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安全衛生管理目標とは?具体例とリスクアセスメントの流れを紹介

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安全衛生管理目標とは、年間安全衛生計画書に含まれる項目の1つです。安全衛生管理目標を決めるうえでは、達成目標に具体的な数字を掲げる必要があります。また、リスクアセスメントを実施するとより効果的な目標を設定できます。

今回は、安全衛生管理目標の概要と具体例、安全衛生管理目標に必要なリスクアセスメントの流れのほか、安全管理者選任時研修の概要と受講方法について解説します。

安全衛生管理目標の基礎知識と具体例

まずは、安全衛生管理目標の概要と安全衛生管理計画書の具体例を紹介します。

安全衛生管理目標とは?

安全衛生管理目標とは、安全衛生管理全般で達成する目標であり、安全衛生管理活動を推進する重要な項目です。

目標達成を客観的に判断できるよう、「労働災害を○%削減」など具体的な数字を掲げる必要があります。目標に数字がない場合、労働災害を減らすにあたりどう対策すればいいのかわかりにくいうえに、対策を実施しても目標達成できたか判断しにくいためです。

なお、単に目標を立てるだけでなく、目標達成のために何をすべきか考える必要があります。労働安全管理目標に加え、具体的な実施項目も設定しましょう。

【安全衛生管理目標】安全衛生管理計画書と目標例

安全衛生管理計画書とは、安全衛生活動を実施する際の年間計画書のことで、労務安全書類の一つです。工業的業種や非工業的業種、建設業などの業種に沿って、安全衛生管理の方針と安全管理目標、重点実施事項などを記載します。

安全衛生管理計画書に記載する安全衛生管理目標は、以下のような内容が挙げられます。

No.安全管理目標の実例
1職長教育、雇入れ時教育を100%実施する
2安全ルールの遵守率を80%以上とする。(自社パトで評価)
3衛生委員会を毎月開催し、活動を活性化する(職場パトロール、再発防止対策会議、ヒヤリハット提案の検討など)
4定期健康診断の受診率100%以上
5メンタル不調者による休業を発生させない
64S活動を推進する(委員会で毎月パトロール実施)
7ヒヤリハット事例を1人1件以上提出する
8リスクアセスメント、20カ所以上の実施
9第1工場原料攪拌機の蓋板にインターロックを取付ける
10機械設備の作業前点検の実施率100%
11手すりの設置で墜落災害を前年比50%削減
12KY活動により作業手順の誤りによる災害を前年比30%削減

リスクアセスメントを用いた安全衛生管理目標の設定方法

次に、リスクアセスメントの概要と安全衛生管理目標の必要性、リスクアセスメントの流れを解説します。

安全衛生目標の設定にはリスクアセスメントが必要

リスクアセスメントとは、事業場の危険性や有害性を調査・特定し、リスクの低減措置を検討、実施することです。労働災害の予防的手段であり、リスクに優先度をつけて実施することで安全衛生管理の質の向上を目指します。

なお「リスク」とは、危険性や有害性があるものを指し、負傷や疾病を発生させる可能性のある事柄も含みます。リスクアセスメントを実施することで、より効果的な安全衛生管理目標を設定できます。

リスクアセスメントの流れ(1)職場の危険や有害箇所を特定

過去に起こった災害の事例や、危険有害要因の例などを参考に、危険有害要因をリストアップします。危険有害要因は、以下のものが挙げられます。

No.危険有害箇所の例
1墜落・転落の災害危険
2はさまれ・巻き込まれなどの災害危険
3転倒の災害危険
4物が飛来・落下してくる災害危険
5積荷等が崩壊する災害危険
6重量物等の運搬による災害危険
7物との激突による災害危険
8機械や刃物による切れなどの災害危険
9交通事故による災害危険
10感電による災害危険
11有害物質による中毒等の健康障害危険
12健康管理不足による健康障害危険
13過重労働による健康障害危険
14その他(爆発火災、高温物等との接触、寒冷環境、有害光線などによる災害危険)

引用:東京労働局労働基準部

ヒヤリハット報告活動や安全衛生パトロールなども、危険有害要因の発見に役立ちます。安全衛生パトロールを行う際は、災害の要因になる箇所、起こりうる不安全行動、行動の背景などの視点で巡視すると効果的です。

リスクアセスメントの流れ(2)リスクを受ける人を特定

リスクをリストアップしたら、リスクを被る可能性のある人を特定しましょう。具体的には、会社の役員や管理者、若年・中高年労働者、体の不自由な人などが挙げられます。さらに、会社の来訪者、清掃やビルメンテナンスなどの外部業者、運送業者など、社外でリスクを受ける人も考慮しましょう。

リスクアセスメントの流れ(3)リスクレベルの見積もり

被害の程度、危険有害要因への接近頻度、災害発生の確率などを定義したうえで、リスクレベル(リスクの大きさ)を評価します。

リスクレベルを評価する際は、リスクの起こりやすさ、リスクを許容できるか、許容できないかという視点で判断します。リスクが原因の事故による人的被害の程度や、設備の損傷なども考慮することが重要です。なお、リスクレベルは、頻度、可能性、重篤度で点数化が可能です。

ただし、許容するリスクレベルは、会社の環境や安全文化、風土で異なります。企業の経営理念や社会的要求、安全技術レベルに基づいた許容レベルを設定することが大切です。

リスクアセスメントの流れ(4)リスク低減措置の検討

レベルの見積もりにより、許容できないリスクから優先順を決め、低減措置を検討します。優先順は、以下のように決めましょう。

No.リスク低減対策の優先順の決め方
1法令に定められた事項の実施(労働安全衛生法関係法令、指針など)
2設計や計画の段階における措置の実行(危険な作業の廃止・変更、危険性や有害性の低い材料への代替、より安全な施工方法への変更等)
3工学的対策(囲い、安全装置、設備の改善等)
4管理的対策(安全な作業方法への変更、立入り禁止措置、マニュアルの整備、教育訓練等)
5個人用保護具の使用等(1から4までの対策を講じた場合でも、除去・低減しきれないものに限ります)

引用:東京労働局労働基準部

なお、リスク低減措置を安全衛生管理目標に盛り込む際には、禁止事項や点検項目も考慮することが重要です。

安全管理者選任時研修は通信講座でも受講可能

安全管理者選任時研修とは、事業場の安全衛生管理業務のうち、技術的事項の安全管理者として選任されるための研修のことです。安全管理者選任時研修の講習内容は次のとおりです。

安全管理者選任時研修の講習内容
No.
講習内容
時間
1安全管理3時間
2事業場における安全衛生の水準の向上を図ることを目的として、事業者が一連の過程を定めて行う自主活動
(危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置を含みます。)
3時間
3安全教育1.5時間
4関係法令1.5時間

引用:公益社団法人 労務管理教育センター

安全管理者選任時研修は誰でも受講できますが、安全管理者に選任されるには学歴と実務経験の要件を満たす必要があります。大学や高等専門学校、高校などで理科系統の学科を卒業し、さらに2~6年以上の産業安全の実務経験が求められます。なお、学歴の要件を満たさない場合、産業安全の実務経験が7年以上あれば選任が可能です。

安全管理者選任時研修は、労務管理教育センターや労働基準協会、民間企業などで講習会が開催されています。ただし、講習時間が9時間と長いため、多忙な方は通信講座での受講がおすすめです。

通信講座の最大のメリットは、時間や場所を選ばず、自分のペースで勉強できることでしょう。通信講座ではプロの講師が解説する動画と、専用のテキストで勉強します。通勤時間や休憩時間も有効活用できるため、日々の業務が忙しい方に最適です。

安全管理者は労働災害を防ぐキーパーソンとなるため、通信講座で安全管理をしっかり学びましょう。

安全衛生管理目標は、事例などを参考に設定する

安全衛生管理目標とは、安全衛生計画書の1項目であり、安全衛生管理全般で達成すべきことを指します。

安全衛生管理目標では具体的な数字を掲げることで目標達成の対策、成果が明確になります。適切な安全衛生管理目標を設定するには、リスクアセスメントを実施すべきでしょう。

リスクアセスメントによりリスクレベルを評価し、優先順をもってリスク低減措置を講じることが可能です。

なお、安全管理者の選任の際に必要な安全管理者選任時研修は、講習会のほかに通信講座でも受講できます。講習会に参加する時間がない方、自分のペースで安全管理者の知識を勉強したい方は、通信講座の利用を検討しましょう。

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