職長・安全衛生責任者

職長とはどんな仕事?再教育の期限はいつ?

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職長になるために、特別な資格は必要ありません。
職長教育を受講し修了すれば、職長として現場に従事できます。

この記事ではたった12時間で修了する職長教育のカリキュラムや、職長として求められる役割、具体的な職務内容を徹底解説しています。

是非、最後まで目を通してください。

職長とは現場の指揮監督

職長とは建設現場などにおいて、労働者を直接指揮監督する者です。
法的には労働安全衛生法第60条に基づく職長教育を修了した者が職長に該当します。

安衛法により求められる役割は、以下の6つのポイントにまとめられます。

  1. 安全衛生管理(Safety)
 現場の作業員が安全に作業を進められるように管理する。
  2. 品質管理(Quality)
 質の良い物を作るために、作業成果の確認や作業員に対する指導を行う。
  3. 工程管理(Delivery)
 全行程を把握したうえで適切な人員配置を行い、効率よく作業が進むように管理をする。
  4. 原価管理(Cost)
 作業員の作業管理を行う中で、技術による成果のばらつきや不必要なコストが発生しないように管理を行う。
  5. 環境管理(Environment)
 現場で発生する有害な副産物や不要物を適正に処理し、周囲の環境に配慮する。
  6. 人間関係管理(Man)
 作業員の性格や体調を常に把握して適切な人員配置を行うほか、作業が円滑に進むように管理・調節を行う。

職長の仕事内容と必要な能力

職長に求められる役割には触れましたが、ここからは具体的に役割を果たすための職務内容と必要な能力について解説します。

仕事内容

職長の仕事内容については、次のとおりです。

No. 仕事内容 具体的な仕事内容
1 作業手順を正しく定める 安全で効率的な作業が行えるように作業手順を定めるとともに、定期的な見直しを実施します。
2 作業方法を改善する 常に問題意識を持って作業にあたり、問題を見つけ次第改善をします。
3 作業員を適正に配置する 作業条件や内容を正しく把握し、同時に作業員の性格や能力・体調などを考慮して、効率よく成果があがるように人員を配置します。
4 作業者に対して教育指導を行う 安全かつ正しい作業が行えるように、知識や技術を指導し、やる気が起きるように教育します。
5 作業者に対して監督・指示をする 作業中は作業が安全に正しく行われているか常に監督するとともに、間違った作業や危険に繋がる行為を発見した場合は、是正のための指導をします。
6 危険性及び有害性を調査し、対策を実施する 使用する資機材や作業の進め方について事前に確認を行い、安全性に問題がある場合は改善し、正しい作業計画と工程を決定します。
7 環境の改善・保持に努める 作業中は常に4Sを意識し、作業員が安全で快適に作業できる環境を整えます。
8 安全衛生点検を繰り返し実施する 機械や設備を含む作業環境については、定期的に事前確認を行い、異常を早期に発見して改善します。
9 異常時の措置は適切に行う 異常を早期発見できる環境を作り、発見次第、適切な処置を施します。また、類似のケースが起きないよう再発防止策を講じる必要があります。
10 災害発生時の措置は適切に行う 万が一災害が発生した場合には、被災者救出を最優先し、二次災害を防止します。その後、同種の災害が発生しないように原因を分析し、適切な対策を講じることが求められます。
11 作業者の安全意識の高揚に努める 労働災害防止のために一番有効なのは作業員全員が安全についての意識を高めることであるため、具体的な安全活動を計画し、継続的に実施します。
12 創意工夫を引き出す 作業員とのコミュニケーションを円滑に行い、提案や改善がすぐに上がってくるような関係を築くことも職長の大切な仕事です。

必要な能力

職長は、部下となる作業員を適切かつ安全に指揮するための知識やスキルが必要です。

作業員の指導や危険予知運動(KY活動)を実践するのも必要な能力ですが、1番求められる能力は「コミュニケーション能力」です。

職場における良好な人間関係の形成だけでなく、スムーズに仕事を進めるためにも作業員とのコミュニケーションは欠かせません。

良いことや悪いことを直接本人に伝え、作業員の能力を最大限に活かすことも職長を務めるうえで、必要な能力と言えるでしょう。

次のセクションで解説する職長教育のカリキュラムを参考にして、必要な情報を集めてください。

職長には資格ではなく「職長教育」が必要

職長になるために特別な資格は必要ありませんが、合計12時間の職長教育を修了しなければいけません。

また、建設関係でさまざまな職種が混在する作業場においては、職長教育とともに安全衛生責任者に関する教育も受ける必要があります。

具体的なカリキュラムは、以下のとおりです。

実施内容 講習時間
作業方法の決定及び労働者の配置に関すること 2時間
労働者に対する指導又は監督の方法に関すること 2.5時間
危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置等に関すること 4時間
異常時における措置に関すること 1.5時間
その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること 2時間
安全衛生責任者の職務等 1時間
統括安全衛生管理の進め方 1時間
合計 14時間

なお、テストを設けていない職長教育のカリキュラムもありますが、知識を定着させて業務で活かすために、修了テストを設けている講座を受講するのもよいでしょう。

職長として現場に就くためには職長教育を修了していることが条件ではありますが、実際の現場は常に人・モノ・機材が動いており、危険因子が多く存在しています。

安全で効率のよい作業を進めていくことや、災害への対処、人間関係を調整し指導教育を行うことは職長教育だけでは十分と言えません。

職長として現場を動かしていくには、さまざまな現場を経験していることが最も重要です。

5年ごとに再教育を受ける必要がある

安全衛生教育等推進要綱では、再教育について次のように定められています。

「職長等、安全衛生責任者のそれぞれについて、事業者が、初任時及び概ね5年ごと又は機械設備等に大きな変更があったときに、能力向上教育に準じた教育(再教育)を受けさせること」

このため、職長や安全衛生責任者は、再教育を受講しなければいけません。
再教育のカリキュラムについては、次のとおりです。

No. 講習科目 実施内容
1 職長及び安全衛生責任者として行うべき労働災害防止に関すること(120分)
  • 建設業における労働災害発生状況
  • 労働災害の仕組みと発生した場合の対応
  • 作業方法の決定及び労働者の配置
  • 作業に係る設備及び作業場所の保守管理の方法
  • 異常時等における措置
  • 安全施工サイクルによる安全衛生活動
  • 職長等及び安全衛生責任者の役割
2 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること(60分)
  • 労働者に対する指導、監督等の方法
  • 効果的な指導方法
  • 伝達力の向上
3 危険性又は有害性等の調査等に関すること(30分)
  • 危険性又は有害性等の調査の方法
  • 設備、作業等の具体的な改善の方法
4 グループ演習(130分) 以下の項目のうち1つ以上を実施

  • 作業事例研究
  • 危険予知活動
  • 危険性又は有害性等の調査及び結果に基づき講ずる措置

この他にも再教育を行う具体的なポイントについては、厚生労働省が記述する「建設業における職長等及び安全衛生責任者の再教育」をご覧ください。

まとめ

この記事では、職長として選ばれてから現場で職長として就く前に職長教育を受けなければならないこと、そして概ね5年ごとに再教育を受ける必要があることを解説しました。

職長教育のカリキュラムは合計12時間とボリュームは少ないですが、作業員や資機材が常に動いている現場では、豊富な現場経験が役に立ちます。

弊社の通信教育は職長教育として認められた講座です。

また、5年ごとに再教育を受けることが定められていますが、災害発生時の対応など頻繁に経験できない事象については復習できますので、安心して受講してください。

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