技術士試験対策講座

この資格について

  1. 技術士とは
  2. 3つのメリット
  3. できる仕事
  4. 試験について

技術士とは 専門的応用能力を有するエンジニア

技術士試験は、建設や上下水道、機械、農業、環境など、科学分野に係わる全21部門に渡る問題解決能力や課題遂行能力を試す試験です。
技術士の資格は、理系国家資格の最高峰のひとつとしても知られています。つまり、技術士とは、国が高等の専門的応用能力を有するエンジニアであることを認めた資格なのです。

技術士とは、技術士法第2条で「科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」と定義されています。

したがって、技術士は、科学技術の専門的学識のほかにも、問題解決能力やマネジメント力など総合的なスキルを使いこなし、解決困難な社会課題に取り組める人材なのです。また、技術士には高い倫理観が備わっており、コンプライアンス重視が求められるビジネスの場において、多くの業界で高い需要があるのです。

実際に、多くの技術士が、民間の研究職や技術職、企業コンサルティング、発注者として公官庁などで活躍しています。また、定年後にも独立開業したり、セミナー講師として後進を育てたりして、様々な分野で長きにわたって一線で活動し続けています。

技術士資格の取得難易度は、難関法律系の資格など比べても遜色なく、合格率は年度や部門によってばらつきがあるものの10%未満になることも稀ではありません。しかし、取得すれば、技術者としての格が上がり、所属している組織でのキャリアアップや、仕事の幅を広げる可能性が一気に高まる「お宝資格」と言えます。

技術士資格は、数ある技術系の資格の中でも国内最高峰であるばかりか、取得後に継続研鑽を積むことで国外でも通用するAPECエンジニアの審査を受けられるようになります。このように、有用な資格であるため、技術者の道を歩んでいる方には、ぜひ取得していただきたい資格です。

技術士の部門一覧(全 21部門)

1. 機械部門 2. 船舶・海洋部門 3. 航空・宇宙部門
4. 電気電子部門 5. 化学部門 6. 繊維部門
7. 金属部門 8. 資源工学部門 9. 建設部門
10. 上下水道部門 11. 衛生工学部門 12. 農業部門
13. 森林部門 14. 水産部門 15. 経営工学部門
16. 情報工学部門 17. 応用理学部門 18. 生物工学部門
19. 環境部門 20. 原子力・放射線部門 21. 総合技術監理部門

メリット 資格取得の3つのメリット

01

企業ニーズが高い

近年の科学技術の移り変わりは凄まじく、企業が直面する課題には未知のものが増えています。
そこで、これらの諸課題に対応するために、高度な専門知識を持ち、粘り強く問題解決に取り組める技術者に対して、以前にも増して高い需要があるのです。

今後、数万人規模で技術者が不足するという予測があります。それゆえ、技術士の需要もさらに右肩上がりで上昇することが想定されています。

技術士資格は、技術者としての価値を最大限に引き上げてくれる資格です。
そのため、企業に属する技術者が、技術士資格を得る恩恵は少なくありません。今の組織内での待遇アップにとどまらず、転職や独立のチャンスが増えるといった点で人生の選択肢を増やせる魅力が技術士資格にはあるのです。

02

技術者としてのキャリアアップ

技術士は、専門的学識知識のほかに「問題解決能力・業務遂行能力」があることを国によって証明された実務家です。
したがって、技術士資格を有することが、実務家としてのステータスにつながります。

技術士は、技術者としての信頼性が高いがゆえに、とりわけ建設部門や上下水道部門などでは入札要件とされていることがあります。若くして技術士になった人は、大規模な業務の担当者に抜擢されるなど、技術者としてのキャリアアップにつながります。

実際に、技術士資格は、大手ゼネコン等で高く評価される資格のひとつです。
人事考課の判断材料にされたり、資格手当が支給されるといった事例は枚挙にいとまがありません。技術士資格は、まさに、待遇面と収入面の両方で優遇される実益のある資格と言えます。

03

名称独占資格

技術士は「名称独占資格」であり、資格者を有する者だけが「技術士」と名乗ることができます。
これは、技術士が係わる業務は、高等の専門的応用能力を求められる仕事であり、技術士にはその資格に見合った能力や知識が要求されているためです。

仮に、技術士の資格を持たない者が、技術士やそれに類似した名称を名乗った場合には、罰則が課せられることになります。このように、技術士資格は、ほかの技術系の資格にも増して、大きな責任がある特別な資格なのです。

難関資格であるため、取得難易度は高いですが、ほかの技術者との明確な差別化が可能となる資格と言えるでしょう。

できる仕事 この資格でどんな仕事ができるのか?

01

コンサルタント企業

技術士は、多様な科学分野の知識を活用する能力や問題を調べ上げて解決する能力を習得しています。
それゆえ、コンサルタント業界で、特に高く評価されています。

企業に潜在している問題点を多面的な視点からあぶり出し、実現可能な方法で改善ができる技術士の能力は、企業コンサルティングにおいて重要な素養です。そのため、多くの有資格者がすでにコンサルタント企業で活躍しています。

仮に、技術士の資格がなくても、コンサルタント業を営むことはできますが、難関の国家資格取得を有しているという事実は、クライアントへの信頼度をいっそう増す強力なツールとなります。

平均年収は、600万円~700万円ほどです。

02

エンジニアリング企業

技術士は、専門的学識を有するとともにマネジメントやリーダーシップにも長けています。令和元年度から試験制度で、マネジメントなど8つのスキルが備わっているか厳しく確認されるようになりました。
ヒト・モノ・カネ・情報を適切に配分し、PDCAサイクルを回すことで、より円滑に業務を遂行できる技術士は、建設現場や工場にとどまらず、様々な現場において、プロジェクトの管理者として活躍しています。

とりわけ、工事や開発の現場では、各作業工程で発生する問題を適正に解決することが求められます。また、品質管理やスケジュール管理を徹底し、手戻りなく納期通りに業務を遂行できるように、技術士はプロジェクトを導けるのです。

責任の大きい役割を担うので、年収は高く、平均700万円以上が相場となります。

03

開発メーカー

技術士を取得した方は、開発メーカーでエンジニアとして働くこともできます。

技術士試験には、一定の実務経験がないと受験できません。そのため、資格を取得する前から、技術者として企業に勤め、資格取得後には、技術力が保証されたエンジニアとして継続して複数の企業で働いている方もいます。

科学技術が、複雑かつ高度になり、あらゆる分野に及ぶ近年では、ソフトウェア開発や材料開発、食品開発など技術士の活躍の場も多岐にわたります。

年収は、企業規模により異なりますが、平均600万円前後です。

試験について 資格取得には、一次試験と二次試験の2つ試験に合格する必要があります。

また、二次試験は、筆記試験をパスした後に、口頭試験がある点で技術士試験は、他の技術系資格とは異なる対策が求められます。

なお、二次試験を受験するためには、既定の実務経験が必要となります。
一次試験に合格すると、所定の手続きをすることにより「技術士補」の資格が得られます。

一次試験

試験日は、例年10月の中旬の日曜日です。
試験地は、北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の12か所です。
受験資格について、年齢・学歴・業務経歴等による制限はありません。
試験科目は、「基礎科目」「適性科目」「専門科目」の3科目あり、いずれもマークシート形式(五肢択一式)で行われます。

  • 基礎科目は、科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題です。
  • 適性科目は、技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性を問う問題です。
  • 専門科目は、受験者があらかじめ選択する1技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題です。

合格基準は、各科目で50%以上の正答が必要となっています。

一次試験の概要

願書の配布時期 令和3年6月17日(木)〜6月30日(水)
受験申請 令和3年6月17日(木)~6月30日(水)
試験日 令和3年11月28日(日)
合格発表 令和4年2月
受験資格 特になく、誰でも受験が可能です。
試験会場 12都道府県
(北海道、宮城、東京、神奈川、新潟、石川、愛知、大阪、広島、香川、福岡、沖縄)
試験科目 ・基礎科目
・適正科目
・専門科目
試験形式 択一式のマークシート形式
合格基準 各科目で50%以上の正答
試験料 11,000円
試験免除制度 ・情報工学部門…情報処理技術者試験を取得済みの方
・経営工学部…中小企業診断士試験を取得済みの方

実務経験

二次試験には、受験資格が設定されています。
必要な実務経験は、一次試験を合格し、技術士補として従事した場合と、技術士補の資格を取得する前に従事した場合では異なります。

技術士補の資格を取得後に必要な実務経験は、4年以上、技術士補を取得前の実務経験は、7年以上必要となっています。

なお、総合技術監理部門の受験をする場合は、他の技術部門よりも多くの実務経験が必要で、技術士補の資格を取得前は7年、取得後は10年の期間が必要です。

受験資格に該当する実務経験の詳細は、試験実施団体の公益社団法人日本技術士会で確認してください。

二次試験

二次試験は、筆記試験と口頭試験があり、口頭試験は筆記試験の合格者のみ実施されます。
試験日は、例年、筆記試験が7月中旬の1日、口頭試験が11月~翌年1月のうち1日です。

試験地は、筆記試験が北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の12か所で、口頭試験が東京都の1か所です。

受験資格について、筆記試験では一次試験合格者で実務経験等の要件を満たしている必要があります。また、口頭試験は筆記試験の合格者が対象となります。

総合技術監理部門を除く20部門では、筆記試験は600字詰用紙9枚です。総合技術監理部門では、択一式(マークシート形式:五肢択一式)が40問と、記述式(600字詰用紙5枚)です。

二次試験:筆記試験の概要

願書の配布時期 令和3年4月1日(木)~4月19日(月)
受験申請 令和3年4月5日(月)~4月19日(月)
試験日 総合技術監理部門の必須科目 : 令和3年7月10日(土)
総合技術監理部門を除く選択科目 : 令和3年7月11日(日)
合格発表 令和3年10月
受験資格 技術士補を取得済みで、既定の実務経験が必要
試験会場 12都道府県
(北海道、宮城、東京、神奈川、新潟、石川、愛知、大阪、広島、香川、福岡、沖縄)
試験科目 ・必須科目Ⅰ
・選択科目Ⅱ、Ⅲ
試験形式 記述式:600 字詰用紙で9枚
※総合技術監理部門は択一式と記述式で出題
合格基準 科目ごとに60%以上の得点
※総合技術監理部門は択一式と記述式を合わせて60%以上の得点
試験料 14,000円
試験免除制度 ・情報工学部門…情報処理技術者試験を取得済みの方
・経営工学部…中小企業診断士試験を取得済みの方

二次試験:口頭試験の概要

試験日 筆記試験合格者に、後日通知される
令和3年12月~令和4年1月
合格発表 令和4年3月
試験会場 東京都
設問事項 20技術部門(総合技術監理部門以外)
・技術士としての実務能力
・技術士としての適格性

総合技術監理部門
・必須科目に対応して技術士として必要な専門知識及び応用能力
・選択科目に対応して技術士としての実務能力と技術士としての適格性
試験形式 20分程度で口頭にて回答
合格基準 設問内容ごとに60%以上の正解

合格率 過去3年の合格率平均は、一次試験は「43.3%」、二次試験は「13.1%」です。

技術士一次試験受験データ

 

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技術士一次試験
過去3年の平均合格率

43.3%
年度 総受験者数 合格者数 合格率
令和2年度 14,594 6,380 43.7%
令和1年度 9,337 4,537 48.6%
平成30年度 16,676 6,302 37.8%
平成29年度 17,739 8,658 48.8%
平成28年度 17,561 8,600 49.0%

技術士二次試験受験データ

 

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技術士二次試験
過去3年の平均合格率

13.1%
年度 総受験者数 合格者数 合格率
令和1年度 24,326 2,819 11.6%
平成30年度 25,914 2,355 14.6%
平成29年度 26,253 3,501 13.3%
平成28年度 25,032 3,648 14.6%