熱輸送方式の種類とは?それぞれの特徴とともにご紹介します。

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熱輸送方式というと、何やら聞きなれませんがこれは空調設備のことです。
今は不特定多数の人が利用する設備ならば、空調設備がないところの方が珍しいでしょう。
しかし、熱輸送方式に複数の方法があることは、あまり知られていません。
そこで今回は、熱輸送方式の種類についてご説明します。
種類によって向いている施設、向いていない施設があるのです。
また、管理の手間や方法も変わってくるでしょう。
ビルのオーナーや建築物環境衛生管理技術者の方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. 空調設備の役割とは?
  2. 熱輸送方式の種類とは?
  3. 空調設備を快適に使い続ける方法とは?
  4. おわりに

1.空調設備の役割とは?

熱輸送方式の種類について説明する前に、空調設備の役割についてご紹介します。
施設が大きくなるほど、役割も重要になっていくのです。

1-1.冷暖房

空調設備の役割の中で最も大きいのが、温度の調節。
すなわち冷暖房です。
大きな施設ほど冷暖房がなければ、快適に過ごせません。
また、大規模な施設は一般の家庭よりも冷暖房を強めにかけることが一般的なので、設備の負担も大きいでしょう。
さらに、一般の家庭ならば冷暖房が壊れても数日ならがまんして過ごせます。
しかし、大規模な施設で冷暖房が壊れれば、施設自体が使えなくなるのです。
ですから、普段の保守点検が大切になるでしょう。

1-2.湿度の調整

空調設備は、湿度の調整を行っています。
大規模な施設ほど、何もしないと湿度に差が出てきて、湿っぽいところや乾燥しすぎるところが出るでしょう。
また、地階は湿度が高く、空調設備で除湿しなければ壁に結露などが発生することもあります。

1-3.空気清浄

高層ビルや大規模な屋内施設は、空気が出入りできるところが限られています。
空気がよどんでいるから、と窓を開けるわけにもいきません。
ですから、空調設備で空気を循環させて新鮮な空気を施設内に供給するのです。
これがないと、施設内の奥まった場所は空気がよどんでしまうでしょう。

2.熱輸送方式の種類とは?

では、熱予想方式の種類にはどのようなものがあるのでしょうか?
この項ではそれぞれの方式の特徴などと合わせてご紹介します。

2-1.全空気方式

この方式は、文字どおり空気だけで熱輸送を行うものです。
ダクトと呼ばれる配管を通して適温にした空気を施設内に送りこむ方式で、劇場や体育館などの広い場所を一気に適温にするのには向いています。
しかし、ダクトスペースや空調機械室が場所を取ることが多く、単一ダクトですと冷暖房を同じもので行えません。
冷房なら冷房だけのために、ダクトや機械室が必要になるでしょう。
冷暖房を同時に行うには、二重ダクトにする必要があるのです。

2-2.水・空気方式

こちらは、熱輸送に水と空気の両方を使用する方式です。
ダクトスペースが小さくできるというメリットがある反面、それぞれのダクトにエアフィルターをはらなければならないといったデメリットもあります。
ですから、こまめな保守点検が必要になるでしょう。

2-3.水方式

こちらは、水だけを使って熱輸送をする方式です。これを利用している施設は少なくありません。
空気を全く使用しないのでダクトスペースは不要です。
しかし、その反面エアフィルターの設置など、保守整備に手間がかかります。
また、水だけでは換気ができませんので、換気扇や全熱交換器などの設備が必要になるのです。
そのため、ビルの屋上などに水を循環させる装置などを設置してあるところが多いでしょう。

2-4.冷媒方式

熱輸送に冷媒配管を使用する方式で、家庭用のエアコンの熱輸送はこれを利用しているのです。
ほかの空調設備に比べると高機能低価格なのが特徴で、一般家庭だけでなく小規模な施設では、この冷媒方式による空調設備を設置するのが一般的になっています。
しかし、ほかの方式に比べると耐久性が低く、整備が大変です。
一般家庭のエアコンも定期的に業者に清掃や整備をしてもらわないと、効きが悪くなったり壊れやすくなったりするでしょう。
1年中フル稼働している施設なら、こまめな保守点検は必須です。
さらに、冷媒方式のエアコンは小さないものをたくさんつけなくてはなりません。
施設が大きいほど、エアコンの数も増えますから、管理が大変になるでしょう。

3.空調設備を快適に使い続ける方法とは?

では最後に、空調設備を長期間快適に使う方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

3-1.施設に合った空調をつける

当然のことですが、施設に合った空調設備をつけなければ、長持ちしません。
どの方式にもメリットとデメリットがあります。
これらをよく知ってから、設備につける空調を選びましょう。

3-2.メンテナンスがどのくらいの頻度でできるか確かめてからつける

空調設備は、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスは建築物環境衛生管理技術者が責任者となりとり行いますが、こまめにメンテナンスをするほど費用がかかるでしょう。
また、実際のメンテナンスは業者に委託することになりますが、業者が近くにいない場合は、出張費などが別途にかかることがあります。
そこまで考えて、空調設備を決めましょう。

3-3.定期的に空気の検査をする

家庭用のエアコンでも、メンテナンスをしていなければ内部がカビやほこりだらけになってしまいます。
一般家庭よりも長時間空調設備を使う施設ならば、なおさら汚れやすいでしょう。
しかし、空気の汚れは目に見えません。
ですから、空調設備の保守点検の一環として定期的に空気の検査が義務づけられています。
検査結果は一定の期間保管しておかなくてはなりません。
また、検査で一酸化炭素や二酸化炭素が基準値を超えたりカビの胞子などが発見されたりしたら、すぐに対策を練りましょう。

3-4.異常が分かりやすい設備にしよう

空調設備というのは、一部しか目に見えません。
設備の大部分は天井裏などに隠されているでしょう。
ですから、故障した場合も故障の箇所を探すのが大変、ということも珍しくないのです。
なので、空調設備の様子を確認しやすいような造りにしましょう。
最新の設備ならば、コンピューターで管理しており、異常の箇所が分かりやすいです。
しかし、老朽化した施設の場合は、図面などをすぐに広げられる場所に置いておいてください。
また、点検の頻度も最新の設備よりもこまめに行う必要があるでしょう。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は熱輸送方式の種類についてご説明しました。
まとめると

  • 熱輸送方式とは、空調設備のことである。
  • 熱輸送方式には、空気や水、冷媒などを利用したものがある。
  • どれも特徴があるため、それを把握して空調設備を選ぼう。

ということです。
空調設備はどんな施設でも決して目立つものではありません。
しかし、ひとたび異常が起こると大変なことになるでしょう。
ですから、日頃からこまめに点検をしておくことが大切です。
また、建物環境衛生管理技術者は、自分が管理しているビルの空調設備の方式を必ず覚えておきましょう。
覚えていなければ、異常が起きたときに対処できません。
また、家庭用のエアコンも定期的に整備が必要です。
今は、自分でお掃除をしてくれるエアコンもありますが、それでも1か月に1度程度はフィルターを掃除しましょう。
エアコンの効きが全く違ってきます。

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