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技術士【経営工学部門】とは?取得のメリットや対策方法を解説

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技術士の資格は、建設部門の保有者が多い傾向にありますが、知名度が高くない経営工学部門にも大きなメリットがあります。今回は経営工学部門の技術士を取得すると、どんなメリットがあるのか、試験対策も含めて解説します。

技術士(経営工学部門)の難易度は?

技術士(経営工学部門)試験の難易度を合格率から考えると令和元年の第一次試験は76.7%、第二次試験は14.0%となっており、技術士の情報工学部門と比べると難易度は低いといえます。 

技術士とは

技術士とは、文部科学省認定の国家資格です。科学技術に関する高度な知識と応用能力及び技術者倫理を備えている有能な技術者として、資格が与えられます。有資格者のみが技術士の名称を使うことができます。

経営工学部門の合格率

技術士経営工学部門の第一次試験と第二次試験の合格率は以下のデータをご覧ください。

年度第一次試験第二次試験
令和4年58.5%未発表
令和3年44.7%7.6%
令和2年52.6%11.8%
令和元年76.7%14.0%

引用:公益社団法人 日本技術士会

第一次試験はそれなりに高い合格率ですが、第二次試験%と10%を切る年もありますので、徹底的な対策が必要です。第二次試験では筆記試験と口頭試験が含まれるため、独学では難しいところがあります。

というのも、第二次試験では経験に基づいた回答が求められるため、経験値が少ないと不利です。自分の経験や勉強だけでは限界があるため、身近に技術士の先輩や、それに近い能力を持つ方がいれば積極的にアドバイスを受けましょう。

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技術士はどんな資格?仕事内容や資格の取得方法を解説!

技術士(経営工学部門)取得のメリット

経営工学部門の技術士になるとどんなメリットがあるのか、詳しく紹介します。

経営工学の知識が仕事に活かせる

仕事で問題が生じたときに幅広い経営工学の知識が大きく役立ちます。知識があると簡単に解決できる問題もあります。反対に知識がないことで苦しんでいる先輩や同僚を見る機会が増え、受験した価値を感じる方は多いようです。

技術士を名乗ることで信頼が得られる

「技術士」を取得することは、専門知識と経験をもっていることの証明になります。経営工学の技術士は一般的には知名度が低いかもしれませんが、メーカーでは評価される資格です。

また、実際の現場では難しい経営工学の手法より、専門外の方にいかにわかりやすく説明できるかが求められるため、資格を取得する際に培った知識と説明力を存分に活かすことができます。

技術士(経営工学部門)の試験対策方法

技術士の試験対策を紹介します。

第一次試験の勉強法

第一次試験の勉強の進め方は、基本書で知識を固めた後、問題集に入るという流れが基本になりますが、経営工学部門の技術士の場合は、参考書がほとんどないため、問題集から始めましょう。

また、選択科目のサービスマネジメントの分野に関しては、経営に関わる全般の知識が必要です。サービスマネジメントの仕組みについて深く理解できる良書を紹介します。

■サービスマネジメント入門―ものづくりから価値づくりの視点へ

次に、仕事がある平日の勉強の仕方でおすすめなのが暗記をすることです。なぜなら、仕事が終わった後の学習は、疲労から集中力が低下しやすいためです。問題集の2回目以降などすでに学習している範囲であれば、負担が少なく、記憶もしやすいので、効率よく覚えられるでしょう。

第二次試験の勉強法

第二次試験では、筆記試験と口頭試験の対策をします。まず、筆記試験は論文で、600字詰め原稿用紙3枚を150分で作成します。出題内容は、技術部門全般にわたる論理的考察力と課題解決能力が問われます。

合格にあたって大事なポイントは時間配分です。600字詰め原稿用紙1枚を普通に書くだけでもおよそ30分はかかります。それが3枚あるため、合計90分は必要です。

試験時間は150分ありますので、設問を解読し、骨子を作成し、チェックする時間が60分ある計算になります。合格基準を達成するには、骨子の作成が一番重要になるため、30分はかけるとよいでしょう。
最初に自分なりの時間の配分を決めてから、論文を作成しましょう。

時間配分の目安として以下を参考にしてください。

NO内容時間
1設問を解読、骨子の作成30分
2論文作成90分
3見直し、修正30分

次に口頭試験の対策に関しては、練習をしておきましょう。緊張すると本来の実力が発揮できないため、模擬口頭試験を受けて慣れておくことが重要です。社内に技術士の方がいれば、模擬面接を行い、アドバイスをもらいましょう。それが難しい場合は、外部機関を活用するのがよいでしょう。

まとめ

経営工学部門の技術士を取得すると、高度な業務に参加できる機会が増えるだけでなく、昇進や収入アップ、転職などにも有利に働きます。また、独立にあたっても、技術士を持っていることが実績の証明になるため、仕事がしやすくなるでしょう。

定年退職後も技術士保持者は、長く働けるといわれているので、収入面で大きな差がつきます。そのため、人生の保険ともなる資格といえます。難しい資格ですが、試す価値は充分にあるので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

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