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技術士総合技術監理部門とは?技術士の「最上位資格」を理解しよう

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技術士は、科学技術の応用面に携わる技術者に与えられる国家資格です。その中の一つに「総合技術監理部門」があります。

総合技術監理部門は、技術士の専門分野の中でも最上位に位置付けられる資格であるため、難易度が非常に高く、取得者には大きな価値を生み出す資格と言われています。

この記事では、技術士の総合技術監理部門について詳しく解説します。資格の概要や取得するメリット、試験についての情報などについて確認してください。

技術士総合技術監理部門とは?

科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者が「技術士」と呼ばれます。

技術士は、産業経済、社会生活の科学技術に関する21の技術部門があり、「総合技術監理部門」はこの中の一つです。

現代社会では、科学技術イノベーション推進の必要性が日々増加しており、先を見通して戦略的に手を打っていく先見性と変化に対応する柔軟性が重視されています。

このような技術の高度化、統合化に伴い技術者に求められる能力が多様化していく中で、一つの専門に限った知識・技術では多様化する問題に対応できません。

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多種の分野を総合的に監理していくことが今後の重要な課題であり、その役割を担うといった意味で総合技術監理部門が必要とされています。

総合技術監理部門では、多種多様なスキルが求められるため、資格取得までの間で必要な能力を身に付けていきましょう。

技術士総合技術監理部門取得のメリット3つ

では、技術士総合技術監理部門は、取得することでどういったメリットが得られるのでしょうか?
資格を取得するメリットは以下の3つです。

No.メリット
1技術者としての価値が高まる
2常に需要がある
3仕事の視野が広がる

それでは一つずつ見ていきましょう。

1.技術者としての価値が高まる

技術士総合技術監理部門は、技術士にある21分野の中でも最上位に立つ部門であるため、取得することで技術者としての価値が非常に高まるのが魅力の1つです。

社内外問わず評価が高まるため、企業によっては給与・待遇面での向上が期待できます。

また、総合技術監理部門は広い視野で物事をとらえることが大切な資格なので、その点を評価されると、昇進や年収アップなどのキャリアアップも狙えるでしょう。

社外においては、技術士特有のマネジメント能力を評価され、クライアントとの信頼関係から仕事を受注できるケースも少なくありません。

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このように、企業やクライアントから高い評価を受け、コンサルタント業務の受注に大きく役立つのが総合技術監理部門を取得するメリットです。

2.常に需要がある

総合技監理部門では、技術が関連する多種多様のスキルが必要です。必要なスキルとしては、主に次の5つが重視されています。

管理技術管理技術の範囲
経済性管理品質、費用、工程バランスの管理
人的資源管理組織メンバーの能力発揮や向上の管理
情報管理適切な意思決定のための情報収集・伝達・処理の管理
安全管理組織メンバーの労働安全管理や事故・災害などによるリスク管理
社会環境管理組織やプロジェクトの生産活動に起因する社会環境負荷の管理

これらのマネジメント能力は、技術者が仕事をするうえで必要不可欠です。
そのため、資格取得者は仕事の需要が高まるため、安定した仕事に従事できるでしょう。

3.仕事の視野が広がる

総合技術監理部門は、多種多様な分野を俯瞰する能力が必要であるため、変化し続ける社会の中では常に勉強しなければいけません。

この資格を取得することで、多くの企業との関わりが増えることも予想できるため、周辺分野を含めて研さんしながら、技術士としての視野が広がっていくことでしょう。

技術士総合技術監理部門の難易度

ここでは、技術士総合技術監理部門の難易度を把握するために、近年実施された試験の合格率について見ていきましょう。

年度受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)
令和4年度2,735人501人18.3%
令和3年度2,742人398人14.5%
令和2年度2,582人325人12.6%
令和元年度3,180人490人15.4%
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ここ数年は10%台を推移しており、基本的には難易度の高い試験です。年度によっては、合格率が10%を下回っているため、計画的かつ効率的に試験対策することが大切であると言えるでしょう。

技術士 総合技術監理部門の受験資格

ここでは、技術士総合技術管理部門の受験資格を確認していきましょう。日本技術士会のホームページには下記のように記載されています。

〔1〕 技術士補となる資格を有していること。

〔2〕 下記の1〕~3〕のうち、いずれかの業務経歴科学技術に関する実務経験)を有していること。

 1〕 技術士補として技術士の指導の下で4年総合技術監理部門は7年)を超える実務経験。
 ※ 技術士補登録後の期間に限る。
 2〕 職務上の監督者の指導の下で4年総合技術監理部門は7年)を超える実務経験。
 ※ 技術士第一次試験合格後の期間、指定された教育課程修了後の期間に限る。
 3〕 指導者や監督者の有無・要件を問わず7年総合技術監理部門は10年)を超える期間の実務経験。
 ※ 技術士第一次試験合格以前の実務経験、指定された教育課程修了以前の実務経験も含む。

つまり、総合技術監理部門の受験には技術士補(もしくは修習技術者)である必要があり、そこから一定の実務経験が必要になります。

技術士補になるためには、技術士一次試験に合格するか、指定された教育課程(日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定コース)を修了する必要があります。

そして、上記を見て分かる通り、総合技術管理部門の受験に必要な実務経験の年数は他の部門より長くなっています。

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実は、総合技術管理部門を受験する人は、すでに他の部門の技術士資格を所持していることがほとんどです。これは受験資格に一次試験合格者でないといけないことや、長期の実務経験が必要なためです。

技術士 総合技術監理部門の試験内容

続いて、技術士総合技術監理部門の試験内容について解説します。受験資格と同様に総合技術管理部門の試験内容は他の20部門と違うので、しっかりと確認しておきましょう。

総合技術監理部門の試験スケジュールは、次のとおりです。

項目詳細
申込期間4月中旬~下旬
筆記試験必須科目:7月中旬
選択科目:必須科目の翌日
合格発表10月下旬
口頭試験11月下旬~1月中旬
合格発表3月上旬

筆記試験の試験形式

先ほどの表の通り、総合技術監理部門の筆記試験は7月の中旬に2日間に分けて実施されます。

まず1日目は必須科目の試験です。午前に択一式問題、午後に記述式問題の2つで構成されているため、集中力の維持が難しい試験です。

問題内容出題形式問題数試験時間
総合技術監理部門に関する課題解決能力および応用能力択一形式40問全回答2時間
記述形式大問1、小問複数
※3,000字
3時間30分

2日目は選択科目の試験です。こちらは総合技術監理部門以外の部門の必須科目と選択科目を受験します。

ただし、総合技術監理部門以外の部門で技術士資格を所持している場合、その技術部門に対応する選択科目は免除されます。

問題内容出題形式問題数試験時間
全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの記述形式大問1、小論文2時間
「選択科目」についての専門知識及び応用能力に関するもの記述形式大問1、小論文3時間30分
「選択科目」についての問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの記述形式大問1、小論文

合格判定基準

総合技術監理部門の合格基準は、択一式問題と記述式問題の合計得点で6割以上です。両方の項目で点数を稼げるようにバランスよく勉強してください。

口頭試験の試験形式

口頭試験は筆記試験の合格者のみが受験することが可能です。筆記試験合格の通知とともに口頭試験の案内がされます。口頭試験の試験形式は他の20部門と同様で、20分程度の試験時間の面談形式で実施されます。

ただし、質問される内容はより高度になります。特に人材育成に関する内容や、管理業務に関する取り組みの方法といった質問内容が多くなる傾向があります。

総合技術監理部門の試験対策は通信講座でも可能

技術士の試験対策方法しては、通信講座がおすすめです。特に総合技術監理部門の受験者はすでに技術士として活躍おり、大変忙しい日々を送っていると思います。

通信講座の場合、オンラインの動画教材であればスキマ時間にも勉強ができるため、忙しい中でも勉強を進めることができます。

総合技術監理部門は、多種の分野を総合的に監理していく役割を担うため、常に需要がある技術者の仕事です。

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合格率は10%を下回る年もあるため、非常に難易度が高い資格と言えますが、取得することで技術者しての価値が高まることは間違いありません。「技術士マスター」への道をぜひ挑んでみてください。

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