騒音作業従事労働者労働衛生教育とは
騒音作業従事労働者労働衛生教育は、騒音に伴って生じる難聴の発症を防止するために必要な対策を学ぶための講習です。
作業環境にて大きな音に長時間さらされていると騒音性難聴が発症するリスクが高くなります。大きな音を継続して聞くことで細胞がダメージを受けて、難聴が引き起こされる仕組みです。 実際に工場や工場現場でも引き起こされやすい症状で「職業性難聴」と呼ばれることもあります。
そのため、難聴の発症を防止するために労働衛生教育を通して必要な知識を身につけることが大切というわけです。
受講目的
先ほど、騒音に伴う現場では難聴が発症するリスクがあることを解説しました。関係性の高い現場で従事する方は、自分が難聴になることを避けたいですよね。
ただし騒音性難聴は、自覚した際には症状が進んでいることが多く、治療によって完治させることは難しいとされています。 そのため、騒音性難聴を発症させないためにも常に予防を意識して行動することが大切です。
騒音性難聴の発症者を減らすことを目的に厚生労働省は、平成4年に「騒音性防止のためのガイドライン」を策定しています。 内容としては、事業者が騒音作業に従事する作業者に対して労働衛生教育の実施を推奨しているものです。 自身の健康被害を防止するためにも、騒音現場で従事する方は特別教育を受講しましょう。
受講するメリット
ここまでで、騒音作業従事労働者労働衛生教育を受講する目的と概要を解説しました。では、騒音作業従事労働者労働衛生教育を受講する具体的なメリットはどういったところでしょうか? 騒音作業従事労働者労働衛生教育を受講することで得られるメリットは、以下の通りです。
・騒音作業に関して正しい知識や技術を持てる
・これまでと違った視点を持って現場に従事できる
・技術者としての付加価値がこれまでよりも高まる
騒音作業従事労働者労働衛生教育を修了すると修了証が発行されます。修了証があることで、実際に現場で従事する際にも騒音作業に関して正しい知識や技術を有していることを証明が可能です。 また、修了証を手にする前と後では現場での視点が異なります。
修了した後は、騒音作業に関して学んだ知識をもとにより安全に留意した現場を実現するために、自分の行動の意識を変えられるでしょう。 加えて、現場での実績があると企業から貴重な人材として重宝されやすくなります。評価もアップして今よりも待遇が良くなったり今後のキャリアアップにつながったりするでしょう。
受講対象者・対象業務
騒音作業従事者は、騒音作業に従事する労働者が受講対象です。
厚生労働省から事業者に労働衛生教育の実施が推奨されています。 騒音の影響によって伴う難聴は、自覚した時にはもう症状が進んでいることが多く、完治が難しいとされている傾向です。そのため、具体的には以下の業務に従事する方が受講の対象となります。
・がびょう打ち機、はつり機、鋳物の型込機等圧縮空気により駆動される機械または器具を取り扱う業務を行う屋内作業場
・ロール機、圧延機等による金属の圧延、伸線、ひずみ取りまたは板曲げの業務(液体プレスによるひずみ取り及び板曲げ並びにダイスによる線引きの業務を除く。)を行う屋内作業場
・動力により駆動されるハンマーを用いる金属の鍛造または成型の業務を行う屋内作業場
・タンブラーで金属製品の研磨または砂落しの業務を行う屋内作業場
・動力によりチェーン等を用いてドラムかんを洗浄する業務を行う屋内作業場
・ドラムバーカーで、木材を削皮する業務を行う屋内作業場
・チッパーでチップする業務を行う屋内作業場
・多筒抄紙機で紙をすく業務を行う屋内作業場
また騒音作業従事労働者労働衛生教育は、厳密に受講義務が定められているわけではありません。 ただし騒音性難聴の罹患者を減らすことを目的に、厚生労働省より労働衛生教育の受講が推進されているため、工事現場や工場など騒音と密接に関係した職場で従事する方は講習の受講をご検討ください。
受講内容
騒音作業従事労働者労働衛生教育には実技講習がなく、学科のみの講習で修了できます。具体的な講習内容に関しては以下の通りです。
・騒音の人体に及ぼす影響(及ぼす影響の種類・聴力障がい):1時間
・適切な作業環境の確保と維持管理(騒音測定と作業環境の評価・騒音発生源対策・騒音電波経路対策など):50分
・防音保護具の使用方法(防音保護具の種類および性能・防音保護具の使用方法および管理):30分
・改善事例および関係法令(改善事例:騒音作業に関する労働衛生関係法令):40分
・合計:3時間
騒音作業従事労働者労働衛生教育では実技がないため、学科を通して必要な知識を身につける必要があります。 講習の目的のセクションでも解説した通り、労働災害や作業者の健康を確保するために大切な内容なので、講習を通して必要な知識をしっかりと身につけましょう。
またSATでも騒音作業従事労働者労働衛生教育のWeb講座を用意しております。 騒音作業従事労働者労働衛生教育に必要な講習時間を十分に満たした以下の動画講義内容で、効率よく必要な知識を身につけられるのが特徴です。
・騒音の人体に及ぼす影響:1時間6分
・適正な作業環境の確保と維持管理:53分
・防音保護具の使用の方法:31分
・改善事例および関係法令:51分
・合計:3時間21分
騒音作業従事労働者労働衛生教育の具体的な受講方法に関しては後述します。
受講方法
騒音作業従事労働者労働衛生教育を受講する方法には、以下の3つがあります。
・現地で開催される講習会を受講する
・出張講習を依頼する
・Web講座で受講する
騒音作業従事労働者労働衛生教育は、さまざまな機関が全国各地で講習を実施しています。そのため、スケジュールをあわせて直接会場に足を運んで受講することで騒音作業従事労働者労働衛生教育を修了することが可能です。 講習費用や実施日は地域や機関によって異なるため、事前に情報を確認したうえで自分に適した機関の講習を受講しましょう。
また、出張講習を依頼して騒音作業従事労働者労働衛生教育を自社で実施するのも1つの方法です。 出張講習であれば、自社のスケジュールにあわせて実施日を決められるため、講習会場に直接足を運んだり講師の予定に合わせたりする必要がありません。 ただし、出張講習には講師の出張費や宿泊費なども含まれることが多いので、事業者側の支払い金額は通常の方法よりも高くなりやすい傾向です。
このほか、Web講座で騒音作業従事労働者労働衛生教育を受講する方法もあります。 Web講座であれば、動画講義で必要な知識を身につけられるため、講習会場に足を運んだり出張を依頼したりする必要もなくなります。 時間的な制約がないのもメリットで、日々の隙間時間を活用して効率よく受講を進めることが可能です。
SATでも騒音作業従事労働者労働衛生教育のWeb講座を取り扱っています。 受講者に寄り添った講義内容を実現しており、スマホやタブレットを用いて場所や時間を選ばず受講できるので、騒音作業従事労働者労働衛生教育の受講方法でお悩みの方はSATのWeb講座の受講をご検討ください。
まとめ
本記事では、騒音作業従事労働者労働衛生教育に関して概要や受講目的、取得するメリットや受講方法を詳しく解説しました。 ポイントをまとめると以下の通りです。
・騒音作業従事労働者労働衛生教育は騒音作業における難聴の発症防止を目的に受講する
・受講することで仕事に違う視点を持てたり正しい知識を踏まえたうえで現場に従事したりできる
・受講方法は講習会場に直接足を運ぶ、出張講習を依頼する、Web講座を受講する3つある
・Web講座であれば会場に直接足を運んだり講師に出張を依頼したりする必要がないので受講しやすい
SATでは、騒音作業従事労働者労働衛生教育のWeb講座を用意しております。 分かりやすい動画講義にて日々の隙間時間を有効活用して受講を進められるため、これから騒音作業従事労働者労働衛生教育を受講される方はぜひSATのWeb講座をご検討ください。