建築物石綿含有建材調査者

工作物石綿事前調査者講習とは?概要や受講方法を解説

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アスベストは1970年代半ばまで安価な保温・断熱材として建築物に利用されてきましたが、現在は中皮腫を発症させる原因物質として使用が禁止されています。

しかし、アスベストを保温・断熱に使っているのは建築物だけではありません。

今回は工作物の事前調査を行うために必要な、工作物石綿事前調査者になれる講習について解説します。

アスベストを使った工作物とは

アスベストは、1970年代まで安価な保温・断熱材として建築物だけでなく工作物にも使われてきました。

工作物とは、配管設備や焼却設備・貯蔵設備・発電設備などの設備が該当します。また、煙突・反応槽・加熱炉・ボイラー・トンネルの天井板、プラットホームの上家、遮音壁などにもアスベストが使われていることがあります。

このような工作物は、改修や解体の前に石綿の有無について調査する義務は課せられていますが、これまで、調査を行う者については特に資格を求められていませんでした。

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しかし、この度法律が改正されて、工作物の改修・解体をする前に、有資格者による事前調査が必要になりました。そのための資格が、「工作物石綿事前調査者」です。

令和8年1月1日より有資格者による事前調査が義務づけられる

令和8年(2026年)1月1日より、工作物を改修・解体を行う際、アスベストが含まれているかどうか工作物石綿事前調査者による事前調査が義務づけられます。

したがって、それまでに工作物の改修・解体を行う際は、工作物石綿事前調査者の有資格者に調査を依頼する準備を調えておくか、従業員に資格を取得してもらう必要があります。

なお、工作物ならば全て石綿が含有されているかどうかの調査が必要なわけではありません。 「石綿障害予防規則第三条第四項ただし書の規定に基づき厚生労働大臣が定める工作物」に指定されている反応槽や加熱炉、ボイラー及び圧力容器などが調査の対象です。

例えば、配管設備のうち建築設備系配管である給水設備、排水設備、換気設備、暖房設備などは建築物の一部となるため除かれています。事前調査の義務化が始まる前に、調査が必要な工作物の種類も把握しておきましょう。

工作物石綿事前調査者講習とは

ここでは、工作物石綿事前調査者講習とはどのような講習なのか、紹介します。 誰でも受講できる講習ではないので、受講条件をしっかりと確認しておきましょう。

工作物石綿事前調査者講習の受講資格

工作物石綿事前調査者講習の受講資格は、建築物石綿含有建材調査者講習登録規定第16条の6によってさだめられています。

一例を挙げると、以下のような方です。

  • 石綿作業主任者技能講習修了者
  • 大学で工学に関する課程を修めて卒業した後に2年以上の工作物に関する実務経験がある方
  • 短大で工学に関する課程を修めて卒業した後に3年以上の工作物に関する実務経験がある方
  • 高等学校または中等教育学校において工学に関する課程を修めて卒業した後に7年以上の工作物に関する実務経験がある方
  • 工作物に関して11年以上の実務経験を有する方
  • 建築行政または環境行政(石綿の飛散の防止に関するものに限る。)に関して実務経験2年以上の方
  • 特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者で工作物石綿事前調査に関して実務経験が5年以上ある方

この他にも、受講資格が定められています。詳しくは登録規程第16条6を確認してください。

工作物石綿事前調査者講習のカリキュラムとは?

工作物石綿事前調査者講習のカリキュラムは、以下の表のとおりです。

科目時間
工作物石綿事前調査に関する基礎知識11時間
工作物石綿事前調査に関する基礎知識21時間
石綿使用に係る工作物図面調査4時間
現場調査の実際と留意点4時間
工作物石綿事前調査報告書の作成1時間
合計11時間

出典:厚生労働省「工作物石綿事前調査者講習」

ご覧の通り、計11時間の講習を受ける必要があります。

さらに、全ての講習を受講した後に筆記試験が実施されます。

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筆記試験で一定の成績を取得すれば工作物石綿事前調査者の資格を取得できます

なお、石綿作業主任者技能講習修了者であれば、「工作物石綿事前調査に関する基礎知識1」の講義科目の受講を免除することができます。

建築物石綿含有建材調査者講習と工作物石綿事前調査者講習の違い

建築物石綿含有建材調査者講習は、建物を改築・解体する際に石綿が含まれているかどうか事前に調査することができる資格です。

講習には、一般・特定・戸建ての3種類があります。

一般特定は全ての建築物の石綿含有の調査が行えます。

戸建ては、一戸建て住宅および共同住宅の内部に限って調査を行なえます。一戸建ての場合はマンションやアパートの共有部は調査できません。

そして、 工作物石綿事前調査者講習とは、前述したように工作物における石綿事前調査を行うことのできる資格を取得できる講習です。

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石綿含有の事前調査ができる範囲の違いと理解しておきましょう。 なお、建築物にかかる石綿事前調査はすでに有資格者による調査が義務づけられており、講習も多くの場所で実施されています。

建築物については2023年10月から、
有資格者の事前調査が義務化
されました。
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工作物石綿事前調査者講習を受講する方法

ここでは、工作物石綿事前調査者講習を受講する方法について紹介します。

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こちらのページより、工作物石綿事前調査者講習の予約を受け付けております。

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各講習会場では受講人数に限りがあります。義務化が始まる令和8年1月1日直前には予約殺到が予想されますので、受講予定の方はなるべく早めにお申し込みされることをオススメします。

工作物石綿事前調査者講習の受講が必要かをチェック表で確認

ご自身が工作物石綿事前調査者講習の受講が必要かどうか気になる方も多いかと思います。下記のチェック表を参考に受講対象かどうかをご確認ください。

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チェック表を確認後、もし工作物石綿事前調査者資格が必要であった場合は、必ず工作物石綿事前調査者講習を受講するようにしましょう。

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