電波(無線)に関する資格について知りたい。どのような資格があるの?

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電波とは、周波数が3THz(テラヘルツ)以下の電磁波の総称です。テレビ・ラジオ・電話・無線通信なども電波を利用して行っており、電波がなければ私たちの生活は成り立たないでしょう。日本では、電波法という法律で無線通信に使う電波の周波数や電波を扱う設備などに一定の条件を設けています。また、無線通信を行う設備は基本的に資格がなければ扱えません。そのため、無線通信に関する資格を取得すれば、転職や就職に有利です。
今回は、電波(無線)に関する資格について解説しましょう。

  1. 電波の特徴や用途
  2. 電波法と資格について
  3. 無線従事者の資格区分と取得方法などについて
  4. 無線従事者の資格取得方法
  5. 無線の資格に関するよくある質問

この記事を読めば、電波を扱うにはどのような資格が必要なのか、よく分かりますよ。興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.電波の特徴や用途

前述の通り、電波はテレビ・ラジオ・電話・無線通信など幅広い用途で使われています。電波には周波数があり、テレビやラジオ、携帯電話などは受信できる周波数が限られているため、混線が起こることはありません。ここ20年ほどの間で携帯電話とインターネットが一気に普及し、電波の需要も以前より増してきました。その分、電波の障害が発生したりすれば、人々の生活や仕事に多大な影響を与えてしまいます。そのため、電波を扱う法律も定められているのです。

2.電波法と資格について

現在、日本では、電波法という法律で無線通信(テレビやラジオの放送も含む)に使う電波の周波数や、無線通信を行うことができる施設(無線局)などの開局条件を定めています。つまり、誰もが自由に電波を利用し、無線通信を行うことはできません。
無線機器を用いて無線通信を行う場合は、基本的に無線従事者という資格が必要です。主任無線従事者の監督下ならば無資格者でも無線機器の操作を行い、限られた無線通信を行うことができますが、モールス信号などの発信は行えません。ですから、無線機器を操作して無線通信を行う仕事に就きたい場合や、趣味で無線通信(アマチュア無線)を行いたい場合は資格が必要です。
なお、無許可で無線通信を行った場合や、決められた周波数以上の強さで無線通信を行った場合は電波法違反となり、罰金刑等が科せられます。ただし、資格が必要なのは無線通信を発信する場合であり、無線を受信するだけの場合は資格は必要ありません。

3.無線従事者の資格区分と取得方法などについて

この項では、無線従事者の資格区分や取得方法について解説します。どのような資格があるのでしょうか?

3-1.無線従事者とはどのような資格?

前述したように、無線従事者とは無線機器を用いて無線通信を行える資格です。飛行機や船舶と地上の管制塔と無線通信をする場合や、テレビ局・ラジオ局から放送電波を発信する場合、携帯基地局での無線操作などは、すべて無線従事者の資格が必要になります。また、タクシー会社や運送業者では、ドライバーと事業所で無線のやり取りが行われますが、この操作も無線従事者の資格が必要です。つまり、無線従事者の資格を取得すれば、転職や就職に役立つことでしょう。

3-2.無線従事者の資格区分

現在、無線従事者には23の資格区分があります。大きな資格区分としては、総合・陸上・海・航空・アマチュアの4区分があり、さらにその中でも以下のように分かれているのです。

  • 総合無線通信士(1~3級)
  • 陸上無線従事者(陸上無線技術士1.2級・陸上特殊無線技士1~3級・国内電信級陸上特殊無線技士)
  • 海上無線従事者(海上無線通信士1~4級・海上特殊無線技士1~3級・レーダー級海上特殊無線技士)
  • 航空無線従事者(航空無線通信士・航空特殊無線技士)
  • アマチュア無線技士(1~4級)

では、次の項で資格区分についてもう少し詳しく説明しましょう。

3-3.資格区分の意味

無線従事者のうち、総合無線通信士は、陸・海・航空すべての無線設備を技術的に操作することができます。
陸上・海・航空の無線従事者は、陸上無線従事者は陸上にある無線局同士、海上・航空無線従事者は、航空機や船舶に設置された無線機器で、無線通信を行うことが可能です。ただし、地上に無線基地局があっても、船舶や航空機と無線通信を行う場合は、陸上無線従事者ではなく、航空・海上無線従事者の資格が必要になります。

アマチュア無線技士は、趣味として無線通信を楽しむ場合に必要な資格です。なお、アマチュア無線技士の資格を取得していても、アマチュア局以外で無線設備を技術的に操作し、無線通信を行うことはできません。ただし、総合無線通信士をはじめとするそのほかの資格区分を有していれば、別途アマチュア無線技士の資格を取得しなくても、アマチュア無線局で無線通信を行うことができます。

3-4.級の意味

無線従事者の資格は、資格区分ごとに級も設けられています。級数によって無線機器の周波数や空中線電力の強さが異なり、上位資格ほど遠方まで通信ができる機器を扱うことが可能です。また、その分取得する難易度も上がります。そのため、まずは下位級を取得し、徐々にステップアップしていく人も多いでしょう。なお、無線通信士(無線技術士)は特殊無線技士の上位資格として位置づけられています。ですから、特殊無線技士の資格を取得したら、ぜひ、無線通信士(無線技術士)の資格取得にもチャレンジしましょう。仕事の幅が広がります。

4.無線従事者の資格取得方法

この項では、無線従事者の資格取得方法や勉強のコツなどを解説します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.無線従事者の資格取得方法

無線従事者の資格を取得するには、日本無線協会が主催する試験を受けて合格する方法と、養成課程を修了する方法があります。ただし、養成課程を修了して資格が取得できるのは、陸上特殊無線技士・海上特殊無線技士・航空無線通信士・航空特殊無線技士だけです。そのほかの資格は、試験を受けなければ取得できません。また、養成課程がある資格区分でも、一級を受講するには二級や三級をすでに取得していることなどの条件があります。詳しくは、日本無線協会のホームページを確認してください。
なお、養成課程は6~100時間と、資格区分によって差があります。できるだけ早く資格を取得したいという場合は、資格試験を受験しましょう。どの資格区分も受験資格は定められていません。学歴・性別・職歴・経験を問わずに受験できます。

4-2.試験科目について

無線従事者の試験科目は、資格区分によってかなり異なります。日本無線協会のホームページに詳細が載っていますので、自分の受けたい資格の科目をまず確認しましょう。試験は筆記試験が中心ですが、総合無線通信士の場合は実技試験もあります。扱える無線機器の種類が多く、周波数の範囲が広くなるほど試験も難しくなりますので、いきなり難しい資格区分に挑戦するよりは、難易度の低い資格区分から取得していったほうがよいでしょう。ちなみに、特殊無線技士の平均合格率が50%前後なのに対し、総合無線通信士の平均合格率は5~6%です。

4-3.試験の申し込み方法など

資格試験を受けるには、日本無線協会のホームページから電子申請を行うか、願書を郵送しましょう。資格区分によって、試験日や試験会場、受験料がすべて異なります。間違えないように注意しましょう。なお、養成課程の申し込み方法も協会のホームページで案内していますので、養成課程を受講して資格を取得したいという人は、必ず目を通してください。

4-4.勉強方法について

無線従事者の試験に合格するには、電気関係の知識が必要です。ですから、すでに電気工事士の資格などを取得している人は、独学でも問題ありません。東京電機大学出版局から刊行されている「合格精選シリーズ」などの参考書と過去問題集を購入し、知識を身につけましょう。ちなみに、合格精選シリーズは参考書と問題集が一緒になっているので、全く知識のない人が読んでも分かりにくいかもしれません。
効率的に知識を身につけたい人や、全く知識のない状態から合格を目指す場合は、通信教材のほうがおすすめです。SATの教材はテキストだけでなく、専門の講師による講義を収録したDVDやeラーニングもついてきます。また、不明な点や疑問点があればメールで質問も受け付けているので、分からないことがそのままになってしまうこともありません。
なお、日本無線協会のホームページでは過去問と解説を公開しています。試験に興味がある人は、まず過去問に目を通してみましょう。難易度も分かります。

5.無線の資格に関するよくある質問

Q.アマチュア無線の資格を取得していれば、ほかの資格区分の取得も容易でしょうか?
A.容易とまではいきませんが、取得はしやすいと思います。

Q.仕事をしながら養成課程に通うことはできるでしょうか?
A.養成課程の時間が数時間~10時間までなら可能かもしれませんが、それ以上の場合は難しいと思います。

Q.無線従事者の試験には英語があると聞きました。
A.はい。総合無線通信士の試験には英語があります。日常会話ができれば問題ありませんが、ヒアリングの技術が必要です。英語の勉強は、CDやDVDのついた参考書でヒアリングの技術を磨きましょう。

Q.テレビ局で無線機器を操作することなどあるのでしょうか?
A.テレビの電波を発信する機器の操作が無線通信にあたります。また、移動中継車も無線従事者の同乗が必要です。

Q.空港の航空管制塔で無線機器を操作するには、航空無線従事者の資格が必要になりますか?
A.はい。その通りです。航空無線通信士・航空特殊無線技士のどちらの資格を取得しても無線機器を取り扱えますが、航空無線通信士を取得していたほうがより有利でしょう。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は電波(無線)に関する資格について解説しました。無線従事者にはたくさんの資格区分があります。ですから、就職に活用したい場合は、就職先がどのような資格を求めているかしっかりと把握してから資格を取得しましょう。特に、電気工事関係の資格と併せ持っていると、携帯電話の基地局管理などの仕事をしている会社に就職する場合は、かなり有利になります。