配管工は独立できるのか? 独立するために必要な知識と資格について

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア Google+でシェア

建築業における業種の1つに「配管工」と呼ばれる仕事があります。配管工は、水道管・ガス管などの管を取りつける業種のことです。管を取り扱う給排水・ガス・空調設備などでは必要不可欠な仕事といえるでしょう。また、配管工事だけでなく、メンテナンスや修理も担当します。配管工事を専門とするため、知識や技術を身につけておかなければなりません。経験を積み重ねて、独立する方も増えているのです。そこで、本記事では、配管工の基礎知識や独立の流れ・必要な資格概要などについて詳しく説明します。

  1. 配管工の基礎知識
  2. 配管工と独立について
  3. 配管工の独立までの流れ
  4. 配管工の資格について
  5. 配管工の資格試験について
  6. 配管工試験の学習方法・ポイントについて
  7. 配管工に関してよくある質問

この記事を読むことで、配管工の独立を目指すために必要な知識を身につけ、資格取得のポイントを知ることができます。取得を考えている方はぜひチェックしてください。


1.配管工の基礎知識

まずは、配管工とはどんなものなのか、基礎知識を身につけることが大切です。種類や魅力・需要、主な就職先・職場、平均年収などについて説明します。

1-1.配管工とは

配管工は建築業における職種の1つです。給水管・排水管・ガス管などの管をつないだり、配管をつくったり、“管”にたずさわる作業を行います。管が必要不可欠な給排水設備・ガス設備・空調設備の現場では必要な資格です。溶接の技量や必要な資格を取得すれば、より幅広い職場で高度な配管工として働くことができます。

1-2.種類

配管工の種類は、配管工事の区分と必要な資格の種類によって異なります。配管工事の区分には、空調・衛生・冷媒・ガス・医療ガス・消火配管工にわけることができるでしょう。実際に、配管工として働いている人の中には、複数の分野の技術を取得している方もいます。また、配管工の資格といえば、配管技能士です。配管技能士は国家資格の1つで、給水管・排水管・ガス管などの配管工事を行います。ほかにも、管工事の施工計画を任される管工事施工管理技士などが挙げられるのです。

1-3.職務

配管工の主な職務は、ガスや水道など配管の取りつけです。異なる管を組み合わせたり、換気・冷暖房設備を取りつけたりします。管の中を流れる水やガスが漏れださないようにするためにも、定められた施工を行わなければなりません。そのため、専門的な知識も必要となります。ほかにも、管のメンテナンス・修理、エアコンなどの取りつけ作業も行う仕事です。

1-4.魅力・需要

配管を使用する設備は、家庭やオフィスビル・商業施設などさまざまです。水やガスの使用は生活の一部になっていますが、きちんと配管が備わってなければ供給できません。生活になくてはならないものをつくることこそ、配管工の魅力でありやりがいといえます。建築業にかかせない仕事だからこそ、需要も高い傾向が見られるので安心してください。

1-5.主な就職先・職場

配管工の主な就職先・職場は、管工業・設備工事を行っている会社・業者がほとんどです。現在は、ほとんどが下請け業者化しています。工務店やハウスメーカーなどの依頼を受けて、仕事をしているところが多いのです。そのため、下請け業者のもとで経験を積み、元請け業者として働く方もいます。

1-6.平均年収

平成26年に実施された、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、配管工の平均年収は約300万後半~400万前半です。一般サラリーマンの平均年収は400万円なので、大差ありません。ただし、配管工は建物の新築・増改築の工事量に左右されるため、景気や公共事業の量に影響するところがあります。また、元請け業者として独立する場合は、下請け業者で働くよりも年収がアップするでしょう。

2.配管工と独立について

配管工として独立できるのか、不安を感じている方も多いと思います。独立を目指す前に、最近の傾向や独立のメリット・デメリットをチェックしておきましょう。

2-1.独立できるか

配管工は独立しやすい職業の1つです。経験と実績があれば、自分から仕事をもらうことができます。ただし、配管工として独立するためには、資格取得・仕事量の確保はもちろんのこと、コミュニケーションをこまめに取っていかなければなりません。独立できるかどうかは、自分の腕の見せどころでしょう。特に、建築業界や配管工業などで人脈を広げることが大切なポイントです。

2-2.最近の傾向

最近は、独立支援に前向きな会社が多く見られます。「配管工にたずさわるのが初めて」という方でも、前向きな会社は独立に向けての指導に積極的なので安心です。また、資格取得にかかる費用を支給してくれる・研修休暇を認めてくれるなど、手厚い会社も存在しています。独立性の高い職種ならではの傾向ですね。

2-3.独立のメリット・デメリット

独立の大きなメリットは、賃金がアップすることです。仕事量がダイレクトに影響するため、仕事をした分だけのお金を稼ぐことができます。雇われていたときよりも年収がアップするでしょう。ただし、休日は少なくなりがちです。独立してから安定するまで、休日はほとんどないといえます。

3.配管工の独立までの流れ

それでは、実際に独立するまでの流れはどのようになっているのでしょうか。独立するための必要条件や流れ、そのほか用意と準備、注意点について詳しく説明します。

3-1.独立するための必要条件

独立して仕事を得るためには、配管工の資格が必要です。配管工は資格がなくても働くことはできますが、資格をきちんと取得しておけば“信頼”につながり、仕事が得やすくなります。特に、独立する場合は、配管技能士のほかにも給水装置工事主任技術者や管工事施工管理技師などの資格も取得したほうが有利です。さらに、1人で仕事を獲得しなければならないため、周囲とのコミュニケーションが必要となります。営業力・コミュニケーション能力は、雇われのうちに高めておきましょう。

3-2.独立までの流れ

配管工の仕事を始めてからすぐに独立する方はほとんどいません。会社・企業に勤めながら、人脈を広げつつ、知識や技術を高めていきます。ある程度、1人でもやっていけると思える実績と技能を身につけたら、独立しましょう。ほとんどの場合は、約10年の実績を積んでから独立しています。また、独立してからすぐは、今までの付き合いを利用して、下請けまたは応援として現場に出るといいですよ。独立後、設備や仕事量が確保でき、従業員が抱えられるようになるまでは相当な時間がかかります。辛抱づよく、地道に仕事をこなすことが重要です。

3-3.そのほか用意と準備について

起業する場合は、都道府県の指定業者登録を行い、指導をしてもらうことができます。同業者仲間の組合加入や労働保険などの申請もしておかなければなりません。従業員を抱えるためには、保険加入が必要です。また、工具・車両などの準備もしてください。最初からすべてのものを用意する必要はありません。最初は最低限必要なものだけを準備して、少しずつ設備を整えていきましょう。

3-4.注意点

何の計画もなしに新規事業を始めてしまうと、生活が成り立たなくなります。独立する際は、ある程度のお金を貯めておいたほうがいいでしょう。また、長い期間をかけて企業の基盤ができていきます。焦らずに、計画性を持って運営を軌道にのせることが大切です。特に、築きあげてきた人脈から仕事が得られるため、周囲の人とのコミュニケーションを大事にしていきましょう。

4.配管工の資格について

配管工の独立に必要不可欠なのが、資格取得です。配管の資格にはどのような種類があるのか、取得のメリットや適正について詳しく説明します。

4-1.配管工の資格とは

最初に話をしたとおり、配管工の代表的な資格は「配管技能士」です。配管工として一生働きたいという方は、必ず取得しておいたほうがいい資格といえます。配管技能士は、建築配管作業とプラント配管作業にわけられますが、一般的なのは建築配管作業です。石油・ガス製造施設などの特殊な配管作業に従事する場合は、プラント配管作業となります。必要な知識を習得しているあかしになるため、仕事を依頼する側(がわ)も安心して任せられる資格です。

4-2.種類・区分

配管技能士の種類は、建築配管作業・プラント配管作業それぞれ1級~3級にわかれています。1級は上級技能者、2級は中級技能者、3級は初級技能者です。優位な資格ほど、十分な知識を習得している証拠になるでしょう。独立を考えている方は、上級技能者の資格取得を目指してください。

4-3.資格取得のメリット

資格を取得すれば、配管技能士を名乗ることができます。検定試験を合格した者だけが、配管技能士として名乗ることができ、信頼が得られるのです。就職・転職はもちろんのこと、独立しても無資格者より仕事が得やすくなります。また、スキルアップや資格手当などもメリットの1つです。

4-4.適正について

配管工に向いている人と向いていない人がいます。配管は緻密な計算が求められる作業です。配管をどうすれば正しく組み立てられるのか、知識を踏まえて柔軟な思考を持たなければなりません。そのため、パズルゲームが苦手な方には向いていない職種といえるでしょう。地味な作業の1つでもあるため、どんな仕事でもコツコツと地道に続けられる人が向いています。手抜きしやすい工事といわれており、責任感の強い人でないと作業に穴があいてしまいやすいのです。

5.配管技能士の資格試験について

それでは、配管工の受験資格や試験概要・合格基準・実地試験などについて詳しく説明します。

5-1.受験資格

配管技能士の試験は、中央職業能力開発協会が実施しています。技能試験の1つであり、受験資格は等級によって異なるのです。受験資格がないのは、3級配管技能士となります。1級と2級の受験資格は以下にまとめてみました。

<1級配管技能士>

  • 学歴を問わず一定の実務経験が必要(学歴によって実務経験年数が異なる)

<2級配管技能士>

  • 職業訓練校・専門学校などを卒業で実務経験不要
  • 3級配管技能士試験合格で実務経験不要
  • 上記以外の場合は、実務経験2年必要

5-2.申し込み・試験日・試験地

試験は前期と後期にわかれています。前期は6月ごろ、後期は12月ごろです。申し込み受付期間も前期と後期で異なるため、ホームページで確認しておきましょう。受験申し込みや試験実施日程などは、各都道府県職業開発協会で案内しています。受験希望の都道府県職業能力開発協会から受験申請書を取り寄せて、直接または郵送で申し込んでください。

5-3.受験料

配管技能士の試験は、学科試験と実技試験があります。受験料はそれぞれの試験で必要となるので注意してください。学科試験は3,000円、実技試験は16,500円が必要です。また、都道府県によって、受験料が異なるケースもあります。

5-4.合格率・難易度

配管技能士の合格率は、およそ30~50%です。ただし、等級や実施年によってばらつきがあります。必ずしも難しい・易しい試験だと言い切ることはできません。国家試験の1つですが、それほど難しい資格ではないため、きちんと勉強をしておけば合格できる可能性があります。1級・2級は実務経験が必要となる試験なので、毎日しっかり積んでおけば合格率が高まるでしょう。

5-5.合格基準

中央職業能力開発協会のホームページによると、合格基準は実技試験が100満点中60点以上、学科試験は65点以上となっています。つまり、すべての試験において6割以上の点数を取れば、合格できるというわけです。

5-6.試験内容・科目

学科試験はペーパーテスト、実技試験は実際に作業を行う内容です。1級~3級までの試験内容・科目を以下にまとめてみました。

<1級・2級配管技能士>
●学科試験

  • 施工法一般
  • 材料
  • 製図
  • 関係法規
  • 安全衛生
  • 選択科目(建築配管施工法またはプラント配管施工法)

●実技試験

  • 選択科目(建築配管作業またはプラント配管作業)

<3級配管技能士>
●学科試験

  • 施工法一般
  • 材料
  • 製図
  • 安全衛生
  • 選択科目(建築配管施工法またはプラント配管施工法)

●実技試験

  • 選択科目(建築配管作業またはプラント配管作業)

5-7.実地試験について

実際に、配管の作業を行う実地試験は、等級によって問題内容が異なります。基本的に、給水配管図に従い、エルボやチーズなどの工具を使用して配管の組み立てを行う内容です。工具の使い方や配管の組み立て方法をきちんと理解しておかなければなりません。1級・2級受験者は実務経験を積んでいるため、実技試験は難なくクリアできるでしょう。

5-8.問い合わせ先

試験について疑問点がある場合は、受験希望の都道府県職業能力開発協会に問い合わせてください。電話またはFAXで問い合わせ可能です。

6.配管技能士試験の学習方法・ポイントについて

配管技能試験の学習のコツや参考書・テキストの選び方、過去問について説明します。

6-1.学習のコツ

毎日仕事をしながらの勉強は、なかなか難しいことかと思います。「勉強時間がない」と悩んでいる方は、ぜひSATの通信講座を利用してください。通信講座は自分のペースで勉強ができます。特に、SATの通信講座は、試験の重要ポイントを押さえたテキストとDVD映像がセットの教材です。DVD映像はスマートフォンでも再生可能なので、あき時間や移動時間も勉強できます。さらに、わからないところがあれば、先生にメールで尋ねることもできるのです。

6-2.参考書・テキストの選び方

参考書・テキストを選ぶ場合は、自分にとってわかりやすい内容か、重要ポイントが記載されているかに注目してください。口コミや評判もチェックするといいでしょう。また、参考書・テキストは何冊も購入しがちですが、1冊にしぼることをおすすめします。数冊利用するよりも1冊を読み込んだほうが、必要事項が暗記しやすいのです。おすすめの参考書・テキストを以下にピックアップしたので、ぜひチェックしてみてください。

6-3.過去問

テキストで基礎知識を身につけた後は、実際に利用された過去問を解いてみましょう。過去問から同じような問題が出題される可能性もあります。何度も解いていけば、苦手な問題もわかり、試験対策が立てられるのです。過去問は「建築士受験お気楽サイト」でダウンロードできます。

7.配管工に関してよくある質問

配管工に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

7-1.管工事施工管理技士とは?

施工管理技士国家資格の1つで、管工事において配管工程や施工計画の作成、品質・安全管理を行います。主に、現場の全体的なスケジュールを計画して管理する大切な役職です。配管工としてスキルアップしたい方は、持っておいて損はありません。

7-2.配管工の独立でスキルアップを目指すコツとは?

配管技能士だけでなく、管工事施工管理技士や建設設備士の資格を取得することです。特に、建築設備士は、建築士の質問や求めに対して適切なアドバイスをすることができます。建築設備に関する専門的な知識を得ることができる資格です。

7-3.独立してどのくらい経過すれば安定するのか?

その人の人脈や実績・経験にもよりますが、だいたい5年で1人~2人の従業員を雇い働くことができます。独立して5年が経過しても、1人親方や応援を中心に活躍している方も多いのです。会社を大きくするまで時間がかかるでしょう。

7-4.配管工の求人傾向が知りたい

2020年のオリンピックに向けて、建築業界がにぎわっていきています。建築業界において、配管工は必要不可欠な存在です。建築業界がにぎわうほど、配管工の求人も増え、需要が高まります。

7-5.資格取得後の更新や受講は必要なのか?

配管技能士の資格は、定期的な更新や受講は必要ありません。しかし、施工管理技士資格を取得して、管理技術者として働く場合は、定期的に講習を受ける必要があります。資格によって、講習・更新が必要となるので注意してください。

まとめ

いかがでしたか? 配管工は、建築業界において必要不可欠な存在です。給排水・空調設備などの管を組み立て、修理やメンテナンスを行う資格となります。配管工の資格といえば、配管技能士が代表的ですが、独立するためには施工管理技士や建築設備士などの資格も取得したほうが有利です。配管工だけでなく、建築設備全体の知識を習得しておけば、独立しても仕事が入りやすくなる可能性があります。また、経験を積む際は、コミュニケーションを取って人脈を広げておきましょう。独立の際に、培ってきた人脈が大いに役立ちます。配管工として独立して、生活するためには、知識を習得することが大切です。