給水装置工事主任技術者は、給水装置工事事業者が水道事業者から指定を受けるために必要な国家資格です。
主任技術者の有資格者は、事業者ごとに選定が義務付けられているので、需要が高く人気があります。国家資格ということもあり、難易度の高さや合格率について気になる方も多いはずです。
こちらでは、給水装置工事主任技術者の合格率を踏まえ、合格するための勉強法について解説します。
目次
給水装置工事主任技術者の合格基準と合格率
給水装置工事主任技術者を受験するにあたり、受験資格などの基礎知識と、試験の難易度と合格率を把握しておきましょう。
給水装置工事主任技術者の受験資格
給水装置とは、水道事業者の排水管から分岐して設ける給水管と、これに直結する給水用具を指します。
そして、給水装置工事主任技術者は、指定給水装置工事事業者が行う給水装置工事の技術水準を保つため、工事を施工する主任技術者に対して与えられる国家資格です。指定の給水事業者は有資格者を選定する義務があるので、需要が安定しているというメリットもあります。
受験資格は、給水装置工事の実務経験が3年以上あることが条件です。
給水装置の工事計画の立案や施工計画、工事現場の監督業務、給水用具の設置など、給水装置工事に関するすべての技術上の業務が対象となります。また、これらの技術を習得するために業務に従事していた場合でも、受験資格があると見なされます。
試験科目の合格基準と合格率
給水装置工事主任技術者の試験は8科目で構成されており、定められている3つの合格基準をすべて満たすと合格になります。(ただし、この3つの条件は試験科目の一部免除がなく、すべての科目を受験した場合に適用となります。)
- 必須6科目(公衆衛生概論、水道行政、給水装置の構造および性能、給水装置工事法、給水装置計画論、給水装置工事事務論)の合計が27点以上
- 全8科目の総得点40点以上
- 各科目の得点が基準の点数以上
各8科目の概要と、令和6年度試験における合格に必要な得点基準は以下になります。
1.公衆衛生概論(1点)
水道水の汚染による公衆衛生問題に関する知識、水道の基本的な知識など
2.水道行政(2点)
水道行政に関する知識、給水設備に必要な法令や供給規程に関する知識
3.給水装置の概要(4点)
給水管、給水用具、給水装置の工事方法に関する知識
4.給水装置の構造および性能(4点)
給水管と給水用具の性能、給水装置工事が適正に施工された給水装置であるかの判断基準などの知知識
5.給水装置工事法(2点)
給水装置工事の適正な施工ができる知識
6.給水装置施工管理法(2点)
給水装置工事の工程管理、品質管理、安全管理に関する知識など
7.給水装置計画論(5点)
給水装置の計画や策定に必要な知識と技術
8.給水装置工事事務論(3点)
工事の従事者の指導に必要な知識
各科目の合格基準点は試験年度によって変わりますのでご注意ください。
給水装置工事主任技術者の合格率
そして、合格率は例年で30~45%前後を推移しています。年度によっては45%近くいくこともありますが、最近は30%前半程度の年度が多くなっています。
給水装置工事主任技術者 過去に実施された試験の合格率 | ||||
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年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和元年度 | 15,277人 | 13,001人 | 5,960人 | 45.8% |
令和2年度 | 13,418人 | 11,238人 | 4,889人 | 43.5% |
令和3年度 | 14,064人 | 11,829人 | 4,209人 | 35.6% |
令和4年度 | 14,052人 | 12,058人 | 3,742人 | 31.0% |
令和5年度 | 14,482人 | 12,616人 | 4,351人 | 34.5% |
令和6年度 | 14,550人 | 12,629人 | 4,407人 | 34.9% |
難易度はやや高めな試験といえるでしょう。受験をされる際は、油断することなく試験に挑むようにしてください。
給水装置工事主任技術者に合格するコツ
給水装置工事主任技術者の試験勉強は、一般的な独学だけでなく、講習を受講する、通信講座といった別の方法もあります。
試験の合格率を上げるために、それぞれの方法で効果的な勉強のコツを紹介します。
独学で勉強する
独学で勉強する場合、基本的に参考書や過去問を使って勉強するはずです。給水装置工事主任技術者の試験対策本は、書店等にて購入することができます。
独学で勉強をはじめるコツは、参考書から手を付けるよりも、過去問を解いてみて問題の内容や傾向を知ることです。どれくらい解けるのか、苦手な科目があるかを把握すると、今後の勉強計画を立てるのに役立ちます。
また、過去問を解いて分からなかった問題は、参考書の解説を読んで理解すると効率よく勉強できます。覚えにくい用語やミスしやすい問題など、重要なポイントをノートにまとめてアウトプットする方法も効果的です。
講習を受ける
いくつかの団体や企業が、合格のための受験対策講座を開催しています。講習会場に通学して、受講するタイプが主流です。独学では勉強が続かない、分からない問題を質問したいという方に適しています。
通信講座で勉強する
通信講座では、インターネットでの動画視聴とテキストで勉強する、Eラーニングで受験対策ができます。
自宅にいながら本格的な講習が受けられるので、まとまった時間が取れない方、何度も動画を見て勉強したい方に最適です。
教材も分かりやすいように工夫されており、はじめて勉強する方でも理解しやすいというメリットもあります。
しっかり取り組めば最短30日で合格できる可能性もあるので、独学で合格できるか不安な方は、通信講座を視野に入れてみてもいいでしょう。
給水装置工事主任技術者は通信講座がおすすめ
給水装置工事主任技術者の資格は指定事業者ごとに選定する必要があるので、長い需要が見込める資格です。合格率は30%~45%となっており、年度によって多少バラツキがある傾向です。
ただし、試験の科目数が多いうえに、合格基準も定められているので、まんべんなく勉強する必要があります。通信講座なら自分が理解するまで徹底的に勉強できるので、一発合格を目指すことも十分可能です。
需要が高い給水装置工事主任技術者に挑戦する方は、通信講座をぜひ検討してみてはいかがでしょうか?