給水装置工事主任技術者とは 水道業界では不可欠の資格!将来にわたり役立つ有望資格!
私たちが普段使用する水道水は、水道管から給水管・止水栓など様々な給水設備を通って供給されています。
給水装置工事主任技術者とは、給水装置の工事が出来る唯一の資格であり、水道関連の業界では必要不可欠な存在となります。
そもそも、給水装置工事をするためには、給水装置工事主任技術者がいなければ、水道事業者(水道局など)の指定が受けられないため、有資格者は企業にとって重要視される存在となっています。
衛生面の維持や老朽化の防ぐため、全国の至るところで水道関連の工事が発生しています。
水道が生活インフラのひとつとしてある限り、今後も有資格者への需要は絶えることはないでしょう。
資格取得のメリット 絶えない求人!企業側にもメリットあり!独立開業も可能!
給水装置工事主任技術者の資格を取得するメリットは以下の通りです。
求人は絶えずあり、選択肢も多数ある!
有資格者は、水道業界で必須の存在ですが、人材不足の状況が続いており常に需要が高い状態が続いています。
水道業界以外にも、ビル設備会社やゼネコンなど水道関連の業務が存在するため、有資格者を求める業界も幅広くあります。
有資格者は、ある程度の実務経験を積んだことを証明することになるので、企業側は即戦力の人材として期待できるため、積極的に募集をしています。
全国的に高需要で、幅広い業界で求められる資格なので、今後も転就職で困ることはないでしょう。
「指定給水装置工事事業者」の指定条件
水道法の規定により、「指定給水装置工事事業者」の指定を受けるには、給水装置工事主任技術者の選任が必須条件となっています。
配水管をともなう工事については、「指定給水装置工事事業者」に限られるため、「指定給水装置工事事業者」の指定を受けなければ、水道工事事業者は企業活動を継続できなくなります。
このため、水道事業者にとって給水装置工事主任技術者の存在価値は高く、収入面や待遇面で優遇される傾向があります。
公共工事が受注しやすくなる!
経営事項審査の審査項目において、給水装置工事主任技術者の存在が評価ポイントとなります。
公共工事を受注する際の審査では、元請企業に給水装置工事主任技術者が一人在籍するごとに評価点が上がるため、有資格者を確保するほど公共工事が受注しやすくなります。
有資格者を確保することが、企業側の利益につながるため、確保するメリットが大きな人材となっています。
管工事の専任技術者・主任技術者として従事できる!
給水装置工事主任技術者の資格を取得し、実務経験を1年以上積むと管工事の専任技術者・主任技術者として活躍することができます。
法律上、専任技術者や主任技術者は、事業所や工事現場に配置する義務があると規定されているため、建築業界では必須の存在となります。
給水装置工事主任技術者を取得し、給水装置工事の業務を続けていれば、専任技術者や主任技術者の選任要件を満たすため、有資格者の評価はさらに上昇します。
独立開業が可能な資格!
この資格を条件に、水道事業者から指定を受けることが出来るため、自分で仕事を始めることも可能です。
独立開業が出来る資格は他にもありますが、給水装置工事主任技術者はその中でも上位に入ります。
無論、営業力や関連業者とのコネクションも必要になるので、資格取得後、すぐに独立という訳にはいきませんが、経験を積み、必要な材料や状況が揃えば独立開業も夢ではありません。
水道関連の工事は、比較的多く発生し、工事案件が豊富であることも独立開業をしやすい要因となっています。
仕事内容 主な業務は水道工事の指揮監督。現場では必要不可欠な存在。
主な給水装置工事主任技術者の仕事内容は以下の通りです。
01
給水装置工事の指導監督
給水装置工事主任技術者は、給水装置工事において指揮監督をおこないます。
水道局との調整や工事計画の策定なども含め、工事全体の進捗状況を把握して、工事が適切に進行するように管理します。
水道関連の工事は、民間以外に公共工事も多いため、経験を積むほど大規模な公共工事に携わっていくことになります。
02
給水装置の新設・撤去工事
資格取得後は、施工管理に携わり、工事の管理側で働くことが多いですが、技術者としても業務に携わることがあります。
3年以上の実務経験が必要となる資格であるため、有資格者は一定の実務経験を積んだ即戦力であるため、どのような役割でも重宝される存在です。
03
給水装置の維持管理
生活インフラとして最も重要である水道は、衛生的で安定した供給を維持するため、定期的なメンテナンスが必要です。
給水装置は方式ごとに点検項目が異なるため、メンテナンスは、専門的な知識をもつ給水装置工事主任技術者が主導で行うことになります。
破損や老朽化が進む前の交換や、汚染を防ぐための水質調査や清掃作業など、衛生的な水道設備の維持管理も重要な業務のひとつです。
受験方式 給水装置工事主任技術者の受験方式
- 公衆衛生概論
- 水道行政
- 給水装置の概要
- 給水装置の構造及び性能
- 給水装置工事法
- 給水装置施工管理法
- 給水装置計画論
- 給水装置工事事務論
合格基準
給水装置工事主任技術者試験は足きりと呼ばれる3つの合格基準が定められています。
合格最低点は試験年度によって異なります。令和6年度の試験での合格基準は以下の通りです。
合格基準 |
---|
必須6科目(公衆衛生概論、水道行政、給水装置工事法、給水装置の構造及び性能、給水装置計画論、給水装置工事事務論)の得点の合計が27点以上であること |
全科目の総得点が、40点以上であること |
次の各科目の得点が、それぞれ以下に示す点以上であること ・公衆衛生概論:1点 ・水道行政:2点 ・給水装置工事法:4点 ・給水装置の構造及び性能:4点 ・給水装置計画論:2点 ・給水装置工事事務論:2点 ・給水装置の概論:5点 ・給水装置施工管理法:3点 |
受験資格
給水装置工事主任技術者試験の受験資格は3年以上の実務の経験を有することとなっています。該当する実務経験は給水工事に限られ、雇用形態に関する取り決めはなく、複数の会社での作業経験でも構いません。ただし、受験の申込段階で条件を満たしている必要があります。
申し込みから免状申請までの流れ
給水装置工事主任技術者は試験日の3,4か月前が申込期限となっています。実際の試験日程については必ず、給水工事技術振興財団で確認をしてください。申し込み方法は書面申請と電子申請の2種類あります。
そして試験の約1か月後に結果発表が行われます。試験に合格したら、免状申請をしましょう。
合格率 給水装置工事主任技術者の合格率
給水装置工事主任技術者の合格率は例年30~45%を推移しており、ここ最近では30%台となっています。難易度はやや高めの試験といえるでしょう。
給水装置工事主任技術者合格率平均データ
【円グラフ】ソースコードでご覧ください。上のdata-valueの値を変えてお使いください*小数点は使用不可です。この文は実際の画面では表示されません。
給水装置工事主任技術者の 過去5年の合格率
年度 | 総受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2024年度 | 12,629 | 4,407 | 34.9% |
2023年度 | 12,616 | 4,351 | 34.5% |
2022年度 | 12,058 | 3,742 | 31.0% |
2021年度 | 11,829 | 4,209 | 35.6% |
2020年度 | 11,238 | 4,889 | 43.5% |
将来性 給水設備工事の施工を唯一認められている仕事!
給水装置工事主任技術者の役割は、安全な水道水を供給することです。水は生活に欠かせないため、景気に左右されず、高い需要が続くでしょう。
また、実務経験を長く積むと、給水装置工事の指導や監督的な業務に携わったり、独立することも可能です。
さらに、給水装置工事主任技術者の年収は400~600万円となっており、経験年数によって大きく年収が変わります。
給水装置工事主任技術者は将来性のある資格であると言えるでしょう。