QC検定

QC的ものの見方・考え方とは?QC検定受検に必須の13の考え方について解説

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QC的ものの見方・考え方とは、品質管理の基本的な考え方のことです。

QC的ものの見方・考え方に基づいて品質管理を行うことで、顧客が満足する品質の製品やサービスを提供できます。その品質管理の知識を客観的に証明できるのがQC検定です。

QC検定に合格するには、これらのものの見方・考え方をきちんと理解することが大切です。今回は、QC的ものの見方・考え方の概要、検定に必須の13項目について解説します。

QC的ものの見方・考え方の基礎知識

QC的ものの見方・考え方とは、品質管理の基本的な考え方です。品質管理では、「品質・仕事の進め方・手順・問題の取り組み方」という考え方が存在します。

そして、品質とは、顧客が求める性能や性質のことです。品質は企業の信頼、信用に関わるため、「商品やサービスは品質がすべて」という考えが品質管理業務には必要です。そのため、生産性の向上やコスト削減などは、品質を確保したうえで実施しなければなりません。

また、QC的ものの見方・考え方は仕事に取り組む基本的な姿勢であり、効率的な品質管理や仕事の質の向上につながります。

また品質管理は企業全体で取り組む必要があり、QC的ものの見方・考え方を全従業員が理解しなければなりません。

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QC検定の1級、2級3級では、QC的ものの見方・考え方が出題範囲に含まれます。
品質管理の基礎を身につけるため、1つずつ着実に理解していきましょう。

基本的なQC的ものの見方・考え方13選

QC検定の基礎となる、13種類のQC的ものの見方・考え方について解説します。

1. マーケットイン・プロダクトアウト

マーケットインとは、顧客が求めるものを調査し、その結果をもとに製品を開発、提供する考え方です。顧客が欲しい製品を提供して多くの製品を売るという、顧客志向的なスタンスをとります。

一方、プロダクトアウトとは、会社の方針やつくりたい製品を開発、販売、提供する考え方です。買い手優先のマーケットインと、売り手優先のプロダクトアウトは、相反する考え方といえるでしょう。

マーケットインでは顧客のニーズがあるものだけを売る、顧客ありきの商品開発を行います。

一方、会社優先のプロダクトアウトは、「良い製品であれば消費者が購入する」と考えます。企業がもつ技術など、強みを活かした商品開発を行うのが特徴です。

この2つの考え方は、一方がよい・悪いというものではありません。

QC検定では、両者の考え方の違いを、相反する概念として理解する必要があります。
なお、現在の品質管理においては、マーケットインの考え方が重要とされています。

2. 品質優先・品質第一

品質優先・品質第一とは、「品質・コスト・納期」という需要の3要素のうち、品質を最優先にする考え方です。顧客は品質の悪い製品は購入しないため、品質を第一に管理する必要があります。

ただし、コストをかけると価格が高くなり、顧客の注文の減少が予想されるため利益も減ります。

納期が長いことも注文が減る一因となり、さらに納期が遅れると信頼を失います。品質を優先させるには、コストと納期のバランスが必要です。

3. 後工程はお客様

後工程とは、自分がした仕事の結果を引き継ぐ先の人のことをいいます。後工程の人を「お客様」と考え、お客様が喜んでくれるように仕事をするという考え方です。

お客様と接触する機会がない部署では、お客様の声を聞くことすらできません。自分の都合を優先するプロダクトアウト的な考えになりやすく、最終的に本当の顧客が離れてしまいます。

全ての工程において、全ての関係者が自分の仕事の責任を果たすことが大切です。それぞれが「次の人がやりやすいように」という意識をもって仕事をすることで、全体的な品質向上につながります。

4. プロセス重視

品質のよい製品を製造するには、工程や仕組みなどのプロセスが重要とする考え方です。製品やサービスの品質が悪い場合、プロセスに問題があることになります。

QC検定では、「品質は工程で作る」という広義の意味を理解する必要があります。「品質は工程で作る」とは、各工程で不具合がないか確認すると同時に、不具合が出ないように担保することです。

製品完成後の検査段階で初めて不具合が発覚する、といったことのないよう、各工程で都度問題がないか確認することが重要です。

5. 特性と要因、因果関係

特性とは結果を表す項目で、要因は結果がばらつく原因のことです。品質特性の因果関係を把握することで、変化の兆候がわかり、不具合を防ぐことにつながります。

QC検定においては、特性と要因の因果関係を系統的に表す「特性要因図」を理解する必要があります。特性要因図では結果に至った要因を書き出すことで、問題の因果関係を整理し、原因を突き止めることが可能です。

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特性要因図は魚の骨のような見た目のため、フィッシュボーン図(チャート)とも呼ばれます。
特性要因図はQC七つ道具の一つであり、QC検定の受検に必須の知識です。

6. 源流管理

源流管理とは、製品を製造する上流工程で問題を突き止め、後に残さないという考え方です。仕事の流れの源流にさかのぼって対応し、不具合や問題の再発を防止するという品質管理ならではの考え方といえます。

品質管理の活動方針である「原因に対して先手を打つ」ことこそが源流管理です。問題点が上流工程であるほど影響が大きいため、源流の品質管理が重要とされています。

7. 目的思考

目的思考とは、目的を達成するために合理的な活動をするための考え方で、QC的ものの見方・考え方の土台となるものです。

今行っている活動の目的は何か、目的を達成する活動になっているか、目的に対し整合性がとれているか、という考えが目的志向には必要です。

常に目的を意識し、目的に向かって行動しているか考えることで、真の目的達成につながります。

8. QCD+PSME

QCDとは、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期、生産量など)で、PSMEはProductivity(生産性)、Safety(安全)、Morale(士気)、Environment(環境)です。

QCDは基本的な品質を意味する一方、PSMEはQCDよりも広義な品質の4要素です。QCD+PSMEによる広義の意味の品質管理は、顧客満足度の向上、仕事のモチベーション向上につながります。

QCDとPSMEの各要素のバランスが取れていることで、顧客や市場から製品が認められ、顧客満足度も高くなります。ただ品質(Quality)を追求するだけでは、顧客の満足は得られません。

また、QCD+PSMEの考え方は対顧客だけでなく、社内の従業員にも重要なものです。お客様に喜ばれる製品を作り、かつ生き生きと働ける企業の従業員は、自然と自分の仕事に誇りをもちます。

従業員のモチベーションが上がることで、結果的に良い製品が生まれるのです。

9. 重点指向

重点指向とは、品質などの改善活動で、優先順位を明確にし、効果が大きいものにターゲットを絞って対応することです。優先順位は、問題の緊急度、影響度と重要度、リスクの拡大傾向の視点で判断します。

品質管理においては全ての問題を改善するのが理想的ですが、あれこれ手をつけた結果、中途半端になることはよくあります。

改善活動する経営資源に限りがあるため、人、時間、モノ、金を有効に活用しなければなりません。費用対効果を最大限にするため、優先度の高い問題に人材と資金を集中させ、改善に取り組むのが重点指向の考え方の基本です。

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なお、QC検定においては、重点指向の分析方法であるパレート図とパレート分析を理解する必要があります。

10. 事実に基づく管理・三現主義

事実を重視する品質管理では、データを収集し、統計的方法を使用して分析を行います。

事実に基づく管理とは、過去の経験や勘ではなく、データをもとに客観的事実を整理し、その情報をもとに意思決定するという考え方です。

一方、三現主義の三現とは、現場・現物・現実のことで、問題解決においては机上ではなく現地の状況を重視することを意味します。事実を正しく把握すれば、ほとんどの問題を解決できると考えます。

なお、三現主義に「原理・原則に基づく改善」を加えた、5ゲン主義という考え方もあります。

11. ばらつきに注目する考え方

人、機械、材料、方法が同じでも、完成した製品の性質や寸法にばらつきが発生してしまうのは仕方がありません。

ただし、ばらつきと一口にいっても、偶然に発生するやむを得ないものと、異常で発生する見逃せないものの2つに大きく分かれます。

やむを得ないばらつきは原因を解明できない一方、見逃せないばらつきは作業手順を守らない、環境の変化に対応できていないといった原因が考えられます。

原因が存在する見逃せないばらつきに対しては、ばらつきを把握し、改善策を講じなければなりません。なお、ばらつきの対策は、管理図で工程を管理されるものとなります。

12. 全部門・全員参加

全部門・全員参加とは、お客様に満足してもらう製品を提供するには、全員が責任を持って仕事に取り組む必要があるとする考え方です。一人ひとりが自分の仕事に責任をもち、能力に応じた役割を果たすことが大切です。

この考え方を実践するには、全員が目標や課題を理解できるように、組織目的を明確にする必要があります。個々の役割が組織目的と関連があることを見える化し、業務の大切さを認識させることが大切です。

さらに、役割を達成できる環境の提供や、組織の隔たりをなくして知識や経験を共有することも必要です。

全部門・全員参加の実施により、全員が問題解決に取り組み、組織に貢献しようとする環境へと変化します。

13. 人間性尊重、従業員満足

人間性尊重とは、「人間らしさに重きを置いて特性を発揮する」、「人間の感情を大切にし、想像力、企画力、判断力、行動力、指導力などを最大限に発揮させる」という行動原則です。

一人ひとりに与えられた課題に挑戦することにより、学びや能力向上、創意工夫など、自身のレベルアップにつながります。

課題の解決による達成感で従業員満足度(ES)が高まり、仕事へのモチベーション向上にも効果があります。

なお、従業員満足度(ES)とは、業務内容、人間関係などの職場環境に対する満足度のことです。従業員満足度が高い企業では従業員が生き生きと働けるため、従業員満足の向上を重視する企業も増えつつあります。

QC的ものの見方・考え方は通信講座で勉強しよう

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QC検定は市販のテキストだけでなく、通信講座でも勉強することが可能です。

QC的ものの見方・考え方を理解するには、テキストを読み込む必要があります。その点において通信講座「SAT」のテキストは図解が充実したフルカラーテキストで、重要な項目を理解しやすいよう工夫されています。

また、検定に出るQC的ものの見方・考え方を網羅しているうえに、過去問の類似問題で腕試しすることも可能です。

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市販のテキストだけでは理解しにくかった方は、視覚、聴覚で品質管理を学べる通信講座を上手に活用しましょう。

QC検定に合格するには、QC的ものの見方・考え方の理解が必須!

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QC検定で出題されるQC的ものの見方・考え方は、品質管理を実践するうえで必須の考え方です。

顧客満足度を満たす製品を作るには品質を第一に考えることと同時に、品質管理するには全従業員で取り組まなければなりません。

それぞれの考え方に通ずる部分があるため、個別で理解するよりも関連づけて覚えた方がいいでしょう。

QC的ものの見方・考え方を勉強するには、視覚的に理解しやすいSATの通信講座がおすすめです。フルカラーテキストに加え、解説動画も視聴できるため、テキストを読むだけと比較して理解度が高まるでしょう。

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