ダイオキシン類を取り扱う現場では、作業者の安全確保が最優先事項です。
そのための知識を習得する「ダイオキシン特別教育」は、従来の講習会だけでなく、利便性の高いWeb受講も一般的になっています。
本記事では、ダイオキシン特別教育の概要や対象者、具体的な受講内容について、法令の基準を踏まえて詳しく解説します。これから受講を予定している方や、社内で教育を検討している担当者の方はぜひ参考にしてください。
ダイオキシン特別教育とは

まず、ダイオキシン特別教育とはどういったもので、何のために実施されるのかを解説します。
ダイオキシンに関する業務とは、「廃棄物の焼却施設に関する業務」のことです。
具体的には、次のような業務です。
| No. | 業務内容 |
|---|---|
| 1 | 廃棄物の焼却施設にて、ばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取扱う業務 |
| 2 | 廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の保守点検等の業務 |
| 3 | 廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の業務及びこれに伴うばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取扱う業務 |
こういった業務では、ダイオキシンの危険が伴います。
ダイオキシンは、大量に体内に入ると健康被害を引き起こす可能性が高く、とても危険です。
少量の摂取でも、胎児の奇形や発育の異常、免疫機能の低下やがんの発症リスクがアップするため、ダイオキシンは人の健康を脅かす存在といえるでしょう。
したがって、上記の業務に従事する作業者はダイオキシンについて、正しい知識と経験を身に付けた方でなければいけません。

そのために実施されるのが「ダイオキシン類作業従事者特別教育」です。
関連リンク:ダイオキシン特別教育を受けるメリット解説!受講内容や受講方法を解説
ダイオキシン類とは?
ダイオキシン類は、物質の焼却過程などで意図せず副産物として生成される化学物質です。具体的には、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)等の総称を指します。
環境中に広く存在するため、私たちは日常生活の中でわずかながら呼吸や食事から取り込んでいます。
この場合はごく微量で人体への影響は生じませんが、焼却施設で発生するダイオキシン類は有害性が高く、微量でも強い毒性を持つため、注意が必要です。
また、環境面に与える影響は、大気・水質・土壌などの汚染、人体では発がん性・甲状腺機能の低下・免疫機能の低下・生殖器官の重量や精子形成の減少などを引き起こす可能性があります。
そのため、作業者の健康障害を防止するために、労働安全衛生法(労働安全衛生規則第36条)に基づき、ダイオキシン類作業従事者は4時間以上の特別教育の受講が義務付けられています。
自分の身の安全を守るためにも、作業従事者は必ず特別教育を受講しましょう。
ダイオキシンの危険が伴う業務とは
ダイオキシンの危険が伴う業務について、「労働安全衛生法」では、次のように定められています。
| 労働安全衛生法第59条第3項 |
|---|
| 事業者は、厚生労働省令で定める危険又は有害な業務に労働者をつかせるときは、その業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならない |
上記が、特別教育を実施する目的です。他の特別教育と同様に、ダイオキシン特別教育は、作業者の安全と衛生を守るために実施します。

特別教育を受講する方は、自分の命を守るためにも、実際の現場で発生するリスクについて正確に把握してください。
なお、もし事業者が従業者に対して特別教育を受けさせずに作業に従事させた場合は事業者側が「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」に科せられる可能性があります。
ダイオキシン類は大気中にも含まれる
実はダイオキシン類は、私たちが日常的に呼吸する大気中にも極微量に含まれています。しかし、これらは環境基準によって厳しく管理されており、通常の生活範囲内では健康に影響を及ぼさないレベルです。あくまで焼却施設など、高濃度になりやすい現場での作業にのみ特別な教育が必要となります。
ダイオキシン特別教育が必要な理由
この特別教育の目的は、焼却施設におけるダイオキシン類のばく露を防止することです。
ダイオキシン類をばく露するリスクが高いばいじんや焼却灰の取り扱い業務や、焼却炉などの運転や点検の業務を行う労働者に対する特別教育の実施が、労働安全衛生規則で義務付けられています。
ダイオキシン特別教育の対象となる人
ダイオキシン類の影響を受ける可能性が高い、以下の業務の従事者は受講の対象です。
| No | ダイオキシン類の影響を受ける可能性が高い業務 |
|---|---|
| 1 | 焼却炉や集じん機の内部で灰を出す作業 |
| 2 | 焼却炉や集じん機の内部で行う、設備の点検や保守、解体・改修工事、清掃 |
| 3 | 焼却灰の運搬、ばいじんなどの固化等焼却灰の取り扱い業務 |
| 4 | 焼却炉や集じん機の外側の清掃業務 |
| 5 | 灰出し作業や設備の保守点検などの支援、監視などの業務 |
ただし、ここでいう焼却施設とは、火床面積が0.5㎡以上、または焼却能力が1時間あたり50kg以上の廃棄物焼却炉を有する廃棄物の焼却施設を指します。
ダイオキシン特別教育の受講内容と受講時間
特別教育の内容は、以下の5項目です。
| No | 特別教育の内容 |
|---|---|
| 1 | ダイオキシン類の有害性 ダイオキシン類の性状など |
| 2 | 作業の方法および事故の場合の措置 作業の手順やダイオキシン類の濃度測定(作業環境測定の結果確認を含む)、ばく露を低減する措置、洗身および身体の清潔の保護方法など |
| 3 | 作業開始時の設備の点検 作業開始時にダイオキシン類のばく露を低減させる設備の点検 |
| 4 | 保護具の使用方法 保護具の種類や性能、洗浄・使用方法、保護具の保守点検方法 |
| 5 | その他ダイオキシン類のばく露の防止に関し必要な事項 法令および安全衛生規則の関係条項、ダイオキシン類のばく露防止に必要な事項など |
ダイオキシン類の有害性を踏まえた作業方法や設備の点検、保護具の使い方など、実務に沿った内容です。講習会で受講する場合、4時間でこの5項目を学びます。
講習会のカリキュラムについては、次の表をご覧ください。
| 講習科目 | 受講時間 |
|---|---|
| ダイオキシン類の有害性 | 0.5時間 |
| 作業の方法および事故の場合の措置 | 1.5時間 |
| 作業開始時の設備の点検 | 0.5時間 |
| 保護具の使用方法 | 1.0時間 |
| その他ダイオキシン類のばく露の防止に関し必要な事項 | 0.5時間 |
| 合計 | 学科4時間 |
動画講義について
SATの場合は収録された動画講義を視聴して、上記プログラムの通りに学習を進めます。各プログラムにある時間は動画の再生時間のことです。合計で5時間33分となっています。
動画にはPDFのテキスト画面が表示されているので、もしPDFのテキストが用意できない状態でも学習を進めることが可能です。もちろん印刷をして紙媒体で見ながら動画視聴を行うこともできます。
動画はPCやスマートフォン、タブレット端末で視聴できます。インターネットに接続できる端末なら使用可能ですが、受講時には端末のカメラ(または接続されたWebカメラ)をオンにする必要があります。これは受講状態を確認するためです。
SATでは独自の顔認証システムを採用しており、受講者が継続して学習できているかをシステムが自動で判別します。そのため、企業側で講習にずっと付き添う監視員(立会人)を別途配置する手間やコストがかかりません。
オンライン講座の大きなメリットは、24時間いつでも受講可能ということです。また端末やインターネット環境があれば受講できるので、自由な場所で受講できます。

労働安全衛生規則に基づいて作成された講座で、かつ24時間いつでも受講可能なシステムとなっています。ダイオキシン特別教育の受講はWeb講座をぜひご検討ください。
ダイオキシン特別教育を受講する4つの方法
社内講師の選任による特別教育の実施
事業所内に十分な知識と経験を持つ者を講師として選任し、社内で講習を行う方法です。
- メリット:自社の設備や特定の作業手順に則した、より実践的な教育が可能です。また、外部への受講料が発生せず、業務の合間でスケジュールを調整しやすい点が挙げられます。
- デメリット:講師役となる社員の工数が削られるほか、適切な教材やカリキュラムを自前で用意する負担が大きくなります。教育内容に漏れがあると、法令遵守(コンプライアンス)上のリスクが生じる可能性もあります。

大人数の受講者がいる場合は、自社の特殊な作業ルールを徹底したい場合に適しています。
外部からの講師による特別教育の実施
専門知識を持つ講師を自社に招く、あるいは外部の出張講習サービスを利用する方法です。
- メリット:プロの講師による正確かつ標準化された知識を学べるため、教育の質が担保されます。教材の準備も不要で、自社の負担を最小限に抑えつつ、法令に基づいた確実な教育が完了します。
- デメリット:講師派遣費用などのコストが発生します。また、講師のスケジュールに合わせる必要があるため、急な受講希望には対応しにくい場合があります。

社内に教えられる人材が不足している場合や、最新の法令知識を周知したい場合に非常に有効です。
各都道府県の労働基準協会
労働基準協会は、労働基準法と労働安全衛生法などの関係法令の普及促進、労働条件の確保や改善、労働災害の防止などを図る目的の社団法人です。
建設関係の技能講習や特別教育などの講習会を、各都道府県にある支部で開催しています。
各種協会
労働局登録の教習機関や、労働災害防止活動を推進する各協会や民間企業でも受講可能です。東京を例にすると、中小建設業特別教育協会、東京技能者協会、安全教育センターなどがあります。
Web講座
Web講座は、インターネット動画とテキストで学ぶEラーニングを活用した受講方法です。自宅や事務所にいながら受講できるため、1日がかりの講習会会場へ行く時間が取れない方や、現場移動の出張コストを抑えたい企業にとって最適な方法です。
動画はパソコンやスマートフォンなどでいつでも見られるので、空いた時間を有効活用できます。
労働基準協会や各種協会などの講習会では、4時間の受講を終えると修了証がその場で受け取れます。SATのWeb講座でも同様に、すべての動画講義を視聴した後に実施される最終の確認テストに合格することで、正式な受講修了として修了証が発行されます。
また修了証はスマートフォンアプリでの修了証があり、こちらは講習受講後すぐに受け取ることができます。プラスチックカードタイプの修了証は後日郵送されます(※プラスチックカードの講座をご購入の場合)。

講習会の内容を一度聞くだけで理解するのは難しいですが、Web講座のシステムは何度でも動画再生が可能ですので、理解度の向上に役立ちます。
ダイオキシン特別教育で使う資料やテキスト
ここでは、ダイオキシン特別教育で使う資料やテキストについて解説します。
ダイオキシン類のばく露を防ぐ-特別教育用テキスト-

このテキストは中央労働災害防止協会が出版しているテキストになります。目次を見ると以下のようになっています。
はじめに
第1章 ダイオキシン類の有害性
第2章 作業の方法及び事故の場合の措置
第3章 作業開始時の設備の点検
第4章 保護具の使用方法
第5章 その他ダイオキシン類のばく露の防止に関し必要な事項
第6章 その他の労働災害防止に関する事項
参考 関係法令
まず最初にダイオキシンの有害性について学びます。先ほども少し触れましたが、ダイオキシンは極少量でも人体に悪影響を及ぼす可能性があるので、身の安全を守るためにもよく理解をしておく必要があります。
その後、万が一の事故発生時の対応や、実際の作業時の手法や注意点を学びます。なお巻末には廃棄物焼却施設における災害事例や、作業者のためのチェックリスト(例)も掲載してあります。
SATのダイオキシン類作業従事者特別教育は
24時間365日、オンラインでの受講が可能!
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- スマホまたはPCがあればどこでもかんたんに受講ができる!
- 労働局確認済み!端末のカメラで受講状況をしっかり担保!
- 修了証はスマホアプリで即日自動発行!修了後すぐに受け取れます。
※プラスチックカードの修了証をお求めの方は、申請完了後1営業日内に発送いたします。
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よくある質問
ダイオキシン特別教育の受講にあたって、多く寄せられる質問をまとめました。受講前に不明点を解消しておきましょう。
どのような作業に従事する場合、受講が必要ですか?
主に「廃棄物の焼却施設」に関連する業務に従事する方が対象です。具体的には、設備の保守点検や修理、ばいじん(すす)や燃え殻の清掃、焼却炉の解体作業など、ダイオキシン類にばく露(さらされる)する恐れがある作業を行う場合に実施が義務付けられています。
現場のダイオキシン濃度が低い場合でも、教育は必要でしょうか?
はい、濃度に関わらず受講が必要です。法令では、ダイオキシン類にばく露する恐れがある作業そのものに対して特別教育を規定しています。作業者の健康と安全を守るための知識を習得することが目的であるため、事前の測定値にかかわらず、対象業務に就く前には必ず受講してください。
忙しくて時間が取れないのですが、1日で修了できますか?
SATのWeb講座なら、最短1日での修了が可能です。動画講義の合計時間は約5時間33分ですので、集中して受講すればその日のうちに修了証の発行まで進めます。また、隙間時間を利用して数日に分けて学習することも可能なため、業務の状況に合わせて柔軟に進められます。
まとめ
ダイオキシン特別教育は、廃棄物焼却施設などで働く作業者の健康を守るために不可欠な教育です。ダイオキシン類の有害性や正しい作業方法を学ぶことで、重大な健康被害を未然に防ぐことができます。
最近では、24時間いつでも自分のペースで受講できるWeb講座が非常に人気です。SATのオンライン講座なら、顔認証システムによる厳格な受講管理と、分かりやすい動画講義で、確実かつスムーズに資格を取得できます。安全な作業環境を整える第一歩として、ぜひ活用してください。








