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技術士の資格は役に立たない!?資格取得で得られる4つのメリットを解説

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技術士は、科学技術に関する専門知識と高度な適用能力、豊富な実務経験をもつ技術者として国から認められた資格です。しかし、難易度が高い権威のある資格にもかかわらず、一般的な知名度が低いといった理由から「役に立たない」という意見もあります。

そこで今回は、技術士の基礎知識を踏まえ、技術士が役に立たないといわれる理由や、技術士を取得するメリットについて解説します。

そもそも技術士とは?

技術士制度は、日本の産業における技術者を育成する目的で誕生しました。高度な専門的知識に加え、技術者倫理や技術の高等応用能力、マネジメントやリーダーシップといった資質能力を兼ね備えた人が技術士として認められます。

技術士資格は科学技術の分野により、以下の21部門が設定されています。

No.技術士部門No.技術士部門
01機械部門12農業部門
02船舶・海洋部門13森林部門
03航空・宇宙部門14水産部門
04電気電子部門15経営工学部門
05化学部門16情報工学部門
06繊維部門17応用理学部門
07金属部門18生物工学部門
08資源工学部門19環境部門
09建設部門20原子力・放射線部門 
10上下水道部門21総合技術監理部門
(※第二次試験のみ実施)
11衛生工学部門

出典:公益社団法人 日本技術士会
https://www.engineer.or.jp/contents/become_engineer.html

技術士の試験には、筆記試験(択一式)の第一次試験と、筆記試験・口頭試験を行う第二次試験があります。

第一次試験の難易度は、大学のエンジニアリング課程程度とやや高めですが、年齢や学歴、国籍などの制限がなく、誰でも受験が可能です。

一方、第二次試験を受験するには、技術士のもとで実務経験を積む、または7年を超える実務経験年数を経ることが必要です。第二次試験が受験できるまでに時間がかかるうえに、口頭試験は高度な倫理観や専門応用能力が試されるため、決して簡単にとれる資格ではありません。

技術士資格が「役に立たない」といわれる3つの理由

簡単にはとれない技術士が「役に立たない」といわれるのは、以下の3つの理由が関係しています。

知名度の低さ

技術士資格が役に立たないといわれる大きな要因は、一般的な知名度の低さでしょう。土木などの建設業界を除き、技術士を知る人はまだまだ少ないのが実情です。

知名度の低さにつながるもう1つの要因は、一般の人々との関連が薄いことが考えられます。もともとの技術士の定義は、公的機関における研究や、計画、分析、評価などを行う者とあります。社会的、公的機関との結びつきが強い一方、一般の人々と関係性が薄いため、一般的な国家試験よりも知名度が低いと考えられます。

技術士法による責任が重い

技術士法では技術士の有資格者に対し、技術士法第4章の「技術士等の義務」において、以下の「3つの義務と2つの責務」を定めています。

No.技術士の3義務と2責務
1信用失墜行為の禁止技術士又は技術士補は、技術士若しくは技術士補の信用を傷つけ、又は技術士及び技術士補全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
2技術士等の秘密保持義務技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなつた後においても、同様とする。
3技術士等の公益確保の責務技術士又は技術士補は、その業務を行うに当たつては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない。
4技術士の名称表示の場合の義務技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術部門を明示してするものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならない。
5技術士の資質向上の責務技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。 

出典:技術士法 | e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=358AC0000000025#201

これらの義務・責務に違反すると、懲役、罰金、資格取り消しなどの罰則が科されます。技術士法に縛られるうえに、責任が重いと感じる方も少なくないようです。

業務独占資格ではない

技術士資格は、技術士と名乗れる「名称独占資格」です。名称独占資格とは、その資格を取得した人だけが名乗れる資格を指します。

一方、医師や弁護士などの「業務独占資格」は、有資格者だけが独占的に仕事ができる資格です。つまり、名称独占資格である技術士を取得しても、独占的に仕事ができるわけではないのです。この点は、技術士が役に立たないといわれる大きな理由でしょう。

技術士を取得する4つのメリット

役に立たないという意見もある技術士ですが、資格を取得すると以下の4つのメリットが得られます。

専門性の高い仕事ができる

技術士の評価が高い建設業界では、建設コンサルタントや国土交通省の地質調査業者などに登録できるメリットがあります。より専門性の高い仕事に就けるため、資格手当や昇進、転職などで収入アップも期待できるでしょう。

また、技術士を取得することで、「社内外の信頼が高くなった」という意見も見受けられます。重要な業務を任されるようになった、以前より話を聞いてもらえるので提案がしやすくなったなど、日々の業務でもメリットを実感できるようです。

公共事業の入札で有利になる

技術士は個人だけでなく、法人側にもメリットがあります。公共工事の入札に必要な審査において、公共工事評価が技術士1人につき5点が加点されるのです。それに加えて、公共工事の受注金額上限も上がります。

つまり、建設業界で技術士の評価が高いのは、公共工事をより高い金額で受注できる可能性が高くなるためです。

自己研さんにつながる

技術士と名乗るからには、それにふさわしい人物にならなければならない、という責任感が自然と芽生えます。自己研さんは技術士の責務でもあるため、新しい知識や外国語の勉強など、日々自己研さんに努めなければなりません。

技術士の勉強をとおして自己研さんを高めることもできますし、自己研さんを高めるために技術士を取得した方も少なくないようです。

人脈作りに役立つ

技術士を取得すると、日本技術士会や技術セミナーといった、技術士と交流する機会に参加できます。同じ技術をもつ人と知り合う機会が得られ、自然と人脈が広がります。技術士は年齢層が幅広いため、さまざまな人と交流するなかで学びやよい刺激が得られるでしょう。

技術士はさまざまな面で役立つ資格です

技術士は科学技術の専門知識や応用能力、資質能力を備えていると認められる、権威ある資格です。その一方で、知名度が低く、役に立たないといわれることもありますが、一般的な資格とは異なるメリットが得られます。建設部門ではコンサルティング業という新しい働き方や、公共工事の優位性など、個人と企業の双方にメリットがあります。また、高度な自己研さんや技術士同士の人脈作りなど、自分自身の生き方や今後にもよい影響をもたらすはずです。

技術士は簡単に取得できる資格ではないからこそ、さまざまな面で役に立っているといえるでしょう。

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