土木施工管理技士の受験に必要な実務経験とは? 徹底解説します。

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土木施工管理技士とは、橋や道路・河川・上下水道工事などで安全管理や工程管理・施工に必要な技術管理を行うための資格です。また、主任技術者や監理技術者になることもできるため、土木工事の現場には欠かせません。土木工事を生涯の仕事としてがんばっていこうという方にとっては、ぜひ取得しておきたい資格でしょう。

そこで、今回は土木施工管理技士の資格を取得するための方法や、受験資格を得るための実務経験のことについてご紹介します。

  1. 土木施工管理技士に関する基礎知識
  2. 土木施工管理技士を取得するための実務経験とは?
  3. 土木施工管理技士の試験内容や勉強方法とは?
  4. 土木施工管理技士の実務経験に関するよくある質問

この記事を読めば、土木施工管理技士の受験資格を得るために必要な実務経験についてよく分かるでしょう。土木施工管理技士にチャレンジしたいと思っている方は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.土木施工管理技士に関する基礎知識

はじめに、土木施工管理技士とはどのような資格かということをご紹介します。取得するとどのような職務に就くことができるのでしょうか?

1-1.土木施工管理技士とはとのような資格?

土木施工管理技士とは、施工管理技士の一つで土木工事現場で安全管理や工程管理・施工管理などを行うことができる資格です。建設業法の第27条における技術検定制度に従って定められており、主任技術者や監理技術者にもなることができます。土木工事を安全かつ計画的に施工するためには、土木施工管理技士の働きが欠かせません。一般の工事だけでなく、東日本大震災や熊本地震の復旧工事の現場などでも、土木施工管理技士には高い需要があります。

1-2.土木施工管理技士の種類

土木施工管理技士には1級と2級があります。1級は、土木工事全般で安全管理や工程管理などを行える資格です。2級は土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3種類に分かれており、取得した工法の工程管理や安全管理を行うことができます。1種の方が行える職務が多いのですが、その分取得が難しくなっているため、まず2級を取得してから実務経験を積み、1級にチャレンジする方もたくさんいるのです。

1-3.土木施工管理技士を取得するメリット

土木施工管理技士を取得すれば、自分の技術を客観的に証明できます。また、技術者を管理する主任技術者・監理技術者になることができますので、工事現場では責任ある立場に就くことができるでしょう。出世の道も開けますし、転職にも有利です。会社によっては積極的に取得をすすめているところもあります。資格手当が出ることはもちろんのこと、定年を過ぎても「ぜひ働いてほしい」と請われたりすることもあるでしょう。
有資格者の平均年収は400万円~500万円ほどで、責任者となる工事が大きいほど年収もアップする傾向にあります。

2.土木施工管理技士を取得するための実務経験とは?

この項では、土木施工管理技士の資格を取得するために必要な実務経験について詳しくご紹介します。どの程度必要なのでしょうか?

2-1.実務経験とは?

土木施工管理技士の受験資格を得るには、一定期間の実務経験が必要です。2級の場合は土木工事の実務経験でよいのですが、1級を受験するには、1年以上の指導監督的な実務経験が必要になります。ですから、アルバイトなどでちょこっと土木工事をやったことがある、という程度では受験資格は得られません。土木施工管理技士を目指すなら、土木工事を行う会社に就職し、実務経験を積む必要があります。

2-2.受験資格を得られる実務経験について

2-2-1.2級土木施工管理技士の受験資格を得るための実務経験

2級土木施工管理技士の受験資格を得るための実務経験は、一般的な工事経験で大丈夫です。実務経験の年数は、学歴よって変動します。最短は大学の工学部土木科など指定学科を卒業した後、1年以上の実務経験、全く学歴がない方の場合は8年以上の実務経験が必要です。
高校まで卒業していれば、4年6か月以上の実務経験で受験資格を得られます。

2-2-2.1級土木施工管理技士の受験資格を得るための実務経験

1級土木施工管理技士の受験資格を得るためには、前述したように実務経験の中に1年以上の指導監督的な立場での実務経験を含むことが必要です。そのため、学歴に関係なく専任の主任技術者経験がある人は、1年で受験資格を得られます。
それ以外の方は、2級と同じように学歴で必要な経験の年数が変わるのです。こと細かく分類されていますので、試験を主催している全国建築研修センターのホームページで確認してください。最短は、大学の指定学科を卒業した方の3年以上の実務経験です。全く学歴がなく2級土木施工管理技士の資格も未修得の場合は、15年以上の指導監督的な立場での実務経験が必要になります。2級土木施工管理技士の資格を取得し、専任の主任技術者になることができれば、それが1年に短縮されるので、2級を取得してから1級を取得するのもおすすめです。

2-3.受験資格を証明する書類とは

実務経験や学歴を証明するには、学校の卒業証書や2級土木施工管理技士の合格証書・専任技術者であることを証明する、請け負った工事請負契約書の写しが必要です。会社に在籍している証明書や、このような工事を行ってきたということを証明する書類は必要ありません。
試験では、今まで自分が行ってきた土木工事に基づいた問題も出されるので、不正をした場合はすぐにばれます。

2-4.注意点など

どのような仕事が受験資格を得られる実務経験に当たるのか、分からない方もいるでしょう。そのような場合は、全国建築研修センターのホームページ上で公開されている土木施工管理技士の受験の手引きを確認してください。実務経験に該当する工事の種類や願書提出の際に必要な書類がすべて書かれています。もし分からないことがあった場合は、全国建築研修センターに問い合わせても構いません。

3.土木施工管理技士の試験内容や勉強方法とは?

では、土木施工管理技士の試験とはどのようなものなのでしょうか?この項で、試験内容や勉強方法のコツなどをご紹介しましょう。ぜひ参考にしてくださいね。

3-1.土木施工管理技士の試験内容

土木施工管理技士の試験は、学科試験と実地試験があります。学科試験は、

  • 土木工学
  • 施工管理法
  • 法規

の3種類です。1級2級とも内容に変わりはありませんが、2級は土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3区分に分かれているため、その分範囲が狭くなります。学科試験に合格すると記述式の実地試験があり、それに合格すると資格取得となるのです。
実地試験は施工計画・工程管理・品質管理・出来形管理・安全管理・環境対策から2テーマが出題され、その中から1つを選んで解答するという試験になります。この試験は、自分の経験した工事を例に挙げて、

  • 求められる管理基準
  • 工事の課題や発生した問題
  • 課題や問題に対して行った対策方法
  • その結果

を記述するのです。2級の場合は、自分の受験する区分の施工管理法について同じように記述します。なお、2級の方は学科と実地の両方を同日に受験するため、合否も一度で判明するのです。学科試験が合格基準に達していなければ、実地試験は採点されません。そのため、学科に落ちたけれど実地は合格したということは起こりませんので注意しましょう。

3-2.試験科目の免除項目など

学科試験に合格し、実地試験に不合格だった場合は翌年に限り学科試験が免除になります。また、建設部門や上下水道部門などの技術士資格を取得していれば、学科試験が免除になるのです。
2級土木施工管理技士の場合、大学・短大・専門学校・高校で施工技術検定規則第二条に定められた学科の単位を取得した場合は、学科試験が免除になります。詳しいことは全国建築研修センターのホームページで確認してください。

3-3.難易度や合格率

土木施工管理技士の合格率は1級が20%前後、2級が30%前後になっています。学科と実地で比較すると、学科は1級・2級とも50%~70%の合格率であるのに対し、実地は25%~30%と低くなっているのです。そのため、実地試験の対策方法が合格のキーポイントになるでしょう。
ちなみに、学科・実地共に6割以上の得点率で合格になります。足切点はありません。

3-4.申し込み方法など

土木施工管理技士の試験は、全国建築研修センターが主催しています。2級の試験は年に2回実施されていますので、学科試験か実地試験だけの受験が可能です。1級の場合は、学科試験と実地試験の日が分かれていますので、学科と実地を両方受験するか実地試験だけを受けるかの選択になります。申し込み後に変更はできません。
願書は1部600円で、インターネット通販や各県にあるセンター支部の窓口で購入してください。申し込み方法は郵送か、窓口に直接願書と必要書類を提出する方法だけです。電子申請の申し込みは行っていません。
試験会場は、全国13か所で行われるため、試験会場から遠い場合は試験の前後日もあけておきましょう。

3-5.勉強方法のコツなど

土木施工管理技士の試験勉強の方法には、独学・通信教材の利用・予備校などの講習会に通うという3つの方法があります。実務経験者だけが受験する試験ですから、独学でチャレンジをする方も多いでしょう。しかし、独学の場合は分からないところが出てきた場合、そこでつまずく可能性があります。ですから、1度で合格したい場合や独学で勉強をした結果不合格になってしまった方は、添削教材がある通信教材を利用するか、講習会に参加しましょう。直前講習などもあるので、勉強できる時間に合わせられる予備校を選んでください。
通信教材の方が自分のペースですすめられますし、通学時間もありませんから地方に住んでいる方や仕事が忙しい方におすすめです。

実地試験の場合は、自分が経験した工事の中から使えるネタをあらかじめ拾っておき、過去問と照らし合わせて模範解答に近い解答ができるように勉強をしましょう。ただし、模範解答をそのまま丸暗記にして試験に使用してはいけません。必ずばれます。模範解答をお手本に、必ず書かなければいけないことと文章の組み立て方を学んでおけば大丈夫です。

4.土木施工管理技士の実務経験に関するよくある質問

Q.実務経験があと数か月足りず、試験日までには満たせる予定です。受験資格はありますか?
A.申し込み日までに実務経験を満たしている必要がありますので、受験資格はありません。

Q.20代のうちに施工管理技士になることはできますか?
A 大学の指定学科を卒業していれば可能です。

Q.土木工事の仕事をずっと続けるならば、必ず取得しなければなりませんか?
A.工事をするだけならば必要ありませんが、監理者になるためには必要です。

Q.女性でも取得可能でしょうか?
A はい。年々受験者が増えています。

Q.受験年齢の上限はあるのでしょうか?
A ありません。40代・50代でチャレンジする方もいます。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、土木施工管理技士の資格試験を受験するために必要な実務経験を中心に、いろいろとご紹介しました。監理技術者や主任技術者になるための試験ですから、実務経験は必要です。何年か実務経験を積み、受験資格を得られたらチャレンジしてみましょう。給与のアップにもつながりますし、出世の道も開けます。