エレベーターの法定点検とはどんなもの?そのやり方とは?

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一定の階数があるビルに必ず設置されている装置といえば、エレベーターです。
高層ビルほどその重要性は増すでしょう。
しかし、エレベーターはビル設備の中でも事故が起こりやすく、大事になりやすいのです。
そこで欠かせないのが法定点検。
今回は、法定点検の頻度や内容をご紹介しましょう。
数年前にエレベーターによる大規模な事故が多発して以来、エレベーターの法定点検の頻度や内容が改定されました。
ですから、より頻繁に点検を行わなくてはならないのです。
建築物環境衛生管理技術者の方は、ぜひこの記事を読んで点検の参考にしてくださいね。

目次

  1. ビルにおけるエレベーターの重要性とは?
  2. エレベーターの点検を怠ると発生しやすい事故とは?
  3. エレベーターの法定点検とは?
  4. おわりに

1.ビルにおけるエレベーターの重要性とは?

3階以上の高さがあるビルならば、よほど古い物件でない限り、エレベーターが備えつけられています。
現在は、20階以上の階数のあるビルも珍しくありません。
高層ビルになるほど、エレベーターがなければ昇降も難しいでしょう。
実際、大地震が起きてエレベーターが止まった場合、高層階から下りられなかったり高層階にある自宅に戻れなかったりする人が大量に発生することが予想されています。
また、何らかの原因でエレベーターが故障して使えなくなったりすると、多くの方に影響が出るでしょう。
特に、不特定多数が利用する商業施設などでは、エレベーターが故障すれば、施設自体が使用不可能になってしまいます。
ですから、エレベーターはビルの生命線といっても過言ではないのです。

2.エレベーターの点検を怠ると発生しやすい事故とは?

では、エレベーターの点検を怠っていると発生しやすい事故にはどのようなものがあるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。

2-1.エレベーターの誤作動

エレベーターが誤作動すると、非常に危険です。
たとえば人が乗っている最中に急に昇降や下降が始まれば、人がはさまれてしまうでしょう。
また、扉があいたのにそこにかごがなければ、人が転落してしまいます。
さらに、目的の階に止まらなかったり上昇や下降が制御できなくなったりすれば、大事故になる可能性もあるでしょう。

2-2.閉じこめられる

エレベーターの扉が開かずに中に閉じこめられてしまうことも、事故の中ではよくあることです。
今は、携帯電話を持っている方が多いですから、すぐに110番できます。
ですから、たいていは1時間以内に助けられるでしょう。
しかし、高齢者や子どもが閉じこめられると大変なことになる可能性もあるのです。

2-3.ロープが切れる

エレベーターの原理は、鋼鉄製のロープと滑車で巨大なかごを上下させるのです。
ですから、ロープが切れれば、エレベーターは重力に従って落下します。
高層ビルほど落下事故が起きれば大変なことになるでしょう。
ロープが切れる事故は現代ではまずありませんが、築年数がたったビルのエレベーターでは起きる可能性があります。

2-4.エレベーター会社のミスで事故が起こることもある

エレベーターは専門の会社が製造し、設置したり点検したりしています。
2003年~2013年にかけて、同じ会社が製造して保守点検をしていたエレベーターに事故が多発したことがありました。
現在でもこの問題は解決していません。
このような例は今後起こりにくいですが、事故を未然に防止するためにも点検は大切です。

3.エレベーターの法定点検とは?

エレベーターの法定点検とは、法律によって決まっている点検のことです。
この項では、法定点検の期間や何を点検するかということまでご説明します。

3-1.エレベーターの法定点検の内容とは?

エレベーターの法定点検とは、法律に基づいて決められている点検のことです。
どんなエレベーターでも1年に1回は業者の手によって点検されなければなりません。
この法律は、平成20年に改訂されました。
これは、皆様もご存じのように、同じ会社が製造したエレベーターによる事故が多発したことに由来します。
「うちのエレベーターは大丈夫」と思っていても、法律で決められているのですから守らなくてはなりません。
ですから、必ずエレベーター業者に依頼して点検してもらいましょう。
ちなみに、点検をするにも資格が必要です。
エレベーターの点検を行ってくれる業者はたくさんありますので、どの業者に依頼する科は建築物環境衛生管理技術者の裁量で決められます。
費用だけでなく点検のやり方や説明の分かりやすさなども考慮して業者を選びましょう。

3-2.点検するだけではダメ?

エレベーターの点検は、ただ行うだけでは不十分です。
前述したようにエレベーターの法定点検に関する法律は、平成20年に改訂されました。
ですから、今まで問題なかった箇所でも、補修の対象になることもあります。
エレベーターの整備点検も建築物衛生管理技術者の業務のひとつですが、法律の改定にまで手が回らないという方も多いでしょう。
そこで、業者を選ぶ際は報告書の作成や改善点の報告、さらに改善方法を提示してくれる業者を選ぶとよいですね。
特に、築年数がたったビルについているエレベーターほど、改善点が多いと思います。
ですからアフターケアの手厚い業者を選ぶとよいでしょう。

3-3.エレベーターの日々の点検とは?

エレベーターは、高層ビルほど使う頻度が多い設備です。
また、たとえそれほど階数がないビルでも、ついていれば「使おう」と思う方が多いでしょう。
ですから、エレベーターは水道や電気設備と同じくらいメンテナンスが大切な設備です。
ビルの電気設備は、「電気主任技術者」を選任し、日々の保守点検をしているビルも多いでしょう。
水道設備も定期的な保守点検をしてくれる業者と契約しているビルのオーナーも少なくないと思います。
ですから、エレベーターも日々保守点検をしてくれる業者と契約をした方が安全です。
新しいエレベーターならば、業者がコンピューターで遠隔から監視しており、保守点検は数か月で一度でもよいという製品も多いでしょう。
しかし、築年数がたったビルにつけられたエレベーターは、業者が直接きて点検するしかありません。
なので、エレベーターの新しさによって、どんな点検をしてもらうかを決定するとよいでしょう。
なお、あまり古いエレベーターの場合は保守点検の費用ばかりかかってきます。
つけ替えることも念頭においておきましょう。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は、エレベーターの法定点検についていろいろとご紹介しました。
まとめると

  • エレベーターは、平成20年の法改定により年1回の法定点検が義務づけられている。
  • 法定点検は専門の業者に任せた方が確実である。
  • 法点検は点検をすれば終わりではない。報告書を作成し、改善点を報告し改善案を提示する必要がある。
  • 築年数がたったビルのエレベーターほど、日々の保守点検が大切。

ということです。
前述したようにエレベーターは高層ビルほど大切なもの。
たとえ短時間で復旧できたとしても、不具合が頻発すれば利用者が不安になるでしょう。
ですから、しっかりとした保守点検をしてくれる会社に依頼してください。
なお、事故を起こしたエレベーターと同じ企業のエレベーターを設置しているビルの場合は、特に注意が必要です。
必要ならば、業者の営業マンなどと面談して、改善点を提示してもらいましょう。

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