消火栓の種類にはどのようなものがあるの? 設置場所や基準は?

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消火栓とは、消防や消火活動に必要な消防水利の一種です。消防水利とは、消火活動に使われる水源のことで、消火栓は公営水道の配水管に設置されています。火災が起きた際は、この消火栓の水を利用して消火を行うのです。そのため、消防法によって設置基準が定められています。
今回は、消火栓の種類について解説しましょう。

  1. 消火栓の基礎知識
  2. 消火栓の種類について
  3. 消火栓の設置基準について
  4. 消防設備士の資格取得について
  5. 消火栓の種類に関するよくある質問
  6. おわりに

この記事を読めば、消火栓の種類や設置基準についてよく分かります。消防設備士の資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.消火栓の基礎知識

はじめに、消火栓の定義や設置基準・使用方法などを解説します。どのような消火設備なのでしょうか?

1-1.消火栓の定義

前述のように消火栓とは、消火のために使う水を確保する消防水利の一種です。消火方法にはいくつかの種類があります。最も頻繁に行われるのは、水を使った冷水消火です。冷水消火には多量の水が必要なため、「消防水利」という消火に必要な水を確保しておくことが必要になります。消防水利には河川・プール・ため池などの水が使われることもありますが、場所によってはこのような消防水利が確保できないことも珍しくありません。そこで、公営水道の一部が消防水利に使われており、消火栓は配水管から水を引っ張ってくる設備です。ここに消防車などに設置されているホースをつなぐことで、放水が可能になります。

1-2.消火栓の設置基準

消火栓は、消防設備の一種です。そのため消防法第20条第1項で「消防水利の基準」が定められており、それに基づいて設置されています。また、この法律は以下のような基準が定められているのです。

  • 消火栓が設置することができる配水管の口径:65口径以上
  • 配水管の直径:150㎜以上
  • 取水可能水量:毎分一立方m以上
  • 給水可能時間:40分以上

つまり、どんな配水管にも消火栓を設置できるというわけではありません。

1-3.消火栓の使用方法

次の項で詳しく説明しますが、消火栓にはホースが付いているものと付いていないものがあります。ホースが付いているものは、ホースを伸ばしてそのまま消火設備として使用可能です。一方、ホースが付いていないものは消防車に積んであったり、別の場所に収納されていたりするホースにつないで使用します。

1-4.消火栓の現状

現在、屋外にある消火栓は基本的に「地下式消火栓」になっています。これは、マンホールと同じ金属性の蓋の中に消火栓が収納されているものです。必要なときは、蓋を開けてホースを接続します。しかし、冬に積雪が多い地方では、地下式消火栓は不便です。そのため、寒冷地ではまだ地上式消火栓が設置されています。これは、金属性で筒状の消火栓です。

2.消火栓の種類について

この項では、消火栓の種類について解説します。どのような種類があるのでしょうか?

2-1.屋内消火栓

屋内消火栓とは、文字どおり屋内に設置する消火栓です。火災の初期消火を目的としており、人が操作して使用します。屋内消火栓の種類は、以下のとおりです。

  • 1号消火栓:毎分130Lの水を放出できる消火栓で、半径25mをカバーできます。屋内消火栓の中では最も消火能力が高いのですが、ホースを全部引き出さないと放出ができないので、操作には2名以上が必要です。
  • 易操作性1号消火栓:1号消火栓と放出量は変わりませんが操作性を向上させたもので、1人でも操作することができます
  • 2号消火栓:毎分60Lの水を放出できる消火栓です。放水量が低い分、1人でも操作ができます
  • 広範囲型2号消火栓:毎分80Lの水を放出できる消火栓です。2号消火栓と同じように1人で操作できます

1号消火栓(易操作性1号消火栓)は、工場・作業所・指定可燃物を貯蔵したり取り扱ったりしている施設と、不特定多数の人が利用する施設(防火対象物)に設置できます。2号消火栓は、工場・作業所・指定可燃物を貯蔵したり取り扱ったりしている施設には設置できません。しかし、一般的な防火対象物には設置可能です。

2-2.屋外消火栓

1でご説明したように屋外に設置されている消火栓です。毎分350Lの水を放出することができます。屋外消火栓を設置している施設の中には、消火栓の近くにホースを収納している収納箱を設置しているところもあるのです。屋外消火栓は放出量が多いので、1人では扱えません。火事の際に消防士以外が放出を行う場合は、定期的な訓練をしておく必要があります。また、消火栓を設置した場合は、必ず消火栓標識も設置しなければなりません。

2-3.補助散水栓

スプリンクラー設備が設置されている施設で、スプリンクラー設置が免除されているトイレや浴室でも初期消火が行えるように設置される消火栓です。スプリンクラーの配管に直結され、スプリンクラーが起動すると同時に散水が始まる仕組みになっています。

3.消火栓の設置基準について

屋内消火栓は消防法施行令11条、屋外消火栓は消防法施行令19条で設置基準が定められています。延べ床面積・建物の階数・地階の有無・窓の有無などによって細かく定められていますので、消防設備士の資格を目指している人は、一度消防施行令に目を通しておいてください。基本的に、不特定多数が利用するオフィスビル・商業施設・ホテルなどの建物には設置しなければなりません。
また、屋外消火栓の管理は基本的に水道局が行いますが、屋内消火栓は、消防設備士が点検や整備等を行います。また、屋外消火栓も配管の管理は水道局の仕事ですが、正常に作動するかどうかの点検などは消防設備士の仕事です。点検は機器点検が6か月に1度、総合点検は1年に1度となっています。

4.消防設備士の資格取得について

消防設備士とは、消防法で定められた消火器設備・警報設備・避難用具などの設置工事や点検・整備などを行うことができる資格です。1966年に資格制度が発足し、消防設備を設置している施設すべてに需要があります。
消防設備士には、甲種と乙種があり、甲種は設置工事・点検・整備を行うことが可能です。乙種は整備と点検だけを行うことができます。
また、消防設備士は資格区分が多いのが特徴です。甲種は特類と1~5類・乙種は1~7類に分かれています。消火栓の設置や点検・整備を行いたい場合は、甲種1類か乙種1類を取得しましょう。消防設備士の資格取得については、こちらの記事に資格を取得する方法などが詳しく記載されています。ぜひ併せて読んでみてください。

5.消火栓の種類に関するよくある質問

Q.個人宅のすぐ近くに屋外消火栓が設置された場合、管理は誰が行うのですか?
A.住宅地に設置された屋外消火栓は自治体が行っています。個人が管理する義務はありません。

Q.避難訓練などでは、消火栓を使う訓練などもするのでしょうか?
A.はい、特に1号消火栓や屋外消火栓は訓練しなければ使えませんので、避難訓練の際に使い方を学んでおくことが大切です。

Q.消火器と消火栓の違いは何でしょうか?
A.消火器は窒息消化や消火剤による消火も行えるのに対し、消火栓は水による消火しか行えません。しかし、多量の水を長時間放出できるので、消火器よりも消化能力が高いのです。

Q.消火栓を消火に使用した場合、水道料はかかりますか?
A.自治体により対処が異なりますが、必要がないことも多いでしょう。

Q.消火栓の標識はなんのために設置しますか?
A.消火栓があることを広く知らせ、周囲に駐車したりものを置いたりしないようにするためです。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は消火栓の種類について解説しました。消火栓は消火器やスプリンクラーと並んで、重要な消火設備です。定期的に点検や整備を行い、いざというときにすぐに使えるようにしておくことが大切になります。