消防設備士の資格にはどんな種類がある?それぞれの勉強方法は?

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア Google+でシェア

消防設備士とは、消火器やスプリンクラーなどの消火設備や自動火災報知機などの警報装置・避難用具など、火災の時に役立つ機器を設置したり点検整備を行ったりすることができる国家資格です。甲種と乙種があり、資格の種類によってできることが異なります。ビル管理などの仕事に就きたい場合は取得しておくと有利な資格であり、幅広い年代の方が取得に挑戦している資格です。

そこで、今回は消防設備士の特徴や取得するメリット・種類などをご紹介しましょう。

  1. 消防設備士の基礎知識
  2. ​消防設備士の種類について
  3. 消防設備士の需要
  4. 消防設備士の資格は何から取得すべき?
  5. 消防設備士の試験内容について
  6. 試験勉強のコツ
  7. 消防設備士の資格に関するよくある質問

この記事を読めば、消防設備士についての知識が深まるのと同時に、合格のコツもつかめるかもしれません。消防設備士の資格取得を目指している方や、資格に興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。


1.消防設備士の基礎知識

はじめに、消防設備士の概要や資格を取得するための方法などをご紹介します。取得するとどのような職務が行えるのでしょうか?

1-1.消防設備士とは?

消防設備士とは、消防法に基づいて消火器設備・警報設備・避難用具などの設置工事や点検整備を行うことができる資格です。一般住宅から高層ビル・大規模商業施設に至るまで、消防法に基づいて消化設備などの設置が義務付けられています。消火設備や警報設備の設置工事や点検は、消防設備士しか行うことができません。ですから、消火設備などを専門に設置したり点検したりする会社に就職したりビル管理の仕事に就いたりする場合に、有利に働く資格です。資格が制定されたのは1966年と国家資格の中では比較的新しいもので、高層ビルの増加から年々需要が増えています。中高年が取得すると再就職に有利ということで、年配の方が取得にチャレンジすることも珍しくありません。

1-2.消防設備士の受験資格

消防設備士のうち、乙種には受験資格はいりません。性別・年齢・国籍問わず誰でも資格試験を受けることができます。甲種の場合は、機械・電気・工業化学・土木又は建築に関する単位を大学や短大、専門学校などで修めた方や、一定の実務経験がある方、技術士や電気工事士の資格保持者などが受験可能です。また、乙種の資格を取得して2年以上実務経験を取得しても、受験資格を得られます。ですから、まず乙種を取得し、実務経験を積んで甲種にチャレンジする方も多いのです。
ビル管理の仕事に就きたい方は、第二種電気工事士の資格を取得したうえで甲種にチャレンジしてもよいでしょう。

1-3.消防設備士の難易度について

消防設備士の合格率は、甲種で30%程度、乙種で40%程度となっています。合格率だけを見ると国家試験の中では難易度はそれほど高くありません。独学や通信教材を利用して勉強すれば、十分に合格を狙えるレベルです。また、消防設備士は一度資格を取得した後、異なる類の資格を受ける場合は、試験の一部が免除になります。そのため、資格を取得するほど合格率も上がりやすくなるでしょう。複数の資格を取得しやすい資格ともいえます。

2.消防設備士の種類について

消防設備士には、甲種と乙種があります。甲種は特類と一類~六類、乙種は一類~七類に分かれているのです。甲種は取得した類の消防設備を工事・整備・点検が行えます。乙種は整備と点検が行える資格です。他の資格と異なり、これを取得すればすべての消火設備や警報設備などを工事・整備・点検が行える資格、というものは存在しません。
そのため、最も多くの施設に設置されている消火設備を点検整備する資格をまずは取得し、その後職場のニーズに合わせた資格を追加で取得していくという方法を取る方が多いのです。

3.消防設備士の需要

消防設備士は、消火設備や警報設備などを工事・点検整備する専門の会社やビル管理を行っている会社などに需要があります。また、自社ビルの管理者を募集している企業などにも需要があるでしょう。電気工事士の資格も取得していると、さらにできる工事が多くなり、有利となります。企業によっては資格手当がつくところもあるでしょう。消防設備の整備や点検は年を取ってからもできる仕事ですので、定年後に再就職を希望する方にとってもおすすめの資格です。

4.消防設備士の資格は何から取得すべき?

消防設備士は、全部で13種類あります。甲種一類~五類と、乙種の一類~五類は扱える消防設備や警報設備が同じです。甲種が工事を行えるのに対し、乙種は点検と整備しか行えません。六類・七類は乙種だけに存在する類で、設置に工事が不要の消火器や漏電火災警報器などを点検・整備することが可能です。消火器は最も広く普及している簡易消火器具であり、定期的な点検が欠かせません。ですから、消防設備士乙種六類を取得していれば、いろいろな場所に設置してある消火器の整備・点検が行えます。全く知識や経験がない状態から消防設備士の資格を取得したい場合は、まず乙種六類を目指してみましょう。

一方、電気工事士や電気主任技術者など電気関係の資格を取得している場合は甲種の特類や一類・二類を目指してみてください。これは、特殊消防用設備やスプリンクラー設備・動力消防ポンプ設備などを工事・点検・整備できる資格です。電気工事士の資格を取得している場合は、行える工事が増えます。電気工事士の資格を取得していれば、甲種を受けることが可能です。

5.消防設備士の試験内容について

この項では、消防設備士の試験内容や申し込み方法などについてご紹介します。どのような試験が行われるのでしょうか?

5-1.消防設備士の試験とは

消防設備士の試験には、筆記試験と実技試験があります。甲類の筆記試験は、

  • 消防関係法令
  • 基礎的知識
  • 消防用設備等の構造・機能・工事・整備

の3種類です。乙種の筆記試験も同じ内容ですが、工事に関する問いはありません。実技試験の方は、甲種が鑑別等と製図、乙種が製図のみです。鑑別等というのは、消火設備や警報設備の写真を見て、どういう器具かということを答える問題になります。
甲類の中でも、特類は扱う設備が特殊なので、それに関する構造や機能・整備・工事などの問題が出るので、注意しましょう。

5-2.試験科目の免除について

乙種をすでにいくつか取得している方や電気工事士・電気主任技術者の資格を取得している方、消防団員として一定の実務経験があり、消防学校で規定の単位を取得している方などは、乙種を受験する際に学科試験の一部が免除になります。ただし、乙種を取得している方が甲種を受ける際、科目の免除はありません。逆に甲種をすでに取得している方が乙種を受験する際は、学科試験の一部が免除になります。

5-3.試験の日程や申し込み方法について

消防設備士の資格は、消防試験研究センターが主催しています。ここは、危険物取扱者の資格試験も主催している団体です。試験を申し込みたい場合は、ホームページから電子申請をするか、最寄りの消防署やセンター支部で願書をもらい、必要事項を記入して郵送しましょう。願書は無料でもらうことができます。
試験日程は各都道府県によって異なりますので、必ずセンターのホームページで日程を確認しておきましょう。受験料は甲種が5,000円、乙種が3,400円です。
日程を調整すれば、同じ年に異なる類の試験を受けることも可能ですが、その場合は電子申請が不可能になります。分からないことがあった場合は、センターに電話等で問い合わせをしてください。なお、電気工事士の資格を持っていれば、学科試験の一部が免除になることにより、4類と7類のみが同一時間帯に同時受験が可能です。

5-4.注意点など

消防設備士の試験日程は全国で異なるため、試験問題の持ち帰りが禁止されています。持ち帰りが発覚した時点で不合格になりますので、注意しましょう。消防設備士の過去問題は、一部センターのホームページ上で公開されていますので、確認してみてください。
また、消防設備士の合格基準は各科目とも6割以上の点数で合格できます。ただし、1科目でも点数が4割に満たなければその時点で不合格になりますので気をつけてください。トータルの総合点で6割以上取得できてもダメです。

6.試験勉強のコツ

この項では、消防設備試験の勉強を効率よく進めて行くためのコツをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

6-1.勉強方法について

消防設備士の試験は、参考書と予想問題集を購入し自力で勉強する独学か、通信教材を利用して勉強する方法が一般的です。なお、消防設備士の参考書には過去問題集というものがありません。ですから、販売されている問題集は公開されている過去問題をもとに作られた予想問題集です。
消防設備士の試験勉強は暗記が中心となります。実技試験は記述式問題ですが乙類ならば筆記試験の延長のような試験ですので、予想問題をくり返し解いて装置の形状などを暗記しましょう。写真で消火設備の形を覚え、文章で特徴を覚えておくとどの問題でも対応ができます。

通信教材を利用して勉強する場合は、教材や模擬問題集がすべてセットになっているので申し込みをすれば、勉強道具はすべてそろうでしょう。メールで質問を受け付けてくれるところもありますし、講義形式のDVD参考書がついている教材もあります。必ず1度で合格したいという方は、通信教材の方がおすすめです。

6-2.試験勉強の期間などについて

消防設備士の難易度は、国家試験を紹介するサイトなどでは「やや易しい」と紹介されています。ただし、前述したように合格率が30%~40%ですから、10人受験すれば半分以上は不合格になる試験です。勉強をしなければ絶対に受かりませんので、計画的に参考書の内容を覚え、予想問題集をくり返し解きましょう。試験範囲が狭いので、複数受験を行わなければ暗記はそれほど苦労することはありません。
仕事をしながら勉強する場合は、隙間時間をうまく活用してください。通勤時間や休み時間になったら参考書を開き暗記をする習慣をつけましょう。2~3か月あれば全く知識がない方でも合格レベルまで知識をつけることができます。

6-3.電気と製図の勉強方法

多くの方がつまずきやすいのが、電気に関する問題と製図の問題です。製図は甲種の実技で出題される問題ですが、全く知識のない方がいきなり問題にチャレンジしても、解けません。まずは解答を見ながら製図を書き写し、感覚をつかみましょう。模範解答通りに製図を書けなくても0点ということはありません。減点されるだけですので、全く違う図を書かなければ大丈夫です。
電気に関する問題は、電気工事士や電気主任技士の資格を持っている方は免除されます。それ以外の方で理解が難しい場合は、電気数学に関する参考書を読んでみましょう。今はマンガ形式の入門書も出ていますので、それを一読すれば電気数学についての理解が深まります。満点を取る必要はありませんので、問題をくり返し解いて6割を目指しましょう。
通信教材を利用している方は、分からない問題が出たら遠慮せずに質問してください。

7.消防設備士に関するよくある質問

Q.学生でも消防設備士の資格試験にチャレンジできますか?
A.もちろんです。学校ぐるみで資格に挑戦するところもあります。

Q.電気工事士の資格を取得していなければ、資格取得をしても不利でしょうか?
A.そんなことはありません。消防設備士だけでも取得していれば転職に役立ちます。ただし、甲種を取得している場合は電気工事士の資格を取得しておいた方が何かと便利です。

Q.40才を過ぎていますが、挑戦できますか?
A.そういった方もたくさんいますし、初チャレンジが50歳を過ぎてからという方も少なくありません。

Q.やはり複数の資格を取得した方が有利ですか?
A.消防設備士の場合、取得した数が多いほどよりたくさんの消防設備の工事・整備・点検ができるようになり有利になるでしょう。

Q.職場で資格取得をすすめられましたが、勉強する時間があまりありません。
A 昼休憩の10分、寝る前の10分など、10分単位でいいので勉強をし続けてみてください。

8.おわりに

いかがでしたか? 今回は消防設備士の資格についていろいろとご紹介しました。たくさんの種類があるので、ドレを受験したらよいか分からないという方も多いでしょう。初めての場合はまず乙種からチャレンジし、消火器の点検が行える6類を取得するのがおすすめです。コツがつかめたら、職場で扱っている消火器具の工事・整備・点検が行える類を取得しましょう。