これらはどちらを受けてもフォークリフトの運転ができるようになりますが、免許によって運転できる機体に制限がある等の細かい違いがあります。
この記事では2つの資格の違いを説明していますので、ぜひご覧ください。
目次
大きな違いは最大荷重と講習時間
「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」と「フォークリフト運転技能講習」の2つの資格を比較した表が下記になります。
項目 | フォークリフトの運転の業務に係る特別教育 | フォークリフト運転技能講習 |
---|---|---|
最大荷重 | 1トン未満 | 1トン以上 |
学科講習時間 | 6時間以上 | 11時間以上 |
実技講習時間 | 6時間以上 | 24時間以上 |
※ 講習時間は運転免許等のいずれの免許も所持していない場合の時間
最大荷重には「1トンの壁」がある?
実務上での大きな違いは「最大荷重」です。
フォークリフトの機体には大小様々なものがありますが、それら全てに最大荷重が必ず定められています。フォークリフトにおける最大荷重とは、簡単に説明すると「そのフォークリフトが積載できる最大の重さ」のことです。
小さいフォークリストですと0.5トン程度からありますが、大きい機体だと数十トンを超えるものもあります。
この最大荷重がフォークリフトの免許に大きく関わります。上記の表にある通り、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」では1トン未満の機体しか運転することができません。
一方、「フォークリフト運転技能講習」を修了すると1トン以上の機体も運転できるようになります。
なおどちらの免許を取得したとしても公道を走行する場合は自動車の運転免許が必要になりますので、注意してください。
講習時間の違い
両方の講習ともに「学科講習」と「実技講習」の2つを受ける必要がありますが、講習時間にも違いがあります。
フォークリフトの運転の業務に係る特別教育の講習時間
学科講習
講習名 | 講習時間 |
---|---|
走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 2時間 |
荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 2時間 |
運転に必要な力学に関する知識 | 1時間 |
関係法令 | 1時間 |
実技講習
講習名 | 講習時間 |
---|---|
フォークリフトの走行の操作 | 4時間 |
フォークリフトの荷役の操作 | 2時間 |
フォークリフト運転技能講習
学科講習
講習名 | 講習時間 |
---|---|
走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 4時間 |
荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 4時間 |
運転に必要な力学に関する知識 | 2時間 |
関係法令 | 1時間 |
実技講習
講習名 | 講習時間 |
---|---|
フォークリフトの走行の操作 | 20時間 |
フォークリフトの荷役の操作 | 4時間 |
以上がそれぞれの資格の講習時間になります。
講習名を見ていただく通り講習の内容は同じですが、講習時間が違うという特徴があります。
また既に所持している資格によって講習が免除されるケースもあります。
例えば学科講習の「走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識」は、普通・中型・大型・大型特殊(カタピラ限定を含む)免許を所持していると免除されます。

講習時間に関しては、法令で定めされた規定の講習時間になります。
また講習機関によっては、表記されている時間より長くなる場合もあります。
「特別教育」と「技能講習」のどちらを受けるべきか
ここまで読んだ方の中には、結局どちらを受けるべきなのかを悩んでいる方も多いかと思います。
結論としては、職場や担当する現場等で1トン未満のフォークリフトしか乗らない場合は「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」を受講することをオススメします。
確かに「フォークリフト運転技能講習」の方が1トン以上の機体に乗れますが、普段乗ることがない場合は持っていても仕方がありません。
また多くの講習期間において、特別教育の方が技能講習に比べて講習料も安くなっています。
フォークリフトの運転の業務に係る特別教育を受講して仕事の幅を広げよう
フォークリフトの運転ができるようになると、当然仕事の幅は広がります。
会社によっては資格手当が出て給与がアップすることもあるでしょう。興味のある方はぜひ取得を目指して頑張ってみてください。