高圧ガス保安係員の選任を受ける方法を解説。必要な資格や講習内容は?

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高圧ガス保安係員とは、石油化学等コンビナートや高圧ガス製造事業所において保安技術管理者、保安主任者と共に保安に関わる仕事をする職業です。高圧ガスを製造する会社には選任が義務づけられています。そのため、保安係員の選任を受けることができる人は、常に一定の需要があるのです。ですから、保安係員の選任を受けるための条件である、高圧ガス製造保安責任者の資格取得を目指している人も多いことでしょう。
今回は、高圧ガス保安係員の選任を受けるために必要な講習や、高圧ガス製造責任者の資格取得方法などを解説します。

  1. 高圧ガス保安係員の基礎知識
  2. 保安係員の届出と代理者について
  3. ​高圧ガス保安係員の選任を受ける方法
  4. 高圧ガス保安係員に関するよくある質問

この記事を読めば、高圧ガス保安係員の仕事内容や高圧ガス製造責任者の資格を取得するメリットもよく分かるはずです。高圧ガス製造責任者の資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.高圧ガス保安係員の基礎知識

はじめに、高圧ガス保安係員の選任条件や選任義務のある職場などを紹介します。

1-1.高圧ガス保安係員とはどのような職務?

前述したように、高圧ガス保安係員は高圧ガス製造事業所で保安に関する技術的な管理を行う職務です。高圧ガス製造事業所における保安統括者選任体系の末端に属し、保安技術管理者や保安主任者の指示を受けて仕事をすることもあります。また、高圧ガス製造事業所の製造施設区分ごとに選任が必要です。たとえば、敷地内に2つの工場があった場合、工場ごとに保安係員の選任が必要になります。そのため、事業所の規模が大きいほどたくさんの保安係員が必要です。

1-2.高圧ガス保安係員の選任が必要な事業所や仕事内容

高圧ガス保安法により、第一種製造者・第二種製造者に指定されている事業者において選任が義務づけられています。また、仕事内容は、高圧ガス法では以下のように定められているので、確認しておきましょう。

  • 製造施設や製造の方法についての巡視・点検
  • 高圧ガスの製造に係る保安について、作業標準・設備管理基準・協力会社管理基準・災害が発生した場合の措置基準の作製に関し、助言を行う
  • 災害発生時の応急措置を実施する

1-3.高圧ガス保安係員の選任条件

高圧ガス保安係員に選任を受けられるのは、以下のような条件をすべて満たしている人です。

  1. 高圧ガス製造保安責任者のうち、甲種・乙種いずれかの化学責任者免状・機械責任者免状を有している
  2. 高圧ガス製造保安責任者のうち、丙種化学責任者免状を有している
  3. 液化石油ガスか可燃性ガスの製造に関する1年以上の経験がある
  4. 保安係員講習を受講した人

つまり、資格を取り、経験を積んで講習を受ける必要があります。なお、高圧ガス製造保安責任者の資格区分のうち、冷凍機械責任者免状の資格を有していても、保安係員講習を受講することはできません。注意しましょう。

1-4.高圧ガス保安係員の雇用条件について

高圧ガス保安係員は、高圧ガス保安法27条2で別会社に委託できることが定められています。そのため、派遣社員でも選任可能です。しかし、法律で委託できる条件も定められているので、法律に沿った委託会社を選びましょう。なお、アルバイトやパートとして雇用した人を選任することはできません。

2.保安係員の届出と代理者について

この項では、保安係員の届出と代理者について解説します。

2-1.保安係員の届出について

保安係員を選任したら、事業所がある都道府県の知事あてに届出の提出が義務づけられています。各自治体の産業保安課などで届出を受けつけているので、自治体のサイトなどを確認しましょう。書類をサイトからダウンロードできる自治体もあります。
なお、保安係員の届出は毎年8月1日に提出することが省令で定められているため、選任のたびに提出する必要はありません。前年の8月1日~その年の7月31日まで、選任もしくは解任をした保安係員を届け出てください。

2-2.保安係員の代理者について

保安係員が病気やケガなどの理由で職務を全うできない場合、代理者をたてる必要があります。代理者も、保安係員の選任条件を満たす人しか選任できません。なお、代理者を任命しても届出の必要はありませんが、8月1日の届出提出のときに代理者が保安係員の業務を行っている場合は、その人の名前で届出を行います。

3.高圧ガス保安係員の選任を受ける方法

この項では、高圧ガス保安係員の選任を受ける方法を紹介します。

3-1.高圧ガス製造保安責任者の資格を取得する

高圧ガス保安係員の選任を受けるには、まず高圧ガス製造保安責任者の資格を取得しましょう。高圧ガス製造保安責任者は、高圧ガス保安協会が主催する試験を受けて、合格すれば取得できます。こちらの記事に、試験内容や勉強のコツなどが詳しく記載されているので、ぜひ併せて読んでみてください。

3-2.実務経験を積む

資格を取得するのと並行して、液化石油ガスか可燃性ガスの製造に関する1年以上の経験を積みましょう。保安に関する仕事に就かなくてもかまいません。ただし、ガス製造会社に勤めていても、事務職など製造に関わる仕事に就いていなければ実務経験にはならないので、注意しましょう。

3-3.保安係員講習を受ける

資格を取得し、実務経験を積んだら高圧ガス保安協会が行う保安係員講習を受講しましょう。講習は、「一般ガス・LPガス以外のガス」と「LPガス」があります。職場で製造しているガスの種類によって受講する講習を決めてください。講習は2日間、14時間にわたって行われます。最後には修了調査があり、それにパスすれば講習は修了です。講習は年に2回行われ、一般ガスは全国20か所、LPガスの講習は全国47か所で行われます。詳しいことは協会のホームページを確認してください。なお、講習は5年ごとの再受講が義務づけられています。保安係員として働き続ける場合は、5年ごとに講習を受けましょう。費用は、保安協会のホームページから申し込んだ場合、9,600円です。

4.高圧ガス保安係員に関するよくある質問

この項では、高圧ガス保安係員に関するよくある質問を紹介します。

Q.高圧ガス保安係員は年齢や性別に関わらず選任を受けることは可能ですか?
A.はい。資格と経験があれば選任を受けることができます。

Q.高圧ガス保安係員の選任を受けるために必要な実務経験は、すでに退職した職場で積んだものでもかまいませんか?
A.はい。実務経験があったと証明ができれば大丈夫です。

Q.保安係員の代理は、どのくらいの期間職務を行うことができますか?
A.明確な決まりはありませんが、1か月以上代理を行わなくてはいけない事態になった場合は保安係員の交代も視野に入れましょう。

Q.LPガスの保安係員講習を受けたのですが、一般ガスの保安係員になれますか?
A.いいえ。再度講習を受ける必要があります。

Q.保安係員の届出などで不明点があったら、どうしたらいいでしょうか?
A.自治体の担当課に尋ねてください。自治体独自の条例が定められているところもあるので、忘れずに確認しましょう。

まとめ

いかがでしたか? 今回は、高圧ガス保安係員の職務や選任を受ける方法などを解説しました。高圧ガス保安責任者の資格を取得したら、次は保安係員の選任を受けられる条件を満たせば、仕事の幅がより広がります。転職も有利になるでしょう。高圧ガス保安責任者は受験資格が定められていないので、幅広い世代に人気があります。