衛生管理者は、事業場における多くの衛生面を管理する資格です。
資格区分として第一種と第二種があり、それぞれにおいて対応できる仕事の範囲が異なるため、取得する際には試験の情報を集めておかなければいけません。
また、どちらを取得しても就職や転職で有利に働くため、キャリアアップを目指す方は取得を検討しましょう。
そこで今回は、衛生管理者の資格概要と就職・転職における有利な点について解説します。
面接でアピールする方法についても一緒にみていきましょう。
目次
衛生管理者ってどんな資格?
衛生管理者とは「事業場の労働環境や疾病などの衛生面を管理する者」のことです。
労働安全衛生法第12条では、事業場で働く労働者の数が50人以上いる場合においては、最低1人以上の衛生管理者を設置することが義務づけられています。
ここでは、衛生管理者の資格概要と仕事の内容についてみていきましょう。
衛生管理者の資格概要
衛生管理者として従事するためには「衛生管理者免許試験」に合格する必要があります。また、資格区分として第一種と第二種に分けられています。
第一種免許は全ての業種で対応可能ですが、第二種免許には対応できない業種があるため、設置される事業場が異なります。
具体的な設置場所と試験の出題内容は次のとおりです。
衛生管理者免許 | 設置される事業場 | 出題範囲 |
---|---|---|
第二種 | 有害業務を含まない、一定の業種の事業場 | 有害業務にかかわらないもの |
第一種 | 有害業務による危険度が高い職場を含む全ての事業場 | 有害業務にかかわるものとかかわらないものの両方 |
また、衛生管理者試験は「総得点の60%以上」が合格基準です。
1科目の最低基準である40%以上の得点率に達していない場合は、合格基準に達していても不合格となるので注意しましょう。
衛生管理者の仕事内容
事業場で衛生管理者として従事する場合は、労働環境の改善と労働者の健康障害を防止するために仕事をおこなわなければいけません。
健康に異常が疑われる人に医療の受診を案内したり、作業条件や施設現況などをチェックしたりして、従業員が作業する環境に衛生上の問題がないかを調査します。
少なくとも週に1度は事業場を巡回しながら人と事業場に目を配り、衛生や安全に危険が見られた場合は、すぐに改善に取り組みます。
事業場で健康管理の意識を高めるために衛生管理者がおこなう仕事は、とても大切なものと言えるでしょう。
さらに詳しく!
衛生管理者とは?仕事内容と年収、第一種・第二種の違いを解説
衛生管理者は就職・転職に有利なのか
ここでは、衛生管理者が就職・転職で有利に働くポイントと、面接でのアピールの仕方について解説します。
資格を取得するメリットと活かし方について確認してください。
衛生管理者が就職・転職で有利に働くポイント
衛生管理者は、一定規模の事業場での設置が法律で義務づけられているため、資格を有しているだけで企業に必要な人材として認められます。
人事・総務職への就職や転職を目指している方であれば、就ける業務の幅が広がるといった意味でも、衛生管理者はおすすめの資格です。
とくに、全業種の衛生管理者として従事できる第一種を取得していれば、多くの業界から重宝されるため、就職や転職で有利に働くでしょう。
ただし、1つだけ注意点があります。
受験資格が「大学又は高等学校を卒業した者で、労働衛生に関する実務経験を1年以上積んだ者」と定められているため、誰でも受験できる試験ではありません。
学校教育を受けて数年間の職場経験を得た後、衛生管理者を受験してください。
面接でのアピールの仕方
衛生管理者として転職を考えているのであれば、必ず企業での面接が求められます。
面接は、自分の社会的価値を伝える場所なので、とても大切です。
その際に衛生管理者免許をアピールするのであれば、次の2点に留意してください。
NO | 留意点 |
---|---|
1 | 衛生管理者は、組織の一員として働くための資格であって独立するためのものではない |
2 | 衛生管理者は、人事・総務の部署以外の人も任命される場合がある |
これらを念頭に置くことで、衛生管理者資格が人材価値を高める材料として評価されやすくなります。
事業場の環境を良くするために衛生管理者の設置は必須なので、企業が社会的に信頼された衛生管理者の採用に積極的なのは、当然と言えるでしょう。
一緒に取得しておきたい資格
衛生管理者と一緒に取得しておきたいおすすめの資格が「安全管理者」「防火管理者」「危険物取扱者」です。
これらは、取得までの難易度が高くなく、資格を有していることで企業からの評価はさらに上がります。
衛生管理者試験に合格して転職を考えているのであれば、同時に取得しておくことで知識を有効活用できるでしょう。
また、第一種衛生管理者の知識を活かせる資格が「社会保険労務士」ですが、他に学ばなければいけない科目が多いため、簡単に合格できる試験ではありません。
まずは取得しやすい資格試験から挑戦し、自分の市場価値を高めてください。
まとめ
今回の記事では、衛生管理者の資格概要と就職・転職における有利な点について解説しました。
衛生管理者は、一定規模以上の事業場での設置が法律で義務付けられているため、需要の高い資格です。
とくに、全ての業種で衛生管理者になれる第一種を取得することで就職や転職の面接で有利に働くでしょう。
また、衛生管理者と一緒に安全管理者や防火管理者、危険物取扱者や社会保険労務士などの資格も取得して、自分の社会的価値をさらに高めてください。