研削といしの取替え等業務特別教育とは、といしの取替えと取替え時の試運転に従事する労働者が受講しなければならない特別教育です。そして、その研削といしの取替え等業務特別教育には、インストラクターコースも用意されています。
特別教育の講師を養成するためのコースの受講者はあまり多くないため、インストラクターコースの内容や受講料を知らない方が多いかもしれません。この記事では、研削といしの取替え等業務特別教育インストラクターコースの内容と受講料、特別教育の講師になれる条件などについて解説します。
目次
【研削といしの取替え等業務特別教育の講師資格】インストラクターコースとは?
冒頭でも触れたとおり、研削といしの取替え等業務特別教育インストラクターコースは、研削といしの取替え等業務特別教育を行う講師を養成するためのコースです。
研削といしは、正しく扱わないと作業中に破損し、重大な労働災害を起こす要因になります。インストラクターコースでは、研削といしの取替えと取替え時の試運転の業務に関する専門知識を重点的に学びます。また、教材の作成手法や教育方法など、講師を務めるにあたり必要な技能全般を習得することが可能です。
【研削といしの取替え等業務特別教育の講師資格】インストラクターコースの内容
研削といしの取替え等業務特別教育インストラクターコースは、講義・演習・実習の3形式で学びます。講習の内容は、自由研削と機械研削、どちらも含むのが特徴です。
自由研削と機械研削の違いについては、こちらの記事を参考にしてください。
ここでは、インストラクターコースを開催する中央労働災害防止協会の講座を例に、それぞれのカリキュラムの内容を紹介します。
講義
研削といしの取替え等業務特別教育 インストラクターコースの講義では、以下の科目を学びます。
内容 | 受講時間 |
---|---|
関係法令 | 2時間35分 |
研削盤に関する知識 | 1時間30分 |
研削といしに関する知識 | 2時間25分 |
研削といしの取付け具に関する知識 | 1時間15分 |
といしの覆い、保護具に関する知識 研削油剤に関する知識 研削といしの取付けと試運転の方法 |
2時間10分 |
教育方法 | 1時間20分 |
実習
研削といしの取替え等業務特別教育 インストラクターコースの実習では、以下の内容を学びます。
内容 | 受講時間 |
---|---|
研削といしの取付けと試運転の方法及び総合演習 | 4時間15分 |
講義でさまざまな専門知識を学んだ後は、実習に移ります。研削といしの取替え等業務特別教育のなかで最も重要なカリキュラムの一つとして、4時間以上という長時間の実習が行われます。
演習
研削といしの取替え等業務特別教育 インストラクターコースの演習科目は、以下のとおりです。
内容 | 受講時間 |
---|---|
教育方法(指導案の作成) | 4時間30分 |
教育方法(役割演技) | 2時間15分 |
最後の演習では、特別教育の講師になるための実践的な教育方法を学びます。
【研削といしの取替え等業務特別教育の講師資格】インストラクターコースの対象者と受講料
ここでは、研削といしの取替え等業務特別教育インストラクターコースを受講できる対象者と、気になる受講料を見ていきましょう。
研削といしの取替え等業務特別教育インストラクターコースの対象者
研削といしの取替え等業務特別教育 インストラクターコースの受講対象者は、研削といしの取替えと取替え時の試運転の経験がある方です。
なお、厚生労働省では、研削といしをはじめとする特別教育の講師については、特に資格要件を定めていません。したがって、このインストラクターコースを受講しなければ、特別教育の講師になれない、というわけではありません。
しかし、特別教育の講師については「教育科目について十分な知識と経験を有する人でなければならない」と規定されているため、研削といしの取替え等業務特別教育の講師を務める前には、インストラクターコースを受講しておいて損はないでしょう。
研削といしの取替え等業務特別教育インストラクターコースの受講料
研削といしの取替え等業務特別教育インストラクターコースの受講料は、講義を開催する主催団体で異なります。
なお、講義の内容を参照した「中央労働災害防止協会」では、3日間で71,500円(テキスト代、消費税込)です。一方、各種特別教育の講師養成講座を開催する「建設業労働災害防止協会」では、1日間の講義で 25,000円(テキスト代、消費税込)とされています。
前者と後者を比べると、後者は科目数が少ないことが予想され、必要最低限の知識のみを最短で学ぶことができる講座であることが伺えます。
このように、受講時間や費用は主催団体で大きく異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
講師資格を受ければ、研削といしの取替え等業務特別教育受講は不要?
結論から言うと、研削といしの取替え等業務特別教育 インストラクターコースを修了したとしても、研削といしの取替え等業務特別教育を受講したことにはなりません。研削といしの取替え等業務特別教育を受けないまま該当の業務に従事すると、50万円以下の罰金に処される可能性があるため、注意が必要です。
ただし、技能教習修了などの上級資格を持つ場合や、該当業務に関する職業訓練を受けた場合は、教育科目の十分な知識があると認められ、例外的に特別教育の全科目、または一部科目が省略できるとされています。
上級者は研削といしの取替え等業務特別教育の講師資格、インストラクターコースを受けよう!
研削といしの取替え等業務特別教育には、講師を養成するインストラクターコースがあります。コースの内容は講義、実習、演習に分かれており、研削といしの取替えと取替え時の試運転の方法のほか、研削といしの基本的な知識や、講師として効果的に教育を行うための技能を習得します。
研削といし関連業務の知識と経験がある上級者の方は、キャリアアップの一環として、インストラクターコースを受講することをおすすめします。