学校環境衛生基準や学校環境衛⽣管理マニュアルとはどのようなもの?

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学校環境衛生基準とは、文部科学省が定める学校の環境に対する基準です。学校は、多くの人々が長時間過ごす施設のため、空気・照明・騒音・室温などが適切に保たれていないと、使用者の健康を損ねることもあるでしょう。そのため、文部科学省では学校環境衛⽣管理マニュアルを作成し、学校環境衛生基準を分かりやすく解説しています。

今回は、学校環境衛生基準について解説しましょう。

  1. 学校環境衛生基準の基礎知識
  2. 学校環境衛生の課題などについて
  3. 大規模な建物として学校の衛生管理をする場合
  4. 学校環境衛生基準に対するよくある質問

この記事を読めば、学校の環境などを守る職務についてもよく分かります。建築物環境衛生管理技術者の資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてくださいね。


1.学校環境衛生基準の基礎知識

はじめに、学校環境衛生基準とはどのようなものかを解説します。なぜ、基準が設けられているのでしょうか?

1-1.なぜ、学校に環境衛生基準が必要なのか?

学校は、多くの児童や教諭が利用する施設です。学校安全保健法では、児童生徒等および 職員の心身の健康の保持増進のためにも健康診断や環境衛生検査が必要と定められています。そのための基準が衛生環境基準です。この基準に基づいて学校の環境衛生検査を行い、改善点があればすぐに改める必要があります。

1-2.どのようなものが環境衛生検査をする必要があるの?

環境衛生検査対象となるのは、

  • 換気・保温・採光・照明などの教室の環境
  • 飲料水の水質や設備
  • ネズミや害虫の有無
  • 備品管理
  • プールの環境

などです。検査には日常点検と定期点検があり、日常点検は教職員が行い、定期点検は学校薬剤師が行うようになっています。

1-3.基準やマニュアルについて

学校環境衛生基準のマニュアルは、文部科学省の該当ページで公開されています。また、テキスト式のマニュアルも書店やネットショップで販売されていますので、必要ならば購入しましょう。

1-4.点検の頻度について

換気・保温・採光・照明等の教室環境や備品の管理など、日常的に行う点検は、学校の教職員が毎日校内巡回などをして行います。定期点検の場合は、年に1~3回の割合で学校薬剤師が行い、県の教育委員会に報告し、年度ごとに集計されるのです。
なお、この点検はあくまでも目安であり、完全実施が望ましいとされているものの、完璧に行えなかったからといって罰則等はありません。

2.学校環境衛生の課題などについて

学校環境衛生基準の定期検査は完全実施が望ましいとされています。しかし、学校の認識不足や検査機器の不足などから完全実施とは言えない状態です。そのため、各自治体にある学校薬剤師会では、気軽に学校薬剤師会へ相談を求めています。学校薬剤師が対応しきれない場合は、地域の薬剤師会も協力を申し出ているのが現状です。

3.大規模な建物として学校の衛生管理をする場合

学校と一口にいってもその規模はさまざまです。大規模な学校の衛生管理をする場合、学校薬剤師や教職員では間に合わないこともあるでしょう。この項では、大規模な学校の衛生管理ができる資格などを解説します。

3-1.構築物における衛生的環境の確保に関する法律とは?

床面積が8,000m2以上ある学校は、構築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管理法)が適用されます。この法律が適用されると、建築物環境衛生管理技術者の選任義務が生じるのです。建築物環境衛生管理技術者は、通称ビル管理技術者と言い、ビル管理のプロフェッショナルと言ってよいでしょう。学校の衛生管理の責任者として専門業者への依頼や検査の立ち合いなどを行ってくれるので、教職員や学校薬剤師の負担も軽くなります。

3-2.建築物環境衛生管理技術者を取得するメリット

建築物環境衛生管理技術者は、ビルメン(ビルメンテナンス業務)に関する資格の中では最も取得が難しく、権威ある資格です。前述したように床面積が8,000m2以上ある学校や、床面積が3,000m2以上あるオフィスビルや商業施設・地下街などの施設にも選任が義務づけられています。資格を取得すれば、ビルメンテナンスの最高責任者として、衛生業務・ビル管理業務などのビルメンテナンスの統括業務を行えるのです。また、ビルのオーナーから全権を任され、自治体の担当部署と折衝業務を行うこともできます。

3-3.資格取得方法

建築物環境衛生管理主任技術者を取得するには、2つの方法があります。1つは、2年以上の実務経験を積んで日本建築物環境衛生管理教育センターが主催する試験を受けて合格する方法です。もう1つは、センターが主催する103時間の講習を受講し、修了する方法になります。ただし、講習を受講するには、1級建築士や医師・電気主任技術者などの定められた資格を取得した後で、一定期間、ビルメンテナンス業務の実務経験が必要です。
資格取得に関する詳しいことは、こちらの記事に記載されています。取得を目指す方は、ぜひ併せて読んでみてください。決して易しい試験ではありませんが、取得する価値は十分にあるでしょう。

4.学校環境衛生基準に対するよくある質問

Q.学校環境衛生基準の対象になる学校とはどんなものですか?
A 幼稚園・小学校・中学校・高校・大学など文部科学省の管轄下にある学校全般に適用になります。保育園は厚生労働省の管轄外ですので、適用になりません。

Q.学校環境衛生基準に違反すれば罰則などはありますか?
A 今のところはありませんが、学校環境衛生基準が守れない場合は学校長は速やかに教育委員会に申し出ねばなりません。

Q.学校薬剤師と言うのは、普段から学校に勤めているのですか?
A いいえ、普段は学校に常駐していることはありません。要請に応じて学校へ出向きます。

Q.床面積が8,000m2以下の場合は、建築物環境衛生管理主任技術者の選任義務はありませんか?
A はい。選任の必要はありません。

Q.床面積が8,000m2以上の学校と言うとどのようなものになるでしょうか?
A 大学などが当てはまることが多いですね。また、都会のマンモス学校なども当てはまるでしょう。

5.おわりに

いかがでしたか。今回は学校環境衛生基準について解説しました。文部科学省のホームページを見ていただければ分かりますが、事細かい決まりがあります。これはすべて生徒と教員の健康を守るために必要です。ぜひ、完全な遵守を目指しましょう。