酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育

1種・2種の違いは硫化水素!酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の基礎知識

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酸素欠乏症や硫化水素中毒は、いずれも死亡率の高い災害です。災害事例の多くは、現場作業従事者の知識不足が原因と言われています。

酸素欠乏や硫化水素中毒の発生が考えられる場所で作業をする方は、しっかりと「酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育」を受け、危険な行為をしないように知識を身に付けましょう。

この記事では、酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の基礎知識1種と2種の違いについて解説しています。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の基礎知識

最初に酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の基礎知識について解説します。まずは実施理由から見ていきましょう。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育を実施する理由

酸素欠乏・硫化水素中毒などは、建設業をはじめとするさまざまな業種で発生する労働災害です。

そもそも酸素欠乏・硫化水素というものは発生要因が視覚で判断し辛く、予防措置の不足や作業従事者の知識不足が非常に多いのが問題点です。毎年、酸素欠乏・硫化水素中毒による労働災害は少なからず発生しています。

被災された方の死亡率が非常に高く、それに加えて被災者を助けようとした第三者までもが被災する事例も多く発生しています。

また、酸素欠乏・硫化水素中毒は、被災した人を助けようとした方の二次災害のリスクが高いのも特徴です。 その場に存在するはずの酸素が欠乏したり薄くなっていたりすることが原因なので、視覚で気づきづらいといった課題があります。

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そのため、酸素欠乏・硫化水素中毒の危険性がある現場で従事する方に対して特別教育を受講し、必要な知識・技術を身につけることが義務付けられているというわけです。

酸素欠乏危険作業の種類について

労働安全衛生法(酸素欠乏症等防止規則第2条)では、酸素欠乏危険作業について第1種と第2種に種類をわけています。

区分作業の詳細
第1種酸素欠乏危険作業酸欠の危険がある場所での作業
第2種酸素欠乏危険作業酸欠および硫化水素中毒の危険がある場所での作業

それぞれの作業については、上記のとおりです。

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つまり、第1種は酸素欠乏のみ第2種は酸素欠乏と硫化水素の両方の危険性がある作業もできるということです。

第2種の酸素欠乏・硫化水素危険作特別教育は、以下の作業従事者と安全衛生担当者が受講対象で次の作業場所があげられます。

No第2種酸素欠乏危険作業の作業場所
1マンホール・地下水工事
2ピット
3地下室
4タンク内
5坑内

実際のところは非常に多く存在するため、「労働安全衛生施行令別表第6」にて詳しく確認してください。

受講の対象になる業務

受講の業種から見てみると、建設業をはじめ、製造業、運送業、清掃業と幅広い業務が対象です。

特に酸素欠乏症になりやすい場所とは、マンホールや地下ピットなどでの作業です。特に空気中の酸素濃度が低下する場所で、酸素欠乏状態の空気を吸入すると酸素欠乏症にかかります。

酸素欠乏症にかかるとめまいや意識喪失、最悪死に至る可能性があるので注意が必要です。

硫化水素中毒になりやすい場所とは、し尿・汚水などでのタンク内の作業を言います。

硫化水素は自然界のさまざまな状況で発生するのですが、汚泥などの撹拌や化学反応によって濃度の高い硫化水素ガスが空気中に発散されることにより硫化水素中毒を発症します。

酸素欠乏症と同様に、こちらも最悪死に至る可能性があります。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育のカリキュラム

それでは、酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育では、何を学ぶのでしょうか。学べる内容と各項目の所要時間は基本的に決まっています。学科の講習のみで実技はありません。

基本的に酸素欠乏や硫化水素の危険性を中心として、防止対策、防護具の使い方などをメインに学習します。

詳細は以下の表にまとめましたので、ご覧ください。

講習科目講習時間
酸素欠乏等の発生の原因1時間
酸素欠乏症等の症状1時間
空気呼吸器等の使用の方法1時間
事故の場合の退避および救急そ生の方法1時間
その他酸素欠乏症等の防止に関し必要な事項1.5時間
合計:5.5時間

この講習科目には、第2種だけでなく、第1種の教育内容も含んでいます。

各科目は約1時間程度の内容となっており、合計で5.5時間ほどですので、1日で学習できるカリキュラムです。また、受講資格は特に定められていません。

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講習を受けると修了書が発行され、特別教育に対応した業務に従事できます。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の受講方法

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の受講方法には、主に以下があります。

  1. 講習会や出張講習などの対面講習に申し込む
  2. 通信講座を受講する

どちらでも資格取得は目指せるので、自分に適した方法で受講することが大切です。 それぞれの受講方法について詳しく解説します。

1. 対面講習に申し込む

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の受講方法として一般的なのが、全国各地で開催されている講習会に申し込む方法です。 

講習会に参加する場合、講習日時や会場にあわせてスケジュールを調整する必要があります。 受講料金に関しても講習機関によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

また、講習機関の中には出張講習を取り扱っている場合があります。 出張講習の場合、自社で講習会を開催できるため、講習会場に足を運ぶ必要がありません。

ただし、出張講習の受講人数には下限が決められているため、個人ではなく団体向けの受講方法といえるでしょう。

2. 通信講座を受講する

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育は、通信講座でも受講が可能です。

通信講座の場合、講習会に参加したり出張講習を依頼したりする方法と違って、自分のスケジュールで講義を進められます。 通信講座を受講するメリットは、以下の通りです。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育 通信講座のメリット!
  • 講師の出張費、宿泊費を支払う必要がない
  • 講習会に足を運ぶ必要がない
  • 分からない場所を繰り返し確認できる

通信講座では講師の出張依頼がないため、出張費や宿泊費を余分に支払う必要がありません。そのため、受講費用を抑えながら分かりやすい動画講義で知識を身につけられるのがメリットです。

SATの酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育

先ほどのセクションで紹介した通信講座の詳細について、多くの受講者から人気を集めている「SAT」の講座を参考にして見ていきましょう。

SATのテキストと動画講座の内容

SATの通信講座で使用されるテキストは、フルカラー仕様で図や表を用いて丁寧に解説されているため、たいへんわかりやすいのが特徴です。テキストはPDFファイル形式で配布されているので、画面で確認することができますし、印刷したい場合は印刷も可能です。

動画講義については、内容を項目ごとにわけて解説されているため、実装されている復習テストやチェックリストを使用することで、効率的に学習できるでしょう。

動画はあらかじめ収録された映像です。パソコンやスマホでいつでも好きな時に動画を視聴可能なのも魅力の一つで、ご自宅や外出時など、昼夜場所を問わず好きな場面で学習を進められます。

申込後すぐに受講が可能で、時間に関係なく視聴できる講義を活用して、酸素欠乏・硫化水素に関する作業に従事する際の必要な知識を身に付けてください。

受講後の証明書について

巻上げ機(ウインチ)の運転の業務特別教育修了証見本

SATの通信講座では受講後に、事業所で保管する用の「受講証明書」と受講者が携帯する用の「教育修了証」がそれぞれ発行されます。

項目詳細
教育修了証受講者携帯用のアプリ・プラスチックカード
受講証明書事業所保管用のA4サイズ・証書型(PDF形式)

発行手数料は講座料金に含まれるため、追加での支払いはありません。

教育修了証はアプリ版とプラスチックカード版があります。アプリ版はスマートフォンのアプリで修了証を管理することができます。アプリ版修了証は講習を修了されると即日発行されます。

なおプラスチック版の修了証は、講習を修了された日から5営業日以内に送付されてきます。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育で安全確保!

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育は自分の身を守るだけでなく、他の作業者を守るためにも必ず受講しなければいけません。

労働災害が起きる原因の多くは知識不足による事故です。

酸素欠乏・硫化水素とは何なのか。災害から身を守るための防護、対策はどのようにすればいいのか。その知識を知っているか知らないかで生死を分けてしまうほどに重要なカリキュラムです。

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忙しくてなかなか受講している時間がない方のために、時間や場所を選ばず受講できる通信講座もあります。
関係する作業に従事される方はぜひ受講しましょう。

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    • スマホまたはPCがあればどこでもかんたん受講できる
    • 労働局確認済み!端末のカメラ受講状況をしっかり担保
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酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の基礎知識まとめ

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育とは

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育とは、酸素欠乏・硫化水素の危険を伴う現場で従事する方に対して受講が定められている講習です。
酸素欠乏・硫化水素は、発生要因が視覚で判断しづらいため、予防措置が不足していたり作業者の知識が不足していたりすることで労働災害が起こります。

また、被災者を助けようとした方が被災する二次災害も起こりやすいのが特徴です。
そのため、事業者は酸素欠乏・硫化水素中毒の恐れがある現場で従事する作業者に対して、特別教育を受講させて労働災害を防止することが義務付けられています。

1種と2種の違いについて

酸素欠乏危険作業は、第1種と第2種にわけられているのが特徴です。 具体的な違いとして、以下をご覧ください。
・第1種酸素欠乏危険作業:酸欠の危険がある場所での作業
・第2種酸素欠乏危険作業:酸欠および硫化水素中毒の危険がある場所での作業
第2種の方が作業範囲が広いのが特徴です。具体的には、マンホールや地下水工事、地下室やピットといった場所での作業が該当します。 ただし、作業場所に限らず酸素欠乏や硫化水素の恐れがある場所では、安全に十分留意して従事することが大切です。

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育の受講方法

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育を受講する方法は、主に以下の2つです。
・対面講習に申し込む(講習会など)
・通信講座を受講する
講習会は、全国にいくつか存在する実施機関の講習会に参加することで資格を取得する方法です。 開催日程・受講会場・定員数・受講料などは、実施する機関によって異なるため、事前に確認する必要があります。
一方で通信講座は、Web上で特別教育を受講する方法です。 動画講義で講習を進めるため、自分のタイミングで受講でき、なおかつ分からない場所は繰り返し視聴できます。

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