技術士

技術士はどんな資格?独立技術士になるために必要なこと

技術士はどんな資格?独立技術士になるために必要なこと

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技術士は、科学技術の高度な専門的知識を持つ技術者と認められる資格です。技術士を取得すると働き方の幅が広がり、技術士を看板に独立することも可能です。
今回は、技術士の基礎知識と働き方、独立技術士になるためのポイントについて解説します。

技術士の基礎知識と資格の取得方法

まずは技術士の概要と、資格の取得方法について見ていきましょう。

技術士とは?

技術士の資格は理系の博士号に匹敵するといわれ、「科学技術の優秀な技術者」と国から認められる権威ある資格です。その分、合格難易度は高く、専門的知識の知識量はもちろん、応用力や実務経験、技術者倫理など、さまざまな面で優れている技術者でなければ合格できません。
高い技術力を持つ有資格者は、技術者の育成を図り、技術発展を担います。

なお、技術士の資格は、以下の21部門に細分化されています。

機械部門 資源工学部門 経営工学部門
船舶・海洋部門 建設部門 情報工学部門
航空・宇宙部門 上下水道部門 応用理学部門
電気電子部門 衛生工学部門 生物工学部門
化学部門 農業部門 環境部門
繊維部門 森林部門 原子力・放射線部門
金属部門 水産部門 総合技術監理部門

もっとも登録者数が多い部門は「建設部門」で、全体の4割ほどを占めています。建設部門に次いで、多い順に上下水道部門、機械部門、電気電子部門、農業部門、応用理学部門と続きます。登録者数は建設部門が40,000人前後、上下水道部門以下は6,000人~4,000人前後です。

技術士資格を取得する方法

技術士資格を取得するには、一次試験と二次試験にそれぞれ合格する必要があります。一次試験は受験資格がなく、学歴や年齢を問わず誰でも受験できる試験です。しかし、二次試験の受験資格を得るためには、4~7年の実務経験を積まなければなりません。

技術者の一次試験は、全部門に必要な科学技術全般を問う試験です。試験のレベルは、大学の工学部や農学部、理学部を修了した程度といわれており、難易度の高さがうかがえます。内容は「基礎科目・適性科目・専門科目」の3科目で、主に以下の内容が出題されます。

科目 内容
基礎科目 科学技術全般にわたる基礎知識を問う
1. 設計・計画に関するもの
2. 情報・論理に関するもの
3. 解析に関するもの
4. 材料・化学・バイオに関するもの
5. 環境・エネルギー・技術に関するもの
適性科目 技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性を問う
専門科目 20の技術部門のうち、あらかじめ選択する1技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う

専門科目は部門ごとに範囲が決められているため、事前にしっかり対策できます。なお、総合技術監理部門のみ一次試験はなく、二次試験のみです。

一方、二次試験は、希望する部門の問題を選択します。二次試験の筆記試験は必須科目と選択科目があり、主に以下の内容が問われます。

・総合技術監理部門を除く技術部門

科目 内容
必須科目 技術部門全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの
選択科目 選択科目についての専門知識及び応用能力に関するもの
選択科目についての問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの

・総合技術監理部門

科目 内容
必須科目 安全管理/社会環境との調和/経済性(品質・コスト・生産性)/情報管理/人的資源管理に関する課題解決能力及び応用能力
選択科目 総合技術監理部門以外の技術部門の必須科目及び選択科目と同一の問題

※全て記述式で解答

二次試験で難関といわれる試験は、技術士の適性があるかを厳しくチェックする「口頭試験」です。技術士の実務能力を判断するため、コミュニケーション能力、リーダーシップ能力、マネジメント能力などを試験で評価し、さらに適性も判断するので技術者倫理、継続研さんについても問われます。

実際の口頭試験は、事前に業務経歴と業務の詳細を提出し、その内容をもとにした試験官の質問に答える形式です。業務の詳細は人それぞれで異なるので、どのような質問がくるのか、予測ができない難しさがあります。
なお、口頭試験は応用能力と人柄を見ることも目的ですので、厳しい質問や追及があっても、落ち着いて笑顔で答えましょう。

技術士の試験は、一次試験の合格率が30%前後、二次試験が10%前後と難易度が高いことが特徴です。特に難易度が高いのが一次試験の機械部門と電気電子部門、二次試験の建設部門で、合格には重点的な対策が必要でしょう。

技術士の働き方と独立のために必要なこと

技術士の働き方と独立のために必要なこと
技術士の有資格者の働き方と、独立技術士になるために必要なことを紹介します。

技術士の主な働き方

技術士を取得した方の就職先は、一般企業やコンサルティング会社、官庁や地方自治体、公益法人などです。また、独立開業する方もいます。
技術士の業務内容は、技術指導や企業の顧問など、部門の知識を生かした技術コンサルタントが主流です。

独立するために必要なこと

技術士として独立するには、会社員時代とは異なる働き方や活動が必要です。そこで、独立技術士として事業を軌道に乗せるために必要な以下のポイントを解説します。

目的や優先順位を明確にする

会社を退職後に独立技術士になる場合、独立する目的や目標、優先順位を明確にしましょう。

独立する目的は、収入を得たい、技術を広めて社会貢献をしたい、定年後のやりがいを得たいなど、人それぞれです。収入目的の場合、目標とする年収や受注できる仕事の見込み件数、1日の業務時間、業務を行う人数など、具体的な方向性を決めなければなりません。目的によって独立後の行動や計画が大きく変わるので、独立する前に目的を決めておくことが大切です。

何を自分のサービスとするか

技術士として仕事をしていくには、自分の技術や経験を、どのようにサービス化・商品化できるかを考える必要があります。

サービス化を考える場合は、「自分の経験や強み・弱みの見直し」、「専門領域の範囲の拡大やニーズの把握」、「部門以外の経験や知識の商品化の検討」など、やるべきことは多岐にわたります。顧客に与えられるメリットやニーズを考慮し、よりよいサービスの提供に努めましょう。

人脈を確保するための営業活動

独立技術士として仕事を獲得するには、人脈をいかに確保するかが重要なポイントです。退職した会社や出身大学などの人脈を維持するほかに、技術士同士の部会、セミナー、SNSなどで名前を売る営業活動を積極的に行いましょう。

健康管理と家族の理解

独立後はいつでも仕事ができるように、健康管理を徹底することが大切です。会社員は健康診断や有給休暇などの保障がある一方、独立すると有給休暇はなく、健康管理を自主的に行わなければなりません。そのため、健康診断や人間ドックの受診、保険や共済の加入などを検討することがポイントです。

自宅で独立技術士として活動する場合、事前に家族の理解を得ておきましょう。例えば、独立する目的や具体的な仕事内容、生活リズムや収入の見込みといった会社員時代から大きく変わる点は家族の理解が必要です。また、仕事内容によっては、家族に仕事を手伝ってもらえるように協力を依頼してもいいでしょう。

独立も可能な技術士はおすすめの資格

技術士は理系の博士号にあたる資格で、科学技術の専門的知識や応用能力を備えた、優秀な技術者と認められます。技術士を取得するには、一次試験を合格後、所定の実務経験を積み、二次試験の受験資格を合格する必要があります。一次試験は基礎知識や専門知識が問われる試験で、合格率は30%前後とやや難しい試験といえます。二次試験の口頭試験は面接官によって質問や対応が異なるため、柔軟な対応力とコミュニケーション能力が必要です。

技術士は企業に勤めるほかに、独立技術士として開業することも可能です。独立する場合は、会社員生活の頃と収入や生活スタイルが大きく変わる可能性があるため、家族の理解を得ておいたほうがよいでしょう。

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