です。1993年に環境基本法が制定された後は統合され、基本法自体は廃止されました。しかし、今でも公害の定義や公害防止政策の基本は、この法律に定められたことに沿って行われています。そのため、公害防止管理者を取得するためには、法律を理解しておくに越したことはありません。
そこで、今回は公害対策基本法や公害防止対策について解説します。

  1. 公害対策基本法とはどんな法律?
  2. 公害防止対策について
  3. 公害防止に関する資格について
  4. 公害防止管理者の資格を取得する方法
  5. 合格をつかむ勉強方法について
  6. 公害防止に関するよくある質問
  7. おわりに

この記事を読めば、公害防止のために企業が行わなければならないことなどがよく分かるでしょう。公害防止管理者の取得を目指している人も、ぜひ読んでみてくださいね。


1.公害対策基本法とはどんな法律?

公害対策基本法とは、水俣病や四日市ぜんそくなどの公害病の発生を受け、1967年に制定された法律です。この法律は、公害の防止を目的とし、国や地方自治体などの公害防止に関する責務を明らかにしています。1993年に環境基本法が制定されて統合されるまで、公害防止に関する条例などはこの法律に沿って作られていました。環境基本法の中でも、公害防止対策は「環境の保全」として残されています。

2.公害防止対策について

この項では、公害防止対策の具体例について解説します。企業では公害防止のためにどのような取り組みをしているのでしょうか?

2-1.公害防止に取り組む組織とは?

現在、公害を発生させる可能性がある工場(指定工場)では、公害防止管理者の有資格者を選任する義務があります。また、工場の規模によっては公害防止統括管理者を頂点とする公害防止組織を作らなければなりません。公害防止組織の設置条件などは、1971年に定められた「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」内で定められています。

2-2.特定工場とは何か

前述したように、特定工場とは、公害防止管理者を中心とした公害防止組織の設置が定められている工場です。

  • 物品の加工を含む製造業
  • 電気供給業
  • ガス供給業
  • 熱供給業(ごみ処理工場など)

以上の工場のうち、ばい煙・粉じん・汚水・騒音・振動・ダイオキシンを発生させる施設が付随しているものが、特定工場の条件になります。特定工場は、ばい煙発生量が1時間当たり4万立方m以上で、かつ排出水量が1日当たり平均1万立方m以上である「一定規模以上の特定工場」と、「その他の特定工場」に分類されるので覚えておきましょう。

2-3.公害防止組織について

一定規模以上の特定工場は公害防止統括者・公害防止主任管理者・公害防止管理者を選任しなければなりません。その他の特定工場は、公害防止統括者と公害防止管理者の選任義務があります。また、特定工場を設置している経営者(特定事業者)は、工場の規模や従業員数・公害防止管理者・公害防止主任管理者・公害防止統括者の氏名を、工場がある自治体に届けなければなりません。なお、自治体によっては独自の公害防止に関する条例を定めているところもあるので、それもチェックしておきましょう。

3.公害防止に関する資格について

この項では、公害防止に関する資格について解説します。どのような資格があるのでしょうか?

3-1.公害防止管理者

公害防止管理者とは、工場から排出される水や空気・騒音・振動・ダイオキシンなどを定期的に測定したり、結果の管理を行うことができる国家資格です。公害防止管理者には、以下のような13の種類があります。

  • 大気関係:第1種~第4種まであり、第1種が最も大規模なばい煙を出す設備の公害防止管理を行うことができる
  • 水質関係:大気同様に、第1種~第4種まである。水質汚染の可能性がある物質を出す工場で公害防止管理を行うことが可能
  • 振動・騒音関係:資格区分はなし。取得すれば振動・騒音を発生する工場で公害防止管理を行うことができる。
  • ダイオキシン関係:資格区分はなし。ダイオキシンを排出する可能性がある工場で公害防止管理を行うことができる
  • 粉じん関係:石綿から出る粉塵の公害防止を行える特定と、そのほかの粉じんの公害防止を行える一般の2種類がある。粉じんが発生する工場で公害防止管理を行うことが可能

現在のところ、「これを取得すれば、すべての工場で公害防止管理が行える」という資格区分はありません。また、大気~騒音まで、ありとあらゆる公害が発生する可能性のある工場、というものもめったにないでしょう。ですから、職場で必要とされている資格から取得していきましょう。

3-2.公害防止主任管理者

公害防止主任管理者は、一定規模以上の特定工場で選任が義務づけられている資格です。文字どおり公害防止管理者の統括を行います。公害防止管理者が仕事の幅を広げるために取得することがほとんどです。

3-3.公害防止統括者

公害防止統括者は、公害防止組織のトップに立つ役職です。工場長など責任ある立場の人が就き、特別な資格は必要ありません。アルバイトや派遣社員などでは選任は受けられないので注意しましょう。

4.公害防止管理者の資格を取得する方法

この項では、公害防止管理者の資格を取得する方法について解説します。

4-1.資格取得方法

公害防止管理者の資格を取得するには、産業環境管理協会が主催する試験に合格する方法と、認定講習を受講して修了試験に合格する方法があります。資格試験は、受験資格が定められていませんので誰でも受験可能です。試験内容は資格区分によって異なるので、まずは協会のホームページを確認し、受験する資格区分の試験内容を確認しましょう。なお、大気や水質のように第1種~4種まである資格区分では、4種取得者が3種を受験するなどの場合は試験の一部が免除になります。
認定講習を受けるには、第一種・第二種電気主任技術者・薬剤師・技術士・計量士など協会が定めた資格を取得した後、公害防止に関する一定の実務経験が必要です。ですから、すでに公害防止に関する仕事に就いている人向けと言えます。

4-2.試験科目など

公害防止管理者の試験は、資格区分よって出題科目が異なりますが、以下のような問題が出題されます。

  • 公害総論
  • 受験する科目(大気・水質・ダイオキシンなど)の概論
  • 受験する科目(大気・水質。ダイオキシンなど)の特論

問題数は35問~75問あり、60%以上の正解で合格です。なお、正解が60%を超えた科目は合格科目として3年間持ち越すことができます。つまり、3科目中2科目が合格点だったが、1科目だけ正解が60%未満だった場合は、翌年に残り1科目を受験して60%以上正解すれば、合格です。

4-3.試験の日程と申し込み方について

公害防止管理者の試験は、毎年10月に行われます。認定講習は、毎年1月と10月に開催されることが多いでしょう。どちらも申し込みは産業環境管理協会からすることができます。試験は全国の主要都市で行われるので、試験会場が遠方という場合は宿泊場所の手配もしておきましょう。受験費用は6,400円~6,800円です。

5.合格をつかむ勉強方法について

この項では、公害防止管理者の試験勉強方法について解説します。

5-1.公害防止管理者の勉強方法とは?

公害防止管理者の勉強方法は、独学・講習受講・通信教材の利用などが一般的です。産業環境管理協会も試験対策講習や通信教育を行っています。ですから、協会が主催する講習や通信教育を利用するのもいいでしょう。資格区分を増やし仕事の幅を広げたいので再試験を希望するという場合は、独学でも十分に勉強ができます。

5-2.おすすめ参考書

一般の書店でも公害防止管理者の参考書は販売されていますが、産業環境管理協会が発行している試験対策の参考書や過去問が最もおすすめです。特に参考書にこだわりがないという場合は、協会の参考書を使用しましょう。

5-3.SATの教材を利用してみよう

仕事が忙しく試験勉強の時間がなかなか取れないという人におすすめなのが、SATの教材です。テキストだけでなく、専門の講師による講義を収録したDVDやe-ラーニングがついてくるので、まるで予備校に通っているような気分で勉強ができるでしょう。公害に関する知識が全くないという人でも、テキストとe-ラーニングを併用すれば、効率よく合格に必要な知識が身につきます。

6.公害防止に関するよくある質問

Q.公害防止管理者の試験は、1日で2種類の区分を受験することはできるでしょうか?
A.いいえ。できません。1種類だけです。

Q.公害防止管理者は複数の資格区分を持っていた方がいいでしょうか?
A.大気や水質のように第1種~第4種まであるものは、上位の資格区分を続けて取得した方がいいですね。水質とダイオキシンのように全く違う資格区分は、必要になったら取得しましょう。

Q.公害防止管理者は理系でないと取得は難しいですか?
A.試験はマークシートなので暗記が中心ですから、理系でないと取得できないということはありません。

Q.公害防止基本法に基づくような問題は出題されるでしょうか?
A.公害防止基本法は1993年に廃止されたので、現在は環境基本法に基づいて問題が出されます。

Q.公害防止管理者の合格率はどのくらいでしょうか?
A.おおよそ平均で30%前後です。

7.おわりに

いかがでしたか? 今回は公害対策基本法や公害防止管理者の資格について解説しました。特定工場では、必ず公害防止管理者の選任が必要です。取得していれば転職にも有利ですから、機会があったら挑戦してみるといいでしょう。受験資格は定められていないので、誰でもチャレンジすることができます。

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