給水装置工事主任技術者の資格試験を受験するためには一定の実務経験が必要ですが、何が実務経験になるのか?という疑問が出てくるでしょう。
実は給水装置工事主任技術者資格の実務経験は給水工事に限られます。しかし、ただ給水工事関連の企業に勤務していただけでは認められず、「給水工事そのものに従事したか」が問われます。
このページでは、実務経験の定義や、資格を取得するための準備内容等ついて解説します。
目次
給水装置工事主任技術者の受験資格と実務経験
給水装置工事主任技術者は学歴、職歴、年齢、国籍、などの条件は一切問われません。
必要な受験資格は、3年間の実務経験です。
3年間の実務を経験した上で、給水工事技術振興財団が主催する試験をパスして初めて給水装置工事主任技術者資格を得られます。
それでは、給水装置工事主任技術者の試験を受けるための実務経験についての詳細を解説していきます。
実務経験とは何を指す?
冒頭でも触れた通り、実務経験は給水工事に限られます。雇用形態に関する取り決めは特になく、正社員ではないアルバイトや契約社員でも問題ありません。
また、一社ではなく、複数の会社での作業経験でも良いです。実務経験の合計が3年を超えれば、給水装置工事主任技術者の受験資格が認められます。
ただし、給水工事関連の会社に勤務していたとしても、資材運搬や事務仕事は実務経験として認められません。
給水工事の経験に限定されているので、仮に近くで別の業務を行っていたとしても、給水工事そのものの経験がないと実務経験にはならないのでご注意ください。
実務経験についてよくある質問[Q&A]
給水装置工事主任技術者の受験資格として定められている実務経験に関して、以下のような質問がよく挙げられています。
給水装置工事主任技術者 実務経験に関するQ&A
Q1.下水道の工事は実務経験に含まれるのか。
A1.給水工事だけなので、下水道は含まれません。
Q2.いつの段階で実務経験3年の条件を満たしておけば良いのか。
A2.受験の申し込み段階で条件を満たしている必要があります。
Q3.すでに会社が倒産していて実務経験を証明できない。
A3.責任者を探し、証明書に代表印をもらう必要があります。後から実印をもらうのが大変な場合もあるので、あらかじめ実務従事証明書を作成しておく方法もあります。
Q4,「給水装置」の範囲が知りたい。
A4.給水装置とは、水道事業者が道路下に設置した配水管より先から、配水管の水圧を利用して使われる建物の給水用具までの範囲です。
給水工事技術振興財団が定義を定めており、「水道事業者の配水管から分岐して設けられる給水管と、それに直結して設けられる給水用具」となっています。
給水装置工事主任技術者の実務従事証明書が必要
ここまで実務経験の内容や範囲について解説しましたが、給水装置工事主任技術者を受験するためには実務経験を証明するための「実務従事証明書」が必要になります。
実務従事証明書には事業所の代表印が必要になりますので、必ずもらうようにしましょう。
給水装置工事主任技術者の試験の申し込み方
給水装置工事主任技術者の試験に申し込む流れは以下です。
給水装置工事主任技術者の試験の申込み方法
- 給水工事技術振興財団ホームページで、インターネット申込書作成システムに沿って情報を入力する。ここは受験費用の支払い方法(郵便振替またはクレジットカード)の選択も行い、クレジットカード決済の場合はこの段階で決済をします。
- すべての情報を入力した後に、「受験申請書類印刷ボタン」が表示されるので、印刷ボタンを押して受験申請書類を印刷する。
- 「給水装置工事主任技術者試験について」ページ内の受験の案内に従い申請書類に記入する
- 郵便振替を選択した場合は、受験手数料を指定口座へ振込む。
- 受験の案内を確認して、提出書類を揃える。
- 申請書類一式を財団へ簡易書留にて郵送する(システム入力だけでは完了するわけではなく、必ず郵送が必要です)。
実務従事証明書の作り方と注意点
実務従事証明書はフォームに従って作成し印刷をします。印刷後、事業所の代表印が必要です。
また事業所が虚偽の記載をし、虚偽の記載を受けた従業員は不正に給水装置工事主任技術者免状を受領しましたが、結果的に免状を返納する事態に至った事例がありました。
上記の事例では返納で済んでいますが、今後より悪質な虚偽の記載があれば、永久に資格取得ができないなどの措置を受ける可能性もゼロではありませんので、注意しましょう。
給水装置工事主任技術者試験の受験時に必要書類
給水装置工事主任技術者試験に応募する際には、以下の書類が必要です。
- 受験願書
- 実務従事証明書
- 証明写真
- 払込確認用紙(郵便振替の場合)、決済完了確認用紙(クレジット決済の場合)
受験願書と実務従事証明書はこれまで解説したものになります。
証明写真はサイズが決まっていて、縦4.5cm、横3.5cmのフチがないものと定められています。
正面から上半身を撮影したものです。あとは無背景、6カ月以内、などの条件があります。
また、受験料を郵便振替で支払う場合は、払込確認用紙に「振替払込請求書兼受領証」(受付印字されたもの)又はゆうちょ銀行ATM「ご利用明細票」の原本を貼り付けて提出しましょう。コピーではなく原本が必要になりますので注意しましょう。クレジットカード決済の場合は決済完了確認用紙が必要になります。
給水装置工事主任技術者の仕事内容
給水装置工事主任技術者の仕事内容には下記のようなものがあります。
メンテナンスエンジニア
会社によって呼び方自体は様々ですが、給水装置に異常があった場合や新規に設置する場合に工事に立ち会う仕事です。特に知識面が重要になる仕事で、給水装置工事主任技術者試験の内容と業務内容が重複する部分も多いです。
そのため、メンテナンスエンジニアの仕事は給水装置工事主任技術者試験で勉強した内容も役に立ちやすい業務と言えるでしょう。
給水管工事
給水管工事とは、給水管を含め、給水設備全般の工事を行う仕事です。もともと給水管工事をやっていて、実務経験が3年を超えたので給水装置工事主任技術者の資格を取得する、というパターンが多いでしょう。
資格を取得したからといってすぐさま業務内容が変わるとは限りませんが、仕事の範囲が広がり、将来的なメリットになるはずです。
給水装置工事主任技術者資格を取得していることで、実務経験を積んでいることと一定の知識があることの両方をアピールできます。今の会社で活かせるだけでなく、転職の際にもアピールポイントとなります。
施工管理
施工管理は給水装置工事主任技術者資格を活かした選択肢としてもっとも定番のものです。現場の設備だけでなく、現場の工事者も管理する立場にあります。
施工管理は、3年以上の実務経験と、施工管理は給水装置工事主任技術者資格の両方があるからこそこなせる業務です。端的に言えば現場の偉い人ということです。
実務経験を積んで給水装置工事主任技術者の試験対策をしよう
給水装置工事主任技術者になるためには、試験に合格できる知識だけでなく、3年以上というある程度長い業務経験が求められます。知識と実務能力があって初めて給水装置工事主任技術者になることができるのです。
また実務経験になるものとならないものがあります。実務経験として認められるのは給水工事に限定されているので、その点は注意が必要です。
給水装置工事主任技術者資格を取得すれば、今の現場で役立つだけでなく、管理者になることや、転職市場で一定の評価を得ることもできます。将来的にメリットの大きい資格なので、取得を目指す意義も大きいでしょう。
独学でも資格の勉強は可能ですが、最近ではオンライン通信講座といったものもあります。
Web上で動画講義を視聴して学習するスタイルです。通勤時間や寝る前などのスキマ時間にも手軽に勉強できるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。