土木施工管理技士

【2023年版】土木施工管理技士の試験内容は?1級と2級の違いを徹底解説!

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土木施工管理技士は、多くの現場で実施される土木工事において、技術上の管理を行う国家資格です。

建設業界の施工管理技士として仕事に従事したい方であれば取得しておきたい資格ですが、1級と2級の区分があるため、どちらを受験したらよいかわからない方が多いのではないでしょうか。

従事できる仕事の規模や合格率、受験資格などの部分が異なるため、まずは土木施工管理技士についての情報を集めておきましょう。

そこで今回は、土木施工管理技士の試験内容について解説します。仕事の内容や1級と2級の違いについても確認してください。

土木施工管理技士とは

土木施工管理技士とは、国土交通省が管轄する施工管理技士の資格で、公共の工事で設置される主任技術者や監理技術者に必須の国家資格です。

従事できる仕事の規模によって1級と2級に分けられていますが、どちらも基本的な役割としては変わりません。仕事内容と簡単な違いについてみていきましょう。

土木施工管理技士の仕事内容

建設業の土木工事において技術上の管理ができる土木施工管理技士ですが、具体的な仕事内容としては次のとおりです。

土木施工管理技士の仕事場所土木施工管理技士の仕事内容
河川、道路、ダム、トンネル、港湾、鉄道、上下水道、災害復旧工程管理、安全管理、品質管理、原価管理、出来形管理、行政への申請

ちなみに、土木施工管理技士には1級と2級がありますが、これらは従事できる仕事の範囲が異なります。

2級では、一般建設業の営業所における「専任技術者」、作業工程ごとの責任者として設置される「主任技術者」として仕事に従事できます。

1級では、2級の範囲にくわえて特定建設業の営業所における「専任技術者」、現場を指揮する役割を担う「監理技術者」として仕事に従事できます。

この監理技術者として従事できるかどうかが1級と2級の大きな違いといえるでしょう。

また、就ける仕事の規模以外にも1級と2級では、受験資格や試験の詳細が異なります。

次のセクション以降で解説する土木施工管理技士試験の詳細について確認し、必要な情報を集めてください。

【2023年版】土木施工管理技士の試験とは?

土木施工管理技士試験では、試験種別ごとに試験日や受験資格などが異なります。
土木施工管理技士試験の概要についてみていきましょう。

試験の詳細 1級と2級の比較

土木施工管理技士の試験は、次の日程で実施されます。

項目資格区分実施内容
試験日2級第一次検定(前期):土木のみ
2023年6月4日(日)
第一次・第二次検定、第一次検定(後期)
2023年10月22日(日)
1級第一次検定:2023年7月2日(日)
第二次検定:2023年10月1日(日)
受験費用2級第一次・第二次検定:10,500円
第一次検定のみ:5,250円
第二次検定のみ:5,250円
1級第一次検定:10,500円
第二次検定:10,500円
合格基準2級得点が総得点の60%以上
1級

上記が土木施工管理技士試験の詳細です。試験区分によって受験料や日程が変わるため、注意してください。

合格率 1級と2級の比較

土木施工管理技士の合格率について、過去の実施データを参考にしてみていきましょう。

実施年度土木施工管理技士(1級)土木施工管理技士(2級)
第一次検定第二次検定第一次検定第二次検定
2022年度54.6%28.7%
2021年度60.6%36.6%73.6%35.7%
2020年度60.1%31.0%72.6%44.2%
2019年度54.7%45.3%67.1%39.7%
2018年度56.5%34.5%63.4%35.0%
2017年度66.2%30.0%71.6%34.3%
2016年度55.0%36.7%48.3%29.9%

※ 2020年度以前は、第一次検定は学科試験、第二次検定は実地試験として実施

上記が過去の実施データです。

1級と2級を比較してわかるとおり、合格率に大きな違いがあるわけではないため、従事する仕事にあわせて資格を取得しましょう。

受験資格 1級と2級の比較

土木施工管理技士は、誰でも受験できる試験ではありません。次に記載する受験資格を満たしている方のみ受験できます。

学歴区分実務経験年数
指定学科卒業後※指定学科以外卒業後
大学
専門学校「高度専門士」
2級1年以上1年6ヶ月以上
1級3年以上4年6ヶ月以上
短期大学
高等専門学校
専門学校「専門士」
2級2年以上3年以上
1級5年以上7年6ヶ月以上
高等学校
中等教育学校
専門学校(専門士以外)
2級3年以上4年6ヶ月以上
1級10年以上11年6ヶ月以上
その他2級8年以上
1級15年以上

※ 「全国建設研修センター」にて確認してください。

また、2021年度の4月より施工管理技士全般の受験資格が緩和されました。2級の第二次検定合格者が1級の第一次検定を受験する場合に限って受験資格が不要です。

第二次検定を受験する際には合格後5年以上の実務経験が必要ですが、2級の第二次検定合格の翌年から、1級の第一次検定は受験できます。

また、第一次検定の合格者には新規資格である「技士補」が付与されます。技士補が付与されると第一次検定が免除されて第二次検定を何度でも受験できるとのことです。

技士補になると監理技術者の配置義務が緩和されるといったメリットもあるため、土木施工管理技士を目指す方にとっては、大きなチャンスといえるでしょう。

さらに詳しく!
土木施工管理技士とは?仕事内容から資格の特徴まで押さえよう

土木施工管理技士の試験内容

1級・2級土木施工管理技士は、それぞれで試験の出題科目が異なります。次項に記載する表を参考にして、試験の範囲を確認してください。

1級土木施工管理技士の出題科目と試験時間

1級土木施工管理技士の出題科目と試験時間は、次のとおりです。

試験区分出題科目出題内容試験時間
第一次検定土木工学など土木一式工事の施工に必要な土木工学、電気工学、機械工学、および建築学に関する一般的な知識を有すること
設計図書に関する一般的な知識を有すること
午前
2時間30分
午後
2時間
施工管理法土木一式工事の施工計画の作成方法および工程管理、品質管理、安全管理など工事の施工の管理方法に関する一般的な知識を有すること
法規建設工事の施工に必要な法令に関する一般的な知識を有すること
第二次検定施工管理法土質試験および土木材料の強度などの試験を正確に行うことができ、かつ、その試験の結果に基づいて工事の目的物に所有の強度を得るなどのために必要な措置を行うことができる高度の応用能力を有すること
設計図書に基づいて工事現場における施工計画を実施することができる高度の応用能力を有すること
2時間45分

上記が1級土木施工管理技士の試験内容です。出題範囲が非常に広いため、試験本番までに長期的な勉強を実践してください。

2級土木施工管理技士の出題科目と試験時間

2級土木施工管理技士では、受験する種別によって試験内容が異なります。それぞれの出題科目と試験時間については、次のとおりです。

土木

試験区分試験科目試験形式試験時間
第一次検定土木工学など択一式2時間10分
施工管理法
法規
第二次検定施工管理法記述式2時間

鋼構造物塗装

試験区分試験科目試験形式試験時間
第一次検定土木工学など択一式2時間10分
鋼構造物塗装施工管理法
法規
第二次検定鋼構造物塗装施工管理法記述式2時間

薬液注入

試験区分試験科目試験形式試験時間
第一次検定土木工学など択一式2時間10分
薬液注入施工管理法
法規
第二次検定薬液注入施工管理法記述式2時間

上記が2級土木施工管理技士の試験内容です。

種別ごとに試験日も異なるため、先ほどのセクションで解説した試験の日程を確認して間違えないようにしてください。

合格基準

試験の合格基準ですが、1級・2級ともに共通しています。

第一次検定、第二次検定それぞれにおいて「得点が総得点の60%以上獲得していること」が土木施工管理技士の合格基準です。

どちらかが合格基準に達していないと不合格になるため注意しましょう。

まとめ

1級土木施工管理技士の試験内容は?

1級土木施工管理技士の試験内容は、第一次検定と第二次検定の2種類があります。

第一次検定はマークシート方式の筆記試験、第二次検定は記述式の試験です。第一次検定を合格しないと第二次検定を受けられません。

なお、2級を持っていれば1級の第一次検定を実務経験の条件を満たしていなくても受験ができます。

2級土木施工管理技士の試験内容は?

2級土木施工管理技士の試験内容も、第一次検定と第二次検定の2種類であり、試験方法も変わりません。

ただし、範囲が異なります。2級は、土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3区分があり、それぞれの範囲に沿った問題が出されます。

土木施工管理技士の仕事内容は?

土木施工管理技士は、土木工事にて安全管理・品質管理など施工管理全般が行なえます。1級・2級とも主任技士になれますが、監理技士は1級取得者しかなれません。

また、2級は土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3区分に分かれているため、それぞれに許可された範囲の施工管理のみ可能です。

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