建築施工管理技士

建築施工管理技士と建築士の違いは?仕事内容や監理技術者業務を解説!

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建設工事に欠かせない資格の中でも、建築施工管理技士と建築士は工事現場と密接な関係があります。

しかし、両者の資格の違いをよく知らない方も多いのではないでしょうか。簡単にいうと、建築施工管理技士は設計図をもとに建設現場の施工管理する仕事で、建築士は設計図そのものを作成する仕事です。

こちらの記事では、建築施工管理技士と建築士の基礎知識を踏まえ、仕事内容や業務範囲、求められる役割の違いについて解説します。

建築施工管理技士と建築士とはどんな資格?

建築施工管理技士と建築士の違いを知るために、まずは両者がどのような資格かを把握しましょう。

建築施工管理技士とは?

建築施工管理技士は施工管理技士資格の1種で、建設工事の施工管理をおこなえる資格です。

1級建築施工管理技士は17種類の建設工事に携われますが、2級では「建築・躯体・仕上げ」の区分にわかれているのが資格の特徴です。

施工管理とは?

そもそも、施工管理とは、あらゆる建設現場における「工程・品質・原価・安全」に関する、以下の管理を担います。

 管理対象仕事内容
1工程管理施工計画や工程表の作成、工程表をもとにした工事の進捗状況の確認、悪天候によるスケジュール調整など
2品質管理建築物の完成時に求められる強度や密度の管理、材料を最適な環境下で使用できるように環境を整えるなど
3原価管理材料費や人件費の管理、毎月の経費計算など
4安全管理作業中の事故を防止するため、安全に作業できるよう設備を整えるなど

なお、施工管理技士資格は建築のほかに、「土木・建設機械・電気工事・管工事・造園・電気通信工事」の区分が存在します。

建築士とは?

建築士とは、建築物の設計、および建設現場の工事監理に携われる資格です。

1級建築士では設計できる建築物の規模に制限がなく、高層マンションや大型商業施設、道路や橋といった大規模な建築物に携わることができます。

一方、2級建築士は戸建て住宅程度の規模の建築物のみ設計できます。また、木造建築物のみの設計と工事監理ができる、木造建築士も建築士資格の1つです。

建築施工管理技士と建築士の仕事内容

建築施工管理技士と建築士の具体的な仕事内容、監理技術者の扱い方、求められる役割の相違点について見ていきましょう。

仕事内容の違い

冒頭でも触れた通り、「建築施工管理技士」と「建築士」の仕事内容は、「建設現場の施工管理」または「設計」という違いがあります。

建築施工管理技士の仕事内容は先に紹介した通り、建設現場の4大管理が主な仕事です。
発注者の要望と安全規格を満たした建物を完成させるために、発注者との打ち合わせや現場で作業する職人への指導監督、事故予防の注意喚起、利益を残すための原価計算をおこないます。

一方、建築士における設計の仕事では、建設するための設計図書を作成します。
工事監理という仕事は、「設計図書の通りに工事が進められているか」、「安全性に関わる規格を満たしているか」の2点をチェックすることです。

監理技術者として業務できる範囲の違い

監理技術者とは、施工計画や工程管理などの管理業務に加え、工事に従事する職人の指導監督を担う重要な役割です。

1級建築施工管理技士が監理技術者として業務に携われる建設工事は、建築一式工事や大工工事、屋根工事、左官工事など全17種類です。また、施工管理も兼務できるため、1級建築施工管理技士は建設現場の管理におけるプロフェッショナルといえるでしょう。

一方、建築士が工事監理できる業務は、「大工、屋根工事、タイル・レンガ・ブロック工事、鋼構造物、内装仕上工事」の6種類に限られます。建築施工管理技士の17種類と比較しても、工事監理できる範囲がいかに少ないかがわかるでしょう。

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つまり、設計できない建築施工管理技士と、工事監理が限られる建築士は、両者の足りない部分をそれぞれ補っているのです。

求められる役割の違い

建築施工管理技士が担う役割は、建設現場の安全を守り、かつ工期と品質を守って工事を進めることです安全な建築物を完成させるためには、4大管理のどれか1つでも欠けてはなりません。建築士と連携をとりつつ、職人と協力しながら工事を安全に進めることが建築施工管理技士に求められます。

一方、建築士は発注者の思い描く理想の建物を設計し、建物として完成させる役割があります。ただし、建築基準法のルールに従う決まりがあり、安全性や強度などの基準を満たした建物を造らなければなりません。発注者の要望を踏まえつつ、法に基づいた安全な設計をおこなうことが建築士の使命といえるでしょう。

資格の取得難易度の違い

建築施工管理技士と建築士はどちらも国家資格で、どちらも試験に合格する必要があります。ここでは1級建築施工管理技士と1級建築士で比較してみましょう。

2023年度の1級建築施工管理技士の合格率は、第一次試験41.6% 、第二次検定45.5%でした。

建築施工管理技士は、一次検定を合格後に二次検定に受験して合格することで得られる資格ですので、必ず両方を受験する必要があります。

1級建築士も学科試験と製図試験があり、学科試験を合格したのち製図試験を受験します。2023年度の学科試験の合格率は16.2%で、製図試験の合格率は33.2%です。

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合格率から見ると、1級建築士の方が難易度が高いと言えるでしょう。また1級建築士は建築業界でも最難関クラスの資格と呼ばれることも多いです。

建築施工管理技士と建築士は別の仕事と役割がある

建築施工管理技士は建設現場の4大管理を担います。一方で、建築士は建物の設計・工事監理と、まったく別の仕事と役割があります。

監理技術者の業務に就けることは両者の共通点ですが、建築施工管理技士は17種類、建築士は6種類と業務範囲に大きな差があります。

建築施工管理技士は工程や品質、安全などを管理し、事故なく工期通りに建物を完成させることが主な役割です。建築士は発注者の要望を踏まえながら、建築基準法を満たした建物の設計が求められます。建築施工管理技士は施工管理、監理技術者、建築士は設計と、できないことを補う形で連携をとるのが両者の関係です。

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建設業界に興味がある方は、両者の違いを把握したうえで、自分の目指す方向性を決めるといいでしょう。

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施工管理技士と建築士の違いまとめ

施工管理技士はどんな資格?

施工管理技士とは、自分が担当する工事現場において施工管理・品質管理・工程管理・安全管理などを行う資格です。

もう少し分かりやすくいうと、「工事が計画通りに一定の品質で行なえるように、さまざまな管理業務を担う資格」です。

工事がうまくいくかどうかは、施工管理技士の采配にかかっているといっていいでしょう。

建築士はどんな資格?

建築士とは建物の設計・工事監理を行うことができる資格です。主に建築物の設計を行い、どのような建物を、どんな建材で、どんな工事を行って立てるかを計画立てるのが仕事です。

建築物の設計図や工程管理の計画表を建てることができる資格、といえば分かりやすいでしょう。資格区分ごとに携われる建築物の延べ床面積や大きさが異なります。

施工管理技士と建築士はどこが違う?

建築士とは、どのような建物を、どんな資材を用い、どんな風に工事をして建てるのかを設計します。

施工管理技士は、建築士が立てた計画を元に工事がスムーズにいくように采配を振るうのが施工管理技士です。

現場で物事がうまく運ぶように計画を立てるのが建築し、実際にうまく運ぶように指示を出すのが施工管理技士といえば、イメージしやすいでしょう。

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