フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

【2023年1月最新】フルハーネスに関するよくある質問をわかりやすく回答!

フルハーネス特別教育 よくある質問(Q&A)

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「どの墜落制止器具を使えば良いか?」「フルハーネス特別教育の対象者の条件が複雑でわかりにくい…」 「自分の業務はフルハーネス特別教育を受ける必要があるの?」 フルハーネスや特別教育(フルハーネス型墜落制止用器具取扱特別教育)について、このような疑問や不満を持っている方は、少なくありません。

この記事では、フルハーネスに関して詳しく解説し、法改正のポイントや状況による器具の使い分け、また特別教育に対してよくある質問をまとめました。 わからないからと言ってうやむやにしてしまっていると、違法になるケースも多々あります。 複雑でわかりにくい条件を簡単に解説しているので、これを機会に理解し、安心して業務にあたれるようにしましょう。

フルハーネス特別教育に関するよくある質問

フルハーネスに関して労働安全衛生法では、2019年2月1日に法改正が行われました。 2022年1月1日まで猶予期間でしたが、今現在は猶予期間も終わり改正後の労働安全衛生法が適用されています。 ただし、フルハーネスをはじめ特別教育等に関してよくわからないといった方はいるのではないでしょうか? そこで以下のセクションでは、フルハーネスに関するよくある質問を種類別にまとめます。

・労働安全衛生法の改正ポイント
・胴ベルト型安全帯とフルハーネスについて
・特別作業用の安全帯について
・フルハーネス特別教育について

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

労働安全衛生法の改正ポイント

旧規格品は使用できる?

法改正では、2022年1月1日まで猶予期間が設けられており、期間内であれば旧規格品も使用が可能でした。 しかし、今現在は猶予期間を過ぎているため、新規格品のみ使用可能で旧規格品は使用できません

製造年月日はどこでわかる?

フルハーネス型墜落制止用器具の製造年月日は、ワンタッチバッグルやプレートバックルの裏側に記載されています。 また、フルハーネスの肩ベルトに縫い付けられているメーカーラベルにも記載されているため、どちらかで確認が可能です。

旧規格と新規格の違いは?

旧規格の安全帯と新規格の墜落制止用器具は、衝撃荷重に対して大きな違いがあります。 これまで使用されていた旧規格の安全帯は、落下試験に安全帯を装着して行った場合、グリップやフック、カラビナにかかる衝撃荷重が8.0キロニュートン以下でなければならないとされていました。 一方で新規格では、アブソーバーに対して第一種・第二種の区分が設けられており、それぞれで衝撃荷重が異なります。

・第一種アブソーバー:4.0キロニュートン以下
・第二種アブソーバー:6.0キロニュートン以下

旧規格と比較すると、新規格の墜落制止用器具の方が基準が厳しい傾向です。 新規格の墜落制止用器具は基準を満たすため、これまで以上に丈夫な素材を使用したり、ショックアブソーバーの大型化を図ったりしています。 これまで以上に墜落による労働災害防止を意識した器具なので、必ず「墜落制止用器具」の記載がされた新規格のものを使用して作業に従事してください。

胴ベルト型安全帯とフルハーネスについて

胴ベルト型安全帯とフルハーネスの違いは?

胴ベルト型安全帯とフルハーネス型墜落制止用器具は、どちらも作業者の落下事故を防止するための器具です。 胴ベルト型安全帯は、腰部分にベルトを装着して使用します。 着脱が簡単で動きを妨げることもないため、長年にわたり高所作業に従事する方に使用されているのが特徴です。

一方でフルハーネス型は、腰以外にも肩や太ももを支えて作業者の身体を守ります。 X型やY型、サスペンダー型など種類が複数あり、作業環境や内容にあわせて選べるのが特徴です。

現在、法改正により銅ベルト型が使用できるのは6.75m(建設業においては5m以下)の高さとされています。 もし6.75mを超える高さで作業する場合は、フルハーネス型墜落制止用器具の着用が必要です。

というのも、胴ベルト型は落下時に腰または腹部に荷重がかかるため、呼吸を制限する恐れがあります。 フルハーネス型は衝撃時の荷重が分散されるため作業者への負荷が軽く、安全性を確保しやすいため、現在はフルハーネス型の着用が義務付けられているというわけです。

胴ベルト型安全帯は使用できなくなる?

法改正後も高さ6.75m以下(建設業においては5m以下)の作業については、胴ベルト型を使用できます。 ただし、旧規格のものではなく安全性をこれまでよりも高めた新規格の銅ベルト型安全帯しか使用できません。

また、高さが2m以上の場所で作業床の設置が困難な場合に作業する方は、フルハーネス型の着用が義務付けられています。 そのため、可能な限りは胴ベルト型安全帯とフルハーネス型墜落制止用器具の使用を切り替えるのではなく、フルハーネス型を使用するのがおすすめです。 墜落による労働災害時の負荷をできる限り少なくし、自分と周囲の人間の安全性を高めましょう。

第一種・第二種ショックアブゾーバーの違いは?

ショックアブソーバーには、第一種と第二種があります。それぞれで衝撃荷重や自由落下距離に違いがあるのが特徴です。 第一種・第二種ショックアブソーバーの違いとして以下の表をご覧ください。

また、第一種と第二種のどちらを使用するか悩む場合は、フックを掛ける位置で選ぶのがおすすめです。 フックを掛ける位置が腰より低い場合は第二種を選択し、腰より高い場合は第一種ショックアブソーバーを選んでください。

ランヤードとは?

ランヤードは、合成樹脂製のロープやストラップにショックアブソーバーなどの部品を取り付けたものを指します。 墜落制止用器具で言えば「命綱」に該当する場所です。そのため、使用前には必ず点検し異常がないことを確かめたうえで使用しなければなりません。

また、高所作業では主ランヤードと副ランヤード(補助ロープ)の2つを使用するのも特徴です。 命綱としての役割を果たすのは主ランヤードですが、かけ替えをする際に副ランヤードを使用して安全確保します。 そのため、副ランヤードは主ランヤードよりも短く、使い勝手よく作られています。

ランヤードは1丁掛け?2丁掛け?

ランヤードは1丁掛けで使用しても問題ありません。 ただし、2丁掛けでなければいけないと安全意識を持っている作業現場も少なくないため、2丁掛けのランヤードを用意するのが間違いないでしょう。

器具を組み合わせて使用するとき、異なるメーカーでも大丈夫?

異なるメーカーの器具を組み合わせて使用するとき、従来の安全性能を引き出せない可能性があります。 そのため、異なるメーカーを組み合わせて使用するのはやめておきましょう。

現在販売されている新規格の墜落制止用器具は、試験基準を全てクリアされているものが販売されています。 墜落制止用器具は墜落による重大な労働災害防止のために必要不可欠なので、販売されているものから自分に適したものを選択して使用しましょう。

違う高さを行き来するときは、何を使えばいい?

作業現場で違う高さを行き来する際、フルハーネス型墜落制止用器具を使用しましょう。 一回ごとに切り替えるのは面倒ですし、高さに関係なくフルハーネス型を使用する方が安全で効率的であるためです。

これまでご紹介した通り、6.75m以下の高さであれば胴ベルト型安全帯でも使用できます。 ただし、6.75mを超えた場合はフルハーネス型の着用が義務付けられています。 胴ベルト型安全帯は落下時の負担が大きいといったデメリットも持ち合わせているため、違う高さを行き来する際はフルハーネス型の着用を意識しておくと間違いないでしょう。

中古品は使用しても大丈夫?

フルハーネス型墜落制止用器具は、メルカリやヤフオクといったフリマサイトでも販売されています。 ただし、以下の観点から使用はおすすめできません。

・見た目以上に劣化が進んでいる可能性がある
・買い直しになると結局損する

また、ロープやランヤードの使用期限は使用開始から2年、ベルトは3年が目安です。 高所作業の事故は命にも関わるため、中古品ではなく新品を購入しましょう。

器具を洗濯したり、加工しても大丈夫?

墜落制止用器具を選択したり、加工したりするのは避けましょう。器具の説明書に記載されている内容を参考に、手洗いで手入れしてください。 また加工に関しても安全面を考慮して避けることをおすすめします。 可能な限り安全面を保った状態で墜落制止用器具を使用しましょう。

特別作業用の安全帯について

山林斜面の立木調査業務では何を使用する?

山林斜面の立木調査業務では、フルハーネス型墜落制止用器具の使用を心掛けましょう。 山林斜面2m以上の高さにおける転落・墜落事故の可能性を含んでいます。

脚立などの使用方法も含め、ロープ高所作業に該当する場合は、墜落制止用器具の使用方法が大切です。 斜面が急な場合もあるため、安全には十分に留意して作業してください。

高所作業車ではフルハーネスを使用する?

高所作業車を用いて作業する場合でも、高さが6.75m以上であればフルハーネス型墜落制止用器具の着用が義務付けられています。 高所作業車のバケットが作業床と認められるためフルハーネス特別教育の受講は必要ありませんが、胴ベルト型安全帯は使用できないためご注意ください。

ただしフルハーネス型墜落制止用器具はさまざまな場面で登場するため使用方法を正確におさえておくことが大切です。 特別教育の受講が義務付けられている場面も多いため、積極的に受講をご検討ください。

柱上安全帯は使える?

柱上安全帯は、法改正後に「墜落制止用器具」として扱われないため使用できません。 柱上安全帯には十分な墜落制止機能が備わってないためです。

法改正が施工される2022年1月1日までは使用可能でしたが、現在は柱上安全帯の使用が認められていないためご注意ください。 柱上作業に従事する方は他と同様、フルハーネス型墜落制止用器具を使用しましょう。

法面工事では安全帯が必要?

法面工事においてもロープ高所作業であればフルハーネス型墜落制止用器具の着用が義務付けられています。 労働安全衛生規則で定められている内容としては、以下の通りです。

”事業者は、ロープ高所作業を行うときは、身体保持器具を取り付けたロープ(以下この節において「メインロープ」という。)以外のロープであって、要求性能墜落制止用器具を取り付けるためのもの(以下この説において「ライフライン」という。)を設けなければならない 労働安全衛生規則 第539条”

実際、フルハーネス型墜落制止用器具にはいくつか種類がありますが、傾斜面作業用のものも販売されています。 そのため、法面作業を含めてロープ高所作業を行う場合は、フルハーネス型の着用を徹底しましょう。

フルハーネス特別教育について

フルハーネス特別教育の義務化

2018年に法律が改正され、規定の高さ以上での業務においては、フルハーネス型安全帯の装着が義務付けられています。 これは、以前のU字吊り型安全帯や胴ベルト型安全帯での落下事故の際にベルトが緩んで体が抜けることの防止や、胸部や腹部などの身体的なダメージがフルハーネス型安全帯のほうが軽度であるためです。

規定の6.75m(建設業では5m)以上の場所では、フルハーネス型安全帯の使用が義務付けられているため、作業に従事する際にはフルハーネス型安全帯についての必要な知識を身に付けておきましょう。

ここで1つ注意すべき点は、「規定の高さ未満の作業時においてフルハーネス型安全帯が推奨されていないわけではない」ということです。

高さ2m以上の作業床等のない高所作業では、フルハーネス型安全帯の着用が原則として定められていますが、着用者が地面に到達する恐れがある場合は胴ベルト型安全帯を着用できます。 着用時のメリットとしてフルハーネス型安全帯の着用が1番大きいことからも、規定の高さ未満での作業における使用方法が現在におけるフルハーネス型安全帯の課題の1つとも言えるでしょう。

では、フルハーネス特別教育の対象者はどういった方になるのでしょうか? 次のセクションでは、フルハーネス特別教育の対象者について解説します。

フルハーネス特別教育の対象者は?

「安衛則第36条第41号」に定められている対象業務に該当する人がフルハーネス特別教育の対象者です。 安衛則第36条第41号には「高さ2m以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務」と規定されています。 具体的な作業内容は下記のとおりです。

No.フルハーネス型安全帯の着用が必要な業務
1高さが2m以上の箇所であり、作業床を設けることが困難なところにおいて、フルハーネス型を用いておこなう作業
2一連の作業の過程において一部、作業床を設けることが困難な箇所があり、フルハーネス型を使用する作業

上記がフルハーネス型安全帯の対象業務です。 さらに具体的な作業内容を見ていきましょう。

No.具体的な作業内容
1送電線架線作業、柱上での作業(電気、通信柱など)、木造家屋など、低層住宅における作業
2建築鉄骨や鉄塔の組み立て・解体・変更作業・屋根面を作業床とみなされない急勾配(勾配6/10以上)での作業
3滑りやすい材料の屋根下地であり、屋根足場を設けることができない屋根上作業
4足場の組立て・解体・変更作業において、つり棚足場の足場板の設置・撤去などの作業
5スレート屋根上作業で踏み抜きによる墜落防止対策のために、歩み板を設置・撤去する作業

注意すべき点は、作業の全てが特別教育の対象となる場合もあれば、作業過程の一部が対象となる場合もあるというところです。 その他、フルハーネス特別教育を対象とした疑問がある方は次項を参考にしてください。

受講カリキュラムについて知りたい

フルハーネス特別教育は、学科講習と実技講習の2つにわけて実施されます。 具体的な講習時間は、学科講習が4.5時間、実技講習が1.5時間です。 学科講習の受講科目について以下をご覧ください。

・作業に関する知識:1時間
・墜落制止用器具(フルハーネス型に限る)に関する知識:2時間
・労働災害の防止に関する知識:1時間
・関係法令:0.5時間

作業に関する知識では、設備の種類や構造、取扱い方法をはじめ点検、整備の方法を学びます。 墜落制止用器具に関する知識では、フルハーネス型の種類や構造、取扱い方法を重点的に学ぶのが特徴です。 そのほか、労働災害を防止するために必要な措置、知識、保守点検の方法や労働安全衛生法の中にある関係条項を学習します。

一方で実技講習は、墜落制止用器具の使用方法について実際に装着したり取り付けたりして学ぶ講習です。 修了後に作業者は、フルハーネス型墜落制止用器具を取り扱えるようになるため、講習を通して必要な知識・技術を身につけましょう。

特別教育を受講せずに作業をした場合の罰則は?

フルハーネス着用と特別教育の義務化にも関わらず未受講者に従事させた場合、作業者と事業者に対して罰則が適用されます。 作業者に対して50万円以下の罰金、事業者には6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金です。 労働災害の観点からも非常に危険なので、必ず特別教育受講後に従事しましょう。

フルハーネス特別教育はどこで受講できる?

フルハーネス特別教育は、以下の3つの方法で受講できます。

・講習会に参加する
・出張講習を受ける
・Web講座を受講する

講習会は、建設業関連の社団・財団法人によって開催されている講習おw受講する方法です。 近隣で開催されている場合は、スケジュールを調整して申し込むことでフルハーネス特別教育を受講できます。 出張講習は、自社に講師を呼んで講習会を開く方法です。 講習会に行く必要がないためスケジュールを調整しやすく、大人数で特別教育を受講する際に簡単な方法といえます。 Web講座は、専門講師の動画講義によってフルハーネス特別教育の学科講習を受講する方法です。 実技講習がないため、自社で開催したり依頼したりする必要はありますが、場所や時間を選ばずに受講できるといったメリットがあります。 もし普段の仕事が忙しく時間を確保できなかったり、スケジュールをあわせて会場に行くのが面倒だったりする方はWeb講座の受講をご検討ください。

まとめ

本記事では、フルハーネスに関するよくある質問についてまとめました。 ポイントをまとめると以下の通りです。

・現在、旧規格の安全帯は使用できない
・旧規格と新規格は耐衝撃性で違いがあり、新規格の方が厳しい基準をクリアしている
・高さ6.75m以下(建設業においては5m以下)の高さでは、胴ベルト型安全帯の使用を認められている
・墜落制止用器具は中古品ではなく新品を基本的に使用する
・フックを掛ける位置が腰より低い場合は第二種、腰より高い場合は第一種ショックアブソーバーを選ぶのがよい

また、法改正後はフルハーネス型墜落制止用器具を使用して作業する方に対して特別教育の受講も義務付けられています。 未受講者の作業従事は罰則が適用されるだけでなく、労働災害の観点からみても非常に危険です。 そのため、講習会場への受講や出張講習を利用したり場所や時間を選ばず受講できるWeb講座を利用したりしてフルハーネス特別教育を修了しましょう。

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