第一級陸上特殊無線技士

プロが教える試験内容について

一級陸上特殊無線技士の試験について 試験地は、11地区で、毎年3回( 2月・6月・10月)実施。

一級陸上特殊無線技士の試験

試験日 毎年3回( 2月・6月・10月 )
受験資格 特になく、誰でも受験が可能です。
申込方法 インターネット申請と郵送申請
試験場所 全国11拠点(東京、札幌、仙台、長野、金沢、名古屋、大阪、広島、松山、熊本、那覇)
受験料 6,363円(受験票等送付用郵送料込み)※令和2年4月1日以降の料金
試験時間 3時間
試験科目 2科目( 無線工学・法規 )
試験形式 多肢選択方式のマークシート方式
合格ライン 無線工学(24問中15問以上)/ 法規( 12問中8問以上)
試験難易度 やや難しい

試験は、全国の11拠点で、2月、6月、10月に毎年3回実施されています。
試験日は、平日に設定されることも多いため注意が必要です。

詳しい試験日、試験会場については公益財団法人 日本無線協会のホームページで案内されています。

試験の申請方法は、インターネット上からの申請と郵送による申請の2つの方法があります。
申請期間は、試験の実施月の2カ月前からの約20日間で、原則として以下となります。

  • 2月期試験:前年12/1~12/20頃
  • 6月期試験:同年4/1~20頃
  • 10月期試験:同年8/1~8/20頃

合否の告知は、試験日の約1カ月後にHP上で合格の告知がされ、数日後には合格通知が郵送でも届きます。

試験の申込み方法

試験の申込み方法は、インターネットからの申請方法と郵送による申請方法があります。

郵送による申請は、試験の申請書の取寄せや送付する手間と郵送料金の負担があるため、インターネットからの申請のほうがおすすめです。

インターネットによる申請の場合
  1. 試験申請
    無線従事者国家試験申請システムにアクセスします。
    ※ 受付開始時期は、試験実施月の約2カ月前から
  2. 試験料金の振込み
    ゆうちょ銀行か郵便局の窓口より試験料金を振り込みます。
    振込みが確認された段階で試験申込みは完了となります。
  3. 受験票の受取り
    試験の行われる月の前月の下旬頃に受験票が発送されます。
  4. 受験
    試験日( 2月・6月・10月)
郵送による申請の場合
  1. 申請用紙の入手
    申請用紙を直接入手する場合は、協会の事務所や一般財団法人情報通信振興会で販売しているので、120円で購入します。
    郵送で請求する場合は、用紙代と郵送料を合わせた204円の郵便切手を請求封筒に同封して申し込みます。
  2. 申請用紙の提出・試験料金の振込み
    郵送による申請の場合は、協会の定める払込用紙を使用して、ゆうちょ銀行又は郵便局で払い込みます。
    申請書を直接協会の窓口に持参して申請する場合は、現金で支払うこともできます。
  3. 受験票の受取り
    試験の行われる月の前月の下旬頃に受験票が発送されます。
  4. 受験
    試験日( 2月・6月・10月)

試験会場について

試験地は以下の11地区です。

東京、札幌、仙台、長野、金沢、名古屋、大阪、広島、松山、熊本、那覇

試験地は、試験申請の際に自由に選択することが出来ます。
ただし、申請書類の場合には注意が必要で、提出場所は、希望する試験地を担当する協会の事務所あてに郵送するか、直接持参する必要があります。

試験会場については、公益財団法人 日本無線協会のホームページや、試験申請後に郵送される受験票にも記載されています。

試験科目と合格基準について

試験科目は、無線工学と法規の2科目です。

多肢選択方式のマークシート方式で、無線工学は24問、法規は12問の出題です。
試験時間は3時間ですので、回答時間はかなり余裕があります。

合格基準は、各科目で6割以上の正解となっています。
2科目の合計点が対象となっていないことに注意してください。

無線工学
問題数 配点 合格基準 試験時間
24問 1問につき5点
(合計120点)
5問以上
(75点以上)
3時間
法規
問題数 配点 合格基準 試験時間
12問 1問につき5点
(合計60点)
8問以上
(40点以上)
3時間

直近3年間の試験問題の出題傾向を分析すると、おおむね下表のようになります。
出題傾向は年度によって若干変わりますが、下表を一つの目安として受験対策の参考にしてください。

無線工学
項目 出題数
静止衛星による通信 1
多重通信の基礎 2
電気・電子の基礎 5
デジタル変調 2
送受信装置 3
中継方式 2
レーダー 2
アンテナ・同軸ケーブル 2
電波伝搬 2
電源(無停電電源・蓄電池) 1
測定・信号発生器 1
合計 24
法規
項目 出題数
電波法(用語・申請・免許・検査) 2
電波法施行規則(設備・電波の質) 2
無線設備規則 1
無線従事者の免許・職務 1
無線局の運用 2
監督 1
罰則 1
届出・報告 2
合計 12

国家試験以外で資格取得をする方法 一般的な国家試験を受験する以外にも、養成課程の受講で資格取得が可能

一級陸上特殊無線技士の資格取得をする場合、年3回実施される国家試験を受験して合格する方法が一般的ですが、国家試験以外にも、公益財団法人日本無線協会が実施している養成課程を受講し、修了試験に合格する方法があります。

ただし、誰でも受験が可能という訳ではなく、受講要件が設定されています。
受講要件は、規定された学歴や他の無線従事者資格を取得済みなどの条件を満たすか、養成課程を受講するための選抜試験に合格する必要があります。

養成課程の受講期間や受講費用は以下のようになっています。

  • 受講期間 9日間(修了試験日を含む)
  • 授業時間 合計54時間( 法規6時間 / 無線工学48時間)
  • 講習費用 68,850円

養成課程で実施される修了試験の合格率は、国家試験と比べて高いため魅力的ですが、受講費用が国家試験より高いデメリットはあります。
受講要件に合致し、9日間の受講期間に合わせて時間の都合がとれる方は、養成課程の受講という手段で資格取得を検討してみるとよいでしょう。

一級陸上特殊無線技士の受講要件
  1. 学校教育法による大学、短期大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校の電気通信に関する課程を有する学科を卒業した者
  2. 学校教育法による大学の電気通信に関する課程を有する学科を1年次以上修了した者又は高等専門学校の電気通信に関する課程を有する学科を3年次以上修了した者
  3. 入学資格を学校教育法第57条に規定する者とする修業年限が3年以上の学校の電気通信に関する課程を有する学科を卒業した者
  4. 入学資格を学校教育法第90条に規定する修業年限が1年以上の学校等の電気通信に関する課程を有する学科等を卒業し又は修了した者(「修了した者」については、1年以上を修了した者に限る。)
  5. 第二・第三級総合無線通信士、第一・第二・第四級海上無線通信士又は航空無線通信士の資格を有する者
  6. 当該認定申請前5年以内に通算して3年以上(学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者及びこれに準ずる者の場合は、1年以上)多重無線設備の保守の補助又は搬送端局設備若しくは電力線搬送端局設備の保守に従事した経歴を有する者。
  7. 日本無線協会が実施する第一級陸上特殊無線技士の選抜試験に合格した者。

合格率からわかる一級陸上特殊無線技士の難しさ 合格率は毎年30%~40%。対策なしでは合格は難しい試験

2021年の一級陸上特殊無線技士の合格率は、37.9%です。
※2022年度以降の公表はなし※
過去3年間の平均 38.3%

受験データ

 

【円グラフ】ソースコードでご覧ください。上のdata-valueの値を変えてお使いください*小数点は使用不可です。この文は実際の画面では表示されません。

一級陸上特殊無線技士
検定試験
2021年の合格率

37.9%
過去3年間の平均
38.3%
年度 受験者数 合格者数 合格率
2021年度 7,281 2,763 37.9%
2020年度 4,986 2,122 42.6%
2019年度 7,334 2,536 34.6%
2018年度 7,510 2,808 37.4%
2017年度 6,818 2,157 31.6%

 

一級陸上特殊無線技士の合格率は、毎年30%~40%です。
年によっては受験者の3割ほどしか合格できない試験であるため、難易度は高めの試験です。

試験は、出題数が36問で、試験時間は3時間で実施されます。
問題数に比べて、試験時間は十分用意されているため、不合格者となった方の原因は、時間不足が関係している訳ではなく、単純に問題の難易度が高かったことが原因だと推測できます。

十分な対策をしないと合格は難しい試験だと言えます。