2級ボイラー技士

ボイラー技士資格でできる仕事はさまざま!就職時のポイントも解説!

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ボイラー技士は、ビルや工場などの施設において、ボイラーの運転や点検といった業務に従事できる資格です。

空調や温水などを供給し、建物を快適に利用するにはボイラーが欠かせないため、ボイラー技士は就職に有利な資格でしょう。

しかし、各級によって扱えるボイラーの種類が異なるうえに、就職の面でも級が影響する場合があります。

こちらでは、ボイラー技士の基礎知識と主な仕事内容、就職するために知っておくべきポイントについて解説します。

ボイラー技士の資格と就職先

ボイラー技士の基礎知識を踏まえ、その仕事内容と就職先についてみていきましょう。

ボイラー技士の基礎知識

ボイラーとは、石油やガスなどの燃料を燃やした際に発生する熱エネルギーにより、温水や蒸気を取り出すための機械です。

給湯や暖房、高温の蒸気による殺菌や消毒などにボイラーが使われています。簡易ボイラーや小型ボイラーは資格がなくても取り扱いできますが、伝熱面積が3㎡以上のものは資格が必要です。


ボイラー技士は2級から特級まであり、級によって扱えるボイラーの種類が以下のように異なります。

取り扱えるボイラーの種類
2級伝熱面積25㎡未満のボイラー(小規模な給湯機器や冷暖房設備など)
1級伝熱面積25㎡以上500㎡未満のボイラー(工場や病院などのエネルギー資源のボイラー)
特級ボイラーの種類を問わない
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施設で使用するボイラーの伝熱面積に応じ、ボイラー技士の有資格者を選任する義務があります。
ボイラー技士の資格を取得すると、ボイラーのある設備において即戦力として活躍できるでしょう。

ボイラー技士の資格取得方法

ボイラー技士は、全国各地の技術センターで開催されているボイラー技士試験に合格することで取得できます。試験は筆記のみです。

ボイラー技士試験の2級は月に1回程度、1級は年に7回程度、特級は年に1回実施されているため、受験する資格区分の情報について集めておきましょう。

ボイラー技士の受験申請書は、公益財団法人安全衛生技術試験協会または取扱い機関にて無料で配布されています。送料がかかりますが、郵送での取り寄せも可能です。

ボイラー技士の試験に合格し、免許申請書を各都道府県労働局、労働基準監督署から取り寄せた後、東京労働局長に免許申請を行うというのが資格取得までの流れです。

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実務経験など必要になることもあるので、よく確認してボイラー技士の取得を目指しましょう。

ボイラー技士の受験資格

ボイラー技士は、受験資格があるため誰でも受験できるわけではありません。具体的には、階級ごとに一つ前の階級を保有していることが条件です。

特級を受験する場合は1級、1級を受験する場合は二級を取得しなければいけません。また、2級ボイラー技士に関しては受験資格がありませんが、学歴や実務経験によって細かく指定されています。 安全衛生技術試験協会の情報を確認しておきましょう。

ボイラー技士の合格基準

ボイラー技士試験の合格基準は「各科目の得点が40%以上で、かつ、合計点が60%以上であること」と定められています。

出題科目をバランスよく対策することが合格のポイントです。

ボイラー技士の資格と就職先

ボイラー技士の仕事は、ボイラーを正常に運転させて設備の環境を整えることです。ボイラーは稼働時に高温になり、扱い方によっては事故を起こすリスクがあります。

そのため、ボイラーの運転技術のほかに、点検や定期的なメンテナンスを行うことも重要な仕事です。

ボイラーに関する具体的な業務内容は、以下のものがあげられます。

Noボイラーに関する具体的な業務内容
1部品などに付着するススの掃除
2集じん機や公害防止設備の清掃や点検、整備
3ボイラーの燃焼に必要な空気量の調整
4蒸気圧や湯量、煙の濃度などの測定と日誌への記入
5ボイラーに使う燃料の発注や管理

ボイラーに使われる燃料は、重油などの液体燃料、ガスなどの気体燃料の2種類が主流です。油の燃料はススが溜まりやすく、排気ガスには硫黄が含まれます。

排気ガス浄化装置を設置する必要があるので、油が燃料のボイラーはこまめなメンテナンス業務が必要です。

一方、気体燃料はススがほとんど出ないうえに、排気ガスに硫黄が含まれないので、清掃の手間がかなり減ります。

このように、ボイラーの燃料で仕事内容が変わるので、その点もチェックするとよいでしょう。

ボイラー技士が活躍できる職場

ボイラー技士の資格が求められる職場で、代表的なものは以下のとおりです。

Noボイラー技士の資格が求められる職場
1オフィスや商業施設などのビル
2ホテル
3工場
4病院
5学校
6建設会社やビル管理会社

ビルや病院、工場などは、給湯設備や空調設備のボイラーを必ず設置しています。そのため、ボイラー技士の資格があれば業種を問わず、さまざまな施設で活躍できるでしょう。

代表的な職場について簡単に解説します。

建設会社やビル管理会社

ボイラーを使う施設では、建設時にボイラーを設置するタイミングでボイラー技士に立ちあってもらい、設置場所の助言を求める場合があります。

また、多くの大型商業施設やオフィスビルにおいても空調管理や温水の供給時にボイラーが使用されます。そのため、建設会社やビル管理会社での求人は多いのが特徴です。

ビル管理会社や建設会社においてのボイラー技士の需要は非常に高いので、活躍する場所としては典型的な場所といえるでしょう。

ホテル

空調の管理や温水の供給でボイラーを利用しているホテルでは、地下に大型のボイラールームを設けている場合が多くあります。

ボイラーの規模にもよりますが、大型のボイラーが用いられていることが多いため、ボイラー技士の設置が必要な場合がほとんどです。

つまり、ホテルもボイラー技士が活躍できる場所といえるでしょう。

病院

大型の病院はホテルと設計が似ているため、空調や温水の供給時に使用されるボイラールームが地下に設けられている場合があります。

同様に大型のボイラーが用いられている場合は、ボイラー技士の設置が必要です。病院もまた、ボイラー技士にとっての活躍場所といえるでしょう。

ボイラー技士として就職するためのポイント

ボイラー技士の資格があれば就職や転職で有利になるのは確かですが、どの級を取得しているかによって就職のしやすさが異なります。

そこで、ボイラー技士として活躍するためには、以下の点に注意しましょう。

未経験でボイラー技士になれる?

ボイラー技士は2級から取得し、実務経験を積みながら1級、特級と段階的に受験する仕組みです。2級は受験資格が定められていないので、ボイラー業務未経験の方でも受験できます。

実務経験がない代わりに、20時間の実技講習を受講すれば免許が交付されます。

しかし、近年ではボイラー技士免許が不要な、貫流ボイラー(簡易ボイラー)を設置する施設が増えています。

特に、小型ボイラーは貫流ボイラーに変わりつつあるため、資格の需要は減少傾向といわざるを得ません。

未経験、かつ2級で就職するには、「ビルメン4点(5点)セット」を取得することをおすすめします。

ビルメン4点セットとは、2級ボイラー技士第二種電気工事士危険物取扱者乙種第4類第三種冷凍機械責任者のことです。5点セットの場合はこれに消防設備士が加わります。

第二種電気工事士は電気工事の資格で、配電盤やコンセントなどの修理や点検など、ビルメンテナンスの仕事に必須の資格です。

危険物取扱者乙種第4類ボイラーの運転に必要な燃料の取り扱いの資格第三種冷凍機械責任者空調メンテナンスに役立ちます。

これらの資格はボイラーを含めた、幅広いビルメンテナンス業務をカバーできる資格です。

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2級ボイラー技士だけでも就職で効力はありますが、採用でさらに有利になるためには、これらの資格を取得しておくとよいでしょう。

実務経験を積んで上位資格を目指す

小型ボイラーから貫流ボイラーに代わりつつある一方、給湯や空調以外の動力に使われる大型ボイラーの需要は健在です。

2級と比べると1級と特級の需要は高く、就職や転職で有利になるうえに、昇給などのキャリアアップも期待できます。

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2級から実務経験を積んだ後に1級や特級といった上位資格の取得を目指すのが、ボイラー技士として活躍する最善の方法でしょう。

他の資格もあわせて取得する

ビルや工場などの設備環境を整える仕事は、危険も伴うため国家資格であるボイラー技士を必要としています。

しかし、ボイラー技士単体の求人は少なく、清掃員やビル管理者の求人にボイラー技士の仕事も含まれていることが多い傾向です。

例えばビル管理の場合、ボイラー技士の資格が必要な給湯設備や空調設備の調整・管理にくわえて、管理業務や清掃などがあります。

そこで、ボイラー技士の資格を活かしつつ正社員を条件とした求人へ応募するためには、ビル管理士電気主任技術者電気工事士危険物取扱者など他の資格も取得してみましょう。

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他の資格を取得することで、ボイラー関係の業務を含むさまざまな求人へ応募できるようになりますし、正社員の求人も見つけやすくなります。

ボイラー技士で就職するなら上位資格を目指そう

ボイラー技士は、ボイラーの運転や点検、メンテナンスといった業務に従事できる資格です。給湯や空調などは建物に欠かせない設備なので、ボイラー技士はさまざまな施設で求められる職種です。

受験資格が必要のない2級は未経験でも取得できますが、取り扱いできる小型ボイラーは貫流ボイラーに代わりつつあります。

そのため、動力などに使われる大規模なボイラーが扱える1級・特級を取得してキャリアアップを図り、ボイラー技士として長く活躍することも狙えます。

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とはいえ、受験資格の問題もあるために、いきなり1級や特級は受験できません。
まずは2級ボイラー技士の取得から狙っていきましょう。

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