移動体通信エンジニアとはどんな職種? 就くために必要な資格は?

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移動体通信とは、携帯電話に代表される無線を利用した通信サービスのことです。今や、携帯電話は私たちの生活に欠かせないものになっています。近年はスマートフォンの普及により、サービスの内容もさらに豊富になりました。移動体通信エンジニアとは、移動体通信を技術面で支える仕事です。現在は、需要が拡大しているので常に一定の求人があります。転職分野として興味を持っている人も多いことでしょう。
そこで、今回は移動通信エンジニアを求めている職場や、必要とされる資格について解説します。

  1. 移動体通信の基礎知識
  2. 移動体通信エンジニアを求めている職場や仕事内容とは?
  3. 移動体通信エンジニアに必要な資格
  4. 資格取得方法と勉強のコツ
  5. 移動体通信エンジニアに関するよくある質問

この記事を読めば、移動体通信エンジニアになる方法もよく分かるでしょう。通信業界への転職・就職に興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.移動体通信の基礎知識

はじめに、移動体通信の現状や将来性について解説します。

1-1.移動体通信の現状

前述したように、移動体通信は携帯電話をはじめとする無線通信サービスのことです。20年ほど前、携帯電話が一般に普及しだしてから、移動体通信は拡大の一途(いっと)をたどってきました。携帯電話の普及率は頭打ちとも言われていますが、提供されるサービスの種類はまだ増え続けています。また、スマートフォンの登場によって、より高速に大容量の通信を行える回線が毎年のように開発され、サービスが開始されているのです。

1-2.移動体通信エンジニアとは?

前述したように、移動体通信エンジニアとは移動体通信を技術面で支える職種です。いくら高速で大容量のデータを通信できるサービスであっても、安定して使用できなければ利用者が増えることはないでしょう。また、現在は移動体通信がなければ利用できないサービスも多く、システムがダウンすれば大勢の人に影響が出ます。移動体通信を安定して利用できるのは、移動体通信エンジニアのおかげです。

1-3.移動体通信の今後

移動体通信は、今後ますますサービスの種類が増えていくことが予想されます。スマートフォンが普及し始めた当初、3Gだった回線は、今や4G になり5Gの登場もそう遠くないでしょう。また、移動体通信に頼ることも増えていき、今まで以上に管理や保守点検の仕事が重要視されるはずです。つまり、移動体通信エンジニアの仕事や需要も増加が見込まれます。

2.移動体通信エンジニアを求めている職場や仕事内容とは?

この項では、移動体通信エンジニアの就職先や仕事内容を解説します。

2-1.移動体通信エンジニアを求めている職場

移動体通信エンジニアを求めているのは、携帯電話サービスを提供している業者などです。携帯電話サービスの業者は、単に携帯電話を販売しているだけでなく、基地局の設置や保守点検なども仕事としています。そのため、各社が腕のいいエンジニアを求めていることでしょう。なお、基地局が増えればそれだけ保守点検を行うエンジニアの数も必要になるので、常に一定の需要があります。

2-2.移動体通信エンジニアの仕事内容

移動体通信エンジニアの主な仕事には、以下のようなものがあります。

  • 基地局の設計:どこに、どの程度の規模の基地局を作るか計画し、設計をする
  • 置局の交渉:基地局を設置してもらえるよう、土地や建物の持ち主に交渉する
  • 基地局工事の施工管理:基地局を設置する際、安全管理・資材管理・技術者管理を行う
  • 基地局の保守管理:基地局が問題なく稼働しているか、電波測定や調査、機材の保守点検を行う

2-3.移動体通信エンジニアに求められるスキル

移動体通信エンジニアには、技術的なスキルはもちろんのこと、交渉術などコミュニケーション能力が必要です。もともと社交性があるという人が技術力をつければ、重宝されるでしょう。仕事場によっては、ひたすら検査や点検だけを行うということもありますが、できることは1つでも多い方が有利です。

3.移動体通信エンジニアに必要な資格

この項では、移動体通信エンジニアに必要な資格を解説します。

3-1.移動体通信エンジニアに求められる資格とは?

移動体通信エンジニアは、電波や電気が扱えなければなりません。電波も電気も扱い方を間違えると大事故につながったり、大勢の人が悪影響を受けたりします。そのため、有資格者しか行えない仕事も豊富です。移動体通信エンジニアという資格はありませんが、一生の仕事としていくには、電気関係や電波関係の資格は取得しておきましょう。

3-2.第一級陸上特殊無線技士

第一級陸上特殊無線技士は、国家資格である陸上無線従事者の資格区分の1つです。取得すれば、陸上にある無線局で無線設備の技術的な操作を行うことができます。陸上無線技術士の下位資格にあたり、放送局の無線設備以外で30MHz以上の電波を使用する空中線電力500kW以下の無線機器を取り扱うことが可能です。この資格を取得すれば、基地局で無線機器を操作する仕事に就くことができます。

3-3.電気工事士

電気工事士とは、文字どおり電気工事を行える資格です。ガス工事や水道工事は有資格者の監督下であれば、無資格者も工事を行うことができます。しかし、電気工事だけは有資格者だけしか工事を行うことができません。電気工事には第一種と第二種があります。移動体通信エンジニアになるためには、第一種電気工事士の資格を取得するといいでしょう。

4.資格取得方法と勉強のコツ

この項では、それぞれの資格を取得する方法と勉強のコツを紹介します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.第一級陸上特殊無線技士の資格取得方法

第一級陸上特殊無線技士の資格を取得するには、養成課程を修了して修了試験に合格する方法と日本無線協会が主催する資格試験に合格する方法があります。ただし、養成課程を受講するには、第二級・第三級の総合無線通信士の有資格者であることなどの条件があるので注意しましょう。一方、資格試験に受験資格は定められていません。一刻も早く資格を取得したいという場合は、資格試験を受けましょう。試験は、毎年2月・6月・10月に開催されます。詳しくは協会のホームページを確認してください。

4-2.電気工事士の資格取得方法

電気工事士の資格は、電気技術者試験センターが主催する試験を受けて合格すれば取得できます。受験資格は定められていませんが、第一種は試験に合格しても5年以上(電気関係の大学・短大などを卒業した場合は3年)の実務経験がなければ、免許が交付されません。ですから、無資格無経験の人が資格取得を目指す場合は、まず第二種を取得して実務経験を積んでから一種に再チャレンジしましょう。なお、試験に合格さえすれば免許の申請はいつでも行えます。十分に合格するだけの知識があると自信のある人は、第一種の試験に合格だけしておき、実務経験を積んでから申請することも可能です。
電気工事士の試験は年に2回行われますが、受験できるのは1度だけですので注意しましょう。第一種と第二種を両方受験する場合は、2回受けてもかまいません。試験は、筆記試験と技能試験があります。技能試験は実際に電気工作物を組み立てる試験ですので、未経験者には難易度が高いものです。

4-3.勉強のコツ

第一級陸上特殊無線技士、電気工事士は社会人にも人気がある資格です。そのため、参考書や過去問題集も充実しています。独学で勉強ができるという自信がある人は、独学でも合格するだけの知識を身につけることは可能です。一方、独学では自信がない人や勉強する時間が限られているという人は、SATの教材を利用してみましょう。テキストだけでなく、専門の講師による講義を収録したDVDやeラーニングもついてきますので、市販の参考書よりも分かりやすく、効率的に勉強ができます。また、電気工事士の場合は、技能試験に特化した教材も取り扱っているので、技能試験の合格対策にも効果的です。

5.移動体通信エンジニアに関するよくある質問

Q.移動体通信エンジニアは、無資格無経験ではなることはできませんか?
A.絶対不可能というわけではありませんが、できる仕事が限られます。無経験ならば資格を取得しておいた方が有利です。

Q.第一級陸上特殊無線技士と電気工事士ではどちらが難易度が高いでしょうか?
A.第一級陸上特殊無線技士の方は、合格率が25%、電気工事士は第一種が38%、第二種が31%です。合格率だけ見ると第一級特殊無線技士の方が低く難しそうに思えますが、電気工事士には技能試験があります。暗記が得意ならば特殊無線技士の方にチャレンジしてみましょう。

Q.電気工事士の技能試験は、工具などが必要ですか?
A.はい。工具は自分で用意します。

Q.40代以降でも移動体通信エンジニアに転職はできるでしょうか?
A.電気関係や通信関係の仕事に就いていた人なら、重宝されることもあります。

Q.陸上特殊無線技士以外の無線従事者の資格を取得していても、移動体通信エンジニアにはなれないでしょうか?
A.海上や航空の無線技士の資格を取得していても、陸上にある基地局では無線機器の操作ができません。ですから、陸上の資格が必要です。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は移動体通信エンジニアについて解説しました。現在は知名度こそそれほどでもありませんが、これからの時代ますます重宝される職業です。電気関係や通信関係の仕事に就いている人は、転職先としても有望と言えます。