一級建築士【製図】は、製図用の参考資料が少なく、他の人からの添削が受けられないといった理由から独学での合格が難しいとされている試験です。 この記事では、独学での勉強が難しい理由と対策方法について詳しく解説します。 独学で一級建築士【製図】の勉強を行うデメリットや必要な時間と練習量を確認してください。
独学で一級建築士【製図】を勉強するデメリット
一級建築士【製図】を独学で勉強する際のデメリットとしては、大きく分けて2つあります。
No. | 独学で一級建築士【製図】を勉強するデメリット |
---|---|
1 | 製図用の参考資料が少ない |
2 | 他者からの添削を受けられない |
どちらも独学で勉強する際に立ちはだかる大きな壁です。 なぜ、これらが大きなデメリットとなるのかを具体的に見ていきましょう。
1.製図用の参考資料が少ない
独学での勉強をする際に、製図用の参考資料が少ないことが1つ目のデメリットです。 特に製図試験は、公開模試が少ないので想定問題を自分で作成して対策する必要がありますが、これも効果的ではありません。 というのも、自分で作成した問題は、解答がすでにわかっているためです。 他の資格試験で有効な過去問対策も、一級建築士では役に立ちません。 製図試験は毎年テーマが違うため、的を絞って勉強するのではなく、どのようなテーマが出題されても対応できる必要があります。 また、製図試験の課題が発表されるのは、試験3ヶ月前です。 前もって準備ができないので、課題発表後、効率的かつ戦略的に対策すべきと言えるでしょう。 独学と比較して予備校や通信講座であれば、年度ごとのテーマにあわせて的を絞った想定問題を豊富に提供してくれるため、資料を自分で用意する必要がありません。 テーマ別に条件を想定した練習により、実践的に応用力が身に付くため、独学と比較して効率的に勉強できるのがメリットです。 独学で勉強する際には、このデメリットをカバーするために、テーマ別かつ条件別にさまざまな設計の練習を行うことが大切と言えるでしょう。
2.他者からの添削を受けられない
製図試験の勉強をするうえで、図面の添削は重要です。 試験に合格するためには、記述した内容に十分な量のキーワードが含まれているかを確認し、細かなミスや見落としの有無についてもチェックしなければいけません。 独学で勉強する際、日頃から設計図面を読むトレーニングを行っていない限りは、自分の図面が正しいのか間違っているのかを判断するのにも時間がかかります。 予備校や通信講座であれば「講師」が添削を行い、作図密度や表現方法など、さまざまなコメントをしてくれるため、効率的に勉強できます。 間違いが多い箇所については、自分自身でチェックリストを作成すれば確認できますし、専門の講師が持つテクニックなども身に付けられます。 独学は全て一人で勉強するため、受講料金などは必要としませんが、製図試験で合格するために必要な能力も自分で身に付けなければいけないのがデメリットです。 勉強する際には、これらを念頭に置いて対策していきましょう。
一級建築士を独学で合格するポイント
先ほどのセクションで、独学での勉強は製図用の資料が少なく、他者からの添削が受けられないデメリットがあることをお話ししました。 独学で合格するには、添削してくれる相手と練習量の確保がとても大切です。 このセクションでは、一級建築士を独学で勉強する際のポイントである、必要な時間と練習量について解説します。
独学で必要な時間と練習量
予備校などでは、筆記試験が終了してから製図試験までの間に、製図の清書を30枚作成することを推奨しています。 製図試験は、これだけの練習量をこなしている予備校生などを相手にするため、同じかそれ以上の練習量を独学でも行う必要があります。 2ヶ月間で製図を30枚、エスキスの練習も含めて40枚程度の練習量を目標にしましょう。 また、独学では練習量とは別に練習時間の確保も大切です。 試験と同じ時間(6時間半)での予行練習を繰り返し行わなければいけません。 理想的な時間配分は、製図を2時間半~3時間で記述し、筆記部分を1時間、残りの時間を問題の読み込みとエスキスに使用することです。 予備校などで製図の練習を多く行うことを推奨しているのは、経験を積んで製図時間を短縮し、筆記とエスキスの時間をより多くするためと言えます。 しかし、練習を始めたばかりのうちは、製図だけで7~8時間かかります。 実際の試験ではこれだと製図の時点で不合格となってしまうので、2時間半~3時間の枠に収めなければいけません。 密度の高い製図図面とクオリティの高い設計、充実した筆記内容を作成するために、6時間半の予行練習を週3~4回実践する時間を確保しましょう。
まとめ
今回の記事では、一級建築士【製図】を独学で勉強する際のデメリットと対策方法について解説しました。 製図試験は、独学の合格は不可能ではありませんが、他者からの添削を受けられず練習量も必要なため、簡単に合格できる試験ではありません。 通信講座や予備校なども視野に入れ、十分な練習時間を確保した上で、効率的かつ計画的に一級建築士を攻略していきましょう。