QC検定とは? QC検定は品質管理のレベルを証明できる資格!
QC検定(品質管理検定)は、品質管理についてのさまざまな知識を筆記試験にて問う検定です。仕事内容や知識レベルに合わせて4つの級(1級~4級)が用意されています。
品質管理とは、生産工程の管理や製品の品質チェックなど、製品やサービスの品質を管理・向上させるために行われる一連の取り組みの総称です。
業務の細かい内容は企業や製品ごとに異なるため、QC検定では品質管理を実践するときに重要な考え方や統計的なデータ解析手法について出題されます。
QC検定は、品質管理の普及及びレベルの向上を目的として、2005年に創設されました。現在までに79万人以上が合格認定されており、品質管理教育に力を入れている企業や学校を中心に広く普及しています。
仕事内容について QC検定取得者の仕事は大きく分けて5つ!
01
品質の評価・検査
品質管理のプロとして、自社の製品やサービスについて品質評価・検査を行います。食品から電子工業部品まで、あらゆる製品の製造において実施されている業務です。
ヒストグラムなどを駆使して各工程におけるデータを分析・把握し、製品・サービスが十分な品質であるか評価したり、異常発生の兆候を見つけて対策したりします。
計測機器の保守や検査基準・ルールの管理など、適正に評価・検査が行える環境を保つことも業務の一つです。
02
生産管理・工程管理
工場などの製造現場において、生産管理・工程管理といった業務に就くこともあります。
こちらは設備や人・材料を有効活用し、製造を効率よく行えるように調整する業務です。
生産管理は製品の企画から材料の調達まで生産に関連するすべてが管理の対象ですが、工程管理は製造工程に特化しています。
生産計画の立案及びその計画に基づいた進捗管理が工程管理の主な業務です。
03
品質管理教育
これまで学んできた知識や経験をもとに、品質についての教育を担当する業務です。
品質管理レベルの向上を目的として、製造部門など製品開発や生産に関わる人に向けて講習や指導を行います。
QC検定を積極的に取り入れている企業・学校があれば、QC検定の受験サポートも担当業務の一つです。
また、QC7つ道具など統計的な手法も扱うので、品質管理自体に加えてデータの管理・分析を中心とした指導を任されることもあります。
04
監査の対応
品質管理が正しく実施されているか確かめるため、多くの企業では定期的に監査を実施しています。
この監査への対応も代表的な業務です。
監査は外部機関へ依頼するタイプと自社で行うタイプの2種類があります。社内監査の場合は監査側として参加し、製造工程などに品質管理上の問題がないかチェックします。
05
品質異常の処理・再発防止
品質低下などで異常が生じた場合に、異常の処理及び再発防止の対策を行う業務です。
異常や不良品を手早く処理した後、不良品を調べて異常が引き起こされた原因を特定します。
異常への対策を行うには、製造にかかわる工程や人・材料の要素を細分化し、原因を明確にすることが必要です。
異常原因の詳細な解析には、特定要因図やタートル図といったQC7つ道具がよく用いられます。
級の違いについて QC検定の級の違い
QC検定には4つの級(1級~4級)が用意されています。
それぞれの級の特徴は以下の通りです。
QC検定の1級は、組織内で起こる様々な問題を品質管理の側面で解決、改善することを把握しており、かつ自ら主導できるレベルに相当します。対象者としては品質管理活動のリーダー、かつ指導的立場になれる人です。最高レベルのため、品質管理の経験者でも難易度が高い試験といわれています。
なお、二次試験の合格基準に達しなかった場合、準1級が認められます。
QC検定の2級は、一般的な職場で発生する品質の問題を、新旧のQC7つ道具を用いて、自ら解決できる能力が問われます。対象者としては品質管理関わる部署のリーダーや管理職、スタッフなどです。必要な勉強時間が100~300時間で、合格率は20~30%程度です。
QC検定の3級は、QC7つ道具の作り方と使い方をほぼ理解し、改善方法の指導があればQC的品質管理問題解決法で問題を解決できるレベルです。対象者としては品質管理の経験者はもちろん、業種や業態に関わらず職場の問題解決を行う社員、品質管理を学ぶ学生です。受験者が最も多く、必要な勉強時間が100時間で、合格率は50%前後です
QC検定の4級は、組織で働く際の基本的な品質管理と企業活動を理解し、社内の改善活動を言葉として理解できるレベルです。対象者としては品質管理をはじめて学ぶ新入社員や大学生、高校生です。合格率は85%程度です。
受験方式 QC検定の受験方式
2025年9月実施分から、3級と4級では、CBT試験に変更になります。CBT方式とは、コンピューターを使って試験を受ける方式のことです。これにより、試験日程が自分の都合に合わせて選ぶことができるようになります。
なお、1級、2級については引き続きマークシートを使ったペーパーテストです。
持ち物
試験当日に持参する持ち物は以下の通りです。
- 受験票
- 筆記用具
- 時計
- 電卓(QC検定1級~3級のみ)
※上記の電卓ですが、関数電卓や、数式や数値を記憶できる機能が付いた電卓を持ち込むことはできません。
受験資格
QC検定に受験資格はありません。どの級から受験し始めることもできます。
合格率 QC検定の合格率
QC検定の合格率は級によって大きく異なります。2級の合格率は20~30%、3級の合格率は40~50%です。
QC検定1級合格率平均データ
【円グラフ】ソースコードでご覧ください。上のdata-valueの値を変えてお使いください*小数点は使用不可です。この文は実際の画面では表示されません。
QC検定1級の
過去5回の合格率
回 | 総受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第39回 | 762 | 48 | 6.30% |
第38回 | 551 | 65 | 11.80% |
第37回 | 776 | 46 | 5.93% |
第36回 | 716 | 17 | 2.37% |
第35回 | 827 | 56 | 6.77% |
QC検定2級合格率平均データ
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QC検定2級の
過去5回の合格率
回 | 総受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第39回 | 9,129 | 3,184 | 34.88% |
第38回 | 7,450 | 2,153 | 28.90% |
第37回 | 9,159 | 2,747 | 29.99% |
第36回 | 9,432 | 2,256 | 23.92% |
第35回 | 8,621 | 2,162 | 25.08% |
QC検定3級合格率平均データ
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QC検定3級の
過去5回の合格率
回 | 総受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第39回 | 24,524 | 12,684 | 51.72% |
第38回 | 22,194 | 11,890 | 53.57% |
第37回 | 25,276 | 12,687 | 50.19% |
第36回 | 27,835 | 12,956 | 46.55% |
第35回 | 23,776 | 11,866 | 49.91% |
QC検定4級合格率平均データ
【円グラフ】ソースコードでご覧ください。上のdata-valueの値を変えてお使いください*小数点は使用不可です。この文は実際の画面では表示されません。
QC検定4級の
過去5回の合格率
回 | 総受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第39回 | 7,800 | 6,575 | 84.29% |
第38回 | 6,889 | 5,873 | 85.25% |
第37回 | 7,887 | 6,701 | 84.96% |
第36回 | 8,503 | 7,067 | 83.11% |
第35回 | 7,541 | 6,406 | 84.95% |
将来性について QC検定は需要が高く将来性のある資格
2019年の受験者数は全国で12万2千名程と非常に人気のある検定ですので、QC検定の需要は高いといえます。
企業は通常、自社の製品・サービスを保有しています。製品・サービスを販売するのに不可欠である品質管理業務がなくなるとは考えにくく、メリットもたくさんあり、今後も大きな需要が見込まれるでしょう。
品質管理の水準は引き上げられることはあっても引き下げられることは基本的にないと予想されます。需要はむしろ拡大していく可能性が高いため、将来性のある資格です。
また、品質管理に重きを置いている企業では、全社員または一定割合の社員のQC検定取得を目標として掲げているところもあります。
こうした企業への転職・就職時にQC検定を持っていれば、品質管理の意識が高い人材としてアピールすることが可能です。