化学物質管理者講習

化学物質管理者講習とは?取扱事業場向けと製造事業場向けの違いも解説!

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化学物質管理者講習は、リスクアセスメント対象物の製造・取扱・譲渡提供を行う事業場において必要な資格です。労働安全衛生規則の一部が改正され、令和6年4月1日から選任が義務づけられました。

ただし、化学物質管理者講習は製造事業場向けと取扱事業場向けで講義内容が異なります。そのため、事前に情報を確認しておくことが大切です。

本記事では、化学物質管理者講習の概要や受講方法、また製造事業場向けと取扱事業場向けの違いについて詳しく解説します。資格取得のメリットもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

化学物質管理者とは

冒頭でも触れましたが、化学物質管理者は、労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和4年5月31日公布)によって令和6年4月1日から選任が義務づけられた資格の1つです。

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リスクアセスメント対象物の製造・取扱・譲渡提供を行う全ての事業場において、化学物質管理者の選任が義務づけられます。

ただし、一般消費者の生活用製品のみを取り扱う事業者は受講の対象となりません。また、基本的には工場や店舗、営業所などの事業所ごとに選任します。

建設現場など出張先の作業については、出張先の現場ごとに選任する必要はありませんが、作業に従事する労働者の所属する事業場には配置が必要です。

このほか、事業場の状況にあわせて複数人選任することは認められています。そのため、業務に従事する方は、積極的に講習を受講する必要があります。

化学物質管理者講習の義務化の背景と今後の需要

化学物質が原因で生じる労働災害は、年間450件程度で推移しています。化学物質で生じる労働災害には、ガンなどの遅発性疾病も含まれるのが特徴です。

厚生労働省では、健康の被害につながる労働災害を防止するため、労働安全衛生規則などが見直し・改正されました。結果として、事業者に対して化学物質の管理体制の強化・講習の受講が義務づけられたというわけです。

そのため、化学物質管理者は化学物質が原因で生じる健康被害の防止を目的にして、以下の業務を取り扱います。

化学物質管理者の主な取り扱い業務

  • ラベル・SDS(安全データシート)の確認
  • 化学物質に係るリスクアセスメントの実施の管理
  • リスクアセスメント結果に基づくばく露防止措置の選択や実施の管理
  • 化学物質の自律的な管理に係る各種記録の作成・保存
  • 化学物質の自律的な管理に係る労働者への周知、教育

化学物質管理者は、代替がきかない業務内容に従事します。加えて、該当する事業者では選任・講習の受講などの早期対応が求められているため、今後の需要といった観点でもかなり高まっているといえるでしょう。

化学物質管理者講習の受講内容

化学物質管理者講習は、全国の各地域で講習が実施されています。そのため、情報を集めてスムーズに受講を済ませることが大切です。

ここからは、化学物質管理者講習の受講内容や受講方法を詳しく解説します。

化学物質管理者講習の受講対象者

化学物質管理者は、業界や業種に関係なく、リスクアセスメント対象物の製造・取扱・譲渡提供を行う全ての事業場で選任が必要です。そのため、化学物質管理者として従事する可能性がある方は、講習の受講が必須となります。

また、事業場での業務内容で講習の日数やカリキュラムが異なるといった特徴があります。

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取扱事業場では6時間製造事業場では12時間の講習内容で実施されるため、自身の職場環境にあわせて適切なカリキュラムで受講を済ませましょう。

化学物質管理者講習の受講資格

化学物質管理者講習の受講資格に関しては特に定められていません。法改正以降で化学物質管理者として選任される可能性がある方が受講対象です。

最終学歴などは問われないため「自分の学歴だと受講できない?」などと気にする必要はありません。

化学物質管理者講習の実施内容

先述した通り、化学物質管理者講習は、取扱事業場向けと製造事業場向けでカリキュラムが異なります。それぞれの、実施時間や講習内容に関して詳しくみていきましょう。

学科講習の実施内容

学科科目の実施内容は、以下の通りです。

項目

講習時間

取扱事業場向け

製造事業場向け

化学物質の危険性及び有害性並びに表示等

1時間30分

2時間30分

化学物質の危険性又は有害性等の調査

2時間

3時間

化学物質の危険性又は有害性等の調査の結果に基づく措置等その他必要な記録等

1時間30分

2時間

化学物質を原因とする災害発生時の対応

30分

30分

関係法令

30分

1時間

合計

6時間

9時間

出典:厚生労働省「化学物質管理者講習テキスト」

学科講習では、化学物質の危険性や有害性に関する表示・調査の方法をはじめ、現場で従事する際に必要な知識を学びます。化学物質は人体に影響を及ぼす健康被害につながる恐れがあるため、講習を通して必要な知識を身につけることが大切です。

講習時間に関係なく、受講者は自分に必要な知識をしっかりと学習しましょう。

実習の実施内容

実習科目の実施内容は、以下の通りです。

項目

講習時間【実習】

取扱事業場向け

製造事業場向け

化学物質の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置等

3時間

出典:厚生労働省「化学物質管理者講習テキスト」

取扱事業場の場合、実習は特に設けられていません。一方で、製造事業場向けの場合、3時間の実習が設けられています。

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事業場の種類によって講習のカリキュラムが異なるため、受講する前に必ず情報を確認しておきましょう。

化学物質管理者講習の免除条件と免除科目

化学物質管理者講習は、以下の資格を有していると一部の科目が免除されます。

免除条件

免除できる科目

有機溶剤作業主任者技能講習・鉛作業主任者技能講習の修了者

化学物質の危険性及び有害性並びに表示等

特定化学物質および四アルキル鉛等作業主任者技能講習をすべて修了した方

第一種衛生管理者の保有者

化学物質の危険性又は有害性等の調査

衛生工学衛生管理者の保有者

化学物質の危険性又は有害性等の調査

出典:厚生労働省「化学物質管理者講習テキスト」

取得している資格や修了している講習によって免除される科目が異なる傾向です。

そのため、上記の免除条件に該当する方は事前に情報を確認して効率よく化学物質管理者講習の受講を修了しましょう。

化学物質管理者講習を受講するメリット

化学物質管理者講習を受講するメリットは、以下の通りです。

化学物質管理者講習を受講するメリット

  • 化学物質に関する知識をさらに深められる
  • 仕事の幅が現在よりも広がる
  • 自身の付加価値が高まる

化学物質管理者講習を受講することで、化学物質管理者として従事できるため、これまでよりも仕事の幅が広がります。

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仕事の幅が広がれば、今まで以上に自身の付加価値が高まり、企業からより重宝される人材となれるでしょう。

また、化学物質管理者講習を通して化学物質に関する知識をさらに深められるのもメリットです。深めた知識を活かして現場に従事することで、一つ一つの作業の安全意識がより高まるでしょう。

化学物質管理者講習の受講方法

化学物質管理者講習の受講方法は、主に以下の2つです。

化学物質管理者講習の受講方法
  • オンラインで受講する
  • 講習機関の講習を受講する

それぞれの受講方法について詳しく解説します。

受講方法① オンラインで受講する

化学物質管理者講習はオンラインの受講に対応しています。オンラインであれば、日中仕事が忙しい方でもスケジュールを調整しやすいのが特徴です。

オンラインの場合、あらかじめ収録された講義動画を視聴して講習を受けることになります。好きな時間にいつでも受講できるという大きなメリットがあります。

例えばスマートフォンを使って通勤する電車の中で受講をしたり、PCやタブレットを使って寝る前の少しの時間などといった「スキマ時間」に講習を受けることが可能です。

ただし、製造事業場向けの実習科目のみ、各事業者ごとに対面で実施をする必要があるですのでご注意ください。

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一方、取扱事業向けには実習科目がないため、学科講習のみで全て受講が完了します。
取扱事業向けの講習を受ける場合は、オンラインの方がより便利でしょう。

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      ※製造事業場向けの実習は、各事業所様にて対面式での実施が別途必要です。

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受講方法② 講習機関の講習を受講する

化学物質管理者講習は、講習機関が実施している講習を受講することでも資格を取得できます。

対面式の講習は、受講した当日にその場で修了証を受け取れるというメリットが大きいです。また製造事業場向けの実習科目に関しても会場で実施される場合もあるので、オンライン講座のように別途実施するという必要もありません。

講習機関の一部には、出張講習形式の講習を行なっている機関もあります。出張講習とは、講師を会社等に来てもらい、その場で直接講習を行なってもらう方式です。

例えば、通信教育のSATではオンライン講習(取扱事業向けのみ)とは別に、出張講習形式で対面式の講習会を全国で開催しています。

SATの講習会は、厚生労働省の通達で定められたカリキュラムによる養成教育を行っており、修了された方には修了証明書を当日発行しています。

「部下に社員教育をまとめて行いたい」と検討されている管理職クラスの方などは出張講習を選択されると良いかもしれません。

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講習機関の講習には定員がありますので、なるべく早めに予約をしておくのが良いでしょう。
また、出張講習形式の場合は大人数での受講がおすすめです。

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化学物質管理者講習の概要や受講するメリットまとめ

本記事では、化学物質管理者講習の概要や受講するメリット、受講方法や実施内容について詳しく解説しました。改めて、ポイントをおさらいしましょう。

化学物質管理者講習のポイント!
  • 化学物質管理に従事する方は業種関係なく受講が必要
  • 講習の実施内容は取扱事業場向けは学科のみ、製造事業場向けは学科と実習の2つある
  • オンライン受講にも対応している(製造事業場向けの実習は対面での実施が別途必要)
  • 資格を取得すると現在の仕事の幅を広げつつ化学物質に関する知識を深められる

化学物質管理者講習を受講することで、化学物質に関する知識をさらに深められるだけでなく、労働災害防止を目的に仕事の幅を現在よりも広げられます。結果、企業からより重宝される人材としての成長が見込まれるでしょう。

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