第一種電気工事士講座

資格について

第一種電気工事士とは 第一種電気工事士は、自家用電気工作物、一般用電気工作物、小規模事業用電気工作物の工事を行うために必要な仕事

第一種電気工事士は、自家用電気工作物、一般用電気工作物、小規模事業用電気工作物の工事を行うために必要な資格です。
第二種電気工事士に加えて、自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)に係る電気工事に従事することができ、具体的には大型のビルや大型の工場で電気工事を担当することができます。
第二種電気工事士と比べて、作業できる範囲が広くなります。

第一種電気工事士の仕事内容 第一種電気工事士の仕事は大きく分けて2つ!

第一種電気工事士の仕事内容は以下の通りです。

仕事
01

建築電気工事

建築現場での電気工事を担当することができます。かなり業務の幅は広く、仕事の場所も様々です。
第一種電気工事士は一般住宅や小規模な店舗などの工事を担当することに加え、病院や大型の工場のメンテナンス、新設、変電所などの大型の工事を主に担当します。

仕事
02

鉄道電気工事

夜間工事が前提になることが多いですが、信号機、変電所などの鉄道が正確に運航するために必要なものを施工することになります。
また、駅構内の電気工事などもこの鉄道電気工事に含まれます。

受験方式 第一種電気工事士の受験方式

学科試験の概要

学科試験は、試験時間は140分間で、上期はCBT方式(コンピューター上で解答)のみ、下期はCBT方式と筆記方式(マークシート方式)のどちらかでの方式での受験となります。
筆記方式、CBT方式どちらを選択しても、四肢択一式となっており、合格基準は6割です。

具体的な試験科目と範囲は以下の通りです。

科目 範囲
1 電気に関する基礎理論 ①電流、電圧、電力及び電気抵抗 ②導体及び絶縁体
③交流電機の基礎概念 ④電気回路の計算
2 配電理論および配線設計 ①配電方式 ②電線路 ③配線
3 電気応用 照明、電熱及び電動機応用
4 電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用の材料及び工具並びに受電設備 ①電気機器、蓄電池及び配線器具の構造、性能及び用途
②電気工事用の材料の材質及び用途 ③電気工事用の工具の用途
④受電設備の設計、維持及び運用
5 電気工事の施工方法 ①配電工事の方法
②電気機器、蓄電池及び配線器具の設置工事の方法
③コード及びキャブタイヤケーブルの取付方法 ④接地工事の方法
6 自家用電気工作物の検査方法 ①点検の方法 ②導通試験の方法
③絶縁抵抗測定及び絶縁耐力試験の方法
④接地抵抗測定の方法 ⑤継電器試験の方法
⑥温度上昇試験の方法 ⑦試験用器具の性能及び使用方法
7 配線図 配線図の表示事項及び表示方法
8 発電施設、送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性 発電施設、送電施設及び変電施設の種類、役割その他の基礎的な事項
9 一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令 ①電気工事法、同法施行令及び同法施行規則
②電気事業法、同法施行令、同法施行規則、電気設備に関する技術基準を定める省令及び電気関係報告規則
③電気工事業の業務の適正化に関する法律、同法施行令及び同法施行規則
④電気用品安全法、同法施行令、同法施行規則及び電気用品の技術上の基準を定める省令

ただし条件によっては学科試験が免除になるケースもあります。そのケースは以下の通りです。

  • ・前回もしくは前々回の第一種電気工事士の学科試験に合格
  • ・第一種・第二種又は第三種電気主任技術者免状の取得者
  • ・旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の有資格者

技能試験の概要

技能試験は、工具を使って実際に配線を行う試験です。試験時間は60分間ですが、試験開始時刻よりも前に着席時刻が定められています。

試験範囲は以下の通りです。

  • ・電線の接続
  • ・配線工事
  • ・電気機器、蓄電池及び配線器具の設置
  • ・電気機器、蓄電池、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  • ・コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  • ・接地工事
  • ・電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
  • ・自家用電気工作物の検査
  • ・自家用電気工作物の操作及び故障箇所の管理

受験資格

第一種電気工事士は受験資格はなく、試験自体は誰でも受験可能ですが、免許を取得するには3年以上の実務経験が必要となります。
対象となる業務は以下の通りです。

  1. ①電気工作物に該当する電気的設備を設置し、または変更する工事(自ら施行する当該工事に伴う設計及び検査を含み、キュービクル、変圧器等の据え付けに伴う土木工事及び電気機器の製造を除く。)
    例)
    ・第二種電気工事士として行う一般用電気工作物等に係る電気工事
    ・認定電気工事従事者として行う最大電力500kW未満の需要設備の低圧部分に係る電気工事(簡易電気工事)
    ・最大電力500kW以上の需要設備に係る電気工事
  2. ②経済産業大臣が指定する第二種電気工事士養成施設において教員として担当する実習

 

ただし、以下の業務は実務経験として認められません。

  • ・電気工事士法施行令で電気工事から除かれる「軽微な工事」
  • ・電気工事士法で別の資格が必要とされる「特殊電気工事(自家用電気工作物に係る電気工事のうちネオン工事及び非常用予備発電装置工事をいう)」
  • ・5万V以上で使用する架空電線路に係る工事
  • ・保安通信設備に係る工事

合格率 第一種電気工事士の合格率

合格率は学科試験、技能試験ともに60%前後と難易度はそれほど高くありません。

学科試験合格率平均データ

 

【円グラフ】ソースコードでご覧ください。上のdata-valueの値を変えてお使いください*小数点は使用不可です。この文は実際の画面では表示されません。

学科試験の
過去5年の合格率

56.4%
年度 総受験者数 合格者数 合格率
2024年度 35,320 20,030 56.7%
2023年度 33,035 20,361 61.6%
2022年度 37,247 21,686 58.2%
2021年度 40,244 21,542 53.5%
2020年度 30,520 15,876 52.0%

技能試験合格率平均データ

 

【円グラフ】ソースコードでご覧ください。上のdata-valueの値を変えてお使いください*小数点は使用不可です。この文は実際の画面では表示されません。

技能試験の
過去5年の合格率

62.9%
年度 総受験者数 合格者数 合格率
2024年度 28,372 17,004 59.9%
2023年度 26,143 15,834 60.6%
2022年度 26,578 16,672 62.7%
2021年度 25,751 17,260 67.0%
2020年度 21,162 13,558 64.1%

将来性 第一種電気工事士は様々な現場で活躍できる!

第一種電気工事士は、工事だけでなく幅広い業務をこなさなくてはならないことも多いです。また、現場経験も豊富な第一種電気工事士は作業の主任者や職長に任命されることも多く、現場での打ち合わせなども多くなるでしょう。
電気工事の仕事は非常に需要があるのですが、圧倒的に電気工事士が足りていないのが現状です。また、第一種電気工事士の仕事範囲は大型の工事が中心になるため、他の人員で代用することができません。

第二種電気工事士と比べて作業範囲が広くなり任せられる仕事も増えるでしょう。非常に将来性のある資格です。ぜひ、資格取得にチャレンジしてみてください。