空気環境測定の内容とは? 二酸化炭素やホルムアルデヒドの測定も必要

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3,000平方メートル以上で、店舗や事務所などに使われる建物や8,000平方メートル以上の学校は特定建築物に指定されています。特定建築物は、ビル管理法という法律で管理方法が決められているのです。

また、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の選出が義務づけられています。今回は、法律で定められた管理項目の中の空気環境測定についてご説明しましょう。特定建築物はホルムアルデヒドをはじめとする体に有害な物質が空気中に含まれていないか測定しなければならないのです。ビル管理士の方やビル管理士の資格試験を受ける予定の方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. なぜ、空気環境測定が必要なの?
  2. 空気が汚れていると大変なことになるかもしれない
  3. 空気環境測定の頻度や内容とは?
  4. 空気環境測定に関するよくある質問
  5. おわりに

1.なぜ、空気環境測定が必要なの?

特定建築物は、3,000平方メートル以上の面積を持つ店舗や事務所、遊戯施設などの目的で使用される建物のことです。また、8,000平方メートル以上の学校も特定建築物に指定されています。全国にある大規模なオフィスや百貨店などの商業施設などは、ほぼ特定建築物に指定されているでしょう。さて、このような特定建築物の多くは、開閉できる窓がありません。

天窓から陽光が降り注ぐデザインのビルはありますが、多くの場合空調で空気を循環させたり温度管理をしたりしています。そのため、空調設備が汚れていたり調子が悪かったりすると建物中の空気が汚れたまま循環することになるでしょう。

また、冷暖房の設定温度が高すぎたり低すぎたりしても、調子が悪くなります。ですから、定期的に空気環境測定を行って、人が過ごすのに問題のない空気なのかを調べる必要があるのです。このような特定建築物は地下にもフロアーがあることが多いでしょう。地下は本来ならば空気が通らない場所です。ですから、空調設備が故障したり調子が悪くなったりすれば、そこで働いている人々に重大な影響が出るかもしれません。

2.空気が汚れていると大変なことになるかもしれない

私たちは、呼吸をしながら酸素を吸って二酸化炭素を吐きだしています。ですから、空気の循環ができない場所にいれば、やがて酸素を吸いつくして倒れてしまうでしょう。一般家庭の場合は、定期的に窓を開けて空気を入れ換えます。

また、普通の家庭はいたるところにすきまがあるため、よほど密閉性が高い住宅でない限り窓を閉め切っていても空気の入れ換えは行われるでしょう。しかし、一般住宅の場合は空調設備が故障していれば、すぐにわかります。さらに、嫌な臭いなどが発生すればすぐに修理を頼むでしょう。しかし、特定建築物はそうもいきません。古いビルなどでは、空気がほこりっぽいと感じることが珍しくないでしょう。ですが、わざわざそれを指摘する人はごくわずかです。長期間働いて出もいない限り、「空調がおかしいのではないか?」とは言いにくいでしょう。

一酸化炭素や二酸化炭素が空気中に増えても、私たちは変化を感じ取れません。「何だか生あくびが出る」「頭痛がする」と思った瞬間に、意識を失うこともあるのです。

空調にカビなどが発生した場合は、私たちは常にカビの胞子を吸いこんでいることになります。長期間カビを吸いこみ続ければ、肺炎などを起こしやすくなるでしょう。ですから、施設内の空気が清潔かどうかを定期的に調べていないと、大変なことになるかもしれません。

3.空気環境測定の頻度や内容とは?

では、空気環境測定はどのような内容で行うのでしょうか? この項では、空気環境測定の内容や頻度をご紹介します。

3-1.空気環境測定はどのくらいの頻度で行うの?

空気環境測定は、法律によって年6回行わなければならないと定められています。つまり、2か月に1回のペースで行う必要があるのです。

3-2.測定の内容とは?

空気測定は、施設内の空気に含まれている浮遊粉じんの量や、一酸化炭素、二酸化炭素の濃度、さらに温度や湿度、気流、ホルムアルデヒドの量を測定します。温度や湿度も?と思われるかもしれません。しかし、温度が高すぎても低すぎでも体調を崩します。特に、夏は冷房をガンガンかけるほど、中にいる人が大変です。自律神経がうまく働かずに冷房病になるかもしれません。

また、エコな観点から見てもよくないのです。湿度はあまりに乾燥していると、万が一電気系統の故障などで火災が発生した場合、一気に延焼する場合があります。逆に、湿度が高すぎるとカビが発生してビルのメンテナンスが大変になるでしょう。

気流は、空調の調子を見るためです。気流がなかったり逆に激しすぎたりすれば、空調の調子が悪い証拠でしょう。一酸化炭素や二酸化炭素が増えすぎれば、中毒症状を引き起こす原因となります。

特に、地下に一酸化炭素や二酸化炭素が増えすぎれば、大変なことになるでしょう。ビル管理法では、それぞれの基準値が定められています。その基準値の規定を超えた場合は、すぐに対策を立てなければなりません。

ホルムアルデヒドとは聞きなれない名前ですが、シックハウス症候群の原因にもなる化学物質のことです。これが、空気中に漂っていれば体調を崩す人がたくさん出る可能性もあるでしょう。このホルムアルデヒドの検査だけは、大規模な建物のリフォームや増築、改築、もしくは新築を行った時期に最も近い6月1日~9月30日の間に1度行えばよいのです。

3-3.空気環境測定は誰が行うの?

空気環境測定は、ビル管理士が依頼した専門の業者が行います。ビルメンテナンスを業務にしている業者はたくさんあるのです。ビル管理士の権限で業者を決められる場合もありますし、すでにビルのオーナーが契約している場合もあるでしょう。空気環境測定は、各階ごとに、居室の中央部の床上75cm以上150cm以下の位置において、指定された方法で行います。つまり、建物が大きいほど検査に時間がかかるでしょう。時間などの指定はありませんが、利用者が少ない閉店後か開店前に行うことが多いです。空気測定の検査結果は、ビル管理士が責任を持って保管しておかなくてはなりません。もし、紛失したり記録を改ざんしたりすれば、法律に基づいて罰則を受けることになる可能性もあります。

また、空気環境測定の結果で、空調の調子もわかるのです。測定の結果が悪かった場合は、掃除をする必要があるでしょう。

4.空気環境測定に関するよくある質問

Q.空気環境測定で数値が規定値以上だった場合は、すぐに対策を取らなければなりませんか?
A.もちろんです。放置しておいて利用者に異常が出た場合は、管理者や所有者の責任が問われます。

Q.空気環境測定を行う業者は、自治体などが「この業者に依頼してください」と定めていることはあるでしょうか?
A.いいえ。そのようなことはありません。しかし、自治体が「このような業者があります」と紹介していることはあります。

Q.測定結果を紙ではなく電子で保管しておいてもかまいませんか?
A.通常は紙の状態で保管しておいたほうがいいでしょう。

Q.事情があって1年に6回測定できない場合はどうしたらいいですか?
A.自治体の担当部署に事情を説明し、判断を仰いでください。

Q.空気測定は、機器を借りて管理者が行うことはできますか?
A.可能ですが、大変なので業務の傍らに行うことは難しいでしょう。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は空気環境測定の内容や頻度についてご説明しました。
まとめると

  • 特定建築物では、1年に6回空気環境測定を行わなくてはならない。
  • 空気が汚れていると大変なことになる・空気環境測定を行えば空調の調子もわかる。
  • 空気環境測定はビル管理士の監督の下で専門の業者が行う。

ということです。空気はあって当たり前のもの。ですから、ほとんどの人が空調の存在など意識していません。しかし、ビルの密閉性が高くなるほど空調の存在は大切になっていくでしょう。前述したように、地下で二酸化炭素や一酸化炭素が増えた場合、何の前触れもなく人が倒れてしまうこともあります。毎年冬になると、暖房器具から発生した一酸化炭素で中毒を起こす人も出てくるでしょう。それが、建物全体で起これば、大変なことになりますね。ビル管理士は、空調の管理もかねて空気環境測定を行う必要があるのです。増改築をした結果、ホルムアルデヒドが基準値を超えてしまった場合も対策が必要になります。