アーク溶接等特別教育

アーク溶接作業者って何ができる?履歴書の書き方や年収を紹介!

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アーク溶接とは、電気の放電現象(アーク放電)を利用して行う溶接作業のことを言い、建設現場や工場などで広く利用されているのが特徴です。

アーク溶接作業者として仕事に従事するためにも、資格を取得することで就ける仕事や年収、資格の概要について情報を集めておきましょう。

そこで今回の記事では、アーク溶接作業者の資格を取得することで従事できる仕事の内容や年収について解説します。

アーク溶接の資格を取ってできることは?

アーク溶接の資格の需要は非常に多く、金属構造物を扱う仕事であればあらゆるものに使用されています。

手溶接やロボット溶接、ガス溶接やアーク溶接などの仕事はまとめて「溶接工」とよばれていますが、アーク溶接はこれらの資格でも基本的な資格として有名です。

そのため、アーク溶接の資格を取得することで溶接工としての第一歩を踏み出せます。

No溶接工の仕事内容
1鋼材を切断する
2鋼材を叩く
3鋼材を曲げる
4鋼材をつなげる
5鋼材を磨く
6鋼材を塗装する

上記が溶接工の行う仕事内容です。アーク溶接の資格を取得すると、この中にある「鋼材をつなげる」仕事に従事できます。

鋼材をつなげる溶接には「ガス溶接」「アーク溶接」の2種類あり、電気の放電現象(アーク放電)を利用して行うのがアーク溶接です。

アーク溶接の中でも被覆アーク溶接やティグ溶接、半自動溶接やマグ溶接などの細かい種類にわかれているため、必要に応じて技術を身につけなければいけません。

続いて、求人サイトに掲載されている求人を参考にして、アーク溶接の資格を取得するとどういった現場に従事できるのか見ていきましょう。

Noアーク溶接が必要とされている現場
1自動車や鉄道車両の製造業
2船舶や航空機の製造現場
3建設や土木業
4管工事業や解体工事業 

上記が資格を取得することで従事できる作業現場です。

自動車やそのほかの機械製品を製造する現場においては、自動化が進んでいるため手作業の溶接は減っていますが、機械ができない細かな作業では必要とされています。

また、建設現場においても高層建築、橋梁、水道・ガスの配管などの構造物を扱うので、高い溶接技術が求められます。

アーク溶接の資格取得は難易度が低く、特別講習を受ければほぼ取得できます。

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資格を取得するための助成金も支給される場合があるため、比較的挑戦しやすい資格と言えるでしょう。
溶接の技術者として従事するのであれば、積極的に取得を狙ってください。

アーク溶接の資格は履歴書にも記載可能!

履歴書の資格欄に記入する資格は、国家資格以外にも受験する職種や業界と関連度が高い資格、認知度の高い資格であれば問題ありません。

ですので、アーク溶接等特別教育講習も履歴書にも記入可能です。

ちなみに、アーク溶接の作業者は特別教育の受講が義務づけられているため、有資格者の需要は高まっています。

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建築・建設現場・土木・鉄鋼業・製造業などの溶接の技術を必要とする職種を希望する場合は、しっかり記載するようにしましょう。

アーク溶接の資格の正式名称は?履歴書への記載方法

アーク溶接の資格を履歴書に記入する際には、正しい資格名を書きましょう。

アーク溶接等特別教育講習を受講している場合は「アーク溶接講習」などと略した名称を書かずに「アーク溶接等特別教育」または「アーク溶接等特別教育講習修了証取得」と記載してください。

他の資格についても該当しますが、履歴書の資格欄に資格を記入する際には原則として正式名称を記入しましょう。

アーク溶接作業者の年収は?

ここまでは、アーク溶接の概要についてお話しました。では、アーク溶接作業者の年収はどのくらいなのでしょうか?

実際に、求人サイトに掲載されている求人例を参考にして具体的に見ていきましょう。

・T株式会社

項目詳細
職種生産設備のオペレーター・保守点検
平均月収19万円~29万円+手当
平均年収320万円~510万円
賞与4.79ヶ月分(年2回)
仕事内容・厚板鋼板の製造販売
・鋼片の製造販売
・鋼板の切断、加工、溶接

・N株式会社

項目詳細
職種工場設備の製造スタッフ
平均月収20万円~
平均年収450万円~500万円(30歳代)
賞与4ヶ月分(年2回)
仕事内容・鉄板の加工
・製品の仮組み立て
・溶接
・塗装

・B株式会社

項目詳細
職種工場の技術スタッフ
平均月収25万円~35万円+手当
平均年収300万円~500万円
賞与4ヶ月分(年2回)
仕事内容・各種工業炉の施工・設計
・金物制作・加工・取付
・溶接構造物制作・取付 

上記が実際に求人サイトで掲載されている求人例です。
年齢によって異なりますが、年収400万円前後がアーク溶接作業者の相場と言えるでしょう。

ただし、アーク溶接作業者は技術職なので、技術力やキャリアによって年収が異なります。アーク溶接以外にも資格を取得することでキャリアアップを狙えるでしょう。

続いて、厚生労働省が発表している2022年度の「賃金構造基本統計調査」から男性と女性別に溶接工の年収について確認してください。

項目男性女性
平均年収約430万円約300万円
平均月収30.7万円21.9万円
平均時給1,572円1,186円
年間賞与など61.1万円32.8万円
平均年齢約41歳約41歳 
平均勤続年数約12年約9年

上記が2022年度の溶接工の賃金構造です。

男性と女性で収入に大きな差がありますが、これは女性の溶接工が少なく、データが限られていることが理由と見られます。

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平均勤続年数自体も短くないので、溶接工に関する資格を取得しながら経験を積むことで技術者としてのキャリアアップを狙えるでしょう。

では、アーク溶接に関する資格にはどういったものがあるのでしょうか?次のセクションでは、アーク溶接と類似する溶接技能者について詳しく解説します。

溶接の実務経験がある人は溶接技能者を目指そう

アーク溶接に関する資格には、特別教育以外にも日本溶接協会が検定試験資格に基づいて実施している溶接技能者試験があります。

溶接技能者は、実務経験がある人向けなので誰でも簡単に取得できませんが、自身の技量を証明できるのがメリットです。

溶接技能者の中には複数の資格があるため、次項で紹介する内容からそれぞれについて確認してください。

溶接技能者の資格9つ

溶接技能者の資格には、以下の9つあります。

No資格名
1手溶接(アース溶接、ガス溶接)
2半自動溶接
3ステンレス鋼溶接
4チタン溶接
5プラスチック溶接
6銀ろう付け
7すみ肉溶接
8基礎杭溶接
9石油工業溶接

それぞれの資格概要と受講資格について簡単に見ていきましょう。

手溶接

資格概要溶接を機械で自動化にせず、手によって行うこと。
受講資格・基本級:1ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者。
・専門級:3ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者で、各専門級に対応する基本級の資格を所有する者。ただし、基本級の試験に合格することを前提として基本級と専門級の試験を同時に受験できる。

半自動溶接

資格概要ワイヤーなどの溶加材とシールドガスを連続的に供給することで、アークの長さを一定に保って行う溶接のこと。
受講資格・基本級:1ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者。
・専門級:3ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者で、各専門級に対応する基本級の資格を所有する者。ただし、基本級の試験に合格することを前提として基本級と専門級の試験を同時に受験できる。 

ステンレス鋼溶接

資格概要ステンレス製の金属の溶接を行うこと。
受講資格・基本級:1ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者。
・専門級:3ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者で、各専門級に対応する基本級の資格を所有する者。ただし、基本級の試験に合格することを前提として基本級と専門級の試験を同時に受験できる。

チタン溶接

資格概要チタン製の金属の溶接を行うこと。
受講資格・基本級:1ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者。
・専門級:3ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者で、各専門級に対応する基本級の資格を所有する者。ただし、基本級の試験に合格することを前提として基本級と専門級の試験を同時に受験できる。

プラスチック溶接

資格概要ホットジェットを用いてプラスチックを熱することで溶接を行うこと。
受講資格・基本級:1ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者。
・専門級:3ヶ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者で、各専門級に対応する基本級の資格を所有する者。ただし、基本級の試験に合格することを前提として基本級と専門級の試験を同時に受験できる。

銀ろう付け

資格概要銀ろうを用いてろう付けを行うこと。
受講資格1ヶ月以上ろう付技術を習得した15歳以上の者で、かつ、次のいずれかの条件を満たしていること。
・労働安全規則に基づく「ガス技能講習」を修了している。
・在学中の高等学校または職業訓練機関においてガス技能講習と同等の安全教育・技能講習を修了している。
・ガス溶接作業主任免許を取得している。

すみ肉溶接

資格概要鋼板同士を重ねることまたは直角に配置して溶接する方法のこと。
受講資格・基本級:JIS Z 3801(手溶接技術検定における試験方法および判定基準)およびWES 8201(手溶接技能者の資格認証基準【解】)に基づく「N-1F・A-2F・N-2F・A-3F・N-3F」のいずれかの資格を所有する者。
・専門級:基本級Fil-Fを所有する者。ただし、基本給の試験に合格することを前提として基本給の試験と専門級の試験を同時に受験できる。 

基礎杭溶接

資格概要建築物の基礎杭を溶接すること。
受講資格・JIS Z 3801(手溶接技術検定における試験方法および判定基準)に基づくいずれかの資格を所有する者。
・JIS Z 3841(半自動溶接技術検定における試験方法および判定基準)に基づくいずれかの資格を所有する者。 

石油工業溶接

資格概要圧力容器やポンプ、貯槽などの石油工業関係の設備の溶接を行うこと。
受講資格JIS Z 3801(手溶接技術検定における試験方法および判定基準)に規定される「A-2F・N-2F・A-3F・N-3F・C-2F・C-3F」のいずれかの技術資格を有すること。

アーク溶接作業者の資格はオンラインでも受講できる

今回の記事では、アーク溶接作業者の資格を取得することで従事できる仕事の内容や年収について、履歴書の書き方や資格の正式名称と一緒に解説しました。

アーク溶接作業者の資格は、工場や建設現場などで広く利用されているため、非常に需要の高い資格です。特別教育を受講することで自身の知識と技術力がアップし、履歴書にも記載できるため、企業からより求められる人材となります。

アーク溶接作業者の特別教育をまだ受講されてない方は、オンラインでの受講がおすすめです。オンラインの受講はあらかじめ収録された動画を視聴する形で行います。

インターネットがつながるところであれば、スマホやPCから好きな時間に受講ができるというメリットがあります。講義の動画視聴は途中からでも再開可能なので、例えば10~20分間のようなスキマ時間でも受講可能です。

対面式の講習会は全国でも開催されていますが、スキマ時間でも受講ができるのはオンライン講座のメリットでしょう。

ただし、オンライン講座で注意しなければならないのが、実技科目に関しては別途対面にて実施をする必要があることです。その際には必ず安全を十分に確認をし、実技実施責任者と同一場所にて行ってください。

無料のサンプル動画も公開されていますので、まずは一度視聴してみてから受講をするか検討するのも良いでしょう。

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需要の高い資格ですが、難易度は高くありません。溶接の作業に従事する可能性のある方は、積極的に資格取得を狙いましょう。

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